うずまき忍者 in DxD   作:min-can

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エ糞シスト、美少女シスター

 夜の帳が降りた町を駆け抜けていく。

 

「...くそ、あいつらと戦う前に影分身を出しとくんだった」

 

 シスターとエクソシストが何処に行ったのか見当もつかない。

 俺含め大量の分身で人海戦術を行っているし、見つかるのも時間の問題ではあるだろうけど...

 

 今日は諦めるという事も考えたが、妙に嫌な予感が頭から離れない。それに、俺が堕天使を二人屠った時点で向こうも急いで計画とやらを開始する可能性は高い。

 

 誰かがチャクラ花火を打ってくれればすぐ動けるんだが...

 

 影分身の人海戦術を行う時は、分身でツーマンセルの部隊を大量に作る事にしている。何か異常を発見した場合は本体に情報共有する為に片方が消えてもう片方は待機、または緊急性が高ければ対処する。その際他の影分身や本体が迅速にその場所を把握できるように、チャクラを有している人間しか見えない特殊な花火を打ち上げる。更に色によって意味も変わり、赤色なら全員集合、青色なら全員分身解除、緑色なら全員待機だ。

 

 屋根を伝っている時、異常を察知した。一軒の家に結界が張られている...それも教会御用達の人払いの結界だ。

 

 俺は横の分身に目配せする。頷いた後分身を解除して消えてくれたので、チャクラ花火を打ち上げる...色は赤だ。エクソシストくらいなら俺一人で対応できると思うが、何があるかは分からない...人手があるに越したことは無いだろう。

 

 窓をぶち破って侵入する。

 そこにあったのは今まさにイッセーがエクソシストに襲われている様であった。イッセーここ数日で何度命に危機に瀕してるんだ...

 

「何事...ってぐぺぇ!!」

 

 すかさずエクソシストを蹴り飛ばす。

 

「無事かイッセー!」

 

「ナルト!!!なんでここに...!」

 

「結界が張ってたから来てみたんだ...それで、どういう状況なんだ?」

 

「えっと、仕事でこの家に来たらエクソシストが居て、い、依頼主を殺してて...アーシアも居て、アーシアが殴られて...」

 

 イッセーは突然の事態で結構動揺しているみたいだ。

 ふと横を見ると凄惨な死体が十字に磔にされていた。こいつ...

 

「まぁだいたいわかった。要するに、こいつは倒すべき糞野郎って事だってばよ」

 

「ってぇぇぇ...!!いきなり人を蹴り飛ばすなんてどんな教育受けたんでござんしょ!あまつさえ俺を糞呼ばわりとかムカつくざんすねぇ...」

 

「イッセー下がっててくれ、その子を守ってやるんだ」

 

「わ、わかった!アーシア、こっち!」

 

「は...はい!」

 

 イッセーがシスターの腕を引っ張る。なるほど、こりゃ確かに美少女だ。

 

「無視!?無視ですかい!?よよよ...語尾にだってばよなんて付ける野郎に無視されるなんて、こりゃあちょっとやそっとじゃ怒りが収まらないですなぁ!!」

 

「...うるせぇ!お前の行いは許されねぇ!忍として、ここで処理させてもらうってばよ!!」

 

「へぇへぇ、きっしょいと思ったら堕天使サマが言ってた忍ってお前の事か!でもいいざんすか?これでも俺様忍くらい殺した事ありますですが、そんなに大見得張ってコロッと逝っちまったら一生の恥ですぜ?まぁ殺すから恥を感じる暇もないけどね!それって救いじゃね?俺様ってば救済の徒になっちゃったりして!?」

 

 放置していると無限に下らない事を喋りそうなので、クナイを取り出して切りかかる。

 

「ふぉう!良いねぇ、速いねぇ!!けど...余裕なんだよカスが!!」

 

 エクソシストの光の刃とクナイで何度も切り結ぶ。もう片方の手に持ってる拳銃も使ってくるが、避けるかクナイで弾いてやりすごす。

 

「...っこの!!ちょこまか鬱陶しいなおい!!お前なんざさっさと殺してそこの悪魔君とアーシアたんをわからせないと気が済まないんだけど!!死んでくれね!?」

 

 そう言いながらイッセーの方向に拳銃を向ける。

 

「...!」

 

 すかさず反応して光弾を弾くが、致命的な隙を晒してしまった。

 

「さぁていっちょ上がりっと!!」

 

 光の剣が俺の腹に突き刺さらんと向かってくる...その刹那横から高速で手裏剣が飛んで来た。

 

「ぬわっと!!何奴!!」

 

 エクソシストが剣で防いだので、その隙に脇腹にクナイを突き刺す。

 

「ぎぃぇぇええ!!痛ってぇ!!糞!!おファック!!」

 

 エクソシストは大仰に叫びながらも冷静に後ろに飛び去る。

 

「間一髪だってばよ」

 

「悪い...こいつふざけた態度の割に結構やる奴で」

 

 最寄りの分身が来てくれたらしい。これで3人、分身を犠牲にする手段も選択肢に入るのでかなり有利だ。

 

「とりあえずお前はイッセー達をカバーしてくれ、二人でやる」

 

「了解!」

 

 一人をイッセー達の守りに回せたので、思う存分戦闘に集中できる。更には時間が経てば経つほど分身が集まってくるから趨勢は決したと言ってもいい。

 

「なんだお前ら三つ子ですか!?三つ子なんですか!!?きっしょ!同じ顔ばっかり揃えてどういうつもりなんざんすか?」

 

「こいつらは分身だっつの。俺は俺一人だ...」

 

「分身...?あぁ、実態を持った分身って奴か?聞いてる聞いてる...はぁぁぁ!!?糞だりぃなぁおい!!あーあ...興覚めだわ、くっそつまんねぇ。はーうざ、お前、絶対いつか殺すから...それまでご健勝で死ね!!ほなばいちゃ!!!」

 

 エクソシストが何かを地面に投げつけると大量の煙が拡散してしまった。

 

「...っぐ、見えない!」

 

 俺は螺旋丸を作り出す。一人で作ってるから回転と圧縮が甘いが今回はそれでいい。雑なチャクラの乱回転が煙を吹き飛ばしていく。

 

 煙が晴れるとそこには誰も居なかった。

 

「...逃げられたか」

 

「た、助かった...のか?」

 

「あぁ、ひとまず安心のはず...ってイッセー!お前両足怪我してるじゃねぇか!大丈夫なのか!?」

 

 恐らく神父に撃たれたと思われる銃創からじわじわと血が漏れ出していた。光の弾で撃たれた事を加味するとかなり痛いはずだが、イッセーは我慢強いようだ。覗き等の制裁で痛みになれたのかもと一瞬頭によぎったがイッセーの名誉の為に否定しておいてあげよう。

 

「痛てぇけど...大丈夫。俺なんかよりアーシアは大丈夫なのか?」

 

 イッセーがアーシアと呼ばれるシスターの頬を撫でる。そこには痛ましい痣が出来ていた。

 ...あのエクソシストがやったって言ってたっけか。

 

「は、はい!これくらい平気です!イッセーさん、今治療しますから...」

 

 アーシアさんがイッセーの足に手をかざすと、指輪が顕現し淡い光がイッセーの患部を包んだ。

 

「...神器(セイクリッド・ギア)か?」

 

「はい。聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)と言います...あの、ナルト...さん?危ない所をありがとうございました」

 

「ん?あぁ、気にしなくていいよ。こちらとしてもやる事が明確になってすっきりだしな」

 

「どういう...?」

 

 ふと、力を察知する。

 ...堕天使が集まって来てるな。あのエクソシストが増援を呼んだのか?それともあいつの敗走を察知してやってきたか...どちらにせよやはりこの少女が計画の要という事で間違いないだろう。

 一応正当防衛で通用するはずだが、堕天使側とドンパチやりすぎた...この任務俺より適任な奴絶対居たじゃん。もっと潜入任務得意な奴を選んで欲しかったな。

 とにかく、ここまで敵対してしまった以上もはや平和的解決は不可能だ。堕天使側のエクソシストが一般人を殺している以上大義名分は充分にあるし。

 

 ...それに、もし計画とやらが堕天使側の総意ならば、もうとっくにある程度の位の奴が出て来て第三勢力である俺に話をつけに来てもおかしくない。となるとあの教会に居る堕天使達の独断の可能性が高いと考えて良いだろう。問題は無いはずだ...あったら堕天使側でのタダ働きで交渉しよ。

 

「...ありがとうアーシア!もうすっかり治ったよ!」

 

「良かったです!」

 

「ほら、アーシアも自分の怪我を治さないと...せっかくの可愛い顔が台無しだ」

 

「そ、そんな...可愛いなんて...」

 

 ほーん、結構いい雰囲気じゃん。

 決して邪魔したい訳じゃないがそろそろここを離れないと不味いな。

 

「おほん!お二人とも悪いがそろそろここを立ち去らないと不味いってばよ。そこでアーシアさん...君に一つ聞きたい」

 

「はい」

 

「今ここに堕天使達が向かってきてる...君の持つ選択肢は二つだ。ここに残って堕天使の元に帰るか、俺達と一緒にここから逃げ出して堕天使と決別するか」

 

「それは...」

 

「難しい問題だとは思う。けど、少なくともイッセーは今すぐ逃がさないといけない。今なら君も連れていけるけど、あくまで君の意見は尊重してあげたいから聞いてるんだ」

 

「私は...その...」

 

「アーシア、一緒に逃げよう!」

 

「イッセーさん?」

 

「俺バカだからあんまりよく分かってないし、もしかしたら何か事情とかあるのかもしれない。けど...けど!俺はアーシアに...君みたいに優しい子にあんな堕天使やエクソシストなんかとつるんで欲しくないんだ!」

 

「えっと...」

 

「そりゃ悪魔の俺の事なんか信用できないかもしれないけど!...悪魔がダメならそこのナルトは忍ってやつらしいから、きっと力になってくれると思う。もちろん俺も出来る事は何だってやってやる!!だから...一緒に逃げようアーシア!」

 

 イッセーがアーシアさんに向けて手を差し出す。

 

「でも...ご迷惑をおかけするかもしれません」

 

「迷惑なんてあるもんか!さっきも言ったけどアーシアの為ならなんだってやってやるさ!」

 

「イッセーさん...私、私...一緒に行きます!行き場の無い私を拾ってくれたのは堕天使様でしたけど...やっぱりあんな酷い事をする方達と一緒に居たくないです」

 

 アーシアさんがイッセーの手を取った。

 

「良く言ったアーシア!!じゃあ、急いで逃げるぞ!」

 

「は...はい!」

 

「待て待て二人とも、ただ走ってちゃ堕天使に追いつかれる」

 

「じゃあどうすりゃ良いんだ?」

 

「そりゃあ俺が担いで行くってばよ。ひとまずオカ研の部室に匿うぞ、あそこなら堕天使も手を出せない...アーシアさんには少し酷かもしれないけど、あそこにいる悪魔達はみんなイッセーの仲間で良い奴らだから安心してくれ。ダメだったら忍として俺が助けてやれるし」

 

「は...はい!大丈夫です!」

 

「こらナルト!アーシアに色目使ってるんじゃねぇ!」

 

「使ってねぇよ!...ったく、それじゃあ行くぞ」

 

 二人を分身一人づつで担ぎ、最後の一人は殿を務める。

 

「しっかりつかまってろよ!」

 

 窓から飛び出して屋根へと飛び乗り、全速力で駆け出す。

 

「うわぁぁあ!!おいナルト!!なんつー速度で走ってんだ!!」

 

「きゃああああ!!」

 

「ア...アーシア大丈夫か!?」

 

「は...はい!!大丈夫です!」

 

 爆音や光が背を叩く。恐らく分身が堕天使と戦っているのだろう...好都合だ。

 

 後もう少しで駒王学園に到着するといった所で後ろから光の槍が飛んで来た。

 

「ちっ!!」

 

 殿の俺が影分身を生み出して対処しようとするが、気付くのが遅かった...間に合わ

 

「螺旋丸!!」

 

 前方から突然現れた俺が槍を消し飛ばした...本体だ。

 

「お前ら良くやった。このまま部室まで向かってくれ!」

 

「助かった!」

 

 本体が向かったのならもう大丈夫だろう。今日決着をつけるのか、後日つけるのかは分からないけど本体が決める事だし二人を送り届けたら分身解いて情報共有しないとな...

 

 ラストスパートをかけて駒王学園に到着する。

 

「よし...ここまで来たらもう大丈夫だろ」

 

「うぅ...お前、めちゃくちゃだな...車より早いんじゃないのか...うえぇ!」

 

 イッセーを落とすとフラフラと立ち上がろうとしてダウンした。

 ちなみにアーシアさんは丁寧に下した。

 

「目が回ります...」

 

 アーシアさんもダウンしているようだ。二人には悪い事したな...でも、最後の一撃から考えて結構ギリギリだったし許してほしい。

 

「さて...それじゃあ俺達は消えるけど、念の為に一人残しておくからこの俺と一緒に部長に事情説明頼んだぞイッセー...あの人お前には甘いし」

 

「わ...わかった...てか、お前分身だったのか...なんつーかほんと無茶苦茶な奴だけど、助かった。ありがとうナルト」

 

「良いんだよこれくらい。それよりイッセー!なんでもしてやるって言ったんだからしっかりアーシアさんの事守ってやれよ?アーシアさんにとっては悪魔に囲まれるのは大丈夫と分かってても怖いだろうからな」

 

「当たり前だっつの!...戦闘面じゃダメダメだったし、そこくらいはちゃんとやるっての!」

 

「おう!それじゃあな...」

 

 分身解除の印を結び、俺という存在は情報を携えたチャクラと化して本体へと吸い込まれていった。

 

 

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