うずまき忍者 in DxD   作:min-can

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スプラッタ、そして転生

 家に戻るとさっさと寝て、次の日を迎えた。

 

 堕天使達は露骨に怪しいけど、まぁ後はどっかのタイミングでリアス・グレモリーと接触だけはしておいて、堕天使達が市民に手を出してないか監視して、そのまま計画とやらを終わらして消えた所を確認すれば帰れるかな...ある意味楽かもしれない。

 

「それまでは、虚しい青春とやらを楽しむとするってばよ」

 

 あいつらといると青春が性春の文字になってそうで嫌だが。

 

 教室に着くと、早速エロバカ三人組に捕捉される。

 俺が他の奴と喋る隙を限界まで削る算段らしい...

 

「なぁうずまき」

 

「あー、あんまりうずまき呼びは慣れてないし、ナルトでいいぞ?」

 

「そうか?じゃあ俺もイッセーで良いぜ。兵藤より呼ばれ慣れてるし」

 

「わかった。それで?」

 

「いや、今日の放課後松田が超イイトコロを見つけたみたいなんだが...勿論来るよな?」

 

 超イイトコロ?なんか面白い店でもあったのか...?

 

「まぁ、夜まで用事無いし良いけど」

 

「よぉしそれでこそだ!」

 

 ポンポンと肩を叩かれる。

 頭にはてなを浮かべながらも、授業の時間は刻一刻と迫っていった。

 

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 放課後になり、三人に連れられて校舎を出る。

 

「どこに行くんだ?」

 

「まぁまぁ、今は黙って付いてくるんだよ...絶対に騒ぐんじゃないぞ?」

 

「あぁ」

 

 そのまましばらくついて行くと、部活で使う道場の横の倉庫にたどり着いた。

 松田は音を立てないよう慎重に倉庫の扉を開ける。

 

 ジェスチャーで俺達に入るように指示すると、真っ暗な倉庫の中に光の漏れる穴があった。

 松田と元浜は音もたてずにすぐさまその穴の近くを陣取る。

 

 ...なるほど、覗き穴って事か。

 こいつらほんと...

 

 松田が俺とイッセーを指さし、時間が経ったら交代するから見張りに行って来いと、妙に手慣れたジェスチャーを送ってくる。

 

 イッセーは憤慨しながら出ていった。俺も黙ってそれについていく。

 

「ったくあいつらずりぃよなぁ...俺だって今すぐ見たいってのに」

 

「...そんなに見たいか?」

 

「お前バカ!!エロ仙人の名が泣くぞ!!あの穴には夢が詰まってるんだよ!!確かにエッチなビデオを見れば、女体を見る事は出来るさ!だが...生の!それもクラスメイトの!女子の!肌を見ることは今あの場でしか出来ないんだよ!!あの穴だっていつ塞がれるか...!」

 

 イッセーは小声で、かつ圧倒的熱意を叩きつけるように叫ぶ。

 

「まぁ...そう言われると分からないでもないってばよ」

 

「だろ?ちくしょう、早く交代しねぇかなぁ...いつ人が来るか...」

 

 イッセーはそわそわワクワクとしながら体をくねくねとうねらせる。

 ...気持ち悪い。顔は悪くない...というか結構かっこいいのだが、それを打ち消して余りあるドスケベだ。

 ふと気配を感じた。

 

「...誰か来るぞ?」

 

「嘘だろ!?くっそ...交代してくれなかったしあいつらを見捨てるか...いや、友情は捨てられん!呼んでくる...!ついでに一瞬だけでも拝みてぇ!!」

 

 そう言うとイッセーはぬるぬると倉庫の中に消えていった。

 ...事エロに関しては忍びの才能があるかもしれない。

 

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 結局、イッセーは何も見ることが出来ずに悔しそうにしていた。

 

 俺は、足りなかった日用品を購入するために早めに三人と分かれてショッピングモールに向かった。

 ささっと買い物を済ませると、自宅へ帰って仮眠を取る。

 

 じっくり眠れる時間はここだけだからなぁ...まぁ、最悪持ち前のスタミナで三徹くらいは余裕だけど。

 

 起きて夜の町を徘徊するが、今日は特に何とも出会わず何も起こる気配は無かった。

 うーん。悪魔も堕天使もそれほど活発に動いて居ないのだろうか?あわよくばリアス・グレモリーとは道端で会いたい。

 だってわざわざ上級生の教室に出向くのめんどくさいし...後、三人に何を言われるか分かったもんじゃない。

 

 などと考えながら学校を訪れると、イッセーが松田と元浜をノックアウトしていた。

 こいつらほんとバカだな...一緒にいる俺も似たようなものかもしれないけど。

 

「どうしたんだお前ら...」

 

「ナルト!悪いな。俺、実はさ...お前らを置き去りにしちまったんだ...」

 

「どういうことだってばよ?」

 

「つまりさ...彼女が出来ちまったんだ!悪いなお前らアハハ!」

 

「ぐぉおおお!」「まさか...本当の敵は身内だったとはぁぁ!!」

 

「まぁお前らもさ、あきらめずに頑張れよ!俺にだって超美少女の彼女が出来たんだし、いけるいける!」

 

 まじか...あのドスケベイッセーを好きになる女子が...いや、案外居るのかもしれない。お姉さんとか、可愛いと思っちゃう系の男ではあるかもしれない。知らないけど。

 

「おめでとうイッセー。この学校の子か?」

 

「ありがとうナルト...いや、他校の子だった。夕麻ちゃんって言うんだ」

 

「へぇ...まぁ、今度紹介してくれってばよ」

 

「おう!」

 

「やめろぉぉぉ」「そんな事されたらお前を殺しちまう...!」

 

「ふっ...見苦しいぞお前ら。素直な気持ちで友の幸せを祝福したらどうだ...?ナルトみたいにさ」

 

「ナルトォ...俺達の希望はお前だけだ!」「絶対に裏切るなよ...!」

 

「期待されても困るってばよ...まぁ、特に彼女作る気は無いけどさ」

 

 おんおんと松田と元浜に縋りつかれる。端的に言って気持ち悪い...

 

「それでさ!明日デートするんだぁぐふふ!」

 

「そっか、頑張れよイッセー」

 

「おう!絶対この最初で最後の機会を逃さないぜ!!」

 

 その日は浮かれに浮かれるイッセーと、怒りと悲しみに震える二人に振り回されて散々な一日だった。

 

 次の日、休日を活かしてぐっすりと眠る。イッセーは初デートらしいので少し野次馬根性が生まれないでもないが、まぁ覗き見るのは野暮だろう。

 精々週明けに自慢話を聞いてやろう...

 

 夕方頃、ぱっちりと目が覚めてしまったので早めに町の監視に着くことにした。

 

 ...妙だ。町はずれにある公園...前見た時も人通りは少なかったが、これほどまでに人の気配が無いのはあまりにも恣意的すぎる。

 人払いの結界でも張られているみたいだ...

 

「行くか」

 

 警戒しながら公園に侵入する。なんとなく嫌な感じがする。それも既視感のある感覚だ。

 これはこの前の堕天使の...

 

 一気に駆け出すと、公園の中心にある噴水付近にイッセーが倒れていた。

 すぐそばには赤髪の女。駒王学園の制服を纏っており、背中に翼が生えている...きっと彼女こそが、紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)

 

「リアス・グレモリー...!」

 

「あなたは確か...転校生の」

 

「そんな事はどうでもいいってばよ!!どうしてイッセーが血塗れで倒れてるんだ!!返答によっちゃあここで...!」

 

「私じゃないわ。堕天使がこの子を殺したのよ...恐らくこの子に宿る神器(セイクリッド・ギア)を狙ってね。私はこの子が持ってた魔法陣によって呼ばれただけ...まぁ、どうせ死ぬなら私の眷属にしてしまおうかと考えてはいるけど」

 

「....」

 

 見た感じ、嘘偽りを言っているような感じはしない。まぁ、これで嘘なら一杯食わされる訳だが。

 それに、イッセーは見た所今から全力で病院に連れて行っても手遅れだ。悪魔に転生させるなら、死ぬよりは希望がある。

 

「...分かった。イッセーを悪魔に転生させるのも...こうなったら仕方ない。俺からも頼むってばよ」

 

「あら、随分物分かりが良いのね...最悪戦闘になるかもと思っていたのだけど」

 

「別に、理由もなく争う気はないってばよ。」

 

「そう。そう言ってもらえて良かったわ...それじゃあ私の拠点にこの子を連れて行って転生の儀を行うけど、知り合いのようだし、心配なら付いてくるかしら?」

 

「行くってばよ」

 

「分かったわ。こちらもいずれあなたとコンタクトを取りたいと思っていたし丁度いい機会ね。それじゃあこっちに来てくれる?」

 

「わかった」

 

 大人しく従うと、魔法陣にイッセーの死体ごと包まれる。

 

 気が付くと、シックなソファーやデスク、悪魔文字に魔法陣で彩られたまさに悪魔の拠点とでも言うべき場所に居た。

 

「ここはオカルト研究部...駒王学園の旧校舎の二階の教室よ。実態としては私とその眷属の拠点になっているけど」

 

 ふと周囲を見れば数人居た。

 黒髪でおしとやかそうなお姉さん、白髪で小柄な少女、金髪のイケメン...全員駒王学園の制服を身に纏っている。こいつらがリアス・グレモリーの眷属か。全員若干俺を警戒するような視線で見ている。まぁそれに関しては俺も警戒してるから文句は無いけど。

 

「部長、この人は...」

 

 金髪イケメンがリアス・グレモリーに話しかける。

 

「この前言ってた忍の転校生よ。ちょうど転移先で出くわしたの...これから転生させるこの子の知り合いみたいだし、こちらから出向く手間も省けるから連れて来たわ」

 

「彼が例の...わかりました」

 

 そういうと警戒が解かれた。良かった、俺もこれで肩肘張らなくて済む。

 

「さてと...あんまり遅くてこの子の転生に差し障ったら困るし早速始めるわ」

 

 そう言うと、リアス・グレモリーはイッセーの死体に深紅の駒を置いた。

 

「...一つじゃ足りない。それどころか...!朱乃、兵士(ポーン)の駒を全部持ってきて」

 

「わかりましたわ...けど、よろしいんですの?」

 

「えぇ...この子に何が眠っているのかは分からないけれど、兵士(ポーン)の駒全て捧げるだけの価値はきっとあるはずだわ」

 

「兵士の駒全部...?」

 

 悪魔の転生について、そんなに詳しく知っている訳ではないけど...兵士(ポーン)の駒全部って事は、イッセーには兵士(ポーン)の悪魔八人分の潜在能力があるって事か...?いや、イッセーは間違いなくただの一般人だった。ということは神器(セイクリッド・ギア)か...それなら堕天使に殺されるのも納得だが、一体どれほどの神器(セイクリッド・ギア)を抱えてるっていうんだ?糞...感知タイプならもうちょっと色々分かったのか?

 

 朱乃と呼ばれた眷属が駒を持ってくる。

 それを全部リアス・グレモリーがイッセーの胸に乗せて、詠唱を始めた。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、兵藤一誠よ。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『兵士(ポーン)』として、新たな生に歓喜せよ!」

 

 紅い光を放ちながら、イッセーの胸の中に駒が沈んでいく。

 

「...これで転生は完了したわね」

 

 リアス・グレモリーがそう呟く。

 良く見ると傷が治っていた。

 悪魔への転生にはそういう効果もあるのか?

 

「さて、この子の事は後で家に送るとして...次はあなたね」

 

 くるりとこちらを向いて話しかけてくる。

 改めて見るとめちゃくちゃ美人だな...ドスケベイッセーもこんなご主人様なら浮かばれるだろう。

 

「一応通達は来ているけど、改めて貴方がここに来た目的を教えて貰えるかしら?」

 

「あぁ...俺は堕天使が妙な動きをしてるっていう情報を確かめにやってきた。一回接触して一般人には手を出さないって言質は貰ってたんだけど...」

 

 ちらりとイッセーを見下ろす。

 

「まぁ十中八九この子は神器(セイクリッド・ギア)持ちであって一般人じゃないって結論になるでしょうね」

 

「違いない...まぁ、それ以外は未だに動きを見せないし、手を出すつもりはないってばよ。計画とやらが市民に被害を与える物ならこっちも動くけど、無理に手を出す理由もないしな」

 

「そう...まぁそんなところよね。わかったわ...なら、あなたが今持っている情報を渡してくれないかしら?」

 

「俺達は基本三大勢力のいずれにも肩入れしないって知ってるだろ?正式な依頼なら話は別だけど、今ここでタダで渡す理由はないってばよ」

 

 そこまで真剣に考えている訳ではないが、様式美としてそう言っておく。

 

「えぇ...基本的にはそうね。でも、今貴方がこの町を自由に調査出来ているのも、この学園に編入出来たのも...全て私が許可したからよ?そこの所、考慮してもらえないかしら?」

 

 じろりと目を向けられる。う...そう言われると弱い。

 

「...分かったってばよ。堕天使共は町の外れの廃教会を拠点にしている。人数は四人。その内一人と戦ったけど大した強さじゃなかった。あんたなら片手間で倒せるだろうさ」

 

「そ...協力ありがとう。参考にさせてもらうわ。ついでにこの子を家まで連れて行ってくれると嬉しいのだけれど、お願いしてもいいかしら?」

 

「わかった...それじゃあ一応、短い間だけどよろしくだってばよ」

 

「えぇ。よろしくね、忍さん」

 

 にこりと笑いかけられる...ちくしょう、不覚にもドキッとしてしまった。

 イッセーを担ぎ、旧校舎を後にする。

 

「はぁ...イッセーが神器(セイクリッド・ギア)持ちで悪魔、それもグレモリー家のお嬢様の眷属って...」

 

 予想外の方向から殴られたような感情を抱きながら夜の住宅街へと飛び出した。

 

 

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