とある御坂の暗部加入   作:ルシフェル

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1ヵ月での更新やはり無理だった…
とりあえず私からの一日早いクリスマスプレゼントです(ぇ


番外編①

 常盤台の寮の一室に少女がいた。

 白井黒子だ。

 まだ幼い顔を残しており、普段はツインテールの常盤台の制服を着用している。

 今は雰囲気が全く異なるもので、髪を下ろし服もパジャマを着ていた。

 だが雰囲気が違うのは見た目の容姿からだけではない。

 どこか暗然としていて、顔色もあまりよくない。

 

「お姉様……」

 

 彼女がお姉様と慕う人物は1人しかいない。

 御坂美琴ただ1人だ。

 彼女の部屋、いや彼女たちの部屋で黒子は1人で数日寝込んでいる。

 相方の御坂美琴は今はいない。

 8月19日の夜からいなくなってしまったのだ。

 黒子にその原因はわからない。

 寮監にも聞いてみたのだが「私にもわからない。急に『御坂は転校した』と理事長から聞かされた。くそっ、こっちが知りたいくらいだ」と怒りを露にしていた。

 普段から厳しい寮監ではあるが、それは彼女の優しさの裏返しである。

 寮監が怒髪天を衝く。

 そんな言葉がぴったり合うくらい怒り、そして心配していた。

 

 もちろん黒子自身も何もしないわけがない。

 まず常盤台の方々に聞いて回った。

 同じ学年から先生まで幅広く聞いたが、手掛かりはない。

「ごめんなさい、わからないわ」とお嬢様口調で返ってくるだけであった。

 その時、婚后光子にも話した上で「私も手伝いますわ」と協力の申し出を受けとても嬉しかった。

 今も黒子に代わって探し回っているかもしれない。

 

「全く私はここで何をしているのかしらね……」

 

 だが黒子は動かない。

 身も心も疲れ動けない。

 いや動こうとしなかった。

 

「……」

 

 当時の黒子はそれだけで良しとはしなかった。

 風紀委員という側面から第177支部所属の同僚である初春飾利や先輩の固法美偉(このりみい)、さらには遊びに来ていた佐天涙子、他の先輩や同僚にも助けを請うた。

 誰しも心配してくれ婚后光子同様喜んで協力してくれた。

 職権乱用覚悟で風紀委員のPCから初春の力を借りてさまざまなところにアクセスしてみる。

 

 だが――手がかりがない。

 超一流のプログラミング技術を持っている初春の力を使ってさえだ。

 いなくなる前の情報と根も葉もない噂、そして多きな嘘が混ざりあった本当の話しかない。

 なぜここまでと思う。

 ここまでくると情報統制を疑う以外ない。

 それも初春の力を持ってしても掴めなかったのだから、相手は間違いなく学園都市の上層部であろう。

 だが一介の風紀委員でしかない私に何かできるだろうか、いやできまい。

 

「んっ……ん……」

 

 そんな自分自身に辟易する。

 黒子はベッドで寝返りをうちながら思う。

 現状できないの言い訳にして行動していないのだが、できることといえばそれも少ないのも現実である。

 黒子はいなくなって初日から行動に移した。

 何日も何日も。

 1週間近く探して手がかりとなる情報がないのだ。

 ここまでくれば常盤台だけではなく学園の園、果てには第7学区外にまで噂が広がってしまっていた。

 それに噂が噂を呼び、情報がいっそう混雑していた。

 手がかりとなる情報もこれではわからない。

 初春も本当のことを取捨選択して、情報を整理してもらっているが状況はあまり芳しくない。

 

「本当情けないですわね……」

 

 力がないといえば他の者から嫌味と取られるだろう。

 だがこの状況ではやはり力がないと称するしかない。

 黒子も所詮中学生だ。

 できることとできないことがある。

 

 ふと横を見るとそこには黒子と同じ型である美琴のベッドがある。

 今はほとんどないが、普段ならベッドの下にはぬいぐるみなども置いてある。

 他にも本や服の一部もなくなっている。

 私がいない間に、女の業者が運び出したらしい。

 

「全くもって、腹立たしいですわね」

 

 もちろん勝手に入られたことではない。

 何もできなかった自分のことにだ。

 怒り、悲しみ、情けないと様々な感情が自分の中で渦巻く。

 それを1つ残っていた美琴が好きであったとあるカエルのキーホルダーを握りしめ心落ち着かせる。

 デザインが子供ぽいと思い何とも思わなかったものが、今では思い出になるとは思わなかった。

 

「いえ、思い出なんかで終わらせませんわ」

 

 黒子は再度心身ともに奮い立てる。

 

「勉学も風紀委員も……そしてお姉様も諦めませんわ」

 

 彼女の日常の取り戻す日々が再び始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上条当麻は平和な日常を送っていた。

 財布を無くし、犬には追いかけられ、果てには居候に頭を噛まれるといったいつもの不幸レベルでいうのであれば彼にとっては平和な日常である。

 少なくとも魔術師や高位の能力者といった戦いのないものは彼にとっては素晴らしい日なのだ。

 しかしながら、上条は今1つ問題がある。

 

「今晩どうするか……」

 

 自分の、そして居候という身分でありながら大食であるインデックスの献立である。

 彼が悩んでいるのはさながら主婦もしくは主夫といった家計の悩み事である。

 だが彼の悩みはそれと同様の悩み事であるのだ。

 というのもインデックスは家事を一切しない。

 というよりもしたことがないため、できないと言える。

 これは毎日の献立も同じことで彼女はこういうことに関与せず、代わりに大量の食事と毎日の食事を要求してくる。

 

「あと10分か……」

 

 当麻は今晩の献立を激安スーパーの中で悩んでいたが、あることに気づく。

 タイムセールだ。

 彼は少しでも節約しようと頑張っているため、タイムセールや広告チラシには目を通し行くようにしている。

 

「魚が安いし、焼き魚でもするか……」

 

 今日このスーパーでは魚の特売日らしく、鮮魚コーナーには当麻と同じく目的とした人が多いがこの時間を逃すわけにはいかない。

 毎日の食事代を節約するためには、こういう地道な努力が必要なのである。

 それは同じ苦学生もなので向こうも容赦はしないだろう。

 そう思案する内に時間はあと5分と迫っていた。

 決戦(タイムセール)までの時間はもう間もなくである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……なんとか二人前は買えたな」

 

 日はすでに落ち薄暗くなったスーパーの帰り道、当麻は腕にスーパーの袋を下げていた。

 どうやら無事に買えたようで、意気揚々としていた。

 彼の今晩の食事と今夜の安全は食事は確約されただろう。

 もちろんこのあと当麻がへまをして、インデックスを怒らすことをしなければだが。

 

「さてちょっと遅くなったから急いで帰らないとな」

 

 少し遠いところに出ていたということもあり、当麻は早足で帰ろうとする。

 インデックスのためにも自分自身のためにも急いだ方が得策であるからだ。

 だが

 

「ん?」

 

 当麻は反対車線の歩道である後ろ姿を見つけた。

 

「あれは、ビリビリか?」

 

 そう、当麻が見たのは御坂美琴だ。

 正確には常盤台中学の制服の後ろ姿であるが、髪も短髪で髪の色合いも彼女のそれである。

 後ろ姿だけなら美琴のクローンである妹達《シスターズ》の場合もあるが、妹達は現在学園都市の内外の病院にて治療中のはずだ。

 まずその可能性はないであろう。

 

 ただ当麻はどちらにしろ会う必要がある。

 妹達なら病院にいなくて大丈夫なのか心配するし、美琴なら妹達について聞きたいことがあるのである。

 美琴とは8月の下旬に入ってから会っていない。

 今までなら街にふらっと出会うということが数日に1回、少なくとも1週間に1回くらいはあった。

 普段なら珍しいこともあるもんだ、と片付けているところだが少し前の事件からしてそうは言ってはいられない。

 絶対能力進化実験。

 これは妹達、美琴のクローンによる無惨な実験であったものだが、当麻が一方通行を撃破したことによって終息したものだ。

 けれども当麻には疑問が残っていた。

 

『御坂美琴はどこにいった?』

 

 美琴のクローンである妹達の被害と供述、撃破した一方通行の示唆、部屋にあった実験の資料。

 数々の証言証拠から美琴が関わりがあったのは当麻以外の目から見ても間違いない。

 それなのに彼女はどこにいったのであろうか。

 意図なのか、はたまた別の事件に巻き込まれたのか。

 レベル5である彼女がそう簡単に負けるとも思えないが、当麻には嫌な予感があった。

 そしてその予感が的中したかのように彼女は当麻の前からしばらく姿を消していた。

 それが今ようやく姿を見つけた。

 声をかける。

 

「おい、御坂!」

 

 彼女は気づかなかったのか、治安の悪そうである路地裏に入っていった。

 前に何かあるのか、こちらには全く気づかず入って行く。

 

「くそっ」

 

 反対側にいるため少し間は開いているが、入っていったのはすぐそこだ。

 暗くて見えないが急げば追い付くかもしれない。

 横断歩道を使わず、この時間のためほとんど通らないが車の通りを見てガードレールを跨ぎ急いで渡る。

 夕方になり薄暗い路地裏になぜ御坂美琴は入っていったのだろうか、と思いつつ当麻は路地裏に進入する。

 

「み……おい、大丈夫か!?」

 

 美琴の名前を呼ぶ。

 だが目の前に人が数人倒れていて、それどころではなかった。

 急いで一人に近寄る。

 

「う……」

 

 少々痙攣はしているが、息はあるし血も出ていない。

 他の人も仰向け、うつ伏せと倒れているのが、数人いるが血は誰しも出ていないし命に別状はなさそうだ。

 見た感じここらへんの裏路地を拠点にでもしているスキルアウトであろう。

 スキルアウトならこういうリスクもあると承知しているのだがら、自業自得なのだがさすがにこのままにしては置けないので救急車を呼ぶことにする。

 当麻は救急車を呼び、して思う。

 

「やったのは御坂なのか……?」

 

 美琴の後に追った人物は自分しかいない。

 なら可能性としては美琴が高い。

 ただ何のためにであろうか。

 レストランで絡まれてた時のようにスキルアウト側から絡んでいったのではなく自分から絡んでいくように路地裏に入っていった。

 彼女は正義感があるが、こんなことまでするような子であっただろうか。

 まだ何もしていない者に、偽善者のような行動で排除するような人物であったであろうか。

 真実を知りたいが、今美琴を追っても見つからないだろう。

 スキルアウトと関わってる間に彼女との差もかなり空いてしまっているはずだ。

 

「……」

 

 穏やかではない胸中であるが、当麻にはどうしようもない。

 彼女に会える時を待つしかなかった。

 




どうもルシフェルです

ということで6話目
といっても今回はサイドストーリーですけど

前半は黒子で、後半は当麻ですね
前回の後書きで本編か番外編で悩んでるって言ってましたが、よくよく考えたらこっち書かないと次の話書けないのを忘れてましたw

次は本編ですね
どの話になるかはお楽しみに

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