機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜 作:残月
◆◇sideウズミ◆◇
アークエンジェルやオーブの防衛隊に我らの意志を任せると決めた後は彼等を宇宙へと旅出せる準備を進める。オーブの首脳陣に各エリアの避難状況の確認や街の復興の手続きの準備を進めてもらっている。だが私のやるべき事はまだある。
MS開発主任のエリカ・シモンズに任せていた、あのMSの開発計画を確認し我が娘への遺言も遺した。後はアークエンジェルとオーブの艦隊を打ち上げるのみとなった。
最終確認をエリカ・シモンズにしようとするが彼女は見覚えのない……いや、ザフトからの脱走兵で今はオーブの防衛に参加してくれている少年と一緒だった。ザフトの最新鋭の機体であるテスタメントを強奪し、無類の強さを誇るエースパイロット、ラスティ・マッケンジー。
私が近づくと彼とエリカ・シモンズは姿勢を正し、敬礼をする。手で制して敬礼を解かせるとエリカ・シモンズから彼がここに居る理由を告げられる。
「彼に新型の開発のアドバイスを貰っていました。彼の持つMSの開発設計は他の開発者よりも進んでいます」
「俺は俺の思うがままに機体の開発プランを出しているだけですよ。しかし、まあ……遺言と遺品にしちゃ仰々しい物を遺すご予定の様で」
「……必要な事なのだ。私がカガリに遺せる物は少ないのでな」
彼等の持つパッドに計画が凍結させたアカツキの開発プランの設計が映されていた。エリカ・シモンズや一部の関係者しか知らないアカツキのプランを見せているとは意外だった。彼は先程、カガリ宛てに遺した遺言の事も知っている様子だった。
「開発プランのスペックだけ見ても破格なMSですね」
「願わくばカガリが私の遺言を聞かぬ事を……とは思うがな」
「ですが、ウズミ様の想いはカガリ様に受け継がれます。そして、その道を歩む以上は……」
開発プランを見たラスティ・マッケンジーは呆れた様な、それでいながらも納得している不思議な表情をしていた。私の言葉を……私の思いを肯定してくれている。
「何処まで手伝えるかは分かりませんが、やれるだけの事はしますよ。アイツ等は色々と危なっかしいですから」
「ああ……頼んだぞ」
ラスティ・マッケンジーは私に敬礼をした後、パッドを持ったまま立ち去っていく。
カガリは独りではない。兄たるキラと……頼りになる友人が居るのだから。彼もまた、私の想いを継ぐ1人なのだな。
◆◇sideウズミend◆◇
あー、焦った。アストレイ三人娘に連れていかれたのはオーブ行政府の地下施設。そこでエリカ・シモンズさんに見せられたMSと設計プランに言葉を失った。なんせアカツキの開発計画のリストだったんだから。アカツキはまだ基本フレームしか組み上がってなかったけど原型だけは既に存在していたのだから驚きである。
そういや、アカツキはこの頃には開発が進んでいたんだっけ。完成したのがDESTINYの直前だったとか?この辺りはよく覚えてないが、そんな感じだった気がする。
最初に連れて来られた時はストライカーパックの開発の相談だと思っていたのにデータを見せられた首を傾げたっつーの。
オマケにまさかのウズミ様のご登場である。めちゃくちゃ威厳あって話すのも緊張しっぱなしだった。
雰囲気からウズミ様が既にカガリ宛の遺言を遺した後だと知ってしまう。
俺はなるべく、いつもの口調で話したつもりだが先の歴史を知る身としては何ともやるせない気持ちになる。だったらアカツキを完璧な仕様にしてやろう。今まで上手くいかない事が多かったがこればかりは失敗するわけにもいかんだろう。その考えを伝えるとウズミ様から改めて兄妹の事を頼まれた。
んじゃ、頑張るとしますかね。
「ラスティ君。話してたストライクのIWSP装備のプランの改善点も提出しておいてね。データの中の試作武装のリストのチェックもね」
「やる事がいっぱいですなぁ……」
アークエンジェルに戻ろうと思ったらエリカ・シモンズさんに釘を刺された。ストライカーパックの事もそうだが、ブリッツやバスターの強化プランも考えなきゃだからなぁ。次の地球連合の侵攻前までにチェックしないと。