前線指揮官と人形達   作:ウエストサイド

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とりあえず、作戦後の一幕です。
来週あたりから本格的に書いていきたいと思います。
それでは、どうぞ。


朝の一幕

〈06:30〉

 

作戦終了から数時間後、S9地区基地内に併設されたカフェに零士があくびを噛み殺しながら入店した。

そしてカウンターで準備をしている人形に

 

「おはよ~、もう開いてるかい?」

 

と声をかけると、準備していた人形-このカフェの責任者でもあるRF人形のスプリングフィールドが

「あら、隊長おはようございます。大丈夫ですけど、今日は早いんですね?」

 

と答えた。

ちなみに隊長とは零士のことであり、他基地の指揮官とは違い前線で一緒に戦うことからそう呼ばれていた。

その言葉に零士は、

 

「深夜に出動があってね、その後処理がさっき終わったばかりなんだよ」

 

と苦笑しながら答えた。

 

「まあ、昨夜の音そういうことだったんですか」

「出たのは当直の部隊だけで損害もゼロだったから問題ないがね。武器の整備はともかく、報告書がやたらめんどくてねぇ」

 

うんざりしたような顔をしながら答える零士を見て、スプリングフィールドは笑いながら言った。

 

「相変わらず、書類仕事は苦手なんですね」

 

その言葉に零士は肩をすくめた。

 

「そんなわけだから濃い目のコーヒーとマフィンを頼んだ、スプリング」

「分かりました、隊長。しばらくお待ちください」

 

そう答えながら、スプリングフィールドは準備をするために厨房へと入っていった。

それを見送りながら零士が読みかけの小説を開くと、店の入り口から複数の人形-昨晩の作戦に参加した当直の人形達が入ってきた。

 

「おはよう、隊長。そっちも徹夜明け?」

 

そう声をかけてきたのは後方でRFの観測手を務めていたHGの人形、Five-sevenである。

その言葉に、零士はしおりを挟みながら答えた。

 

「Five-seven、それにみんなもおはよう。その様子だと引継ぎも終わった感じかな?」

 

それに答えたのは、肩にフェレットを載せたAR人形-FALである。

 

「すべて終わってるわ。装備も保管庫に戻したから引き上げる前にここで朝食をって話になったの」

 

そう言いながら近くの椅子に腰かけるFAL。

この基地では、よほどのことがない限り非番の人形は装備を保管庫に戻す決まりがある。

当直からの引継ぎも6:00に行うように決まっているから装備を戻した後、シャワーでも浴びて直接来たのだろう。

そんなことを考えながら零士は言った。

 

「そうか、ならちょうどいいから一緒に朝食どうだい?」

「やったー、隊長のおごり!」

 

その言葉に真っ先に反応したのはもう一人のHG人形のP7だった。

が、そんなP7の脳天に横にいたRF人形のWA2000が拳骨をくらわす。

 

「いったー!?」

「そんなわけないでしょ!ちゃんと自分で払いなさい、そのために給料もらってるんだから!」

「えー、でもー」

「でもじゃない!!」

 

そうやってぎゃいぎゃい騒いでる二人を尻目にほかの人形達はさっさと席に座っていく。

その光景を見ながら、零士はしみじみとつぶやいた。

 

「平和だねー」

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、二人の喧嘩は戻ってきたスプリングフィールドの雷が落ちるまで続いたらしい。

何時もの笑顔のまま怒る彼女を見て、全員がこう思った。

 

(やっぱ、彼女だけは怒らせたくない)

 

と。

 




前書きにも書きましたが、来週から本編に入っていくと思います。
仕事休みに書くのでゆっくりになると思いますがよろしくお願いします。
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