ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER4 (非)日常編2

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「おはようございます。7時になりました。今日も一日元気で頑張りましょう。」

 

朝か…。昨日の写真の事が気になってあまりよく眠れなかったような感じがする。だけどこれは誰にも相談はできない。どうにもならないことを嘆いていても仕方がないので、とりあえず体をたたき起こして食堂に向かうことにした。

 

 

食堂に入るといつものメンバーに加えて久見が既に来ていた。

 

「あ、輝くんおはよー!」

「ああ、おはよう。今日は早いんだな。」

「昨日薬師君が早起きしたって聞いてさー、なんか腹立つじゃーん?」

「腹立つって…。」

「冗談、僕も手伝わなきゃなーって思ったから早起きしただけだよー。」

「まあ理由は何でも構わないけど手伝ってもらえるのはすごく助かる。」

「うんー。輝くんの役に立てるならよかったー。」

 

そんな会話をしていると、厨房から甘寺が出てきた。

 

「あ、輝君、久見さんおはよう!」

「おはよー。」

「ああ、おはよう。」

「今ちょうどできて盛り付けするところだから、盛り付けできたら運ぶの手伝って?」

「もちろん。」

「あと、久見さん、輝君のこと名前で呼んでるの?」

「昨日からねー。あ、もちろん輝くんから許可は取ってるよー。」

「そ、そうなんだ…。」

 

何だか2人の間に火花が見える気がする。気のせいだろうか。

とりあえず料理を運び、みんなが集まってきたところで朝食を摂った。朝食を摂っている間も何だか火花が見える気がして気まずかった。

 

 

「なあ、おい。」

 

朝食を終えて食堂を出ようとすると九鬼に呼び止められた。

 

「どうした?」

「いや、あの2人どうしちまったんだ?喧嘩でもしたのか?昨日はそんなことなかったよな?」

「ああ、俺もよく分かんないんだよな。」

「つっても明らかにオメーが原因だろ?朝飯の間中オメーのことチラチラ見てたしよ?」

「そうなのか…?」

「…鈍いっつーのも度が過ぎると罪だなこりゃ。ま、どうにかしてくれや!あの雰囲気じゃ何だか飯の味がしなくてよ。」

「あ、ああ。」

 

それだけ言うと九鬼はヒラヒラと手を振って部屋に戻っていった。俺が原因つったって俺が何かした覚えはないんだけどなぁ…。

 

 

 

とりあえず今日のところは念のためみんなでそれぞれの部屋の調査をもう少しだけ進めることにした。

俺は久見、甘寺と一緒に音楽室を担当することになった。

 

「もう少し調査するっていっても特に何か見つかる感じはしないけどなぁ…。」

「うーん、ステージの方も特に何もなかったよねー?」

「机の方にも特にはなかったよ?」

 

とは言っても調査しないわけにも行かないのでとりあえず俺はステージの方を、甘寺と久見が教室部分を調査することにした。

 

「よっ!」

 

ステージ横に行けば階段はあるがそこまで行くのがめんどくさいのでステージに飛び乗った。

 

「わっ!すごい!」

「さっすが男の子ー。助走なしで乗れちゃうんだねー。」

「いや、男の子でもさすがに人によると思うよ?輝君、運動神経いいんだね!」

「そうか?昔からそう言われるんだが自分の事ってよく分からないんだよな。」

 

どうやら俺は端から見ると運動神経がいいらしい。

で、肝心の調査はというと、特に何か新しいものが見つかることはなく、失意の内に戻ることになった。

昼食の時に他のところを探索していたみんなとそれぞれの場所について報告し合ったが、他のみんなも何か新しい発見があったわけではなかった。強いて言うのであれば、化学室の薬品に変動がなかったっというのが一番の収穫かもしれない。

新しい発見がない可能性の方が高いというのは何となくみんな分かっていたことだったのでがっかりはしたが特に大きく落ち込むこともなくみんなで昼食を摂ってその後解散した。

 

 

 

午後はとりあえずすることがなかったので、娯楽室に行ってそこの雑誌を読むことにした。娯楽室に入ると、そこでは玉城が1人で将棋盤に向かい合っていた。

 

「…何だ?」

「いや、雑誌を取りに来たんだが。」

「…そうか。」

 

多少俺達に馴染んできたと思っていたが、無愛想なのは相変わらずらしい。邪魔するのも悪いので目当ての雑誌を手早く見つけて娯楽室を出ようとすると、

 

「…待て。」

 

珍しく玉城に呼び止められた。

 

「珍しいな、お前の方から俺のことを呼び止めるなんて。」

「まあ、そうだな。さすがにずっとここで一人将棋を指しているのにも飽きてきたからな。気分転換だ。」

 

それでもその気分転換に他人と話すことを選ぶようになったというのは進歩ではないかと思う。

 

「話題を選べ。」

 

そこは俺が決めるのかよ。

 

「それじゃあ、お前が将棋を指すようになった理由を教えてくれ。」

「…まあ、構わんか。さて、どこから話すか。まず俺の髪は地毛だ。」

「そういえばハーフだって話だったな。」

「ああ。俺の母はスウェーデン人だ。寒いところの生まれだからか、髪は糸のように艶やかな金髪だ。そして俺もその金髪を受け継いだ。いや、受け継いでしまった、と言うべきかもしれんな。この年までなれば俺が金髪だろうとハーフだろうととやかく言う人は少ない。まあ、お前達もとやかく言わない部類の人間だろう。だが小学生はそうとはいかん。ずっと俺の容姿や生まれをからかい続けた。中学生になると厄介なのは教師の方だ。いくら地毛だと言おうとも話を聞きやしない。終いには他の生徒が真似したらどうするなどと言い出す始末だ。そもそも俺のは生まれつきでおしゃれのつもりですらないと言うのにな。中学生になると厄介なのは他にもあった。例えば学校の不良共だな。金髪であるのを生意気だ何だと絡んできてめんどくさくて仕方なかった。」

「それは大丈夫だったのか?」

「幸運なことに、ヨーロッパの血故だろうな、特段身長があるわけではないが、フィジカルが弱かったわけでもなかった。だから何かちょっかいをかけられようと返り討ちにしてやることができたからそいつらはそのうち絡んでこなくなった。」

「さすがというかなんというか…。」

「同じくらい厄介だったのは女子だった。手前味噌な話ではあるが、俺は容姿が良い。俺は母の血を色濃く引いていたらしくな、肌の色は白いし、目が大きい。思春期の女子というのはそんな男を好む傾向にあるらしいな。だが俺はそんな女子のことはあまり好きではなかった。何だか見た目だけで選ばれていて、“玉城将”という人間そのもののことはあまり見ていないような気がして癪だったからな。告白されようと断り続けていた。一目惚れだ、なんていうのはもってのほかだ。そんなことを続けてる内に周りから気取っているだなんだと言われて距離を取られた。」

「大変、だったんだな…。」

「気にしてはいない。小学生の頃は多少気にしもしたがな。だがそんな中でであったのが将棋だった。将棋は目の前の相手との戦いであると同時に将棋盤に向かう自分との戦いでもある。将棋をやっていく内に俺は自分の中に深く沈んでいく感覚を身につけた。深く、深く沈んでいく内に見える道筋こそが最大の勝ち筋にもなっていった。端から見たらそんな感覚を身につけるのは危険であるように感じるのかもしれないが、俺にとってはそうではなかった。逆にこの感覚を身につけたからこそ俺は将棋の楽しさというものも感じられるようになったし、周りが何と言おうと気にならなくなった。全部将棋のおかげだ。」

「玉城は将棋が大好きなんだな。」

「有り体に言えばそうなるな。将棋は好きだ。」

 

フッと笑う玉城を見て何だかすごく珍しいものを見た感覚に陥る。

 

「さて、また一人将棋に戻るとするか。引き留めて悪かった。」

「いや、悪いなんて思っちゃいないさ。逆にお前がどんなことを考えて生きてきたのか、一部かもしれないけど知れてよかった。」

「気持ち悪いことを言うな。さっさと出て行け。」

「はいはい。」

 

話したいことを話し終えると玉城はすぐにいつも通りの玉城に戻ってしまった。でも、俺は玉城と話したことで玉城が抱えてきた苦悩や玉城の考え方、その一端を知ることができてよかったと思ってる。だから、

 

「玉城、ありがとな。」

「ふん。」

 

去り際に玉城にお礼を言った。玉城はさっさと出て行けとばかりに鼻を鳴らしたが、俺の心は何となく満足感に満ちていた。

 

 

 

何となく小腹が空いたので、食堂に向かうとそこでは甘寺が何かやっていた。食堂のテーブルの上には様々な形をしたチョコレート菓子がズラッと並んでいた。

 

「甘寺、こんなところで何してるんだ?」

「あ、輝君!私はいつもどおりだよ!」

「って事はチョコレートの試作か?」

「そういうこと!そう言う輝君は?」

「ああ、俺は小腹が空いたんで何か食べ物をと思ってきたんだ。」

「お、それならちょうどいいね!とりあえず色々作り終えたところだから試食していってもらえないかな?他のみんなにも声をかけようかと思ってたところなんだ!」

「それなら遠慮なくいただくよ。」

 

そんなこんながあって俺はここでみんなより一足早く甘寺の試作品に舌鼓を打たせてもらうことにした。やはり甘寺の作るチョコレートはすごくおいしい。そう言えばこのお菓子ってどこかで見たことがある気がするな。

 

「なあ甘寺?」

「ん?どうしたの?」

「今日作ってたお菓子ってさ、もしかして初日にメモってたやつか?」

「あ、気付いた?そうなんだー。もちろんいくつかレシピは作ってるんだけど遂にここまでたどり着いちゃいました!」

 

そう言えば毎日このくらいの時間はいろんな試作品を作ってたもんなぁ…。

とは言っても試作品は大量でさすがに俺一人では食べきれないし体を壊してしまうのでそこそこのところで一度食べるのをストップすることにした。

そう言えば甘寺とも2週間はここで一緒に過ごしているわけで、そんな中でも意外と聞いてなかったことがあったなと思い出した。

 

「そういえばなんだけどさ、甘寺って何でショコラティエになろうと思ったんだ?」

「あれ?話したことなかったっけ?」

「ああ。チョコレートの神様の話しか聞いたことなかった気がするな。」

「確かにそうだったかも!じゃあ聞いてってくれる?」

「ああ。もちろんだ。」

「えっとね、私がショコラティエになろうと思ったのは偶然だったんだ。」

「偶然?」

「うん。まあ、お父さんとお母さんはパティシエだったし、ある意味では必然だったのかも知れないけどね。それでね、私はお父さんとお母さんに連れられてある時フランスに行ったことがあったんだ。今思えばその時が私が始めてフランスに行ったときにあたるのかな。」

「ちなみに何でフランスに?」

「えっと確かね、お父さんとお母さんは同じパティスリーで修行しててそこで出会ったって言ってたんだけど、当時日本でそのパティスリーを開いてた2人のお師匠さんがフランスで新しいお店を開くことになったからそのお祝いをしに行くんだ、って言ってたかな。」

「すごい職人だったんだな。」

「うん、私が頻繁にフランスに行くことができたのもそのお師匠さんがいろいろサポートしてくれたおかげなんだよね。で、そのお師匠さんのところに挨拶に行った後、お父さんとお母さんに連れられてパリの色んなお菓子屋さんを回ったんだけど、運命が変わったのはそのうちの1つのショコラトリー、要はチョコレートの専門店だね、に行ったときだったんだ。」

「そのショコラトリーに何かあったのか?」

「そう!もちろん売ってたお菓子一つ一つも魅力的だったし、実際食べてとってもおいしかったんだけど、そこで初めて声が聞こえてきたんだよね。」

「それってもしかして…?」

「そう!チョコレートの神様の声!お菓子を見てるときにお父さんでもお母さんでもない誰かに声をかけられた気がして周りを見渡したんだけど2人とお店の人以外誰もいなくて。お店の人も別に私に声をかけてた感じじゃなくて。しかも日本語だったし。最初のうちはちょっと怖かったんだけど、だんだん話を聞いてる内に私にこんなチョコレートのお菓子を作れ、って言ってるんだ、ってのが分かって。日本に帰ってからお父さんとお母さんに手伝ってもらいながらその通りに作ったらすごくおいしくてさ。」

「そんなのお父さんとお母さんもビックリしたんじゃないのか?」

「もちろん!すっごくびっくりして、日本に帰ってきたばかりなのにもう1回フランスに行く、もう1回お師匠さんに会わせてお菓子を食べてもらう、って言い出しちゃって。」

「すごくエネルギッシュだ…。」

「それでホントにもう1回フランスに行ってお師匠さんにお菓子を食べてもらったらお師匠さんもビックリしちゃってさ。私その時まだ小学生だったから中学生になったらこちらに来なさい、もっと勉強をさせてあげる、って言ってくれて、私もチョコレートが大好きだったからフランス留学して今に至る、って感じだったんだ。」

「何だか偉人の伝記の読み聞かせを聞いてる気分だ…。」

「そんな大したものじゃないって!でもやっぱりフランス行ってよかったと思ってる!いっぱい色んなお菓子を作れたし、それに…」

「それに?」

「やっぱなんでもない!」

「何だよ気になるじゃんか。」

「気にしなくて良いの!」

 

もう1個の方を言いかけて甘寺は顔を真っ赤にして言うのをやめてしまった。すごく気にはなるが本人が言いたくないのであればこれ以上追求するまい。

 

「お!なんかうまそうなモンが並んでんじゃーん!」

「これは壮観だね。」

「それなら私は飲み物を淹れてきましょうか。」

 

そんな話をしている内に偶然食堂にみんなが集まってきてちょっとしたチョコレートパーティーになっていた。お菓子を食べながら仲良く談笑するみんなの姿を見ながらこんな日常がずっと続けば良いと思った。

 

 

 

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「午後10時になりました。ただ今より夜時間となります。食堂はロックされますので速やかに退出してください。それではよい夢を。お休みなさい。」

 

 

 

【モノトラ劇場】

 

「ボードゲームってのは色んなものがあって面白いよな。」

 

 

「その中でも将棋なんかは特に古い歴史を持ってると言われるんだぜ。」

 

 

「ちなみにその起源はインドにあるらしいぜ?」

 

 

「チャトランガっつーゲームらしいんだけどよ、」

 

 

「チェスなんかとも起源を同じくするらしいぜ。」

 

 

「伝統的なゲームっつーのは色々あるけどよ、」

 

 

「こういうのは大事にしてかねーといけねーよな!」

 

 

「そうしねーと国としてのアイデンティティがなくなっちまうからな…。」

 

                   ・

                   ・

                   ・

 

【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級のショコラティエ  甘寺心愛(アマデラココア)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の棋士       玉城将(タマシロショウ)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級の資本家      アンリ・シャークネード

超高校級の執事       畔田鋼之助(クロダコウノスケ)

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

 

残り9人




今回はここまでです!玉城君と甘寺さんのバックボーン、楽しんでいただけたでしょうか?楽しんでもらえてたら嬉しいです!意外と不可ぼれてなかった2人なので今回その機会を取れて嬉しいです!もうちょっとだけ日常編が続きますのでご安心を!

そして今回の設定裏話は第3章のサブキャラ紹介です!今回は特に事件に関わった1人について紹介していきたいと思います!
今回紹介したいのは比嘉蹴次郎くんです!苗字を見てもらえば分かるとおり、比嘉君の関係者です!もっと言うと比嘉君の弟に当たるわけですが、彼も素晴らしい空手家でした。本編で比嘉君が言っているとおり、何事もなければ彼が超高校級の空手家だったかも知れません。ですがある日、原因不明の病を発症し、裏路地で倒れてしまいます。そこに通りがかったのがライブに遅れかけて焦っていた山吹さんだったのですが、彼女は他の人が救急車を呼んでくれるだろうと無視して行ってしまいました。しかし、そんな裏路地を通るのは同じように焦っている人物がほとんどで彼はなかなか救急車を呼んでもらえず、やっと呼んでもらえたのは既に手遅れとなってからでした。比嘉君が山吹さんと弟の関わりを知っていたかは分かりませんが、この時の罪悪感が3章の事件の引き金となってしまったのは非常に残念です…。

ということで今回は以上です!!それでは次回もお楽しみに!!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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