機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜 作:残月
ヘリオポリス崩壊後、クルーゼ隊はアークエンジェルを『足付き』の呼称で呼び、あの船とストライクを沈めるべく行動に出ていた。適度な距離を詰めながら後を追っている最中、アスランがクルーゼ隊長に呼び出されていた。多分、さっきの無断出撃の件での呼び出しだな。と思っていたのだが、俺もアスランの後で呼び出された。なんで?やっぱ任務失敗の始末書かなぁ……
「ラスティ・マッケンジー、出頭しました」
「ああ、入ってくれたまえ」
アスランと入れ替わりで隊長室に入室して敬礼するとクルーゼ隊長は「まあ、楽にしてくれたまえ」と告げたので敬礼を下ろして直立。なんの話なんだろうか……
「我々はこれから足付きを墜とす為に出撃するが……どうにも手が足りなくてね。ミゲル以下二名も撃墜され、私のシグーも小破だ。そこでラスティ……次回からキミにも出撃して欲しくてね」
「ヘリオポリスでの任務失敗への挽回の機会を与えてくださるのは嬉しいのですが……予備のMSは無かったのでは?」
クルーゼ隊長は椅子から立ち上がると如何にも困ってます、みたいな口振りで俺に歩み寄る。出来る事なら出撃したいがストライクの奪還は失敗してるし、予備のMSは無い。どうしろってんだ。
「その事についての話さ。付いてきたまえ」
「は、はい」
クルーゼ隊長に促されるままに隊長室を後にする俺達。向かった先はハンガーだった。そして俺は驚かされる。片腕が欠落して修理中だったミゲルのジンが直っていたのだ。驚かされたのはそれだけではなくカラーリングもだ。ミゲルのパーソナルカラーであるオレンジから深い赤色に変更されていたのだから。
「驚いた様だね。この機体はミゲルの専用機だったが、今後はキミの機体となる。上手く使ってくれると嬉しい」
「はい?」
クルーゼ隊長は俺が驚いていた事に満足したのかクックっと笑みを浮かべた後にミゲルの機体が今後は俺の機体となる事を告げてきた。いや、なんで!?
「実のところ……キミに話すつもりは無かったのだが、これはミゲルの意志なのだよ。地球軍の新型機を奪った後、ミゲルは本国で新型機を受領する予定だった。そうするとミゲル専用のジンは乗り手が居なくなってしまうだろう?故に彼は、この機体を任せられる人物としてキミを指名していた」
「ミゲルが……」
クルーゼ隊長の悲しそうな表情と口調に絆されそうになる。思えば五機のG奪還前からミゲルは俺を鍛えると宣言してシミュレーターに付き合ってくれていた。まさか、この為だったとは……
「他の者に使わせるべきだと意見もあったがセッティング的に乗りこなせるのはキミだけだ。そして私もミゲルと同じ気持ちでね。キミに任せたいんだよ、ラスティ。それにこの機体でミゲルの仇を取ってはくれないかな?」
「……わかりました。この機体を受領させて頂きます。ですが、聞きたい事が」
クルーゼ隊長は俺を持ち上げると同時に煽ってくる。何も知らなければ『部下の気持ちを汲み取る指揮官』に見えるだろうが相手が黒幕だと知っていると『憎しみや使命を奮い立たせて戦争にのめり込ませようとしている』としか思えなかった。本当に怖いよ、この人。この人の言葉の一つ一つで此方を奮い立たせようだしているのが分かるんだから。だが、此処で断るのも不自然だし、ミゲルの専用機を受け継ぐ話は有難い。そして、そこで疑問が残る。
「何故、カラーリングが赤と黒のツートンカラーに?」
「それもミゲルの意志……と言うか彼が私と雑談をした時の話だが『ラスティが専用機を得たらパーソナルカラーは赤ですね』と言っていたのだよ。これも彼の遺言だと思ってくれると嬉しいな、ラスティ」
俺の疑問に答えながらクルーゼ隊長はポンと俺の肩を叩いてからハンガーを後にした。ミゲルに関する話が何処まで本当なのか、分からない。でも、この機体は俺が受け継ぐ。俺は改めて俺の専用機となったジンのセッティングに向かう事にした。
『ミゲル専用ジン/ラスティ専用ジン』
エースパイロット用にカスタマイズされたジン。ミゲル専用機はオレンジ色に塗装されている。基本的な武装は通常のジンと同様が専用のシールドが付属されている。
スラスターやセンサー類が強化されている。そのスペックは通常のジンと比較して約20%向上している。
ガンダムSEED ASTRAYで傭兵叢雲垓との戦いで右腕が破壊されてヘリオポリスの任務には修理が間に合わなかった為にミゲルは通常のジンで任務に就いていた。
修理を終えたミゲルの機体はラスティの搭乗機となった。ラスティの専用機になった際に機体のカラーリングはオレンジから深い赤と黒のツートンカラーに変更されている。