誰かが言った。「これはひどい」と。恐らく,正史を知るものが見れば目を覆い膝をつき、嘆き悲しむだろう。そして,現状に頭を抱え事態の収拾が既に手遅れである事を察して,青ざめることだろう。
だが,少なくとも本来起こるはずであった問題は殆どが解決しているといって良いだろう。これから起こるのは,鈍感男に振り回されるヒロイン達と成長の物語ではない。ヤベー奴の影響を受けた奴に振り回される常識人達の愉快な物語である。
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事の発端は,約10年前まで遡る。まだ,篠ノ之束が今ほど愉快な格好に傾倒していない時。そいつは,そこにいた。
「俺は考えた。束姉ちゃんの技術力と俺が組み合わさればきっと土星の中で生活できるようになると。そして,土星を宇宙船に変えて宇宙の果てに行くことが出来ると…!」
「なんでよりにもよって,土星なのかな?まー君?」
「さっき開いた図鑑のページが土星だったから」
「あっそう」
会話に常に有意義な時間がある訳ではないが,なんだこの会話。土星のあれこれについて,図鑑を見ながら力説する少年と,興味なさげに聞きながら機械を弄っている少女。少年の名前は,真田雪。名前こそ少し女の子っぽいが,その存在は単体としては恐らく最強になりえる存在だ。そして,少女の方は篠ノ之束。ちょうど弄っている機械はISの基礎部分に関する事であった。
二人の出会いは偶然というより,殆ど運命の様なものだった。雪の友人は織斑一夏。これから,色々な騒動の渦中にぶち込まれる存在であり,自分で騒動を起こす係である。そんな彼と友人関係だった雪は必然的に千冬とも関わるようになった。千冬と関わるようになって,そこから徐々に好感度イベントを消化。千冬や一夏が通っている剣道教室まで同行するような仲になった。
そこで出会ったのが,人類最強の女こと篠ノ之束だった。最初は互いに興味を抱かなかったが,雪のある行動により束が段々と興味を抱き始め,交流が始まった。そこからは,意外に波長が同じだったようで意気投合し元気よく千冬の胃痛の元となった。
「それはそうと,束姉ちゃん。このまえ言ったこと覚えてる?」
「あぁ,ISを中心にした超大型人型宇宙用装備のこと?」
「その超大型なんたら~って長い名前は良いよ。考えてくれた?」
雪の言葉に呆れ交じりに肩をすくめる束。人型である理由を聞けば「ロマン!」と返ってきた上に,宇宙空間で活動するためと力説するのにどう見ても地上での活用が前提の話があったりするからである。
「わかるけどさ,なんで真っ先に地上用の装備提案から入ったの?」
「いきなり本番にしたら何が起こるかわからないから,先に地球上で装備の試験したいじゃん?」
深海なんていう実験にもってこいの場所もある事だし。そう言いながら椅子をくるくるとまわしていた。
「分かっててやらないのは怠惰だよ。人類の進歩なんて興味ないけど,俺は俺の知的好奇心が満足するまで色々弄りたいのさ」
思いついて少し書くけどそこでやる気がなくなるのどうにかしたいよね…。