ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER3 (非)日常編2

キーン、コーン・・・ カーン、コーン・・・

 

「おはようございます。7時になりました。今日も1日元気で頑張りましょう。」

 

目が覚める。昨日のこともあって何となく清々しい朝だ。気持ちいい気分のまま食堂へ行くとその食堂がなんだか大変なことになっていた。

 

「何だこれ・・・?」

 

食堂に入ると目に入ってきたのは大量に置かれた冊子。1冊1冊はそんなに大した厚さではないがそれも大量に集まると壮観である。また、近くの壁には数着の見ただけで高いと分かるスーツが掛かっていた。少し奥に入ると急に世界がぐるんと回った。

 

「うおあ!!」

 

どうやら俺は転んだようだ。

 

「いたた・・・。何が落ちてんだ・・・?」

 

周りを見渡すとそこにはサッカーボールが転がっていた。

 

「なんでこんなもんがここに・・・?」

「あ!水島大丈夫!?」

「おはよう、涼風。で、これは一体何だ?」

「えっと、昨日久見ちゃんが美上ちゃんのスケッチブックを飾ってくれたでしょ?だからどうせなら他のみんなの分も飾ろうと思って!」

「なるほどな。で、なんでサッカーボールを選んだ?」

「だって二木って言ったらサッカーだし、サッカーって言ったらサッカーボールでしょ?」

「他にもあっただろ・・・。こんなとこにサッカーボールを転がしといたら・・・」

 

そう言いかけた瞬間。

 

「うわっ!!!」

 

第2の被害者が既に出ていた。

 

「なんだよこれ!?危ないな!!」

 

山吹だった。同じ説明を涼風がすると、山吹にこってり絞られ涼風は号泣していた。デジャブか・・・?泣きじゃくりながら戻ってくる彼女に俺は提案することにした。

 

「涼風、ボールじゃなくてユニフォームとかスパイクとかにしないか?それなら飾っててもボールより危なくないぞ?あとあの冊子ももっと減らせ。単純に邪魔だ。」

「二木のほうは分かるけど有浜ちゃんの方はそんな言い方ないじゃん!邪魔なんてひどいよ!」

「あれ有浜のやつなのか?」

「そうだよ!有浜ちゃんが演じた映画とかドラマとかの台本全部だよ!」

 

全部て。持ち込みすぎだろ。

 

「知らなかった・・・。そりゃこんな量になるわけだ。でも言い過ぎたのは認める。すまない。」

「知らなかったんじゃしょうがないよ。」

「でもこれ崩れたらやっぱり危ないぜ?もちっと数絞った方がいいって。」

「うーん、それもそうかー。じゃ、代表作をいくつか絞ってあとは戻してくるよ。」

「ああ。」

 

こうして俺と山吹も協力して整えると中々いい感じのディテールになった。

 

「おー、これすごいねー。」

「涼風が提案してくれたんだ。」

「昨日の報告会で思ったんだ。何があっても4人も仲間だよね、って。だからみんなのこと忘れないようにって!」

 

こうしてみんなが食堂に集まってみると何だか死んだ4人も今この場にいるように感じられる。きっと今の俺達なら本当にこれ以上コロシアイを起こさずにここを脱出できる、そう思えた。

 

 

 

朝食を食べ終えるとみんな時間ができ、ヒマになったみたいだ。かく言う俺もその一人な訳だが、さて、これからどうしたものか・・・。

そう思っていると甘寺から声をかけられた。

 

「ねね、水島君。いっしょにこれから娯楽室行かない?」

「構わないがどうしてだ?」

「時間もあるしゲームでもしない?何なら罰ゲームありでもいいよ?」

「ふっ。言ったな?俺は強いぞ?」

 

こうして俺と甘寺は一緒に娯楽室でゲームを楽しんだ。オセロに始まり、ダーツにビリヤードに色々。ここにあるゲームは全部楽しんだのではないかと思う。

 

「強いよー・・・。」

「だから言っただろう?じゃあどんな罰ゲームをしてもらおうか・・・。」

「うう・・・。」

 

悔しがる甘寺を前に罰ゲームの内容を考えていると、

 

「ちょーっと待ったぁ!!」

 

薬師が現れた。

 

「おい水島お前!!罰ゲームにかこつけてどんなヤラシイことを甘寺にするつもりだ!!!」

「するか!!至って普通のことを考えてたぞ!!」

「本当かい?その手の発言をする人はたいてい邪なことを考えていると思うけど。」

「太宰まで!!」

「別にしてくれてもいいんだよ?」

「甘寺まで何を!?」

 

全くこいつらは冗談ばっかり言って。

そう呆れているとなぜか甘寺は「本気なのに」とむくれている。本気とは一体どういうことなのか。

 

「でも2人だけで遊ぶなんてずるいぞ!どうせだったら俺達も誘ってくれよ!」

「俺は誘われた側な手前勝手に他の人を誘うってのもなと思ってな。それに周りに他にはいなかったし。」

「じゃあー、みんなでゲーム大会でもやるー?」

「久見さんいつの間に?」

「ついさっきー。薬師君から聞き捨てならないワードが聞こえて来ちゃったから着いて来ちゃったー。」

「あはは、悪い悪い。で、そのゲーム大会ってのは?」

「ここにあるゲーム全部でー、みんなで勝負するのー。それでー、それぞれの結果を集計してー、一番ポイントが高い人が勝ちー。」

「でもそれじゃ玉城君の独壇場じゃない?」

「ここには運要素の強いゲームもあるし、ダーツとかもあるから意外と分からないよ?」

「なんか全部水島君強かったし。」

「面白そうだな。やってみるか。」

「で、いつやるんだ?」

「うーん、あさってとかどうー?」

「明日じゃなくてか?」

「うんー。明日ここのみんなでー、ポイント表とか準備してー、あさって開催するのー。」

「なるほどな。いいな。やろう。」

「じゃ、俺みんなに言ってくるよ!!」

「任せた。」

 

ということで俺達はあさってゲーム大会を開催することを約束して一旦その場は解散した。

 

 

 

昼食を食べた後、時間ができたので少しだけ3階を見て回ることにした。美術室に入って見ると既にそこには先客がいた。

 

「やあ、水島君。私に何か用かい?」

「いや、そういう訳じゃないんだが何となくここまで来てな。」

「そうか・・・。じゃあ少しだけ私の暇つぶしに付き合っておくれよ。」

 

美上が生きてたらここに入り浸りそうだ、なんて話をしながら時間を過ごした。

 

「水島君、ありがとう。」

すると急にアンリがそんなことを言い出した。

 

「なんだ、急に?」

「いや、君に限らずみんなには感謝しているんだ。」

「感謝?」

「ああ。私はあまりこれまで同年代の友人というものがいなくてね。何なら同年代の人間が周りにいたこと自体畔田の他に思い浮かばないんだ。だけど畔田も含めてこれまで会ってきた人たちは私のことを“超高校級の資産家”だとか、シャークネード家のご令嬢だとか、取引先の社長だとか肩書きでしか見てくれなくてね。」

「確かにそれだけ色々肩書きを持っているとそっちの方に目を持ってかれてしまうな。」

 

現に俺も最初はその1人だった。

 

「だろう?私だってそれは分かっているんだがどうにもそれが寂しくてね。私は“超高校級の資産家”や“ご令嬢”、“社長”といった存在である以前に“アンリ・シャークネード”という1人の人間なんだぞ、って思っていたんだ。」

 

彼女の吐露した悩みは彼女ならではのものであるのかもしれない。能力が高い故に、若くして多くのものを背負うこととなってしまった彼女故の。

 

「でもここに来てからは違った。みんなは私のことをそういう肩書きを持った存在である以前に“アンリ・シャークネード”という1人の人間として扱ってくれた。私にとってこんな環境はずっと望んできてそれでも手に入らなかった、そういう場所なんだ。」

 

きっと彼女は若くして背負ったものの大きさ故に、逆を言えばきっと多くのものも手に入れてきた人生であったことだろう。でもその彼女がずっと欲しかったものはそんなお金で手に入るものではなかったのだろう。彼女にとって一番欲しかったものは多くを手に入れた自分であっても同じ1人の人間として見てくれる、そんな友人だったのだ。

 

「だから、私はみんなに感謝しているんだ。ずっと一番に欲しかったものを私に与えてくれたみんなにね。」

「それはお前の人徳だ。」

「え?」

「アンリがこれまで多くのものを手に入れてこられたのも、ここでみんながお前と対等な人間として仲良くなりたいと思ったのも全部お前の人徳だ。お前が必死の多くのものを背負って踏ん張る姿を見せてきたからみんなお前のことを認めてるんだよ。みんなも、俺だってアンリに感謝してる。こんな訳の分からない状況に追い込まれたのにお前はどうにか落ち着いてみんなのことをまとめようとしてくれた。そんなお前だからみんな一緒にいたいと思うんだよ。」

「そう・・・かな・・・?でもそこまで褒められると照れてしまうな・・・。」

 

アンリが照れくさそうに頭を掻く。

 

「何だかお礼を言おうとしたら君にもっともらってしまった感じがするね。ありがとう。でも不満がないわけじゃないんだぞ?」

「そうなのか?」

「ああ。畔田はもっと私にフランクに接するべきなんだ。最初はそうだったし・・・。勝手に執事になるとか言い出して。アイツがずっと近くにいてくれるのはありがたいが、これじゃずっと上下関係が消えないじゃないか!それじゃ私は困るんだよ!」

 

そいつは俺達ってより畔田への不満じゃなかろうか。

 

「水島君からも畔田に言っておくれよ。もっと私にフランクに接してくれって。」

「俺か!?」

「ああ。君にしか頼めない。」

「そうかなぁ・・・。まあ、分かったよ。畔田に伝えとくよ。アンリが自分のことをきちんと一人の女の人として見てくれって言ってたって。」

「なっ・・・!そういうことじゃない!!」

「照れるなって。そういうことだろ?」

「うう、間違ってはいないが・・・。水島君、君は意外と意地悪だな・・・。」

「悪かったって!拗ねるなよ!」

「でも伝え方はともかく頼んだよ?」

「ああ、任された。」

 

ずっと頼りがいのあるリーダーであったアンリの普通の女の子としての側面を見られて何か新鮮な気分だった。

 

 

 

さて、もう少し時間がありそうだな。

そう思って食堂に入ってみるとそこには比嘉がいた。

 

「あれ、比嘉1人でどうしたんだ?」

「おお!水島か!!いや、小腹が空いたんでな、つまみ食いよ!!お前も一緒に食べるか!?」

「せっかくだから相伴に預かるよ。」

 

比嘉が持ってきたお菓子やパンを一緒に大量に食べた。

 

「そう言えばこんなにお菓子とか食べて大丈夫なのか?カロリー計算と狂わないのか?」

「うーむ、俺はあまりそういうのは考えたことがなくてな!!逆にこういう菓子やパンは大好物だ!!」

 

意外だ。コイツは何となく豪放磊落な武人というイメージがあった。こういうの逆に大好物とは。

 

「これでもここ数年はかなり量を減らした方だ!中学生のころなんかはこの倍は少なくとも食べてたな!!」

「倍・・・?」

 

今食べただけでも普通に1日分の食事として充分成り立つぞ・・・?

 

「じゃあなんで減らしたんだ?健康のためか?」

「それがないと言ったら嘘にはなるが、それがメインじゃない。俺が菓子の類いを控えるようになったのは弟のためだ。」

「弟?」

「ああ!俺には2つ下の弟がいてな、奴も共に空手をやっていた。」

「そうなのか・・・。お前の弟じゃ相当な実力者だろうな。」

「きっとそうだったはずだ。もしかしたらここにいたのは俺ではなく奴だったかもしれん。生きていればな。」

「・・・すまない。」

「いや、いいんだ!今はもう吹っ切れてる!!病気だった!帰り道で倒れてそのまま帰らぬ人となったんだ。」

「話さなくていいって。吹っ切れてるって言ったって話すのは辛いだろ?」

「いや、逆に弟のことをみんなにも知ってもらおうと思ってな!みんなが直接は知らなくても弟のことを知っていてくれればもしここで俺の身に何かあってもしばらくは弟は本当の意味では死なんからな!」

 

そんな話をどこかの漫画で読んだ気がする。

 

「それに俺がここまで来れたのは奴があってこそだ。奴が死ぬ前に俺に思いを託してくれたからこそ、それまで大した選手ではなかった俺が超高校級とまで呼ばれるに至った!奴の思いを叶えるために俺は菓子を制限したしな!!そして今まであまり身を入れてなかった稽古にも力を入れるようになった!だから辛くはあったが、弟が死んだことはまるっきり悪いことばかりではなかった!だからそうくらい顔をするな!!」

「そうなのか・・・。」

「どうせならこれからみんなを呼んで弟の話をしてやろう!!」

「さすがにお前は気にしなくてもみんながお通夜ムードになるからやめた方がいいと思うぞ・・・?」

 

史上最高の空手家と呼ばれた男の意外な一面と抱えた過去を知ることができたと思う。

 

 

 

キーン、コーン・・・ カーン、コーン・・・

 

「午後10時になりました。ただ今より夜時間になります。食堂はロックされますので速やかに退出してください。それではよい夢をお休みなさい。」

 

何だか今日は2人の意外な部分が見られたな・・・。こうやってみんなのことをもっと知っていけるといいんだが・・・。

 

 

 

 

【モノトラ劇場】

 

「みんなはダーツなんてやったことがあるか?」

 

 

「ダーツってのはどうやら」

 

 

「百年戦争のころにイギリス軍の兵士が」

 

 

「暇つぶしに始めたゲームが起源らしいぜ!」

 

 

「最初は弓矢を使ってアーチェリーに近かったみてーだ!!」

 

 

「それが今時バーなんかでもできるゲームになってんだから」

 

 

「世の中わかんねーもんだぜ・・・。」

 

                   ・

                   ・

                   ・

 

【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級のショコラティエ  甘寺心愛(アマデラココア)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の棋士       玉城将(タマシロショウ)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級のドラマー     山吹巴(ヤマブキトモエ)

超高校級の資本家      アンリ・シャークネード

超高校級の執事       畔田鋼之助(クロダコウノスケ)

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の図書委員     太宰直哉(ダザイナオヤ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

超高校級の空手家      比嘉拳太郎(ヒガケンタロウ)

 

残り12人




と今回はここまで!!第3章の2日目いかがでしたでしょうか?
水島君は意外とゲームの類いが得意みたいですね!と言ってもさすがに将棋じゃ玉城君には敵わないでしょうが・・・。ということで次回もまたお楽しみに!!


さて、今回は第1章のおしおき解説!!
第1章のおしおきは《高次元PK対決》、超高校級のサッカー選手である二木駆くんのおしおきです。ちょうどこのおしおきが載った回の後書きでも少し書いたのですが、このおしおきのモデルは筆者の小学生時代の象徴たるゲーム2代巨頭のウチの1つであるイナズマイレブンシリーズです!その中でも「ど根性バット」という、味方をバットにして振り抜くことでシュートする、という必殺技をモデルに今回のおしおきを描きました。もちろん当時僕の周りのサッカー少年達もこのゲームをめちゃめちゃやっていたわけですが、それは置いといて、いわゆるサッカーとはかけ離れた形のこのおしおきにより純粋なサッカーを極めた少年が死んでゆく、という仕様になっております。

ということで次回もお楽しみいただければ幸いです!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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