【裁判再開】
・・・今のところ比嘉と山吹、それぞれに対して殺人を起こす動機を持っているのは山吹と涼風だけ。でも涼風は揺るぎないアリバイを持っている。それならば既に死んでいるとしてももう一人の山吹が比嘉を殺してその後自殺した、と考えるのが一番自然なはずだ。それがこの事件の真相のハズだ。それなのにどうしてこの違和感を拭うことができないんだ・・・?
「それでは今回のクロは既に死んでいるとは言え、山吹さんだ、ということでいいんですよね?」
「ああ、そういうことになるはずだよ。」
「じゃあ投票に行っちまってもいいな!!」
既にみんなも投票する雰囲気になっている。このまま行けば山吹が犯人、ということになるだろう。
「じゃあモノトラ、投票に・・・」
「ちょっと待ってくれ!」
「水島?」
「どうしたんだい?」
「いや、まだ何かが引っかかってるんだよ。」
「何かだと?」
「ああ、どうしても今回の事件を起こしたのは山吹です、はい終わり、で済むとは思えないんだよ。」
「考えすぎじゃねえの?だってそもそもこの推理は・・・」
「ああ、俺が言い出した。だけどさ、何か違和感が拭えないんだよ。」
「しかし状況は巴が犯人だとしか思えないよ。」
「うーん、でもー、気になるならちゃんと話しておいた方が良いんじゃないー?」
「私もそう思うかな。」
「ですが議論と言っても話す内容がないような・・・。」
「気になる点はいくらでもある。やるなら徹底的に、だ。」
「僕は山吹さんが犯人で良いと思うけどね。」
「あたしも巴ちゃんが犯人だとは思えないんだよねー。と言ってもそれ以外だとあたしになっちゃうけど。」
「オレはよく分かんねーが、やっぱ山吹が犯人じゃねーかと思うぜ?」
結局みんなが好き勝手話し始めてしまい、収拾がつかなくなってしまった。
「くそっ、みんなの意見が割れてしまっている・・・!」
そう呟いた瞬間、モノトラが反応した。
「割れてる?割れてるっつったか?それならコイツの出番だな!!!」
そう言うと前の時同様、裁判上が変形を始めた。そして意見がぶつかっている俺達が真向かいに並ぶようになった。
議論スクラム
〈今回のクロは本当に山吹巴か?〉
山吹巴だ 山吹巴じゃない
薬師 水島
アンリ 甘寺
畔田 玉城
太宰 涼風
九鬼 久見
開始
畔田「【動機】を持っているのは山吹さんだけですよね?」
「涼風!」
涼風「それならあたしだって【動機】は持ってるよ!」
太宰「でも涼風さんは【死亡推定時刻】当時娯楽室にいたよね?」
「玉城!」
玉城「そもそも【死亡推定時刻】と犯行時刻は同じではないだろう。」
九鬼「でも実際山吹は比嘉を【避けてた】んだろ?」
「久見!」
久見「【避けてた】相手を1人で殺しに行くかなー?」
薬師「でも山吹は【自殺】してるじゃねえか!」
「俺が!」
水島「見た目上【自殺】に見えるだけだ!決まってはいない!」
アンリ「だけど【他殺】の証拠はないよね?」
「久見!」
久見「でも自殺って証拠もないし、【他殺】の可能性も残ってるよねー。」
太宰「それでも総合的に考えたら犯人は【山吹さん】以外考えられないんじゃないかな。」
「甘寺!」
甘寺「別の可能性がある以上、【山吹さん】以外の犯人の可能性についても考えてみようよ!」
CROUCH BIND
SET!
「これが俺達の答えだ!!」
「確かに山吹が犯人である可能性が1番高いことは認めるよ。その推理だって俺が言い出したことだしな。でも山吹以外が犯人である可能性が残っている以上、もしそれが違ったとしても可能性がゼロになるまで議論し尽くすべきだ!」
「・・・確かにそうだね。私たちの命が懸っているわけだしね。水島君の提案に乗るとしようか。」
とりあえず決着を急ぐことはなくなったか・・・。さてここからの問題は・・・。
「他殺の証拠があるかもっつってもさ、そんなんホントに見つかんのか?」
そう、他殺であったとしてそんな証拠が本当に見つかるのか。
「それならさ、まずは水島君の言う違和感の正体が具体的に何なのか明らかにしない?」
「そうだな。コイツの抱いた違和感というのは絶対にそこに何かあるはずだ。」
「とは言っても俺自身もどこに違和感を抱いているのか分かんないってのが本音なんだよな・・・。」
「それなら違和感を感じそうな要素を一個一個挙げてこうよ!もしかしたら気付くかもよ!」
「ローラー作戦だな!」
俺が違和感を感じたポイントか・・・
議論開始
「水島が違和感を感じそうなポイントを挙げてくよ!」
「うーん、『アリバイ』とか結局確定じゃないんだよねー」
「『死因』とかはどうだ?」
「そこは疑う余地はないんじゃないかな?」
「それなら・・・」
「『死体の状況』なんてどうかな?」
「一目て違和感を感じるならそこだと思うけど」
「あとは・・・」
「『凶器』とか?」
「自殺するなら」
「あんなこれ見よがしにするかな、って思うんだけど・・・」
そうか!俺はあそこに違和感を抱いたんだ!!
【山吹の手)→『死体の状況』
「それに賛成だ!」
「太宰、それだ。」
「それ、って・・・?」
「死体の状況だよ。俺が違和感を抱いたのは山吹の死体の状況だったんだ!」
「どういうことですか?」
「まずはこれを見てほしい。」
山吹の手元の写真をみんなに見せる。みんなはまだピンとこないようだ。
「これは山吹の手元が映った写真なんだけど、これには大きな違和感があったんだ。」
「それは何だ?」
「手に付いた血だよ。山吹の手には小指側に血が付いている。いや、正確には小指側にしか血が付いていないんだ!」
「それが何なの?」
「考えてみてほしい。みんなが人を刺すとして、どういう風に刺す?」
「うーん、凶器を順手に持ってまっすぐ突き刺すか、逆手に持って振り下ろすかじゃないかなー?」
「その通りだ。そして逆手に持って振り下ろすってのは考えにくい。」
そう、その刺し方は考えにくい。なぜなら・・・
選択肢セレクト
1.比嘉の傷は水平に付いていたから
2.比嘉の傷は斜め上から付いていたから。
→1.
「これだ!」
「なぜなら比嘉の傷はほぼ水平に付いていたからだ。逆手に持つ場合、動きの性質上傷はどうしても斜め上から入る形になる。でもそれじゃ実際に比嘉に付いた傷と矛盾する。ということは?」
「犯人は凶器を順手に持って突き刺したって訳か!」
「そういうことだ。それならこの場合、返り血はどこに付く?」
「順手と言うことは刃は親指側に出るから・・・、あれ、小指側には付かないね。」
「その通りだ。小指側の血は山吹自身の血だとしても、親指側に血が付いていないなんてあり得ないんだ!」
「ここまでの推理をすることを読んだ偽装の可能性もあるんじゃないのか?」
「いや、それもないだろう。山吹は比嘉を避けるくらい恐れてた。それならばわざわざそんな殺し方をする必要はない。」
「なぜだ?」
「逆手に持って突き刺すのはどうしても順手で刺すよりタイムロスが生まれる。タイムロスがあるということはつまり、それだけ抵抗を受ける可能性もあるってことだ。自分が殺されるのを恐れて殺人をするのに、その偽装のための行動で抵抗を受けて殺されたら元も子もないだろ?」
「確かにな。それに殺したあとに罪悪感で自殺したならなおさらだ。自殺前提の偽装をする理由はないな。」
「その推理は気が利いてませんね。」
「!!」
「確かに、山吹さんの手に違和感があることは認めましょう。ですが、自殺前提の殺人であった可能性は否めないのではないでしょうか?」
反論ショーダウン
「確かに山吹さんの手には現状との矛盾があります。」
「ですが、それは山吹さんが自殺していない証拠には」
「ならないのではないですか?」
「自殺前提の計画を組んで」
「私たち全員を巻き込んで殺そうとした可能性も」
「あるのではないでしょうか?」
-発展-
「確かに自殺としたときの動機は俺の推論だ。」
「だけどそれ以外にも」
「山吹の自殺を疑う証拠はあるんだ!」
「山吹さんの自殺を疑う根拠ですか?」
「ですが、水島さんが違和感を抱いたのは」
「その山吹さんの手に関してであって、」
「他の部分には」
「【矛盾はない】のではないですか?」
いや、自殺だとしたらあれもそうした理由が考えにくい!
【山吹の死体)→【矛盾はない】
「その言葉、斬らせてもらう!」
「いや、もし山吹が自殺したのだとしたら考えにくいことがもう1つある。」
「それは一体・・・?」
「山吹の傷の位置だ。」
「傷の位置、ですか?」
「ああ。山吹の傷は深いものではあったが致命傷ではなかった。言い換えると即死じゃない位置だったんだ。もし彼女が自殺をしたならそんな苦しんで死ぬ死に方を選ぶとは考えにくいだろ?」
「でも最後に自分を戒めた、って可能性もあるんじゃないかい?」
「その可能性も全くないとは言えないが、その場合苦しむ時間が長ければ長いほど比嘉を刺してから山吹が自殺するまでの時間が短い、ってことになるけどな。」
「つまり、確実に苦しみながら死んだことが分かってる以上、アイツが自殺した場合犯行時刻から自殺までの時間が死亡推定時刻の差の5分間より短いって訳だな!」
「ああ、その通りだ。」
「でもよそれだけじゃ確定じゃねーだろ?自殺の可能性が薄まった、ってだけでよ?」
「そこなんだよな・・・。」
そう、山吹の手の状況は比嘉を殺したとは考えにくく、山吹の死体の状況から犯行時刻から彼女の体に傷が付くまでの時間はかなり短いことも分かった。でも結局アイツが殺されたって確たる証拠はまだ出てきていない、次の議論はそこだな・・・!
議論開始
「水島の言ってることは分かるけどよ、」
「ソイツは山吹が【自殺じゃない】って確たる証拠じゃねーよな」
「何か他にないのか?」
「それが思いつくなら言ってるだろ」
「とは言っても」
「都合良く彼女が自殺じゃないことを示す」
「【跡が残っていない】以上、」
「かなり難しい議論だね・・・」
「結局のところ」
「【状況証拠】だけで」
「進めてくしかないのかな・・・?」
そう言えばもしかしたらあれは彼女の自殺を否定する証拠の1つかもしれない・・・!
【手首の痕)→【跡が残っていない】
「それは違うぞ!」
「いや、あるかもしれない・・・!」
「ホントにー!?」
「ああ。久見の検死結果の中に山吹の手首には幅7~8センチの赤い痕が残ってた、というものがあったんだ。」
「あー、あの痕ー?」
「この痕はもしかしたら山吹の体に傷が付いたとき、山吹は拘束されていたという証拠かもしれない!」
「何か関係ないアザの可能性はないのかな?」
「ああ、それに関してもその痕の正体とも言えるものがあったんだ。」
そう、彼女の手首の痕の正体。それは・・・
証拠提出
【ガムテープの切れ端)
「これだ!」
「実はな、死体のそばにこんなものが落ちていたんだ。」
「それはガムテープ?」
「ああ。ちょうど幅7~8センチ、山吹の手首の痕と同じだ。」
「つまりそれって・・・!」
「ああ。山吹は誰かによってガムテープで拘束された後に腹を刺されて死んだ、そう考える方が自然になった。」
「マジかよ!」
「ほんとに山吹の自殺説がひっくり返っちまったな!」
「と、言うことは、この中に犯人がいるってことだよねー。」
そう、山吹の自殺が覆ったと言うことは久見の言うとおり、犯人はこの中にいるってことになる。
「ですが全員アリバイがありますよね・・・?」
「ああ、死亡推定時刻段階ではな。」
「それはどういう・・・?」
「さっきも話題に上がっただろう。忘れたのか?死亡推定時刻と犯行時刻は必ずしも一致はしない。ある程度の時間生きているように調整してちょうど被害者が死ぬ時に誰かに姿が確認されていればアリバイの工作くらいできる。」
「玉城が全部言ってくれたがその通りだ。11時より前に2人を刺して2人がまだ生きている間に娯楽室に来てしまえばアリバイは擬似的にできる。」
「なるほど・・・!つまり全員のアリバイはアリバイではない、と・・・!」
「いや、そうも簡単にはいかない。」
そう、ホントにアリバイが確定している人もいるんだからな。次はアリバイが確定する条件を探っていくべきだろう。
議論開始
「つまり、全員のアリバイは」
「アリバイじゃない、という訳ですね?」
「マジかよ!!」
「そう簡単な話ではないぞ」
「『全員のアリバイ』がなくなったわけではないからな。」
「え!?」
「そうだねー」
「『ある条件を満たす』ことでー、」
「アリバイが確定する人もいるんだよー」
「そんな便利な条件があるのですか!?」
そう、アリバイを確定させるための条件が1つだけある・・・
【甘寺の証言)→『ある条件を満たす』
「それに賛成だ!」
「そうだな。条件を1つ満たせばアリバイは確定的になる。そしてその条件に重要な役割を果たすのが甘寺の証言だ。」
「私の?」
「ああ。甘寺は比嘉から集合時間に少し遅れる、って言われたんだよな?」
「そうだったね。確か相談を受けてるからとか言ってた!」
「比嘉の性格を考えると大雑把な奴ではあるが遅刻をするタイプでもない。つまりこの相談の時刻は相談者が指定したものと考えられる。そして比嘉の刺された箇所は山吹と比べると致命的な場所だったことを考えると死ぬまでせいぜい5分。つまり、10時55分、もっと広めに見積もっても50分までに娯楽室にいた人間は比嘉を殺すのは難しいと考えたほうがいい。」
「ってことは怪しいのはそこまでに来てなかった人ってこと!?」
「まあ可能性が高いって話だがな。」
「となるとそれに当てはまるのは・・・。」
選択肢セレクト
1.甘寺と水島
2.アンリと畔田
3.玉城と太宰
→3.
「これだ!」
「玉城と太宰、この2人だけが50分までに娯楽室に来ていなかった。」
「なるほど、状況も踏まえれば理に叶っている。」
「そんな!」
「だが、そんなに簡単な話か?」
「どういうことだ?」
「百歩譲ってお前の言うとおり、比嘉が55分前後に刺されたとしよう。だがその場合、俺は2分、太宰は4分という短い時間で寄宿舎に行き、山吹を拘束して刺し、娯楽室まで来なければならない。そんなことが本当に可能なのか?」
来たか・・・。こう考える場合の一番の障害、犯行を行える時間が実際にあるか。
「いや、不可能だ。」
「そうだろう?」
「だがそれは比嘉を刺した後に山吹を刺そうとした場合だ。」
「・・・何?」
逆転の発想だ。比嘉の後に山吹を刺すのが無理なら逆転してやればいい。そう考えれば説明も付く。
「俺達は勘違いしていたんだ。モノトラファイルの情報からいつの間にか先入観を持っていた。それを取り払ってやれば良い。」
つまり・・・、
選択肢セレクト
1.死亡推定時刻と犯行時刻は同じ順番
2.死亡推定時刻と犯行時刻の順番は逆
→2.
「これだ!」
「単純な話だ。先に山吹を刺してから比嘉を刺しに行けばいいんだ。」
「!!?」
「なるほど、そういうことか・・・。」
「玉城は分かったみたいだな。」
「どういうことだよ!!?」
「山吹の傷はさっきも言ったとおり致命傷じゃなかった。それなら刺された後も少しの間は生きていたと考える方がいい。その傷は比嘉より先に刺しても比嘉より後に死ぬように調整して刺したから、と考えれば説明が付く。そしてこの犯行時間の限界も取り払うことができる。」
「でもそれじゃまたアリバイが崩れちゃうんじゃ!?」
「いや、それもない。前の議論で2人を殺したのは同一犯、って結論になっただろ?ならどれだけ前に山吹を刺していようと比嘉を殺すことのできなかった人間は山吹を殺していない、という結論にたどり着くことになる。」
「それはホワイト修正が必要かなー。」
「これはまた意外だね。」
「うんー、でも気になったことは詰めてかないとねー。」
久見の言うことは尤もだ。であるなら受けて立つまで!
反論ショーダウン
「確かにー、水島君の言うとおりー、」
「山吹さんの刺された方が先ならー、」
「犯人も犯行が可能だよねー」
「でもさー、」
「凶器が1本しかないのにー、」
「巴ちゃんに刺しっぱなしにできるのかなー?」
-発展-
「確かに見つかった凶器は現状1本だよな」
「でもだからと言って」
「実際に凶器が1本しかなかった証拠にはならないんだ!」
「だけどー、実際他には見つかってないよねー?」
「みんなで念入りに探したはずでしょー?」
「【見落としはない】はずだよー」
「巴ちゃんに刺し直したってのもー、」
「順番通りの犯行が無理ならできないよねー?」
いや、1箇所だけあったはずだ。探したくても探せなかった場所が!
【物理準備室の棚)→【見落としはない】
「その言葉斬らせてもらう!」
「いや、あるんだ。1箇所だけ。みんなが探したくても探せなかった場所が。」
「そうなのー?」
「ああ。それは物理準備室の棚だ。」
「もしかして!」
「ああ。あの引き戸のことだ。あそこだけは開けようとしても開かなかった。」
「なるほどー、そこになら隠してあってもおかしくはないとー。」
「そういうことだ。」
「でもーあそこは開かなかったよねー?」
「だからこそだ。あそこは本来開けようとすれば開くはずの場所だからな。」
「ホントに-?」
そのための証言もある!
証拠提出
【モノトラの証言)
「これだ!」
「モノトラ。」
「お?なんだ?」
「お前はあの棚の下の引き戸を開けるのにはコツがあるって言ってたよな?」
「ああ!そうだぜ!立て付けがわりーからな!でも開かねーわけじゃねーぜ?あ、でもどこかで聞いたことあんな、こんな事件。」
「昔のことはとりあえず置いといてくれ。重要なのは本来コツさえ掴めば開くはずの扉が何をしても開かなかったってことだ。」
ということはつまり・・・
「ってことはよー、そこに何か隠してあんじゃねーのか?」
俺が言いたかったことを九鬼が先んじて言ってくれた。
「何かって何だよ?」
「それこそもう1本の凶器とか?」
「何言ってんだ!凶器ならあるじゃねえか!山吹の腹に!」
議論開始
「【凶器】ならあるじゃねーか!」
「【山吹の腹】に!」
「つってもよー、」
「他に何があんだよ?」
「水島の言うもう1本の凶器くらいだろ?」
「そいつはー、」
「【血の着いた服】とかさ?」
「まあ少なくとも」
「凶器は【考えられない】よね」
「実際に見つかってるわけだし」
「わざわざもう1本準備する理由もないしね」
いや・・・、ほんとにそうか・・・?
【木の棒)→【考えられない】
「それは違うぞ!」
「いや、やっぱりもう1本の凶器が隠されてるんだ。もしかしたら薬師の言うとおり、血の着いた服も入ってるかもしれないけどな。」
「でももう1本の凶器があるなんて証拠はないだろう?」
「いや、これを見てほしい。これは俺と玉城が美術準備室で見つけた木の棒なんだが、これが凶器と関係してると思うんだ。」
なぜなら手元の証拠と合わせるとこの木の棒が元々何だったのか分かるから・・・!
証拠提出
【キュー)
「これだ!」
「その木の棒がどうしたんですか?」
「この木の棒はな、キューだ。ビリヤードに使う棒だな。」
「確か1本なくなってたんだっけー?」
「ああ。犯人はこのキューを娯楽室から持ち出して、それを加工して2本の手槍を作ったんだ!」
「でもさでもさ、キューを加工したとこまでは分かるけどさ、何で2本って分かるの?」
「それは残った方の長さを見てもらえば分かる。この棒の長さはだいたい30cm。そして手槍、と表現するからには凶器の方の長さもそんなに長くはない。」
「具体的にはー、正確に測ったわけじゃないけどー、だいたい50cmちょい位だったんじゃないかなー?」
「ちなみにキューの長さは140cmくらいが一般的だ。」
すると気付くことがあるはずだ。
選択肢セレクト
1.足した長さがぴったり
2.足した長さがオーバーする
3.足した長さが足りない
→3.
「これだ!」
「あ!長さが足りない!」
「まあ他のキューは一般的な長さをしていたはずだからこの凶器に使われたキューも同じ長さとみて間違いないだろう。ならば凶器と同じくらいの長さが足りないことになる。」
「巴の腹に刺さってた槍がキューを加工したものであるとするならば、その足りない分も同じような加工をされた可能性があるね。」
「じゃあ、2本用意した凶器でそれぞれ刺したんだな!」
「そして比嘉を刺すのに使った方を物理準備室の棚に隠した、と。」
「それなら犯行時刻も矛盾がなくなるね。」
「開かなくなった理由も開けられたら困る犯人がそういう細工をした、と考えれば妥当だよね。」
「でもどうやって開かなくしたんだ?」
「そいつは恐らく至極単純だ。接着剤だよ。空の接着剤の容器が娯楽室に落ちてたし、それを使ってくっつけたんだ。」
「単純だけどー、効果的だねー。備品も壊せないわけだしー。」
これで犯行時刻の謎も凶器の謎も解けた。でも本番はここから。
「で、これを誰がやったんだろうね?」
太宰の一言で場が静まりかえる。そう、これらの謎の解明はヒントにはなっても答えにはならない。あくまで俺達が見つけなきゃいけないのは犯人なんだ。
「みんな!顔を上げて!大丈夫!これまでの情報を整理すれば絶対に犯人のヒントがあるはずだよ!」
甘寺が声を上げる。そしてそれに呼応するようにみんなの顔は前を向いた。そう、ヒントは手に入れてるハズなんだ!
議論開始
「犯人の条件を整理しようよ!」
「まずそもそも犯人になり得るのは」
「【玉城か太宰】だったよな」
「2人だけアリバイがないんだよね!」
「その中でも」
「山吹さんを自殺に見せかける」
「【工作ができる】人物の方が良いですよね」
「山吹さんが亡くなったのが」
「【11時5分】だから・・・」
「工作をしたのは【捜索中】ってことじゃねーか?」
「でもー、」
「そんな【都合の良い人物いない】んじゃないー?」
いたはずだ・・・!そう言う奴が!
【捜索のメンバー)→【都合の良い人物いない】
「それは違うぞ!」
「いや、いた・・・!1人だけ・・・!アリバイがなくて、捜査中に偽装工作ができたやつ!」
「マジかよ!!」
そう、犯人になり得るたった1人の人物、それは・・・!
指名しろ!
【ダザイナオヤ】
「お前しかいない!」
「・・・へ?・・・僕かい・・・?」
「ああ。お前しかいないんだ、太宰。」
「どういうことか説明してもらえるかな?」
「俺達は2人を探すために手分けした、それは覚えてるよな?その時の班分けと担当した場所を思い出してほしい。」
「えっと確か・・・、あたしと水島と心愛ちゃんで3階を捜索したよね?」
「2階は私と畔田と玉城君だったね。」
「そんで俺と太宰と九鬼と久見が1階だったな!」
「じゃあもし玉城が1階を4人が捜索してるところに現れたら誰も気付かないなんてことあると思うか?」
「そりゃ無理だろ。いくら何でも誰かしら気付くぜ。」
「だろ?ならばもう1人の容疑者である太宰しかあり得ないだろ?」
「確かに・・・。」
「そういや探す場所も自分で決めたよな?」
「じゃあやっぱり・・・!」
「ちょっと待ってよ!何だか僕が犯人で確定のように話が進んでるけど僕には動機がないよ!僕はどちらにも何も思うところはないんだよ!?」
確かに太宰には山吹も太宰も殺す動機は与えられていない。けど殺害にいたるきっかけなら考えられる。
証拠提出
【玉城の証言)
「これだ!」
「確かに太宰には動機は無い。でも殺害にいたるきっかけな考えられる。」
「それが玉城君のそのあやふやな証言だって言うのかい!?」
「ああ。他の状況が犯人は太宰だと言っているならこの山吹と話していた人物もお前のハズだ、太宰。」
「その程度が証拠だなんて残念で仕方ないよ・・・!僕はそんな証拠じゃ絶対に認めないからね!!」
分かっていた・・・!この程度で太宰が認めないってことは・・・!だから俺は太宰がムキになる状況を作った!後はここから太宰がボロを出すのを待つ!!
パニックトークアクション
「ありえないな・・・」
「僕じゃないよ」
「残念で仕方がないよ・・・」
「動機がないじゃないか」
「証拠があやふやすぎるね」
「認めないよ」
「僕は殺してない!」
「2人に何も思うところはないんだよ?」
『だって僕が1階を捜索したのは偶然じゃないか!』
《捜》《索》《場》《所》
「これで終わりだ!!」
「・・・!」
「今回の事件の発端になった2人の捜索、その場所を決めるのを提案したのは太宰、お前だったよな?」
「・・・そうだけど。それが・・・?」
「今回の捜索場所はそれぞれが思い思いに場所を選んだ。ならば今回の捜索場所を偽装のために自由に選べたはずだ。」
「知らずに偶然選んだだけだよ。」
「それならばなんできちんと偽装が施されていたんだ?太宰が犯人じゃないなら太宰が見つけた死体はテープで拘束された状態の山吹のハズだぞ。」
太宰は寄宿舎を捜索していたらこんなことになっていた、という旨の発言をしていた。つまり山吹の死体の第一発見者は太宰だ。
「寄宿舎を捜索しているお前に気づかれることなく偽装工作するのは不可能に等しい。つまり、今回の犯行が可能だったのは太宰、お前しかいない。」
「・・・。」
「これから事件の全容をまとめるから、それに納得したら罪を認めてくれ。」
・
・
・
【生存者】
超高校級の幸運? 水島輝(ミズシマアキラ)
超高校級のショコラティエ 甘寺心愛(アマデラココア)
超高校級の射撃選手 薬師弾(ヤクシダン)
超高校級の棋士 玉城将(タマシロショウ)
超高校級の長距離ランナー 涼風紫(スズカゼユカリ)
超高校級の資本家 アンリ・シャークネード
超高校級の執事 畔田鋼之助(クロダコウノスケ)
超高校級の漫画家 久見晴香(ヒサミハルカ)
超高校級の図書委員 太宰直哉(ダザイナオヤ)
超高校級の海賊 九鬼海波(クキミナミ)
残り10人
どうも皆様お久しぶりです!お待たせしてしまい申し訳ありません!ですがここで第3章の犯人は判明しました。でも動機がないのは事実。どうして彼はこんなことをしたのでしょうか・・・?次回、おしおき編をお楽しみに!!
さて今回は「超高校級の学力」と行きましょう!10段階評価の学力と得意教科、それに対する本人のコメントと行きましょう!
水島輝→9、国語
「読書の賜物だな。」
甘寺心愛→7、家庭科
「ショコラティエをやるからにはね!」
薬師弾→5、物理
「射撃に例えやすいんだよなー。」
玉城将→10、特に無し
「全部できるからな。」
二木駆→4、体育
「座って勉強すんのが苦手でよ?」
涼風紫→1、体育
「あははー、ずっと走ってたからー・・・。」
山吹巴→8、音楽
「得手不得手が特にあるわけじゃないが、強いて言うなら音楽だな!」
有浜鈴奈→9、国語
「台本を含めて色んな物語に触れてるもの。」
アンリ・シャークネード→10,英語
「取引にも使うからね。」
畔田鋼之助→9、政経
「社会勉強でもありますしね。」
久見晴香→6、理科全般
「ちゃんと勉強しとかないと突っ込まれちゃうからねー。」
美上三香子→8、美術
「これだけは負けるわけにはいかないもんね!」
太宰直哉→8、国語
「読書量なら誰にも負けないつもりだよ。」
青山蓬生→7、家庭科
「裁縫なら誰よりも上手い自信がありますね。」
比嘉拳太郎→6、数学
「ははは、意外だっただろう!!!」
九鬼海波→3、地理
「ま、土地のことなんかにゃ詳しいな!」
という訳で、今回はここまで!次回もお楽しみに!!
最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!
-
水島輝
-
甘寺心愛
-
薬師弾
-
玉城将
-
二木駆
-
涼風紫
-
山吹巴
-
有浜鈴奈
-
アンリ・シャークネード
-
畔田鋼之助
-
久見晴香
-
太宰直哉
-
美上三香子
-
青山蓬生
-
九鬼海波
-
比嘉拳太郎