エレべーターの扉が開く。みんなの雰囲気はお世辞にも良いとは言えない。しかし、前回とは異なるところが1つ。全員の目には絶望が映っている訳ではなかった。俺達の目に映っているのは、仲間を2人も殺されたことによる怒りだった。
「お?オマエラ何だか前とは雰囲気がちげーな!」
モノトラは俺たちの事を茶化してくるが、その言葉も気にならない。その証拠に誰も奴の言葉に反応しない。
「ちぇ、つまんねーなー。じゃ、それぞれの席に着いてくれ!」
つまらなそうにするモノクマに促されるまま、俺達は法廷の自分の席に着く。
俺達は必ず見つけてみせる。
この事件の真相を。2人もの仲間を無残にも殺して見せた、この中にいる犯人を。
三度、学級裁判の幕は開かれる。
【コトダマ一覧】
【モノトラファイル3)
被害者は“超高校級の空手家”比嘉拳太郎と“超高校級のドラマー”山吹巴。死因はどちらも腹部の傷からの失血死。死体発見現場は比嘉が物理室、山吹は寄宿舎の自室。死亡推定時刻は比嘉が11時ちょうど、山吹が11時5分。
【ガムテープの切れ端)
山吹の死体のすぐそばに落ちていた。
【腹部に刺さった槍)
山吹が握ったままの状態で死体の腹部に刺さっていた。
【山吹の死体)
死体の傷は急所にはなかった。恐らく即死ではなかった。
【手首の痕)
両手首に7~8cmほどの赤い痕が残っていた。
【山吹の手)
左手の小指側のみに血がべっとりと付着していた。
【物理準備室の棚)
1つの棚の下の引き戸が開かなくなっている。誰がどうやっても開かなかった。
【モノトラの証言)
物理準備室1つの棚の引き戸は立て付けが悪い。引き戸を開けるにはコツがいるが、アンリには教えていなかった。
【アンリの証言)
ここ2日山吹は比嘉のことを避けていた。動機に関連しているかもしれない。
【玉城の証言)
山吹が誰かとコソコソ話しているのを見かけた。相手や内容は不明。
【比嘉の死体)
腹部を水平に刺されていた。
【比嘉殺しの凶器)
不明。しかし、傷から推測するに形状としては山吹殺しの凶器と近いかたちをしていると思われる。
【娯楽室に集まる順番)
10:30に久見と薬師、10:32に水島と甘寺、10:35にアンリと畔田、10:40に涼風、10:45に九鬼、10:57に玉城、10:59に太宰が来た。
【動機)
今回モノトラは動機だと明言していないが、お互いの猜疑心を呼ぶ発言は今回の動機であると考えられる。
動機の向く方向は水島→甘寺→薬師→玉城→九鬼→アンリ→畔田→久見→太宰→涼風→山吹の順になっている。
【捜索の班分け)
1F:太宰、久見、九鬼、薬師
2F:玉城、アンリ、畔田
3F:水島、甘寺、涼風
班分けをすることを太宰が提案してくれた。
【キュー)
1本行方不明になっている。薬師が昨日確認したときには確実に全部あった。
【接着剤の容器)
床に落ちていた。昨日太宰が将棋盤を直すのに使ったものだと思われるが、昨日使い切ってはいないのに空になっていた。
【木の棒)
美術準備室のゴミ箱の中に捨てられていた。長さは30cm程度。恐らくはキューの一部だと思われるが、他の部分がどこに行ったのかは分からない。
【甘寺の証言)
比嘉が今日のゲーム大会に遅れると言っていた。
どうやら誰かとの約束があったようだが、その相手は不明。
【学級裁判開廷】
「さて、そろそろこの話もしなくていいんじゃねーかと思ってる今日この頃だが、学級裁判の流れについて最初に説明させてもらうぜ?オマエラには比嘉及び山吹を殺したクロを見つけてもらうぜ。そしてそのクロを正しく指摘できた場合にはクロのみがおしおき。逆に間違った人間をクロとして指摘してしまった場合はシロが全員おしおきだ。ってな訳で議論開始だ!!」
モノトラの言葉を皮切りに3度目の学級裁判が始まる。
「っとその前にモノトラ、1つだけ聞いておきたいことがあるんだけど良いかな?」
アンリが口火を切る。
「お、何だ?」
「今回被害者は2人だ。つまりクロも最大2人いる、ということになると思うんだが、もしクロが2人いた場合それはどうするのかな?投票じゃ1人までしか投票できないだろう?」
「ああ、それなら先に死んだ比嘉の方の犯人を当ててくれ。山吹を殺した犯人はおまけで推理しても良いがな。逆に外れた場合も卒業できるのは比嘉を殺した犯人だけだ。早い者勝ちって奴だな。」
「なるほど、それを聞いて安心したよ。これで心置きなく裁判に集中できる。」
指名しなければならないクロがどちらか判明したところで今度こそ裁判開始だ。
「とは言ったものの、どこから始めましょうか・・・。」
「ま、比嘉の事件の概要をまとめてきゃいいんじゃねーか?」
「そうだね。クロは比嘉君を殺した方を指名するわけだしね。」
「それならやっぱ前と同じように死因から行こうよ!」
「そうだな。」
議論開始
「比嘉の死因か・・・。」
「たしか【刺殺】だったよね?」
「モノトラファイルにもそんなことが」
「書いてあったな!」
「確か【正面から刺された】、とも」
「書いてありましたね。」
「っつーことはよー、」
「比嘉の野郎は」
「【ナイフ】で腹を」
「刺されて殺されちまった、って訳だな!」
確かそれは分かっていなかったはず・・・!
【比嘉殺しの凶器)→【ナイフ】
「それは違うぞ!」
「あれ?刺されたんじゃねーのか?」
「ああ、刺されたこと自体は事実だ。でも何を使って刺されたのか、ってことは分かってないんだ。」
「マジかよ!オレ完全にナイフだと思ってたぜ。」
「じゃあ、その凶器は一体何だったんだろうね?」
「正直今の段階じゃ分からない。でもヒントがないわけじゃないぞ?」
「そうなのかい?」
「ああ。」
そう、比嘉を殺害するのに使った凶器のヒントがないわけじゃない。そのヒントが隠されているのは・・・。
選択肢セレクト
1.比嘉の道着
2.死体の傷
3.出血の量
→2.
「これだ!」
「ヒントは比嘉の死体に隠されているんだ。」
「死体に?」
「えっとねー、比嘉君の死体に残ってた傷がー、ちょうど巴ちゃんのお腹に刺さってた凶器に近い形をしてたんだー。」
「巴のお腹に刺さってた凶器?」
山吹のお腹に刺さってた凶器、それは・・・
証拠提示
【腹部に刺さった槍)
「これだ!」
「久見、それってこの槍のことだよな?」
「そう、それー!この槍の形と同じような形の傷が残ってたからー、多分比嘉君を殺すときに使った凶器はこれと同じような形だと考えられるんだー。」
「そういうことか!」
「まあ槍と言ってもいわゆる槍じゃなくて手槍だけどな。」
とりあえず比嘉を殺すときに使った凶器の手掛かりが得られた。でもそれってもしかしたら・・・
「っつーかよー、凶器、同じなんじゃねーのか?」
俺の頭の中を過ぎった考えを偶然九鬼が代弁してくれた。
「どういうことだ。」
「いやよー?その槍ならオレも見たんだけどよー、それとおんなじモンはどこにも他にはなかったろ?ってことはおんなじ槍を使って山吹も殺したんじゃねーかなと思ってよ?」
「確かにそれはあり得るな・・・。」
でも逆にそれが意味するところは・・・。
選択肢セレクト
1.比嘉と山吹を殺した犯人は同一人物
2.比嘉と山吹を殺した犯人は別人
→1.
「これだ!」
「ということは、だ。比嘉を殺したクロと山吹を殺したクロは同一人物、ってことじゃないか?」
「へえ、何を根拠に?」
「偶然別々の殺人がそれぞれ同じような凶器で近い時間帯で行われるってのは考えにくいし、さっきもモノトラが言ったように1回のコロシアイで脱出できるのは1人、しかも早い者勝ち。共犯者に協力するメリットもないだろ?」
「それを知らなかった可能性もあるんじゃないかい?」
「それでもクロにとってもリスキーすぎる。共犯者は殺人に関与したからといってバレたところで俺達から白い目で見られる以外何かデメリットがあるわけじゃない。クロを裏切ってしまえば自分はとりあえずのところは生き残れるんだ。逆にクロは裏切られたら一転自分の死に直結する。そんなリスキーな選択をここまで周到に殺人をした犯人がするとは思えない。」
「・・・それもそうだね。僕の考えすぎだったよ。」
「じゃあこれからは比嘉君と山吹さんを殺したその1人を探せば良いってことだね!」
そういうことになるが、まずは議論を進めていくしかないな。
議論開始
「比嘉と山吹を殺した犯人だと・・・?」
「つってもさー、」
「今回の事件には」
「【動機すらねえ】じゃん?」
「どうやって議論すんだ?」
「動機は些細な問題さ。」
「『現場の状況』が犯人に繋がるんじゃないかな?」
「確かに『トリックの証拠』があるかもしれませんね。」
「事件発生当時の『アリバイ』なんかも」
「使えるかもしれないね。」
「そう考えると意外と」
「取っ掛かりはあるかもな!」
確かに取っ掛かりは色々あるが、それも確かに存在していたはずだ。
【動機)→【動機すらねえ】
「それは違うぞ!」
「え?」
「薬師、動機もこの事件には存在しているぞ。」
「でもさ、モノトラは何もしてきてなかったろ?」
「実は隠れて仕込みは済んでいたんだぜ?」
「何をー!?」
「ああ、コイツの言ってることは嘘じゃない。実際に俺達にバレないように今回の動機の仕込みは終わってたんだ。」
「それなら俺も証明しよう。俺が水島に調べるように言ったからな。」
「玉城まで・・・。」
今回の動機は分かりにくいけど至極簡単なものだった。
「今回の動機は俺達の人間関係に影響を与えるものだった。」
「どういうことー?」
「俺は捜査中に絶対みんなに1つの質問をしたはずだ。」
「質問?」
「一昨日の夜から昨日の朝にかけてモノトラに何か吹き込まれなかったか、って質問のことかな?」
「ああ、それのことだ。」
「確かにそれならオレも訊かれたぜ!」
「この質問の答えがある意味今回の事件の動機に繋がるんだ。」
「それは一体・・・?」
「今回の動機は『自分に対して誰かがこう思ってる・こうしようとしている』という情報を与えることによってソイツに自分が殺される前に自分がソイツを殺してしまおう、と仕向ける、俺達の猜疑心を煽るものだったんだ。」
「なるほどー。」
「確かにそれなら納得の内容かもしれないね。」
「そしてこれもみんなに見てほしい。」
そう言って俺はみんなにメモを広げて見せた。それは今回の動機の向いている方向を示したものだ。
水島→甘寺→薬師→玉城→九鬼→アンリ→畔田→久見→太宰→涼風→山吹
「これはなんのメモなの?」
「涼風、これはな?みんながそれぞれ誰を殺そうとする可能性があったのか、まとめたメモだ。」
「これはまた見事に一直線で面白いね!」
「そう、奇跡的に、というよりモノトラがそう仕組んだんだろうが、俺達は一直線になるように殺意が向くことになってる。実際に殺意を抱いたかは別としてな。」
「あ、水島!でもこれミスがあるよ?」
「ミス?ああ。比嘉の名前がないことか?」
「そう!」
「それならミスじゃないぞ。」
だってここに比嘉の名前がないのは・・・
選択肢セレクト
1.モノトラが比嘉を忘れていたから
2.比嘉は誰にも動機を持っていなかったから
3.比嘉のことは誰の口からも出なかったから
→3.
「これだ!」
「比嘉の名前は誰の口からも出なかったからだからな。」
「え、そうなの?」
「それも近くにいた俺が証明しよう。」
「いつの間に水島さんと玉城さんはそんなに仲良くなったんですか・・・?」
「ちょっとBL漫画の参考にしたいからー、あとで取材させてねー。」
それはちょっと勘弁願いたい。
「話、逸れてるよ?」
「おっと、すみません。」
「話を戻すとだな?今回の動機の件をみんなに訊いたはいいものの、誰の口からも比嘉について言及はされなかった。だからこのメモには比嘉の名前がないんだ。」
「納得!」
「つまり、ここにいるメンバーは誰も比嘉に対して動機を持っていなかった、ってことだよな?」
「ああ、そういうことになる。」
「ってことはよ?今回の事件って山吹に動機を持ってる奴が一番怪しいってことじゃねーか?」
九鬼の言葉にはっとする。確かに、誰も比嘉に動機を持っていないなら今回の殺人は山吹に動機を持つ人間によるもの、ということになる。
つまり、この事件の最有力の容疑者って・・・
選択肢セレクト
1.俺
2.アンリ
3.涼風
4.玉城
→3.
「これだ!」
「それは涼風が一番怪しいってことか?」
「えーー!!?あたし!!?」
「まー、そういうことにならあな。」
「ちょっと待ってよ!!あたし殺してないって!!」
「それはこれから議論することじゃない?」
「それもそうですね。」
「嘘でしょ・・・。水島もなんとか言ってよー!!」
「こればかりは議論してからじゃないと俺も何とも・・・。」
「もーー!!!」
でも俺もこの結論には違和感がある。あまりにも単純すぎる。次はホントに涼風が犯人か議論していくべきだろう。
議論開始
「比嘉に動機を持ってる奴がいなくて、」
「山吹に動機を持ってる奴がいる。」
「それならよ、【山吹に動機を持ってる奴】を疑うのが」
「筋ってモンだろ?」
「それなら犯人は」
「涼風、オメーしかいねーんだ!!!」
「だーからー!!」
「あたしは【やってない】んだってばぁ!!」
「それなら証拠を出せ。」
「それも無しに信じろというのはムリな話だ。」
「う・・・、それは・・・。」
「『アリバイ』とかないの?」
「単純に『ムリだという証拠』でもいいんですよ?」
「うう・・・、それはぁ・・・。」
こりゃ完全にたじろいでしまってるな・・・。だがこれでやっと感じてた違和感の正体にも気付くことができた!
【娯楽室に集まる順番)→『アリバイ』
「これに賛成だ!」
「いや、証拠ならあるぞ。」
「ほんと!!?」
「ああ。今回のゲーム大会、その当日準備のために娯楽室に集まっただろ?その時の娯楽室に集まった順番、これが涼風が今回の事件を起こせなかったという証拠になる。」
「えっとー、どゆこと?」
「おいおい、自分のことだろう・・・。じゃあ一から説明していくぞ。今回の事件、比嘉の死亡推定時刻は何時だ?」
そう、比嘉の死亡推定時刻は・・・
選択肢セレクト
1.11:00
2.10:30
3.11:20
→1.
「これだ!」
「えっと、11時ちょうどだっけ?」
「ああ、その通りだ。じゃあ、山吹の死亡推定時刻は?」
続いて山吹の死亡推定時刻。それは・・・
選択肢セレクト
1.11:00
2.11:05
3.10:55
→2.
「これだ!」
「確かー、11時5分ごろ、だったよねー。」
「そうだな。それじゃあ最後に、涼風が娯楽室に来た時間はどうだ?」
そして涼風が娯楽室に来たのは・・・
選択肢セレクト
1.10:30
2.10:40
3.11:00
→2.
「これだ!」
「確か俺達が来て10分くらいだったから、10時40分くらいだったか?」
「その通りだ。そして今回、全員がそれぞれ娯楽室に1回入ってからは誰も外に出ていない。それはお互いが確認しているハズだ。」
「ということは、紫は10時40分に娯楽室に入ってきてからは一度もどこにも出ていない、ということになるわけだね。」
「つまり、涼風は犯人じゃない、と?」
「その可能性が高い。」
「今水島君が言ったことは事実だし、疑う理由もないんじゃない?」
「それなら逆に死亡推定時刻の時点で娯楽室にいなかった人物が怪しい、ということになるね。」
「あー、それ自体は太宰の言う通りなんだが、1つ大きな問題があるんだ。」
「問題?」
「みんな娯楽室にいたからだろう?娯楽室に入ってきたのは太宰が最後だが、その太宰も10時59分に来ていて比嘉が死ぬ前には娯楽室にいた。つまり、誰も容疑者がいない、ということになる。」
「マジかよ・・・。」
そう、涼風の疑いが晴れる、ということは誰も容疑者がいなくなる、ということ。つまり議論が白紙に戻る、ということだ。
「どーすんだよ・・・。」
「マズいね・・・。」
「最初からか・・・。」
みんなの中に良くない雰囲気が流れる。
「いや、最初からじゃないかもよ?」
甘寺が声を上げる。
「一度1歩前に戻ってみるだけで意外と答えが見えてくるかも!」
「1歩前・・・。動機の話か?」
「そう!だってここまで全員に動機を与えているのに比嘉君だけ全く名前が挙がらないのっておかしくない?」
「確かにそれはそうだね。」
「それなら、比嘉君に関しては誰も証言できなかった、ってことになるんじゃない?」
「証言できなかった・・・?」
比嘉に関する動機を誰も証言できなかった、ということは・・・?
選択肢セレクト
1.誰かが隠している
2.モノトラに口止めされていた
3.比嘉に動機を持っている人物は既に死んでいる
→3.
「これだ!」
「そういうことか!」
「あ、分かった?」
「比嘉に対して動機を持っていた人物が既に死んでいたとしたら誰も証言できないよな?」
「そういうこと!」
ここでもう一回誰が誰に動機を持っているのか、振り返ってみよう。
水島→甘寺→薬師→玉城→九鬼→アンリ→畔田→久見→太宰→涼風→山吹
みんなの動機の状況はさっきも見たとおり、この形だ。そしてこの動機の状況を見るに、比嘉に対して動機を持っている可能性があるのは・・・
選択肢セレクト
1.山吹
2.俺
3.モノトラ
→1.
「これだ!」
「山吹だろ?比嘉に動機を持っていたのは。」
「どういうことー?」
「恐らく今回の事件に関して山吹も何かしらの動機を聞かされていたはずだ。そして山吹が動機を持っていた可能性があるのは俺か比嘉。俺だった場合、比嘉だけが動機の列から外れてしまうことになる。ここまで仕組んでおいてその可能性は低いから山吹が動機を持っていた相手が比嘉で、比嘉が動機を持っていたのが俺、ということになれば綺麗に動機を持っている相手が輪になるだろ?」
「そう言われると納得できるな!」
「それはちょっと伏線がないかな。」
「太宰・・・!」
「確かにそう考えると綺麗に収まるとは思うけど、それでもこれはあくまで君の推論でしかないよね?証拠が足りないと思うんだけど。」
反論ショーダウン
「君の考えは確かに納得できるけど、」
「あくまで君の推論に過ぎないよね?」
「現実問題として」
「山吹さんも殺されているわけで、」
「そこも考慮しないといけないんじゃないかな?」
-発展-
「確かに現状は俺の推論だ。」
「でも他の状況も総合すると」
「そうとしか考えられないんだよ!」
「君は全員の動機が輪になると考えてるみたいだけど、」
「比嘉君だけが外れている可能性も」
「ゼロじゃないよね?」
「現に」
「山吹さんが比嘉君に動機を持っていたって」
「【証拠はない】よね?」
いや、証拠はない訳じゃない!あの人の発言が証拠になる!
【アンリの証言)→【証拠はない】
「その言葉、斬らせてもらう!」
「証拠が有るって言うのかい?」
「ああ。まあ、これもあくまで状況証拠でしかないけどな。アンリ、説明してもらえるか?」
「私かい?あ、もしかしてアレのことかな?」
「そのアレで合ってるはずだ。」
「じゃあ、僭越ながら。私が見ていた限りなんだけど、ここ2日くらいのところかな、巴が比嘉君のことを避けて行動していたんだ。ここまで動機が揃ってくると、彼女のその時の行動は動機の影響によるものと考えるのが一番自然じゃないかな?」
「なるほどね、確かに状況証拠だけど、動機以外で山吹さんが比嘉君を避ける理由もないね。」
「でもそれってよ?」
そう、この証拠がこの事件の犯人を証明しているとも言える。その犯人は・・・!
指名しろ!
【ヤマブキトモエ】
「お前しかいない!」
「ああ。今回の事件の犯人は山吹だ。」
「は!!?」
「それはまた突飛な・・・。」
「逆にそれ以外考えられないんだ。今生きているメンバー全員にアリバイがあって犯行は不可能、そして死んだ2人の内の片方がもう片方に対して動機を持っている。」
「つまり、お前はこう言いたいんだな?山吹は動機を聞いたことで比嘉を殺害、その後自分の罪に押しつぶされて自殺した、と。」
「ああ。その可能性が一番高い。」
「じゃあ、今回は誰も殺しをしてないんだな!」
「まあ、山吹はしてるんだがな。」
「何か、ホッとしましたね。」
「やっぱりー、疑い合うのは気分の良いものじゃないしねー。」
「うっし!じゃあ投票しようぜ!!あー一件落着だぜ!」
そう、今回の事件の犯人は山吹である可能性が高い。高い、ハズなんだが・・・。
何だ、この違和感は?何か、誰かの手によってこの結論に至るように導かれている気がする・・・。本当に、何だこの違和感は・・・?本当にこの結論で正しいのか・・・?
【裁判中断】
「自殺ってのは罪深いよな。」
「だってよー、タダでさえ人殺しってのは重い罪なのに」
「一番に大切にしなきゃならん自分を殺しちまうんだからよ。」
「え?なんでこの話を今してるかって?」
「さあな-・・・。気になるか・・・?」
「ぐぷぷ・・・。ぐぷぷぷぷぷ・・・。」
・
・
・
【生存者】
超高校級の幸運? 水島輝(ミズシマアキラ)
超高校級のショコラティエ 甘寺心愛(アマデラココア)
超高校級の射撃選手 薬師弾(ヤクシダン)
超高校級の棋士 玉城将(タマシロショウ)
超高校級の長距離ランナー 涼風紫(スズカゼユカリ)
超高校級の資本家 アンリ・シャークネード
超高校級の執事 畔田鋼之助(クロダコウノスケ)
超高校級の漫画家 久見晴香(ヒサミハルカ)
超高校級の図書委員 太宰直哉(ダザイナオヤ)
超高校級の海賊 九鬼海波(クキミナミ)
残り10人
第3章学級裁判前編はここまで!今回の事件の犯人は本当に山吹さんなんでしょうか?彼女は自分の抱えているものを誰にも見せず、勝手に逃げてしまったのでしょうか?真実は一体どこにあるのでしょうか?真相は次回をお楽しみに!!
さて、設定裏話なんですが、1,2章の話はどちらもとりあえず終わってしまったので超高校級の○○と題して1つのテーマに関して軽く紹介していこうと思います!
ということで今回は「超高校級の好物」と行きましょう!
水島輝→サンドイッチ
「本片手に食べられるからな」
甘寺心愛→チョコレート
「言わずもがなじゃん!」
薬師弾→肉全般
「肉は実質ガソリンだぜ!」
玉城将→盛りそば
「対局中によく食べるしな」
二木駆→おにぎり
「色合いがボールに似てるだろ?」
涼風紫→バナナ
「すぐエネルギーになるからいいんだよねー」
山吹巴→鯖の味噌煮
「ま、鯖なら何でもいいんだけどな笑」
有浜鈴奈→紅茶
「茶葉にはかなりこだわるわ」
アンリ・シャークネード→A5ランク和牛ステーキ
「うちのシェフが腕によりをかけて作ってくれるんだ。」
畔田鋼之助→味噌汁
「家庭の味というものに憧れがありまして」
久見晴香→ハンバーガー
「いくらでも食べられちゃうよー」
太宰直哉→抹茶ケーキ
「抹茶はすばらしい文化だよ」
美上三香子→ポ○フル
「カラフルで好きなのよねー」
青山蓬生→よもぎ餅
「ヨモギの香りとあんこのマリアージュが好きなんです」
九鬼海波→刺し身
「船の中でよく食べたぜ!」
比嘉拳太郎→ポテトチップス(コンソメ)
「コンソメは至高だぁ!!」
てな感じです!それでは次回をお楽しみに!!
最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!
-
水島輝
-
甘寺心愛
-
薬師弾
-
玉城将
-
二木駆
-
涼風紫
-
山吹巴
-
有浜鈴奈
-
アンリ・シャークネード
-
畔田鋼之助
-
久見晴香
-
太宰直哉
-
美上三香子
-
青山蓬生
-
九鬼海波
-
比嘉拳太郎