うずまき忍者 in DxD   作:min-can

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チャクラコントロールとは

 俺は今、じいさんと一緒に中庭にいる。

 昨日の話の通り、忍術の修業をつけてもらう為だ。

 

「さて、まずは基本になる12の印じゃ。これを覚えなければ何も始まらんからの...」

 

「ちゃんと覚えてるよ...ほら、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥!」

 

 密かに自慢できる俺の特技だ。他にも作中でしっかり印が出てる術もいくつかは覚えている。

 

「ふむ...意外じゃの。この前テストした時は半分も覚えとらんかったのに」

 

「あはは...頑張って覚えたんだ、ってばよ」

 

 うぅ...はやくてばよにも慣れないといけないな...

 

「そうかそうか。やる気があるようで何より...ただし全体的に崩れがちだの。基本が大事なのじゃ、これから毎日教本を見ながら正しい形で出来るようにするんじゃぞ?」

 

「わ、わかったってばよ...」

 

「うむ。では基本中の基本、チャクラコントロールを教えよう」

 

「おぉ!!」

 

「いいか?チャクラとは己の身体エネルギーと...」

 

「それも分かってるってばよ!」

 

「ほう?では言ってみろ」

 

「身体エネルギーと精神エネルギーで練り上げられたエネルギーがチャクラで、印を組む事でチャクラを引き出して術を発動する...だろ?」

 

「うむ。合っている、が...おぬし本当にナルトか?」

 

「え?あぁ!いや、えっと...それだけ本気だって事だってばよ!!うん!」

 

 危ない...早く術の修業したいからってあんまりナルトっぽくない事してると怪しまれるな。

 

「そうか...まぁよい。では、チャクラを練ってみろ」

 

「む...はぁぁぁぁ!!」

 

 よくわからないけど、力を解放するイメージで体を強張らせる。

 出来てるような出来てないような...

 

「...こちらはダメなのか」

 

「だってわかんないし...チャクラっぽいものを感じる事は出来るけど、練り方が良くわからなくて」

 

「ならば目を瞑って己の内のエネルギーの流れをきちんと感じるのじゃ」

 

「うん」

 

 なんとなくわかるような...うーん。確か輪廻眼はチャクラの流れを逆転させる事でチャクラを吸収してたし流れる向きとかがあるんだろうけど...

 

「とにかくチャクラが自在に練れるようにならんと話にならん...しばらくはそれが目標だの」

 

「わかった」

 

「ふむ。わしはやる事がある。チャクラを練れるようになったらわしの部屋に来るんじゃ」

 

「....」

 

 一切練れていないという事は無いと思うんだけど、良くわからないな...

 印を組んでみたら何かわかったりするだろうか?

 

「未、巳、寅...分身の術!!」

 

 ポという音が鳴って何も生まれなかった。

 一応術を全く発動させる事が出来ない訳でもないのか...?という事は引き出せてはいる訳だから、必然的に練れてるって事で...

 

「なら...影分身の術!!」

 

 人差し指と中指を十字にクロスさせて叫ぶ。

 

「こっちは何も起こらないのか」

 

 こちらは一切反応が無かった。影分身は印だけじゃ無理なのか?でも、あの頃のナルトが読んだだけで出来たんだしそれほど難しい物でも...いやそもそも俺には忍の基礎も糞もないからそこからか...または原作で言う封印の書が絶対必要なのか?

 まぁ、今はいいや。分身の術は反応してくれるしこちらを利用しよう...

 

「よし...もう一回分身の術!」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 それから数時間して、ようやくチャクラを練る感覚が掴めてきた。それに伴ってチャクラの知覚もある程度できるようになってきた。全然操作できないけど...

 

「はぁ...疲れた」

 

 精神的に疲労しているのを感じる。

 でも、これでようやく次の修業に進める。

 

 じいちゃんの部屋に向かう。

 

「ん?もう出来るようになったのか?」

 

「うん...はぁぁぁぁ」

 

「...うむ、一応練れているようだの。これからは毎日チャクラを練ってもっとスムーズに練れるようにするのじゃぞ?」

 

「おう!じゃあ、これで術の修業に!」

 

「いや、まずは体術の修業じゃ。今のおぬしには精神エネルギーが足りん。精神エネルギーは修業によって身につく。ついでに体術は忍にとって必須故、やって損はないぞ?」

 

 体術か...まぁでも言ってる事に間違いはない。今の俺の精神は甘ったれ一般人の物だし、精神エネルギーと肉体、ついでに格闘技術が学べるとあればやらない理由はない。

 

「じゃあ早速中庭に!」

 

「そう急かすな。先に行って待っておれ...」

 

 そう言われたので、中庭に逆戻りする。待つことしばらく、忍装束に身を包んだじいさんが現れた。

 

「待たせたの...それでは今より忍組み手を開始する...が、まずは一番大事な事を教えよう。まずは対立の印、そして和解の印じゃ」

 

 おぉ!来た...現実で忍組み手を、和解の印を組む事が出来るとはなんだか感慨深い物があるな。

 

「まずは対立の印。組み手の前に右手でこう印を結び相手に向けるのじゃ」

 

「こう?」

 

「うむ。そして組み手が終われば今度は和解の印。対立の印でわしを指さしてみよ」

 

「はい」

 

「それをこうして、互いに指を曲げて組むのじゃ...そう。よし、この二つの印はとても大事なものじゃ。決して忘れるでないぞ?」

 

「おう!」

 

「うむ...では、早速組み手を始めるとしよう。対立の印じゃ」

 

 俺は無言で対立の印を結ぶ。それだけで、やる気というか闘争心のような物に火が付くのを感じた。この印には儀式以上の理由があるのかもしれない。

 

「まずは好きに戦ってみよ。では...始め!」

 

 開始の合図と共に対立の印を解いて全速力で接近する。

 勢いそのままに殴り掛かるが片手で受け止められる。逆の手ですぐさま追撃をかけるがこれまた止まる。

 体を捻って蹴りかかる。足首を掴まれてそのまま後ろに放り投げられる。

 

「うわぁぁぁ...ぶへっ!!」

 

「動きが直線的で何を狙っているのかすぐにわかる。おまけに攻撃と攻撃の間も無駄が多すぎる...とはいえ、始めてなのに物怖じせずに殴りかかれたのは褒めてやろう...そう、この通りおぬしの攻撃などわしにはまるで効かん。安心して組み手をするがよい」

 

「くっそ...」

 

 再び同じように殴り掛かろうとして、途中で止まってしゃがみじいさんの脇をくぐって横腹を狙おうとしたが足をかけられてゴロゴロと後方に転がっていく。

 

「フェイントをしようという心意気は良いが、見え見えでは隙を見せるだけじゃ」

 

「もう一回...!」

 

 それから、何度も何度も特攻をかける。

 

「ぜぇ、ぜぇ...」

 

 俺の攻撃は見事にすべていなされてしまっていた。

 この歳の子供にしては...というか下手したら元の体の俺よりも遥かに体力はあるが、これだけの時間全力で動いてたら流石にバテる。

 

「どうした、もう終わりかの...?」

 

「くっそ...!うぉおお!」

 

 姿勢を低くしてじいちゃんに向けて全速力で突進する。そのままタックルを仕掛けようとしたが避けられてまた足を引っかけられた。しばしの浮遊感の後、体が接地する前に手を前に突き出して前転する。三回転ほどした所で地面を強く蹴りつけ反転する。そのまま高く飛び上がってじいさんの顔面に向かって蹴りを入れる。腕で受け止められたので体を少し捻ってそのまま殴り掛かる。逆の手で受け止められたので落下しながら再び顎めがけて蹴り上げるように一撃を加えようとしたが、少し後ろに下がって避けられる。そのまま胸に張り手を食らって吹き飛ぶ。

 

「...ぶっ!!ぐぅぅぅ」

 

 大の字に倒れたまま上を見上げる。もう夕方か...

 全然敵わないけど、この体の動かし方には少しづつ慣れてきた。

 向こうの世界の常識は一旦忘れて、本当に漫画の登場人物になったつもりで戦った方が動ける。だって思ったような動きが出来るだけの身体能力は備わっているんだもん。

 

「ふむ...今日はこのくらいにしておくかの。よく頑張ったなナルトよ...よもやここまで粘るとは思っておらなんだ」

 

「はぁ、はぁ...」

 

 フラフラと立ち上がってじいさんの元に近づいていく。

 和解の印を組んで終わりだ...つっかれたぁ。にしても冷静に考えるとこれだけの時間ぶっ通しで動き続けれるってどんな体力してるんだ。流石うずまき一族兼人柱力。

 

「うむ。では、食事の後わしはまた出かける。帰りは明後日になる。今日はもう夜更かしするでないぞ?...まぁ、その様子では今すぐにでも寝たいくらいには疲れていそうじゃが」

 

「うん...」

 

 風呂に入って、茶の間に行くと食事が用意されていた。空腹も相まってめちゃくちゃうまそうだ...

 

「さて、食べようか」

 

「うん、いただきます!」

 

 ガツガツと掻き込む。うめぇうめぇ...

 いっぱい食べて今日使ったエネルギーを回復せねば...

 

「全く...落ち着いて食わんかばかもの」

 

「んぐ...だって、もう限界だったから」

 

「困った奴じゃ...」

 

 呆れられた。確かに行儀が悪かったかもしれない。でも、本当に空腹が限界だったから許してほしい。

 にしても、このじいさん夜中に出かけていくけど何をしてるのだろうか?いや、忍の仕事なんだろうけど任務とかあるのか...?

 

「なぁ」

 

「うん?」

 

「いつも夜出かけるのって任務なの?」

 

「ん...そうだの、もちろん任務じゃ」

 

「任務ってどんな事するんだ?」

 

「ふむ。お前も忍を目指す身、少しは説明してやってもよい頃合いか...我らの基本的な任務は指定された土地を守護する事となる。わしはここ木ノ葉市を中心とした付近の市全体を担当しておる。まぁ、更に部下に市や町単位で任せておるから実際にはそれほど広く活動しているわけではないがの。無論、おぬしが一人前の忍になった暁には一部の守護を任せる事になるだろう...他にも外へ出てやる物もあるが、それはまだ知らんでも良い」

 

 あれ、じいさんもしかしてかなり偉い人...?そらそうか、この世界における人柱力の立場とか、尾獣の立場とか全然知らないけど、少なくともそこらの奴に任せる物では無いだろうし。

 そういえば苗字も猿飛で、どことなくヒルゼンに似てる気がする...そういうポジションって事か?

 

「なるほど...でも、守るって一体何から何を守るの?」

 

「それはおぬしが一人前の忍になった時に伝えてやろう」

 

「えぇ...じゃ、じゃあさ。俺のお父さんとお母さんは何処に居るんだ?写真とかも無いし...」

 

「それについてはもう話したろう。おぬしの両親は任務の途中で殉職した。それ以上もそれ以下もない」

 

 言外にこれ以上聞いてくるなと言うような目で見つめられる。

 

「わ...わかったよ」

 

「よし...では、出かけてくる。大人しくしておれよ?」

 

 そう言うとじいさんはさっさと出て行ってしまった。

 

「何も聞くなって事か...」

 

 やっぱり昨日は有耶無耶になってしまったけどあの土蔵に全ての秘密が隠されていそうだ。

 確か、窓があったはず...

 

 飛び上がって窓に近づくが格子がかけられていた。

 ...工具か何か使って無理矢理こじ開けるか?

 

 そう思って触ろうとしたが

 

「痛って!」

 

 バチリと俺の手が弾かれた。

 

「...にゃろ、結界も完備してるって訳か」

 

 これで完全に打つ手が無くなった。

 まじでどうするんだ...影分身の術が使えないと話にならないぞ?

 なんでこんなに厳重に管理してやがるんだ。畜生め...

 そんなに俺に情報を与えたくないってか?

 

 腹立ってきた...中途半端に隠されるのが一番ムカつくんだ。それだったら全部話すか一切話さないかのどっちかにしろよ...

 ぶん殴ったら結界壊れたりしないかな...なんて冗談、

 

『ワシの力を使えばいい...その程度の結界ならぶっ壊せる』

 

 体内から声が聞こえる。じわじわと体の中から膨大なチャクラが染み出してくるのを感じた。

 

「ぐ...!なんで...!!」

 

 体中に力が漲り、全能感が溢れてくる。それと同時に怒り、憎しみが俺の心を侵食してくる。

 

『俺は善意で貸してやってるんだ、ありがたく使ったらどうだ?うん?』

 

「うる...せ...」

 

『さぁ...その力を使ってそこをぶん殴るだけで良い。さっさとやれ』

 

「ぐ...く...がぁぁぁぁ!!」

 

 地面を殴りつける。爆発音と共に地面が砕ける。

 

「はぁ...はぁ...」

 

 体内のチャクラが収まっていくのを感じる。

 こいつ、隙あらば俺を利用しようとしてやがるな...

 まずい。実は九尾に関しちゃ原作よりハードモードだったりするのか?

 

『ちっ...使えん奴だ』

 

 そういうと、九尾の気配は消え去った。

 埋まった腕を引き抜こうと悪戦苦闘していると...

 

「どうしたナルト...!これは一体」

 

 じいさんが俺のそばに一瞬で現れた。異変を感じてやってきたのだろうか?

 まずい...どうやってごまかそうか。

 

「えっと...修業しようと思ってたら、突然変な感じになって力があふれ出して、それで...」

 

 苦しいか?

 

「ふむ...」

 

 そう言うと、じいさんは腕が埋まっている俺を引き抜いて服を捲った。

 

「封印に問題は無さそうじゃ...となると単純に封印からの還元分が扱いきれなかったと見るべきか...」

 

 何かをぶつぶつと呟く。

 

「ナルトよ。今日からわしの前以外でむやみにチャクラを練るで無いぞ」

 

「なっ!なんでそんな」

 

「危険だからじゃ」

 

「何が危険なんだよ!」

 

「これからは禁止だ!!...良いな?」

 

「ぐっ...!」

 

 ギロリと睨まれる。俺はその威圧感に...バケモノを見るような目に頷く事しかできなかった。

 

「よし...では、ワシは仕事に戻る。もう今日は寝るんじゃぞ」

 

 そう言ってじいさんは去っていった。

 

「何なんだよ...畜生」

 

 俺は膝を抱えて座り込んだ。

 

 この体になって始めて感じた負の感情は、思っていたよりもずっと重く俺にのしかかった。

 

 

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