午前0時 月光館学園前・タルタロス
修吾 side
俺達4人の前に現れたタルタロス。
その禍々しい塔は天高く聳(そび)えており、見るもの全てに恐怖を与える………そんなイメージを抱かせた………。
「月光館学園が………どうなってるんだ!?」
明彦が混乱したかのように叫んだ。
その気持ちはわからないでもない………。
俺だって原作知識が無かったらわめき散らしていただろうから。
「これが月光館学園なんだ………。そして、桐条家の負の遺産でもある」
桐条はタルタロスを見ながら明彦にそう言った。
知識で知るのと実際に見るのとじゃ全く違うと言うのは、本当だな。
「どうする?中に入るか?」
「………本音言えば帰って寝たいとこなんだけどなぁ………」
真次郎が俺達に向き直り、中に入るか聞いてきた。
明彦に関しては既にやる気十分で持っていたバックからグローブを取り出して填めた。
桐条も手に持っていたフェンシングで使われる細身の剣・レイピアを振った。
「…………はぁ、しゃぁねぇか」
溜め息を吐きながらも真次郎もゴルフバックから手斧を出した。
刃が所々溢れているが、殺傷力に関しては高いだろう。
「ま、行くなら行くでとっとと行くか」
俺もバックから大型のナイフを出し、腰に填めた。
実は俺の靴のかかとには更にナイフが仕込まれているため肉弾戦でも効果が期待できる。
「よし、行くぞっ!!」
『おうっ!!』
こうして俺達はタルタロス内部に潜り込んだ。
タルタロス・エントランス
no side
修吾たちがタルタロス内に入ると、大きな階段にその先に大きな扉があり、その脇には置時計が置かれている。
入り口付近にはジュークボックスの様な機械があった。
「しかし、無駄にただっ広いなぁ………こんだけ広いと何かいろんなもんが置けそうだ」
「あぁ、トレーニング器具とか持ち込んでみるか!」
「テメェらちったぁ緊張感持てよ………」
「…………」
修吾と真田は呑気なことを言って荒垣を呆れさせた。
桐条は無言で中を調べている。
「…………んん?」
「どうかしたか、シュウ?」
その時、修吾はなにかに気づき入り口の方を見た。
真田は修吾の様子が気になり、同じ方向を見た。
「誰か…………いや、何かいるぞ?入り口の所に」
「「っ!」」
「何を言っているんだ?さっき入り口には………」
それを聞き、真田と荒垣は直ぐに戦闘態勢に入るが桐条はそんな修吾の言うことに半信半疑のようだ。
「桐条、こういう時のシュウの勘はよく当たるんだ……!」
「あぁ、それも嫌って程になっ!」
何を、と桐条が言う前にドガァッと入り口の方から響いた。
そこにいたのは黒いナニかだった。
わらわらと集まり、分裂していく。
その数、30!!
「くっ!シャドウだとっ!?か、数が多すぎるっ!!」
「ふっ………面白くなってきた!」
桐条はシャドウの数に気圧されつつもレイピアを構え、真田は不適な笑みを浮かべファイティングポーズをとった。
「………あんのバトルジャンキーめ」
「ハッハッハッ………ま、色々とあったし溜まってたんじゃん?それに………!」
修吾はそのまま後ろ回し蹴りをし、襲ってきたシャドウを吹き飛ばし、シャドウをそのまま霧散させた。
「憂さ晴らしにはちょうどいいでしょ!」
「そのストレスの元のテメェらが言うな…………まぁ一理あるか、オラァッ!!」
荒垣は手に持つ斧で横凪ぎに振るい、シャドウを霧散させる。
そしてそのままの勢いで斧を振り降ろした。
「ワァオッ!豪快~♪っとおいしょぉっ!!」
茶化しつつ、ナイフで横薙ぎに振るいシャドウを殲滅していく修吾。
「っと!あいつらは!?」
修吾はそのまま振り向き様、真田と桐条の様子を見るが………。
「フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!」
真田はそのままシャドウ達を殴って霧散させていた。
その表情はまだまだ来い、と語っている。
「…………流石プロテインジャンキー(笑)っと、桐条は………やばっ!?」
桐条の方を見ると、シャドウの数の多さに疲労しているのか反応が鈍くなっており、背後から襲ってくるシャドウに気付かないままである。
「桐条っ!後ろだっ!!」
「はっ!?ぐっ!」
修吾の声に後ろを向くも、レイピアを叩き落とされてしまった。
「くっ!……ペルソっ」
距離を離れ、腰に着いていた拳銃を抜き、米神に当てようとする桐条だが………。
「ぁぐっ!………くっ……し、召喚器が!」
拳銃をシャドウの触手に叩き落とされてしまい、カラカラと修吾の方に転がってきた。
「くっ!………待てよ、さっき桐条は何を………ちぃっ!」
襲いかかってくるシャドウに殴り飛ばしつつも桐条の拳銃を拾い上げ、修吾は米神に当てた。
「(俺に出来るのか………いや、考えてる余裕はないっ!)……行くぜぇっ!!…………ペルソナァッ!!!」
そのままトリガーを引くと、バキンッ!と何かが割れる音が響き渡った。
そして………………
「「シュウッ!!」」
「くっ………ひ、柊………!君は」
修吾の背後に現れたナニか………。
愛の文字が入った兜に白い陣羽織の下に鎧を着こんだ武者が現れた。
「これが………俺のペルソナ………」
修吾は自分の中から現れた武者を見て呆然としていた。
まさか自分に出るとは思わなかったからである。
「まぁいい、呆けるのは後だ!………肉彦、ガッキー!桐条!さっさと終わらせるぜ?」
「っ!あ、あぁっ!!」
「ったく、心配かけさせやがって………!」
「わ、わかった………(何故彼がペルソナ能力の事を知っているんだ………後で問い詰めるか)」
修吾のペルソナ召喚で3人は半ば呆けていたが、修吾の一喝で気を取り直してシャドウに向き直る。
「カネツグ、『ガル』っ!」
修吾のペルソナ『カネツグ』が風を発生させシャドウの1体を霧散させ、その隙に修吾が別のシャドウを斬り伏せ蹴り飛ばす。
「最後の一体位は派手にいかないとなぁっ………肉彦っ!そっち行ったぜ?」
「任せろっ!ダァァァッ!!」
その蹴り飛ばされたシャドウは真田の方まで吹っ飛び、真田の全力パンチでまた吹っ飛び………!
「アキッ!」
「チッ!行けオラァッ!!」
荒垣の方に飛んだシャドウは荒垣の斧のフルスイングで最期にエントランスの天井まで吹っ飛び………
「「ホームランッ!!!」」
そして天井にぶつかり、霧散した。
「イェ~イ♪」
「あぁ、お疲れ!」
パァンと修吾と真田がハイタッチし、
「ガッキー♪」
「あん?………あぁ」
荒垣はそっぽを向きながらも手を出し、そのままハイタッチをする。
「桐条♪」
「あ、あぁ………」
桐条は戸惑いながらも手を出し、ハイタッチする。
「ハッハッハッ………じゃ、俺は疲れたから寝る………」
「「「シュウッ(柊っ)!!」」」
笑いながらそのままバタンッと倒れた修吾に3人が駆け寄った………。
修吾が倒れたことにより、3人の紹介もうやむやになってしまいまた後日、紹介することになった。
次回予告
疲労で倒れた修吾をそのまま病院で入院させる事となった一行。
修吾はその最中、不可思議な現象を目の当たりにする事となる。
次回
第3話 夢の中でのアクシデント
「俺ってホント、面倒事によく合うなぁ」
「それが貴方の運命です!」