エロバカ三人組
「早速だがのぉ、ナルト。おぬしには潜入任務にあたってもらう」
「は?任務なら昨日終わったばっかだってばよ...!」
「バカもん!任務が来たら受けるのが忍だ!これはお前にしか頼めん依頼でもあるのだ!黙って受けろ!」
「えぇ...」
じいさんとお別れしたあの日から、更に数年の月日が流れた。今や高校生をやる年だ...まぁ、実際は任務続きで学校も糞も無かったけど。二度目の学校はめんどくさいし丁度いいっちゃいいんだけどな...
「いいか?お前には駒王町という町にある駒王学園という高校に編入してもらう。最近駒王町では胡散臭い動きがあるらしくてのぉ...それの調査をしてもらう。そもそもあそこは悪魔の領地故、異形の者や異能の持ち主が潜んでは居る。そいつらは良いのだが、堕天使共が何かを企んでいるようでの...問題ないか調査して欲しいのだ」
「悪魔の領地の問題なら、その悪魔が解決すれば良いだろ...」
「そういう訳にもいかん。
がっしりと肩を掴まれる。
「う...わかったってばよ...」
「でわの!ワシはこれより潜入調査に行ってくる!編入は明日だ!家の住所と鍵はここにある。後は勝手に行ってくれ!」
「いい加減キャバクラ通い辞めたらどうなんだ...」
「バカ言うな!若い女子とキャッキャウフフする事で英気と新たな術の構想をだのぉ」
「はいはいわかったわかった...もう好きにしてくれ」
「お前に言われんでも好きにするわい!」
そういうと財布を取りに部屋の奥に駆けていった。
「...エロ仙人」
「じゃかしい!...気を付けての。何かあったらすぐに知らせろ」
「わかった...それじゃあまた今度」
「うむ...ダハハハ!」
ポンと俺の肩を叩いて部屋を後にする。
「はぁ...普通前日に知らせないよなぁ」
いそいそとカバンに着替えを詰めていく。
急な事は急だが、正直任務に修業で移動ばかりの数年間だったので荷物自体はコンパクトに収まるようにしている。
ものの三十分程で全ての用意を終わらせた。
「行くか...」
今回は三大勢力関係の任務だ。気を引き締めすぎるという事は無いだろう。
こうして俺は、新たなる運命の元へと歩いていくのであった...
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現在、俺が編入するクラスの前で待機している。
教師が定番の、お前ら今日から新しいお友達が云々と言っている所だ...
うぅ、妙に緊張してきた...いかんいかん。所詮はこの任務が終わるまでの仮の立場。
やがて、入っておいでと教師に呼ばれたので教室に入っていく。
「今日からこのクラスでお世話になる、うずまきナルトだってばよ!みんなよろしく!」
ニッコリとして大きな声であいさつをする。
瞬間空気が凍ったのを感じた。
...しまったぁぁぁぁ
てばよは使わなくて良いんだよ。ここに小学校の関係者は居ないし、仮に居たとしてももう辞めたんだ、で済ませるつもりだったろうが...!!
最初の一歩で躓いた...
「っちくっしょーーー!!俺達の純情を返せ!!」
ふと、一人の男子が叫びだした。
「あん?」
「金髪碧眼の転校生って言ったら美少女に決まってるだろうが!!事前情報でどれだけの期待を胸に抱いたと思ってるんだ死ね!!」
血の涙を流しそうな面で叫んでいる。周囲はまた始まったと呆れている。
「わ...悪かったってばよ、金髪碧眼の美少女じゃなくて」
「しかもイケメン...!!ぎぎぎぎ」
「金髪碧眼イケメン転校生ってだけで属性盛りすぎなのにだってばよは狙いすぎだろ...」
「うぐ...!!」
突然眼鏡の男子からクリティカルヒットを食らった。
「はいはい、エロバカ三人組はもういいから...よろしくね、うずまき君」
「あ、あぁ...よろしく」
眼鏡の女子がクラスの雰囲気をまとめ上げた。
すげぇ、これが仕切り女子の実力...
それからホームルームが終わり、質問攻めを受けた。
というかこのクラス女子多いな!あんまり得意じゃないんだが...
適当にやり過ごして、ある程度質問が落ち着く頃には男子は俺を目の敵にするような視線を向けていた...特にあの三人。
どうしよ。友好的な関係を作れる気がしない。誰に話しかけるか...
妙に敵視されてるっぽいし、あの三人に行くか...?ある意味話題には事欠かないかもしれない。
「な、なぁ...」
「なんだよだってばよ野郎」
「う...勘弁してくれ。癖でなかなか治らなくて」
「ふん!そんな癖があってたまるか!」
「まぁ待て二人とも...まずは俺たちに何の用があるかの確認だ」
「あぁ...まぁそうだな。端的に言えば話し相手になって欲しいなと」
「F〇ck!!お前のような奴が何をほざくか!」
「まぁ待て待て...転校生、彼女は居るか?」
眼鏡君が眼鏡をギロリと光らせて聞いてくる。
「いないってばよ...?」
「ほう...では、かつて居たことは?女友達は居たか!?」
「い...居なかったってばよ」
「告白された事は...!!!」
「ないってばよ」
「認めよう...!」
「おい!元浜!」
「まぁ待てイッセー。逆に今ここで事前にこちらに引きずり込むことでネクスト木場を生み出さないようにするのさ...」
「なるほど!!」
「考えたな元浜...」
何やら三人で盛り上がっている。
...失敗したか?
「やぁやぁうずまき君!君を我ら紳士の集いに歓迎しよう...」
「あ...ありがとう」
「早速だが君ぃ...こういった物に興味はおありかな...?」
坊主のヤツが俺の肩を抱きながら何かを見せてくる。
「なんだ...あ、これエロ仙人が持ってるやつ」
なんかAV15本くらいお気に入りだっていって何処に行くにも持ち歩いてるんだよな...こいつ結構趣味合うのか?
「エ...エロ仙人...!それはさぞ高名なお方なのだろうな...!そんなお方が手にしている物を俺も持っているとは、くーーっ!!感銘を受けた!!」
坊主君が大げさに身振り手振りしながら叫ぶ。
「え?いや...そんな大した人じゃ」
「エロ仙人!!うずまきの師匠か...俺も会ってみたいぜ!」
「うむ!是非とも仙人の猥談を聞いてみたいものだ...!」
「おい、お前ら教室で何を言って...!」
「だまらっしゃいうずまき!もはやお前は終わりなんだよ...俺達と一緒に暗ぁい学生生活を送ろうぜ...?」
ニタニタと三人に嫌らしい笑みを浮かべられる...。なるほど、転校早々俺のクラスにおける地位を貶めんとする作戦だったか。
...まぁいいけど。エロエロ野郎と過ごすのは慣れっこだし。
それに...いい性格をしてるじゃないかこいつら。
こっちも遠慮が要らないってもんだ。
「そうかそうか。じゃあこれからよろしくな三人とも...名前は?」
ゴキリと指を鳴らして笑顔で答える。三人は若干青い顔をしながら答える。
「元浜...」「松田...」「兵藤...」
「うし!元浜、松田、兵藤な...それじゃあこれからしばらく、よろしく頼むってばよ」
肩をポンと叩いてやるとピクリと震えた。
ひそひそと声が聞こえたのでふと後ろを振り返ればドン引きされていた。
「ちょっとかっこいいって思ってたのに、エロ仙人だって...」
「エロ仙人の弟子って事...?」
「エロ仙人の弟子で、エロバカ三人組のリーダーになったって事...?」
などと女子が噂していた。
なるほど、こいつらの作戦は見事に成功している訳だ...
まぁいいや。今日こいつらに町を案内してもらおう。ついでにおかしな所があれば翌日調査だな...
「それじゃあさ、俺この町に来たばっかりだから色々案内してもらいたいんだけど...今日暇か?」
「あぁ、特に用事は無いけど」
「それなら頼むよ。なんか奢るからさ!」
「おぉ...良いけど...連れてくけど!やっぱり納得出来ねぇよ!金髪碧眼を案内するなら外国人で日本の事や常識に詳しくない美少女と相場が決まってるだろうが!そんで色んな事を手取り足取り教えて...」
兵藤が妄想の世界に羽ばたいた。
「まだそのネタ引きずってたのか...」
あっ、外国人と言えば...
「そういえばこの学校にさ、外国人の人とか居るのか...?」
一番大事な事を聞くのを忘れていた。
「何人か居るぞ。しかしやはり最も有名なのはリアス・グレモリーという三年の先輩だ!」
「リアス・グレモリーね...」
グレモリーって悪魔の名門じゃないか。エロ仙人、そんな奴を疑って...いや、だからこそ気を付けろって事だったな。疑いすぎで丁度いいくらいか。
「まさか狙ってるのか...!?」
「ん?あぁまさか!大体顔も知らないし、ただ気になって聞いてみただけだってばよ」
「そうか...でも、びっくりすると思うぜ?めちゃくちゃ美人だからなぁ...それにおっきのなんの!!二大お姉さまなんて言われてるんだぜ!二大お姉さまと言えばもう一人もすごくてなぁ...」
兵藤はバインバインとその大きさを手で表していた。
こいつまじでエロ仙人と気が合いそうでびっくりする...
それからは他愛もない話(主に猥談)をして、気が付くと放課後になった。
そして駒王町を案内してもらう。
主にエロ関連の商品の置いてある店が多かったが...こいつらどれだけ頭まっピンクなんだ。
三人と別れて、適当に食事を済まし、拠点へと帰宅した。
昨日の間に荷物の開封も終わってるし、特にやる事はないな。
適当に仮眠して時間を潰す。
「...うし」
時間だ。ここからは裏の世界の時間...早速調査開始だな。
とはいえ俺は別に潜入調査が得意な訳ではない。むしろ苦手。
足で情報を稼ぐしかない。
夜の町を人に見られないように高速で飛び跳ねていく。
「...やっぱりどう考えてもここだよなぁ」
夕方の間に目星はつけていた教会が一つあったのだ。
それも明らかに堕天使が利用してそうな教会だ...ネットで調べた所数年前に閉鎖している。
教会へと足を踏み入れる。
内部に入った瞬間に世界が一変した。
威圧感を感じる。
「薄汚い人間がここになんの用だ...?」
男が現れた。スーツを着た男が背中から黒い羽根を生やしている。
「いきなりビンゴか...」
チャクラを練り上げ、戦闘の準備をする。
「やる気か...?貴様、何者かは知らんが死にたくなければ即刻立ち去れ。人間ごときが我ら堕天使に勝てるとでも...?」
「そりゃあ、その人間によるってばよ」
十字に印を結ぶ。
「影分身の術!」
ボフンと煙が発生して3人に分身する。
「その奇妙な力...そうか、貴様忍か...!忌々しいはぐれ蝙蝠が!即刻殺してくれるわ...!」
「...どっちかというと、人間の味方ってだけなんだがなぁ」
堕天使が光の槍を生成して投げてくる。大した速度でもないので避ける。
「よっと...まぁ待ってくれよ。別にお前らを殺しに来た訳じゃねぇ...ここいらで妙な動きをしてるみたいだから、ちょっと様子を伺いに来ただけだってばよ」
「貴様なぞに言う道理がないな!」
「そりゃ困る...こっちも任務だから、どうしても教えないっていうならそれ相応の対応をせざるを得ないぞ?」
「やってみろ!!!」
そう言って光の槍をぶん回してくる。クナイでいなしていく。
「ふっ!」
肉薄して腹に一撃を入れる。
「ぐはっ!おのれぇぇぇ!」
堕天使は光力を高めて、一層巨大な槍を作り出す。
「こりゃ不味い」
俺は一体の影分身の横に下がる。右手を差し出せば阿吽の呼吸で手をかざしてくれる。
...まぁ、俺自身だから当然だけど。
チャクラが乱回転しながら収束していく...
やがて、ハンドボール程の大きさのチャクラの塊が完成した。
「死ねぇぇぇぇ!!!」
「螺旋丸...!!」
二つのエネルギーがぶつかり合い、打消し合っていく。
「ふぅ...」
無事、周囲への影響もなく打ち消せた。
「おのれ糞猿如きがぁぁぁぁ!!」
目の前の堕天使は青筋を立てながら激怒している。
「どうしたのドーナシーク...」
堕天使の後ろから声が聞こえる。
そちらを見やれば堕天使が三人現れた。
...これは潮時だな。
「こやつ忍だ...!我らの計画の邪魔になるやもしれぬ!」
「忍ねぇ...」
「別にそんなつもりはないってばよ。人間に被害を及ぼすような事じゃなけりゃ手を出すつもりはない」
俺は両手を上げてその気が無い事を示す。
女の堕天使が前に出て来て話始めた。
「ふぅん...いいわ。そこらの一般人には手を出さないと約束してあげる。別に興味無いし、そもそも計画にも関係ないもの」
「そうか...なら、とりあえずは信じるってばよ。しばらくこの町にはいるつもりだから、約束を違えたら分かってるな?」
「そちらこそ、あまり調子に乗らないことね...あんまり鬱陶しいようだと、殺すわよ?」
「そりゃ困る...それじゃあ今日の所は帰るってばよ」
「えぇ。もう会わないことを祈ってるわ」
その声を背中に受けながら移動する。
堕天使四人に何かしらの計画か。
嫌な予感はするが、今の所は静観だな...
携帯を取り出して連絡する。
「なんじゃナルト...!ワシは今良い所で...」
後ろからは卑猥な声が聞こえる...今は仕事の時間だろうが、何でAVなんざ見てやがるんだ。
「とりあえず堕天使と遭遇したから軽く話して戦ってみたってばよ」
「何?それで...黒か?」
「いや、今の所微妙...何かしらの計画は企んでるみたいだけど、一応一般人に手を出さないって言質は取った」
「そうか...では、もう少し様子を見てくれ」
「わかったってばよ...エロ仙人もそろそろ自重した方がいいぞ?」
「何お「ぶちっ」」
何か言おうとしてたけど、どうせろくでもない事だ。ぶち切りに限る。
全く...この世界における自来也枠だと思って期待してたのに、ある意味期待通りのエロ仙人だなぁ...
すげぇ良い人ではあるし、お世話になってるけど、これじゃプラマイゼロだっての。
そんなこんなで激動の初日は終わりを迎えた。