ふと気づくと檻の前に居た。
...ここに来るのも久しぶりだな。自分から来た訳じゃないから九尾に呼び出された訳だけど、一体なんの話だろうか。
「なぁ、なんでわざわざここに呼び出したんだ?」
良くも悪くも封印が緩くなってきた影響で、現実世界に意識がある状態でも九尾はその気なら会話出来る。俺から九尾はいっつも無視されるのが腹立つけど。
「赤龍帝のガキ...いや、赤い龍について話しておこうかと思ってな」
「またなんで急に?」
「そろそろ我慢も限界なんだ。いちいちお前に邪魔されるのも不快だからな、ワシが奴を恨む動機というやつを教えてやろうと思ったのだ」
「何を言われたとてイッセーを殺すつもりはねぇってばよ。まぁ、確かに腹の中でずっとイライラされてると俺も困るし、理由は聞いてみたい所だけど」
「まぁなんでも良い...お前もワシの話を聞けば少しはこの怒りを理解するだろうさ」
九尾はそれだけ呟くと足を組んで座り、ぽつぽつと語りだした。
「あれはワシがただの九尾だった頃だ。住処の山でただ静かに暮らしてた...忍も人間も悪魔も何とも関わらねぇ、ムカつく奴は殺すしムカつかねぇなら生きるのを許す。そうやって過ごしていた」
まぁ確かに、俺が怒りに包まれたり九尾にとって不快な何かがない限りは封印の中でも静かに過ごしているし、そうやって暮らしてたんだろうな。そう考えると九尾を表の世界に引きずり出したのは罪と言えるのかもしれない。
「そんなある日だ。二匹の龍がワシの住む山までやってきやがった」
「それが赤い龍と白い龍...って事か?」
「あぁ。奴らはひたすら移動しながら喧嘩し続けていた。そうして移動し続けあらゆる場所を破壊し続け...ついにワシの目の前に現れたのだ」
二天龍の大ゲンカについては超絶有名だ。なんて言ってもあの三大勢力が唯一共同戦線を張った事例なのだから。にしてもまさか九尾と二天龍に関わりがあったとは知らなかった。
「ワシは奴らを殺すべく襲い掛かった...業腹だが奴らは尋常じゃない強さだった。しばしの三つ巴の末にワシは奴らに負けてしまった」
がりがりと爪で地面を削る音がする。
「それは良い。ワシが弱かったというだけだ...だが奴ら、ワシが倒れた後も住処で争い続けやがった!!ワシが再び目覚めた時にはもう、住処はどうしようもないくらい終わっていた。もはやあの場所に生命が芽吹く事は無いだろうというほどに...!」
グルグルと当時を思い出した怒りを抑えるかのように唸り始める。
「当時は怒りを抱えながらも、弱かったワシが悪いのだと諦め次の住処を探した。そうして見つけた次の居場所も...奴らの餌食になった」
「えぇ...」
「二回...二回だぞ!?しかも奴ら離れようとしたワシをわざわざ追いかけて三つ巴にしやがった...!!たまには他の奴も交える方が刺激になるなどとほざきながらなぁ!!」
封印の檻を拳で殴りつけた。
正直、あまりにも九尾が不憫すぎる...せっかく復活したのにもう一回殺されるなんて。
「その戦いでワシは存在が危ぶまれるほどのダメージを負い死んだ...長き時を経て復活を果たした時、未だ傷の癒えきっていなかったワシの目の前に写輪眼の忍が現れ、ワシは幻術によって操られた...それ以降は貴様も知っている通りだ」
「つまり...二天龍が居なければ弱ってなかったから、写輪眼の瞳力なんかに操られる事は無かったと」
「当たり前だ!!人間如きがワシをどうこうしようなどと、思い上がりも甚だしいわ!!!」
そして人間世界で大暴れを繰り広げ、忍の神と呼ばれた男によって撃退され、神による
「貴様ら忍にも思う所はあるが、全ての始まりは奴らだ...そんな忌み敵がのうのうとワシの近くに存在しているのがどうにも我慢ならん」
「だから、俺に殺して欲しいって...?」
「そうだ。残念ながらここからワシが出来る事には限りがあるからな...お前に殺してもらうのが一番手っ取り早い」
「随分弱音吐くじゃねぇか。いつものお前なら封印をぶっ壊して俺を殺して奴を殺すくらいは言いそうな所だけど」
「...黙れ」
そんなに赤い龍が近くに居るのが不快...いや、下手したら軽くトラウマになっているのかもしれないな。
イッセーはライザー戦以降、
あの禁手の時にイッセーから感じた実力以上の何かのプレッシャー...あれがドラゴンの、赤い龍の威圧感だったのだと思う。それを感じた九尾は色々と思い出したのだろう。怒りも、憎しみも、恐怖も、何もかも。
「でも、悪いがイッセーを殺す事は出来ねぇ」
「ケッ、どうせそう言うだろうと」
「お前の怒りは理解できるし、心底不憫に思う...けど、イッセーは関係ねぇからな。殺す訳にはいかねぇってばよ」
「....」
「代わりと言っちゃなんだが、赤龍帝としてのイッセーには...後どこにいるか知らない白龍皇にも、俺が勝ってやるよ」
「あ?どういう意味だ」
「九尾の...お前の人柱力である俺が赤龍帝と白龍皇に勝ってやる。そうすりゃちょっとは留飲も下がるんじゃねぇか?」
「.....」
「イッセーはバカでドスケベだけど、大事な友達だ...だから、殺せねぇし一緒に居たい」
俺は九尾に向かって拳を向ける。
「約束だ。俺がお前の力で二天龍を倒す、代わりにお前はイッセーを赤い龍でなくイッセーとして扱う...悪くないだろ?」
九尾はしばらくの沈黙の後、俺の方に腕を伸ばして...デコピンの要領で俺を弾き飛ばした。
「痛ってぇ...何しやがる!」
「ちょっとはおもしれぇ事言うじゃねぇか...良いだろう。赤龍帝のガキはしばらく我慢してやる」
「ありがとう九尾!」
「とはいえ赤龍帝のガキが居る以上、白いのが出てくるのも時間の問題だろう...てめぇ、白いのに負けたらただじゃおかねぇからな?」
「ただじゃおかないって何するんだってばよ」
「そりゃその時考える。これは契約だ...今の約束を破ったらお前は一つワシの言う事を履行しろ」
「もしもお前の言うことってやつを無視したら?」
「絶対にお前がやらないような願いをいうつもりはねぇ。そのレベルならどうにかしてこの封印を破壊する方が手っ取り早いからな」
「封印から出るつもりはないって事か?」
「この契約においてはな。気色悪いが俺とお前は一心同体だ...今の俺が人柱力から出るのがどういう事なのかくらい分かってる。やるならそのつもりの時だけだ」
「分かった。今更そこに関してお前を疑うつもりはねぇ...暴走しちまうのは俺の制御が甘いからだ」
「ケッ...なんでもいいが、ワシは好きな時に封印を破壊出来るようなるべく緩くする努力は惜しまないからな。精々足掻いてみろクソガキ」
「おう!お前にとって外よりこっちの方が居心地良いって思ってもらえるように頑張るってばよ」
「そんな時は一生こねぇだろうが...まぁいい。用事は済んだ、さっさと消えやがれ」
「お前から呼んだくせに...それじゃあ、話してくれてありがとうな」
九尾は顔を逸らして眠る態勢に入った。もう一言も話すつもりはありませんってか?
まぁいいや。どうせ話す機会はこれからもあるだろうし、今日は九尾の知られざる過去を教えて貰えただけ儲け物だ。
俺は意識を表層に浮上させていく...
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「ん...」
そうだ、部室で仮眠取ってたんだった...そこそこ時間も経ったし、今日は先に行けって言ってたイッセーも部室に...
「なに、したんだ?」
視界に映るイッセーは顔面を酷く腫れさせていた。誰かにマウントポジションを取られて殴られたかの如く、ひたすら顔面が傷つけられていた。
その傷をアーシアさんが
「いや、その...」
「女子更衣室のロッカーに隠れて覗きをしてました。自業自得です」
答え辛そうにしていたイッセーの代わりに塔城さんが答える。そしてこの惨状の原因は君なんですね、グッジョブ。
「お前って奴はどうしてこう...」
「うるせぇ!そこにしかない楽園があるんだよ!」
「イッセーさん、女性の着替えを覗くなんてダメですよ...そ、そんなに女性の裸が見たいのでしたら私が...」
アーシアさんがイッセーにしなだれかかる。相変わらず積極的だなぁ...
「いやいや、アーシアは無理しなくていいんだよ!見たいけど、そうじゃないだろ!」
イッセーはブンブンと首を振る。こっちも相変わらずだな。
「そうね、裸が見たいのなら私に言えばいいのよ?お風呂でもベッドでも、いつでもOKなのだから」
そう、ライザー戦以降...というかそこらへん前後で何があったのかは知らないが部長がイッセーにほの字になってしまった。そしてイッセー家のホームステイに乱入したのだ。今ではあいつは部長とアーシアさんのサンドイッチ状態なのである。
別に羨ましいとかじゃないけど、イッセーにばっかり恋愛フラグが立っているのは少し理不尽な気がする。もうちょっとくらい俺にもなんかあってもいいじゃん...せっかくの高校生活なのに、血なまぐさい事しかしてない気がする。
「羨ましいんですか?」
塔城さんが話しかけてきた...相変わらず勘の鋭い子だな、猫又としての能力なのかもしれないけど。
「羨ましいって訳じゃないけど、俺にもちょっとくらい春を分けて欲しいなとは思った」
「...ナルト先輩はイッセー先輩みたいにならないでくださいね」
「ならないけど...」
「ならいいです」
それだけ言うと読書に戻ってしまった。塔城さんも塔城さんで少し不思議ちゃんだよな...グレモリー眷属野中でも少し雰囲気が違うし。まぁそんなところに救われているんだけど。
そうしていつものように、部活の時間は過ぎていった...
.......
「使い魔ですか?」
イッセーが部長に聞き返す。
「えぇ、あなたとアーシアはまだ持っていなかったわよね。使い魔は悪魔にとって必須だから、そろそろ用意しないといけないと思って...今日は二人の使い魔を見繕うわよ」
「いきなりっすね」
「特に用事は無いでしょう?なかなか予約を取るのも難しいから、悪いけど付き合ってもらうわよ?」
「予約っすか...いや、俺とアーシアの為なんですからむしろ大歓迎なんですけど」
「良かったわ。今から使い魔のたくさん住み着いてる森に転移するのだけど、そこには使い魔の専門家の方が居てね、彼に頼めば使い魔は当日ゲット間違いなしなのだけど予約が常に埋まっているのよ」
「へぇ、そんなすごい人が」
「準備できましたわ」
姫島さんが部長に報告する。
「実際に見るのが早いわね、今から出発するわよ」
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転移した先は日の光のまるで届かない鬱蒼とした森だった。悪魔の皆は夜目が効くから良いけど、俺にはかなり暗く感じてしまう。
「ゲットだぜ!」
後ろから突然声が聞こえる。あまりの大声にアーシアさんがイッセーの背に隠れてしまった。
「俺の名はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指して修業中の悪魔だ!」
「彼が先程言った専門家のザトゥージさんよ。例の子達を連れて来たわ」
「OK!さえない顔の男子と金髪美少女さんね、俺にかかればどんな使い魔でも即日ゲットだぜ!」
ザトゥージさんはひたすら大声で叫ぶ。こんなんで本当に使い魔を即日ゲットできるのか...?使い魔に逃げられそう。
「さてさて、どんな使い魔がご所望かな?強いの?速いの?毒持ちとか?」
ザトゥージさんはイッセーに抱き着きそうな勢いでがっついて質問をしていく。
「え、えっと...いまいち分からないんでオススメ教えて下さい」
イッセーがドン引きしながら答えると、ザトゥージさんはニヤリと笑みを浮かべてからカタログを取り出した。
「俺のオススメはこれだ!龍王の一角、『
「いきなりラスボスオススメしてんじゃねぇ!誰もゲットしてねぇなら意味ねぇじゃねぇか!!バカか!?」
「いいじゃない。伝説のドラゴン同士意気投合できそうじゃない?」
「無理っすよ部長!」
「確かに、意気投合する前にありんこみたいに潰されそうだな」
「そりゃそうだ!龍王ってなんだよ!絶対強えぇじゃん!」
「龍王は二天龍より少しだけ力の劣る五匹の龍の事だな。天龍の下だから龍の王達って訳だ」
「おいナルト...つまり現存するドラゴンで最強って事だよな。馬鹿野郎!!そんなの使い魔に出来るわけないじゃないっすか!もっと捕まえやすくて友好的なのは居ないんすか!?」
「ハハハ、それならこれだ、ヒュドラ!こいつはすごい毒を持ってる!しかも不死身!主人すら毒殺する最悪の魔物だ!すごく有効的だぜ?」
絶対に字が違うな...イッセーもそれがわかってぴくぴくと頬を痙攣させていた。
「...部長、こいつ殴っていいっすか?」
「落ち着きなさいイッセー、ヒュドラなんてすばらしいじゃない。ちょうどこの森の奥に居るからゲット出来るわよ?これも何かの縁というやつかもしれないわ」
「勘弁してください!俺より強いバケモノなんて要らないですよ!」
イッセーとザトゥージさんの問答は続いていく...
イッセーもイッセーだがザトゥージさんが酷い。どう考えても悪意ある使い魔の選出しかない。アーシアさんにはさらっと良さげな使い魔を紹介していた辺り確信犯だ。
「こりゃ長くなりそうだってばよ...」
.....
それから、使い魔をゲットするためのアドベンチャー(笑)が続いた。ウンディーネという単語に興奮したイッセーがそのあまりの漢らしい肉体美に絶句したり、イッセーが獣に追いかけまわされたり、イッセーが変な植物に飲み込まれたり、イッセーが毒沼に落ちたり、イッセーが変な虫にさされて顔をパンパンに腫らしたり...イッセーしか被害食らってねぇな。
「そういえば最近は、
「
イッセーは疲労困憊と言った様子で尋ねる。いい加減ザトゥージさんのツッコミにも疲れたらしい。
「いや。なんでもまだ子供らしくてね、ゲットするなら今しかない。成熟すれば龍王ほどではないがドラゴンの中でも上位の激レア個体だからね...って、あれ!あれだよ
ザトゥージさんの指さす先にワシくらいの大きさの幼龍が羽を休めていた。
「あれが
部長が呟く。確かに宝石みたいに綺麗な鱗をしている...う、俺もちょっと欲しいな。ペットにしたら楽しそうだ。
「よっしゃ、捕まえて...」
「キャア!」
イッセーが勢いよく飛び込もうとした瞬間、アーシアさんが悲鳴を上げた。
そちらを見ると緑色の何かがアーシアさんを襲っていた。というか他の女子部員みんな襲われていた。
「スライムか...」
木場が呟く。動く様子は無いからそんなに危険は無いのかな?などと考えていると、衝撃的な展開に発展した。
服が溶けていったのだ...!みんなの下着が露になって、更に下着すらも...
木場は即座に目線を逸らしていた。イッセーはガン見だったけど。俺も少し遅れて目を逸らしたが...
「げほっ...!なんで、塔城さん...」
「見ないでください」
何故か俺が殴られた。あまりにも理不尽が過ぎる...と思ったらイッセーも殴られていた。
ついでに蹴られてた。可哀想...
そうこうしているうちに触手のようなものが木の枝から降ってきて女子皆に絡みつき始めた。
...少し見たいけどこれ以上塔城さんに殴られるのは勘弁なのでこのまま顔を伏せていよう。
「こいつは特に名称は無いがただのスライムと触手だな。よくコンビを組んで女性を狙うんだ...スライムは衣服を、触手は女性の分泌液を狙ってね」
なんてはた迷惑でエッチな漫画にでも出てきそうな生命体なんだ...ほんとどうしてそんなのが存在してるの?神様の設計ミスか?
などと考えているとイッセーが立ち上がった。
「俺、この触手とスライムを使い魔にします!!こいつらこそ俺が求めていた人材です!!」
「イッセーやめとけ!これ以上は女子からの評価を下げるような事は控えろ!俺まで巻き添え食らうだろ!」
「知らねぇよ!こいつらこそが俺の使い魔に相応しいんだ!!絶対に使い魔にする!良いですよね部長!!」
「あのねイッセー、使い魔は悪魔にとって重要なのよ?ちゃんと考えなさい」
「わかりました...やはり使い魔にします!」
思考時間僅か2秒。イッセーの本気度がうかがえる。
そうこうしているうちに姫島さんや塔城さんは触手とスライムを焼いたり引きちぎったりで駆除していた。
「やめてください!!こいつらに罪は無いでしょうが!!」
「イッセー、こういう役に立たない生き物は駆除するに限るわ。どきなさい」
「いやだいいやだい!俺はこいつらと共に上を目指すんです!こいつらと世界を羽ばたくんです!!」
イッセーが唯一駆除されていないアーシアさんのスライムと触手を守るべくアーシアさんに抱き着く。
「イッセーさん、私に抱き着くなんて...」
アーシアさんは満更でもなさそうに顔を赤くする。
「スラ太郎、触手丸...俺の大切な相棒!!お前達だけは絶対に守ってやるからなぁ!!」
「あらあら、もう名前までつけているのですね」
姫島さんが楽しそうに言う。
「スライムと触手をここまで渇望する悪魔は初めて見た...世界は広いな、グレモリーさん」
「ごめんなさい...この子、欲望に正直な子だから、よく考えてくれないの」
どうにかアーシアさんを救おうとするもイッセーが抱き着いているのではどうにもならない。
こりゃあ本格的にイッセーの使い魔にするしかないかという雰囲気が流れる中で、いつのまにか
突如蒼い雷がイッセーに襲い掛かる。ってかこっちも!!!
「アガガガガガガガ!!!」
「イッセーさん、だいじょうぶですか?」
抱き着かれていたアーシアさんは無事なようだ。スライムと触手、イッセーだけが被害を受けている。
「
黒焦げになっているザトゥージさんが解説してくれる。俺と木場ももれなく雷撃を食らってしまった。
...こいつ、オスだけ狙って雷撃しやがった!!なんて野郎だ...
「スラ太郎ぉぉぉ!!触手丸ぅぅぅ!!うわぁぁぁ!!!!」
イッセーが黒焦げの魔物の死体を抱きしめて泣き叫ぶ。
「どうやらその子はオスのようね。ドラゴンは他生物のメスも好きだって聞くし」
イッセーが黒いオーラを巻き上げながら立ち上がる。
一方被告人はあくびをしながらアーシアさんに甘えていた。
「俺は怒ったぞ...スプライト・ドラゴォォォォン!!!」
イッセーの魔力が周囲に漏れ出す。
「すさまじいオーラ!イッセー、どうしてそういう力を他に使わないの!」
部長が驚きと呆れを混ぜたような反応をする。
「いやらしい欲望と純粋な性欲。それらを裏切られた激しい怒りがイッセー君を突き動かしているんだね」
「ついでにドラゴン同士、好きな女の子を他のオスに取られそうという嫉妬心もありそうだな」
「....ドスケベがキレただけ」
「お前ら冷静に分析してんじゃねぇ!畜生...この、天に轟く我が龍の力!!その身で受けて消え失せろ!!」
イッセーが魔力を纏った拳を蒼雷龍に放とうとして...
「いじめちゃダメです」
アーシアさんが守るように抱きしめたので寸止めに終わってしまった。
「どうやらその子に懐いてしまったようだね」
ザトゥージさんがうんうんと頷いてる。
「あ、あの、このドラゴンくんを使い魔にしてもいいですか?」
アーシアさんが気まずそうに尋ねる。
「イッセー次第ね、どうかしら?」
イッセーは拳を握りしめた後、コクリとうなづいた。
こうして
...ちなみにスラ太郎と触手丸の死体はイッセーが丁重に埋葬していた。
定期的に墓参りに来ると誓っていたので、その時は暇ならついて行ってやろう。暇なら。