正確には第1話です。
申し訳ありません。
NOside
昨夜の出来事から明けて、修吾は学園の教室で机に突っ伏して微睡んでいた。
「(あ~………こんないい天気なのに授業とかかったりぃ~………サボろっかなぁ)」
………考えている事はまんまダメ人間の思考ではあるが………
「おい、シュウ?何かいつも以上にダルそうだぞ?」
そこへ話し掛けてきたのは隣の席で修吾の友人である「荒垣進次郎」である。
修吾と進次郎の出会いは一年生の時に遡る。
進次郎は趣味の料理で使う食材の買い物の最中、路地裏にたむろっている奴等に絡まれて逆に伸してしまい、仲間を引き連れられて困っていたところを修吾が助けに入り(勝手に乱入)助けられて以来、付き合いがあった。
………余談ではあるが、修吾はその時虫の居所が悪く、修吾に絡んできた相手は全治三ヶ月の上に精神を病んでしまったとか………。
「ん~………あぁ、こんなにいい天気なのに眠いだけだから」
「ふぅん………つかお前、普段から眠そうじゃねぇか」
「………知らないなぁ、そんなことは」
そんな他愛もないやり取りをしている時の事だった………。
「すまない、ここに柊 修吾はいるか?」
教室の入り口から修吾を探す声が聞こえた。
「おい、シュウ?あれって桐条じゃねぇか?」
「………ガッキー、俺は寝てるって言っといて」
「ガッキーって言うんじゃねぇよ………その様子だと、何か面倒事か?あ………」
進次郎は修吾の様子を見てそう予想した。
修吾は何かと面倒事に巻き込まれる習性があった。
一年近くの付き合いだが、進次郎もその面倒事に多少なりとも巻き込まれる事があった。
進次郎自身も慣れてしまったようだが………。
「けど、もう遅いみたいだぜ?」
「………………うわぁ」
心底めんどくさそうにボヤきつつ、顔を上げると修吾を見つけてツカツカと近付く存在がいた。
そこにいたのは赤い髪に容姿端麗でいて、見るものを引き寄せるカリスマ性を持つ女子がいた。
彼女の名は「桐条美鶴」
月光館学園中等部2年であり、修吾や進次郎と同級生である。
「すまない、君が柊 修吾か?」
「………何か用か、桐条?」
顔にデカデカと面倒臭さを表し、応対する修吾に対してクラスメートの反応は………?
「お、おい!桐条さんが柊に何の用なんだろうな?」
「あぁ、同学年でトップの成績の桐条とかたや同学年で面倒臭がりナンバーワンの柊だぜ?接点が見つからねぇよ」
「あ、でもでも柊くんってやるときはやるタイプだから人気高いのよ?」
等々、悪くない反応なのだが如何せん修吾はそれを聞いて尚、面倒臭さを濃くした。
「(ま、こいつは面倒臭がりだけど基本的にはお節介かつお人好しだからなぁ)」
隣にいた進次郎は周りの反応を聞きつつ内心で苦笑していた。
「あぁ、すまない………話したい事がある。
放課後、時間を取れないか?」
そんな周りの反応を気にしていないのか、桐条は修吾にそう告げた。
そんな事を言えば大騒ぎになること必至である。
「おぉっ!あの女帝と言われてる桐条が柊に告白かっ!?」
それを聞いて盛り上がるクラスメートだが、修吾はただ淡々としていた。
「悪いけど、放課後は用事があるから無理だな」
実際には用はない。
帰りに進次郎と別のクラスの人間とラーメンでも食って帰るだけなのだから。
「そうか………なら都合のいい日があったら教えてくれ」
残念そうに言い残して桐条はそのまま教室を出ていった。
「相変わらずのオーラだな、桐条は………しかし、桐条の話したい事って何なんだろうな?」
「………大方、あの事じゃないか?」
事のなり行きを見守っていた進次郎は修吾に問いかけたが、修吾のあの事と言うのを聞いて顔をしかめた。
実は進次郎は何度か影時間に遭遇している。
修吾程身体能力は高くはないが、進次郎もそれなりに身体能力は高い。
近くにあったバス停の標識を持ってシャドウを薙ぎ払って事なきを得たのである。
「あの、訳のわからねぇ時間のことか………桐条が何でそれを知ってるんだろうな」
「さぁてね………別に興味無いし………(本当は影時間の大元の原因は桐条家なのは知ってるけどな)」
面倒臭さを再び出し、そのまま修吾は机に突っ伏した。
そして、そのまま静かに寝息をたてた。
「相変わらず寝るの早ぇな………の○太か、お前」
進次郎のそんな突っ込みは空に霧散していった………。
そして放課後………。
「ん~♪よく寝たぁ」
「ったく、今日丸一日寝てやがったなぁ………こんなんで成績上位だから世の中間違ってる気がするぜ」
身体を解しつつ、上機嫌な修吾とそれを見て不可解にボヤく進次郎。
と、そこに………。
「おい、シュウ!シンジ!」
二人に呼び掛ける一人の男子生徒がいた。
長身で整った顔つきをしており、肉体も引き締まったその生徒はそのまま二人に近付いてきた。
「おぉ~肉彦じゃん!出迎えごくろうさん♪」
「その呼び方止めろ、シュウ!」
「アキ、牛丼にプロテインかけて食う奴が言っても説得力ねぇぞ」
彼の名は「真田 明彦」
進次郎の幼馴染みであり、修吾とは進次郎を通して知り合った仲である。
初対面の時に牛丼屋でプロテインをかけて食べていたのを見て修吾からは肉彦と呼ばれている。
「そう言えば昼休みに桐条が来てシュウに告白したってホントか?」
「………何処でどうネジ曲がってそうなった?」
明彦の発言に修吾は頭を抱えて唸った。
そんな風に噂が広まったら絶対に面倒な事になる………。
「それについては「はがくれ」で話してやるよ、さっさと行こうぜ?」
進次郎に促されて明彦と机でだれていた修吾ら立ち上がって教室を出た。
ラーメン「はがくれ」
「なるほどな、そんな事があった訳か…」
進次郎から話を聞いた明彦はラーメンを啜りながら呟いた。
(尚、明彦のトロ肉醤油ラーメンにはプロテインが入っている)
修吾は修吾で無言でラーメンを啜っている………時おり、顔を険しくしているが。
「ま、シュウが面倒事に巻き込まれるなんてのはしょっちゅうだけどよ」
進次郎もそのままラーメンを啜り、満足そうにしている。
「………………」
「つか、どうしたシュウ?はがくれ来てから無言じゃねぇか」
「そうだぞ?いつもなら旨そうに食ってるだろ?」
オーダーする以外、ずっと黙っていた修吾に流石の進次郎と明彦も気になった。
「………入り口、見てみ?」
「「??」」
言葉少なめに告げた修吾の一言に頭に疑問符を浮かべながら言われた通り、入り口を見た二人は………。
「「ぶふぅっ!」」
「うわっ!キタネッ!」
口に含んだラーメンを吹き出しそうになっていた。
修吾は修吾で危うく服にかかりそうだったが………。
二人が見たものは、はがくれの前の入り口に立ち物凄い形相で修吾を見ている「桐条美鶴」の姿だった。
「お、おいっ!?なんだありゃっ!」
「恐らく教室出たときに付けられてたかな、あの様子だと………」
「周りの人たちも引いて避けてるぞ!?………流石に恐ろしいぞ、あれは」
3人とも口々に恐怖を語っているが、あれじゃはがくれにも迷惑がかかるし気に入った店の出禁もあり得るかもしれない………。
「………ちょっと逝ってくる」
「………まぁ骨は拾ってやる」
「無事に帰ってこい………」
友人二人のありがたい激励を背に外に出た修吾。
「なぁ、シンジ?」
「あん?なんだ、アキ?」
「あれって俗に言うストーカーか?」
「…………」
「…………」
「「((シュウのやつ、無事に戻れるのか?))」」
その頃、はがくれを出た修吾はと言うと………。
「……………」
「あ、いやぁ………」
無言で見てくる桐条相手にシドロモドロになっていた。
「………君は………」
「ぅえ?」
なにかを言い始めた桐条に修吾は間の抜けた返事しか出来なかった。
「君は、私と話すより彼等との食事を優先するのか………」
「うっ………あぁ~いや、そのぉ………」
(流石にその通りです!とは言えない………)
何せ若干涙目で此方を見るものだから何か居たたまれない気持ちになるのである。
「折角………適応者が見つかったと思ったのに………」
「適応者?………あの時間のことか」
「!?」
修吾の発言に目を見開いて驚いた桐条は意を決して修吾に言いはなった。
「君は……一日が二十四時間ではないと言ったら、信じるかい?」
「………普通なら、信じないだろうな………だけど、あんな現象を体験しちまったら何が起こっても驚かないさ」
(一応、知識では知ってるし体感もした………後は具体的な事情を聞くか)
内心で嘆息し、目で話せと桐条に訴える。
「…………ここじゃ目立つし、場所を変えよう」
そう言って桐条はその場を離れた。
(目立つのは、お前がストーカー的なことしてたからだと思うのは俺だけか?)
内心、そんな事を思いつつ修吾は桐条の後を着いていった。
一通り、区切りがついたらキャラ設定を載せようと思います
今回の様に前後編で続く場合もあります。