〜葵side〜
私達は人里に居ます。その理由は、凛華さんが「団子を食べたい!」と言ったからです。
そして、人里に降りてきたわけですが・・・
「・・・」
・・・やはり、私達を見る皆さんの視線は変わって・・・いえ、少しは緩和されましたがそれでも視線は変わらずでした。
「・・・なあ、葵」
「?何でしょう?如月さん」
如月さんが私に話しかけてきました。何でしょう?
「人里の奴らの視線、何かおかしくないか?それに、それらの殆どが葵、お前に向けられてないか?」
・・・やっぱり、気付かれてしまいましたか。
「・・・そうですか?私はそういう視線、感じませんが」
「・・・」
如月さんの私に向ける視線は、より一層鋭くなった気がします。
「・・・ルカ」
「嘘だ」
「ルカ!?」
如月さんがルカを呼んだだけで意図を読んだんですか!?私、今、驚きましたよ⁉︎
「と、兎に角、お団子屋さんに行きましょう!ね?」
私は、如月さん達に、如月さん達が居た幻想郷とは違うこの幻想郷を楽しんで欲しいから、だから・・・
そういう気持ちが届いたかどうかは分からないけど、如月さんはそれ以上の反対意見を言うことをやめてくれました。
さて・・・
「着きましたよ!此処ですね」
私達はお団子屋さんへと着きました。
「お婆さん」
私は久しく会っていないこのお店の主人のお婆さんを呼びました。
「はい、いらっしゃ・・・おや?葵ちゃんかい?いや〜、久し振りだね!何で今まで来てくれなかったんだい?オバちゃん、寂しかったんだよ?」
「ご、ごめんね?お婆さん。それで、お団子だけど・・・」
私が本題をだすと、お婆さんはちゃんと注文を聞こうと姿勢を正してくれました。が・・・
「おや?その人達、見かけない顔だね?誰だい?」
と、とても物珍しげな目で如月さん達を見ていました。
「あ、紹介しますね。右から如月翔さん、凛華さん、奈々瀬沙月さん、奈々瀬夏希さんです」
「そうかい、よろしくね〜」
「あ、はい」
お婆さんはとても優しい笑みを如月さん達に向けました。・・・ずっと変わらない、とても優しい笑みを。
「あ、あの、お団子・・・」
「ああ、そうだったね。それで?みたらしと三色があるけど、どっちにするかい?」
「私達は・・・」
「同じだね」
「はい・・・って、覚えてたんですか!?」
「ふふ、オバちゃん、まだまだ頭だけは若いからね」
お婆さんは、とても可愛らしく笑ってそう言いました。
「それで?あんたらは?」
「それじゃあ・・・」
そうして、それぞれお団子を頼みました。
・・・凛華さんは大量に頼んでいましたがね。
***
「おい凛華。もうやめてくれ・・・」
「もう三本追加するぞ!」
「まあまあ、良い食べっぷりだね〜」
「あ、あはは・・・」
・・・苦笑いしか出来ません。
でも、本当によく食べるんですよね、凛華さん。
「あの、お婆さん、代金は・・・」
「あ、ちょっと待て。俺が出そう」
私が代金を払おうとすると、如月さんがそれを静止しました。
「いえ、如月様。私が払います」
「いや、だがな・・・」
「あの・・・」
こ、これでは話が進みません・・・。仕方ありません。少し強引な手を取りましょう。
「お婆さん、代金は?私が払いますので・・・」
「ん?これぐらいだね」
そう言って私に見せてくれた代金を見て絶句しましたが、如月さん達に払わせるわけにはいきません。私が払いましょう。
「お婆さん、これでいいですか?」
「どれどれ・・・うん、丁度だね。じゃあ、後あの子が頼んだら、その時は私からのサービスってことにしておくよ」
「え?で、ですが・・・」
私は悪いと思いそう言うと・・・
「いいよいいよ、葵ちゃんが久し振りに来てくれたのはその子達のお陰だろう?私はそのお礼をしたいのさ。でも、私もこの店をしているからね、お金は貰わないと。でも、貰えばもう一人の人間さ。だから後は私のサービスさ。いくらでもお食べ」
お婆さんはそう言うと、お店の奥へと戻っていきました。
「お婆さん・・・」
私は少し涙を出しそうになりましたが、ぐっと堪えました。・・・最近、私は涙もろくなったようですね。すぐに泣きそうになります。
「あ、えっと、葵・・・」
「?なんでしょう?如月さん、沙月さん」
如月さんと沙月さんはとても申し訳なさそうな顔をしていました。
「その、すまなかった」
「葵さん、すみません」
「え?え?」
二人は急に私に謝り始めました。え?どうしてですか?
「葵に全部払わせるような形で、本当にすまない」
ああ、そういうことですか。
「謝らないでください。私がしたい事をしただけですので」
「だが・・・」
「それに・・・」
私は凛華さんに顔を向けました。すると、二人も顔を向けました。
そこには、とても幸せそうな顔でお団子を食べている姿がありました。
「幸せに感じてくれているなら私も嬉しいんです。ですから、大丈夫ですよ」
私はそう言って、如月さん達に笑みを向けました。
「・・・すまない」
「ですから謝らないで下さい。私は私が満足することをしているだけですので」
私達がそう言う会話をしていると・・・
「クスクス、あら?葵、珍しいわね、こんなところで会うなんて。そして、貴方達は本当に初めましてね」
後ろからそんな声が聞こえてきました。でも、このクスクス笑いは・・・
私は後ろの方に振り向くと・・・
「やっぱり、レティシアさんでしたか・・・」
「クスクス、ええ♪そうよ」
レティシアさんがいました。