「【この先、にほんこく・・・は・・・しません】・・・読めない・・・ねえ、おじちゃん
これ何て書いてあるの?」
「ここから、先は入ってはいけないよ、お嬢ちゃん・・・さあ、おじさんと一緒に戻ろう・・・」
【この先、日本国憲法は適用しません】
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夢・・・・・・・また、あの時の夢・・・・・
私がまだ、公園で遊ぶような小さな女の子だった時、パパとママと行った旅行先ではぐれてしまった・・・
小さな私が迷い込んだ場所は、緑の深~い森の中の・・・コケやツタが張り付いて、落書きだらけのお化けみたいな大きいトンネル・・・
興味本位で入った真っ暗なトンネルの中で、私は不思議なおじさんと出会った・・・・
でも決して怖い人ではなく、凄い優しい笑顔を向けてくれていて、昔の着物を着たお侍さんみたいな人だった・・・・
おじさんはトンネルの向こう側にある、その先の深~い世界は決して見せてくれなかった・・・
私がどんな「行きたい 行きたい」と駄々をこねても・・・
記憶が確かなら、私はトンネルの外までは行けたけど、その先に立っていた赤い文字で何か書かれていた古い木の看板の前で、おじさんに止められて、元の道へ帰っていった・・・
「知佳!知佳!」
友達の明子ちゃんに起こされる・・・・ちょうど授業が終わったみたい・・・
どうやら、またあの夢見ていたみたい・・・
「知佳、大丈夫?」
「うん 大丈夫、昨日ちょっと夜更かししただけだから・・・・」
年月を経れば、あの不思議な体験も忘れるかと思っていた・・・・
でも、その記憶は、まるで私を掴んで離さないかのように、強く頭に居座り続け、
現在高校2年生になった。
しかし、だからといってトラウマなわけでもなく、さして恐怖も感じていない・・・
幼き頃の私がその出来事を体験した場所が、後々になって、ネットで有名な都市伝説の「犬鳴村伝説」に出てくる旧犬鳴トンネルだったとわかった時も・・・・
ビックリはしたけど、怖くはなかった・・・なぜか・・・
ただ、不思議だったのは、その時、東京からお婆ちゃんのいる福岡までパパとママと旅行にきたのは確かだけど、なんで私が行方不明になり、なんで旧犬鳴トンネルで発見されたのかさっぱりわからなかったということ・・・つまり現在でも謎のまま・・・・
私が行方不明になった日、私もパパもママもお婆ちゃん家でのんびりしていた・・・
しかもお婆ちゃん家から犬鳴はずーっと遠く離れた場所にある・・・
とても、小さな幼児だった当時の私が行ける距離ではなかった・・・
警察も、家族も「きっと誰かにさらわれたんだろう・・・でもさらった誘拐犯は良心の呵責にかられて
この子をトンネルに放置して逃げたに違いない。本当に不幸中の幸いだった・・・」と納得をつけた・・・
でも、私はどうしても自分が誰かにさらわれて、トンネルに連れてこられたとは思えなかった・・・
実際に私を誘拐したと思われる人は未だ見つかってないし・・・・
と言っても小さな頃の記憶だから何とも言えないんだけど・・・
「ねえねえ、知佳!知ってた?夏休みが終わると、新しく転校生が来るんだって!」
「しかも男子!」
「ほら、知佳の隣の席って一年前に早森君が転校して以来空席だったじゃん。そこにニュー男子が来るのよ!」
「イケメンだったらいいね」
昼休み、友達と屋上でご飯を食べて話を聞く・・・・
平和だ・・・・
普通の学校生活・・・・
みんな良い子だし・・・この生活は申し分ないんだけど・・・
どこか退屈だ・・・
それは、幼き頃にあんな摩訶不思議な体験をしたのが関係しているのだろうか?
そんなことを考える今日この頃・・・
仲里 知佳 (なかざと ちか) 16歳です・・・・・