とある御坂の暗部加入   作:ルシフェル

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なんとか2話目
やはり短い…


出会い

『おはようございます。今日のお目覚めはいかがですか?』

 

「あんたの声を聞くまではよかったわよ」

 

『そうですか。それはよかったです』

 

 第三学区、とある高級ホテルの一室。

 子供ぽい服をベッドの上に脱ぎ捨て、いつもの常盤台中学の制服に着替えながらゲコ太のストラップのついた電話で通話していた。

昨日とは違い、自分の意思でぐっすりと寝た翌朝の髪をしっかりと整えながらもしっかりと聞いている。

 相手といえば昨日の声だけで会話していた人だ。

 機械で声を変えてるかもしれないが、口調、抑揚から間違いなく昨日のやつだ。

 

「で、いきなり私の携帯にかけてきて何の用なの?」

 

『いえ、こちら(・・・)側の仕事を始める前に仲間を紹介しようと思いましてね』

 

「……仲間ね」

 

 仲間。

 自分一人で奮闘して失敗した結果が今の私だ。

 だから暗部もそれを判断として私に仲間をつけたのだろうか。

 

『はい。さすがに一人で仕事させようなんて思ってませんよ。一人では限界ありますからね』

 

 レベル5でも人間だ。

 疲れもすれば苦手な部分もあるのだから当たり前だが。

 

「どうせそれも表向きの理由でしょ」

 

『さてどうでしょうか』

 

 しかし暗部からすればそれは建前で本当の目的はお互い監視させるための仲間だろう。

 本当に心配しているのなら学生に仕事なんかさせない。

 

「いいわよ、今はあなたのいうこと聞くしかないんだもの」

 

『昨日とは違い落ち着いていますね。話しやすくて助かります』

 

 一晩寝て完全に落ち着いたとは言いがたいが、昨日よりは全然ましだ。

 昨日の取り乱し方からすれば、かなり落ち着いた方だろう。

 自分でもこれほど落ち着くとは驚きだ。

 妹達が助かったということで頭の整理ができたのだろうか。

 もちろん暗部に使われるという怒りは忘れていないが、表面には出さない。

 

「自分でも驚いているわよ……で肝心の合流場所はどこなの? このままホテルの中で待ちぼうけとか時間の無駄なんだけど」

 

 身支度を終えすでに美琴は行く準備は整っている。

 

『無駄話をしすぎましたね。場所はそちらの携帯に添付しますね。ではまた後ほど』

 

 そういうと一方的に通話を切り、すぐにメールの着信音がなる。

 そのメールを開けると向こうの言った通り場所の示した地図が添付されていた。

 

「……ってここからすぐ近くじゃない!」

 

 地図を示していた場所は同じ第三学区のある研究所として書かれていたところであった。

 こんなに近いのであれば電話でさっさと案内すればいいものを何でこうも遠回りなことをしたのだろうか。

 

「いいわ。文句は着いてから言ってやる」

 

 歩き始めて約10分。

 目的と思われる研究所の玄関裏についた。

 汗もかかないくらい本当に近くにあった。

 

「……」

 

 暗部の拠点の一つ。

 (あくまでこれは拠点の一つだろうが)ここを入ればついに自分も暗部のお仲間だ。

 しかしここにきて暗部になるのかという呆れが自分に出ていた。

 手が震えている。

 歩いて汗をかいたわけでもなく、暑くて出てきたわけでもない。

 なのに自然と肌に汗が伝ってきた。

 覚悟を決めていたつもりだったが、ここにきて躊躇が出てしまう。

 今さら変わりはしないというのに。

 もうこれは決定事項だ。

 

「うん、わかってる」 

 

 誰とでもなく自分に言い聞かせる。

 改めて心の準備を整える。

 大丈夫、もう覚悟はついたと。

 これが私の罪滅ぼしなんだと。

 

「よし」

 

 整理はついた。

 もう一度迷わないように勢いつけてガチャっと扉を開ける。

 

 ガンッ。

 

「あれ?」

 

 勢いよく開ける。

 はずだったのだが、途中何かにぶつかり半開きになってしまった。

 何かに引っかかったのかと半開きの隙間から覗こうとする。

 

「あなたはここまできても上級生の敬う気持ちがないのね」

 

 と、その前に聞き覚えるのある声が聞こえるとともに額が赤くなっている彼女――布束(ぬのたば)砥信(しのぶ)が出てきたのであった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりの再会ね」

 

 前に来ていた長点上機学園とは違う今は私服であろうゴスロリ風の服を着た布束砥信は何か悟ったように美琴に話しかけている。

 その美琴といえば研究所の床の上で頭を押さえ、蹲っているのだが。

 前回会ったとき1回目は頭をかばんで軽く叩かれ、2回目はどこでそんな技術を学んだかのかというばりのキレのいいローリングソバット、そして今回3回目はついにジャーマン・スープレックスを食らわしてきた。

 本当にどこで習ってきたのかわからないが、彼女の格闘技術は美琴以上であろう。

 

「痛っ……お久しぶりです……」

 

「surely、私だけじゃなくてあなたまでこっちに来るとはね。あなたも失敗したのね」

 

 砥信はこっち見ずとも悟っていた。

 美琴は殴られた痛みを抑えながら何とか返事をする。

 

「まあ、私たち以外に誰もかわからないヒーローが計画を潰してあの子たちを救ってくれたみたいだけどね」

 

「……そうですね」

 

 彼女も妹達を救うという目的で美琴とは別方向から解決に向かっていたのだ。

 自分らは失敗したが誰かがあの子たちを救い出してくれた。

 美琴だけではなく、砥信にも救いだったのだろう。

 自分の力ではないが、内心とても嬉しかっただろう。

 

「……」

 

「……」

 

 ちょっとした間が空く。

 美琴は向こうから話さないので、仕方なく口を開く。

 

「えっと、もしかしてかもしかしなくてもあなたが仕事仲間?」

 

「そうみたいね。私もそうだと思う」

 

「まさか再会するどころか仕事仲間になるとわね……」

 

 ここに来て思っていたことだが、やはりそうであった。

 ちょっとした協力関係だった二人だが、なんという運命であろう。

 それともこれは暗部の仕込みなのであろうか?

 ただ砥信が仕事仲間ということでこれからも大変そうに思えた。

 向こうの本心はわからないが驚いてはいるのだろう。

 

「はぁ、ともかくこれからよろしく。こんなクソみたいなところだけど」

 

「こちらこそ。お互いいつ死ぬかんからない身だけど」

 

 握手。

 自然と手が出た。

 お互い仲間として認め合ったための握手だ。

 悪い言い方だが、これも認め合った証拠だろう。

 

 

 

「おいおい、勝手に話を進めるんじゃねぇよ。誰もお前らだけとは言ってないだろう?」

 

 ――だが、二人の間に亀裂を入れるような声が入った。

 二人も瞬時に判断して声の方に顔を向けると、少女はいた。

 その少女は美琴よりも幼い顔で背も小さい。

 もしかしたら小学生くらいだろうか。

 しかし身に纏う雰囲気は普通の少女のそれとは違う。

 パーカーを着た少女から発せられるのは日常生活だけで到底身につかない明確な殺気。

 美琴はこの少女に似た気配の出す人物に出会ったことがある。

 そうあの研究所での麦野沈利との戦いだ。

 間違いないと確信する。

 彼女は裏側の人間だ。

 

「なんだ。急に黙り込んでよ。こんないたいけな少女にびびったのか?」

 

「……別に。急に現れて驚いただけよ。とりあえず殺気を収めたらどうかしら? あなたも私たちの仲間なんでしょ」

 

 彼女は「ハッ」っと鼻で笑うと扉近くにあったパイプイスに座った。

 いかにも美琴たちを馬鹿にしたような笑みを浮かべながら口を開く。

 

「誰もお前らなんかを仲間なんて思ってないよ。まだ暗部の『あ』も知らないようなガキなんてせいぜいよくて協力者程度なんだよなぁ」

 

 彼女の言いたいことはわかる。

 だが美琴たちに深く刺さる言葉であった。

 少女の嘲るような言葉には美琴たちの距離を明確に置いたものであった。

 いまだに美琴たちに鋭い眼光を差す彼女は間違いなく暗部の人間で、自分たちとは確実に違う人物である。

 言葉が詰まる。

 雰囲気に呑まれたとは思わない。

 ただ自分より幼いこの少女を見て事実を突きつけられたのは間違いない。

 先ほどの布束とのやり取りは理想でしかないと、そう思ってしまうような人物である。

 

「わかってるわよ」

 

「あ?」

 

「わかってるわよ。私たちの考えが甘いことくらい。でもね、私だって暗部の一端は先の事件で経験してきたわ。けど、それでも私は私だから、自分のやり方でやっていくわ」

 

 美琴も自分が何を言っているかわかっている。

 これが甘さだと。

 そしてそれがこれからの足枷になっていくものだと。

 けれども美琴は元々正義感が強い人物だ。

 取引で自ら暗部に落ちたとはいえ、まだ完全に染まっていない。

 だからこそいえた言葉であった。

 

「ははっ、はははっ」

 

 美琴の言葉を聞いて、急にお腹を押さえる。

 彼女は笑っていた。

 

「これはとんでもないバカが入ってきたみたいだな」

 

 嘲笑などではなく、ただ面白そうに笑っている彼女に美琴は力強い声で返す。

 

「……別にバカでいいわよ」

 

「はっ、いいぜ。最低限、協力者としてみてやる。そしてお前が暗部の闇に落ちるのをこの目で見てやるよ」

 

 相変わらずけらけらと笑う彼女だが、何を思ったのか美琴に協力してくれるようだ。

 やはり暗部の人間の考えることはよくわからない。

 

「とりあえず名前は教えておいてやるよ。黒夜海鳥だ。で、お前らの名前はなんだ?」

 

「私は布束砥信」

 

「御坂美琴よ」

 

 海鳥は美琴の名前を聞くとますます可笑しそうに笑っていながら話しかけてきた。

 

「お前エリート中のエリート、常盤台の超電磁砲(レールガン)だったのか」

 

 美琴はそこで気づいた彼女は最初にあった嘲笑した笑いはなくなっていた。

 超電磁砲に驚いたというより関心の眼を向けており、なぜそうなったかわからないが一ついえることがある。

 

「ますます楽しみだよ、お前らが落ちるのをな」

 

 邪悪な笑みで楽しそうに笑う海鳥は間違いなく暗部の人間だった。

 




どうもルシフェルです

なんとこさ2話目が完成したんで投稿しました

お仲間登場
黒夜はどうしても仲間にしたく参戦しましたw
ちなみにまだ自身を改造する前の設定なんで原作初登場時よりは弱いかも
まあそれでも十分強いけど
他の設定はおいおい作中で
仲間さんはもう一人考えているけど、それは次回以降で(シルバークロースではないです)

次も一ヶ月以内に書けたらいいなぁ

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