ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER4 (非)日常編3

キーン,コーン… カーン,コーン…

 

「おはようございます。7時になりました。今日も一日元気で頑張りましょう。」

 

昨日は玉城と甘寺といろいろな話をすることができた。その中で2人がどんな思いを持ってその才能を持つことになったのか、とか2人の根幹に関わる話も聞くことができた。その満足感からかよく眠れたしすごくすっきりと起きることができた。何ならいつもより早く起きることができた。

 

「今日はすごく気分が良いし、俺が朝食を作るか。」

 

食堂に行くとやはりまだ誰も来ていなかった。まあ、他のみんなと比べると大したものは作れないのだが、涼風が大騒ぎを起こしたとき以来だしたまには普通の朝食でも意外と目先が変わるかも知れない。

そんなことを考えながら味噌汁を作っているとそこにちょうど畔田がやってきた。

 

「水島さん、おはようございます。今日は一段とお早いですね。」

「ああ、おはよう。なんだか今日はすっきり目が覚めたんでな。」

「今日はお味噌汁ですか。いいですね。恋しくなっていたところです。」

「だろ?夕飯とかも結構重いものが続いてたしたまにはこういう胃に優しい朝食も良いかと思ってな。」

「確かにそれは賛成ですね。カロリーのあるものばかり食べているせいで最近お嬢が丸くなってきた気がします。」

「…お前、それ絶対にアンリに言うなよ?投げられるぞ?」

「もちろんです。それとなく忠告はさせていただきますが…。」

「ま、それは必要だよな。」

 

とそんな話を畔田としながら朝食の準備をしている内にだんだんみんなが集まってきて配膳の手伝いをしてくれた。

 

「お、今日は古き良き朝ご飯って感じだな!」

「味噌汁ってすごくあったまるよねー。」

 

どうやらたまにの普通の朝食は結構好評らしい。

朝食を食べ終わって片付けが終わったところでちょっとみんなでゆっくりしていると、唐突に奴が現れた。

 

「オマエラご機嫌麗しゅうだぜ!!」

「帰れ。」

「冷たいんだぜ!?」

「当たり前だろう。お前が来ると大概ロクな事にならん。」

「全く、オレへの信頼度が低すぎるんだぜ。せっかくオマエラに良いものを持ってきてやったってのによー。」

「いいもの?なんだいそれは?」

「そいつはな…?」

 

といいながらモノトラはどこからともなく人数分のDVDケースを取り出した。

 

「コイツだぜ!」

「そのDVDは一体何です?」

「コイツはな、学園の外の今の状況を映した映像だぜ!オマエラにはこれを見て外に出たいって気持ちを高めてもらおうって算段だぜ!!」

「動機じゃねーか!!ふざけんな!!」

「ま、見るかどうかはオマエラの自由だが、少なくとも見た奴はこっそり殺人の計画を立てるかも知れねーな…。ってな訳でじゃあな!!」

 

好き勝手な事だけ言ってDVDを置いたらモノトラはいなくなってしまった。

 

「…どうすんだよこれ…。」

「見る意味はないだろう。廃棄するのが一番だ。」

 

そう言って玉城はDVDを取り出して少し段差のあるところに置くと思い切り踏みつけた。が、DVDは壊れることはなかった。それは畔田が踏みつけても変わらなかった。

 

「どうなってんだこりゃ?」

「きっと私たちが壊せば良いという考えに至るところまでは想定済みって事だろうね。」

「どうしよっか…。」

「…逆に見るか?」

 

俺がぽそっと漏すと全員の視線が俺に向いた。

 

「水島オメー何言ってんだよ!そんなんアイツの思うつぼだろうがよ!」

「だけど結局ここで見なくてもここからは誰が見て誰が殺人を起こそうとしてるのか考えてるのか疑心暗鬼の状態で過ごさなきゃいけないのは変わらないだろ?だったらいっそのこと全員で見てそれでも殺人を起こさせないってすれば良いじゃないか。」

「そりゃそうかもしんねーけどよー。」

「あたしは水島に賛成かな。」

「涼風…。」

「みんな不安ならきっとみんなで支えられるよ!」

「…そうだよな。ああ、きっとそのはずだ。」

「それなら視聴覚室で見るのが良いだろう。別に内容は言わなくてもいい。興味もないしそれぞれの事情があるだろう。」

 

玉城がみんなに提案をしてくれるなんて珍しいが、それだけ俺達に心を開いてくれてるということかも知れない。玉城の提案を受けてみんなで視聴覚室でDVDの中身を見ることにした。

 

 

 

視聴覚室に入ると、それぞれの机がブースのようになっており、そこにはそれぞれモニターとDVDプレーヤーが付いていて、モニターにはヘッドフォンが付けられるようになっていた。

 

「みんな、覚悟は良いな?」

「もちろんだよ。」

「大丈夫!」

 

それぞれで合図を取った後、各々がヘッドフォンを付け、DVDを再生する。程なくしてモニターに映像が映った。

 

 

 

-水島輝の動機ビデオ-

 

「水島輝君は特段変哲のない、普通の中流家庭の出身でした。」

 

「普通の家庭と違うところを挙げるとすればそれはお父さんがいないことくらいでした。」

 

「ですが、離婚しただけで養育費はきちんと支払ってくれていたし、お母さんも普通に働いていたので経済的に困窮することもなく暮らすことができていました。」

 

母のことを写した写真がスライドショーのように移り変わってゆく。

 

「それでも女手1つで自分のことを育ててくれたお母さんの事を水島君自身も非常に尊敬していました。」

 

「そんなある日、水島君の元にとある通知が届きました。」

 

「希望ヶ峰学園の合格通知書です。」

 

「水島君は喜びました。」

 

「『これで母を少しは楽にしてあげることができる』と。」

 

「そして母も快く送り出してくれたので水島君は希望ヶ峰学園の入学を決めたのです。」

 

「しかし、水島君の学校生活にも、お母さんにも大きな変化が起こりました。」

 

画面が暗転する。そして、次に画面が明るくなったときにはズタズタになった俺の家。そして所々に飛び散った血の跡。

 

「水島君は希望ヶ峰学園に閉じ込められてコロシアイに参加させられている訳ですが、お母さんの方は一体どうなってしまったのでしょうか?」

 

「正解は『卒業』の後で!」

 

 

 

「…っ!!」

 

母さん!?アイツは一体母さんに何をした!?無事なのか!?

ふと周りを見渡すと俺と同じように青い顔をしたみんながそこにいた。もしかしたら俺は大きな判断ミスをしたのかも知れない。ここまでのビデオが放り込んでくるなんて…。いや、有浜の事件ののことを思えば想定はできたはずだったのに…!!

 

「輝君っ!」

「!!甘寺か…。」

「大丈夫…?顔、真っ青だよ?」

「…ああ、大丈夫だ。そっちこそ、大丈夫か?」

「ちょっとショックだったけど大丈夫…。」

 

そうしている内にみんなも見終わってこちらに来ていた。

 

「…水島、やっぱ見といてよかったわ。」

 

薬師が最初に口を開く。

 

「こんなの1人で見たら俺、どうなってたか分からねえし、それに、見なかったとしてもこんなの見た奴が殺しを計画すると思うと、ゾッとする。」

「ええ、水島さんのおかげで覚悟が決まりました。」

「うんー、輝くんのおかげだねー。」

「みんな…。」

 

みんなの反応を見る限り、俺のやったことはあながち間違いではなかったのかもしれない。みんなで動機ビデオを見ることで一層みんなでコロシアイをこれ以上起こさせないという気持ちが高まった気がする。

みんなの絆が強まったところで昼食まで一度解散することにした。

 

 

 

その後昼食を摂ってすぐ、時間が空いてしまったので俺は音楽室に行ってそこのCDでクラシックでも聴くことにした。

音楽室に行くと、扉を開いた瞬間に美しいピアノの音色が聞こえてきた。ステージの方に目を向けると畔田が一人でピアノを弾いていた。そのピアノの音色に聞き惚れていると畔田がこっちに気付いてピアノを引く手を止めた。

 

「おや、水島さんですか。どうされたんです?」

「ああ、邪魔して済まない。綺麗な音色が聞こえてきたものでな、つい聞き入ってたんだ。」

「いえ、拙い演奏で申し訳ない限りです。」

「そんなことなかったぞ。すごい上手かった。」

「そうであればよいのですが…。」

「それにしても畔田、ピアノ弾けたんだな。」

「ええ。」

「やっぱりアンリのところで弾いてたのか?」

「はい、お嬢の元で弾かせていただいていました。」

 

超高校級の執事ともなるとピアノも弾けなければいけないのか…。すごく大変だな…。

 

「ちなみにピアノを弾くようになったのってアンリに弾けるようになれとか言われたのか?」

「まあ、そんなところではあるのですが、そんな大したエピソードはないですよ?」

「それでもいいから聞かせてくれよ。」

「それでは僭越ながら。そもそもの話なのですが、本来ピアノを習っていたのはお嬢の方なのです。」

「アンリが?」

「はい。旦那様の方針で、シャークネード家の令嬢たる者全ての文化にも一通りは触れてなければならない、ということで音楽の方はピアノを習う、ということになっていたのです。ですが、お嬢はあるときレッスンに行くのが億劫になってしまったのです。」

「意外だな。アンリがそんなことを考えるようなイメージないけどなぁ。」

「幼少期のお嬢は結構お転婆だったのです。」

「まあ、プロレスにハマってるってだけでもよく考えたらかなりお転婆だったな…。」

「そういうことです。そしてピアノのレッスンに行くのが億劫になってしまったお嬢は私を身代りに差し出したのです。」

「身代り?」

「ええ。畔田は私の専属の執事、いわば私と一心同体の存在だ、だから私の代わりに畔田がレッスンに行っても私がレッスンに行ったことになるはずだ、と。」

「なかなかな理論の飛躍だな…。」

 

そう言う俺に畔田は苦笑いを浮かべる。

 

「そうですよね。ですが主である以上私もお嬢に逆らうわけにはいかないので仕方なくお嬢の代わりにピアノのレッスンに行っていたのです。」

「そうしている内に畔田の方がピアノを弾けるようになってしまった、と。」

「そういう訳です。まあ、教養のなかった私がこんな特技を身につけられたのでお嬢には感謝しているんですけどね。」

「そうか。」

 

全く、幼少期の頃のアンリは俺が思っていたよりもお転婆なお嬢様だったようだ。

でも、畔田の意外な一面を知ることができてちょっと嬉しい気分になって俺は音楽室を後にした。

 

 

 

畔田と別れた後、俺はラウンジに行ってそこでコーヒーを飲みながら推理小説を読むことにした。人もあまり通らないので集中して本を読み進めることができた。そんなこんなでくつろいでいるとちょうどそこに涼風が通りがかった。

 

「あれ、水島じゃん。こんなところで何してんの?」

「ああ、推理小説を読んでるんだ。」

「ホントに好きなんだねー。だから学級裁判でもあんなに鋭い推理ができるの?」

「まあ、そうかもしれないな。別にそのために読んでるわけではないし、読んでることがそんなことに活きてるのは不本意だけどな。」

「それもそっか。」

「好きと言えば涼風はよく俺に限らずみんなのことをランニングに誘ってるけど、お前も本当に走るのが好きなんだな。」

「まあね!走るのが大好きすぎて走ることしかしてないまであるよー。」

「それはそれでどうかと思うが…。それにしてもなんでそんなに走るのが好きなんだ?」

「うーん、あたしが体を動かすのが好きだってのもあると思うけど何より走ってる間は色んな事をゴチャゴチャ考えないで済むからかなー。」

「どういうことだ?」

「あたしんちね、すっごく貧乏だったんだ。だからゲームどころか本も中々買ってもらうことができなくて。そんなんだからあたしが何か遊ぶって言ったら周りの子と色々体を動かして遊ぶくらいしかなくてさ。」

「なんか、すまん…。」

「謝んないでよ。あたしが勝手に喋ってるだけだし。でね、中学に入ったときに絶対に何か部活に入らなきゃならないってなってさ。そこであたしが選んだのがスパイクだけ買えばやれる陸上だったんだ。競技を選ぶってなったときに結局あたしは何か道具が必要なものはやれないって思ってたしちょうど一番適性があるって言われたのもあって長距離をやることにしたんだ。」

「なるほどな…。」

「もちろん周りの子はゲームとかやってるわけだし、中学生にもなると周りのみんなはおしゃれもしてるから最初はそれが全部できなくて辛かったんだけど走ってるとそういう嫌なこと全部忘れられたし、そのうちに記録がどんどん出るようになったしですっごく走るのが好きになってったんだ。そんで今となっては全然走ること意外興味なくなっちゃった!」

「…強いんだな。」

「んー、そうかなー?あたしが単純なだけだと思う!」

 

そう言って涼風はにかっと笑う。やっぱり涼風は強い。きっとだからこそ彼女は超高校級の長距離ランナーたりえるのだと思った。

その後すぐに涼風は部屋に戻っていったので俺はその場で読書に戻った。そして時間はゆったりと過ぎていった。

 

 

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「10時になりました。ただ今より夜時間となります。食堂はロックされますので速やかに退出してください。それではよい夢を。お休みなさい。」

 

 

 

【モノトラ劇場】

 

「マラソンってのは起源が一番古いスポーツだとも言えるよな。」

 

 

「古代ギリシャの戦争でのエピソードが起源だっていう説が一番有名だよな!」

 

 

「だけどよ、ホントにこのエピソードが起源ならよ、」

 

 

「人間ってのはつくづく悪趣味な生き物だよな!」

 

 

「だってよ…」

 

 

「そのマラソンの起源となった戦争の走ってきた兵士ってのは」

 

 

「最後に力尽きて死んじまってんだからな…。」

 

                    ・

                    ・

                    ・

 

【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級のショコラティエ  甘寺心愛(アマデラココア)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の棋士       玉城将(タマシロショウ)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級の資本家      アンリ・シャークネード

超高校級の執事       畔田鋼之助(クロダコウノスケ)

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

 

残り9人




はい、という訳で今回は第4章の動機編でした!!さあ、ここからどのようにコロシアイが起こってしまうのでしょうか…。誰が誰を殺そうとしているのか、乞うご期待です!!

それでは今回の設定裏話のコーナーです!今回のお題は第3章のおしおきの裏話です。
第3章、超高校級の図書委員・太宰直哉くんのおしおきのタイトルは「エンドマーク」です。まずエンドマークというのは単純に映画のラストに出てくる“Fin”とか“完”みたいな文字のことです。なのでこの言葉をもって太宰君の人生が終わりを迎えることを簡単に示したいと思いました。そしてもう1つの意味合いが含まれています。それは“栞”です。本に挟むアレですね!アレを英語で表現すると“ブックマーク”となるわけですが、このブックマーク、と言う言葉の頭をエンドに変えることで巨大な本に挟まれて死ぬことになる太宰君の死に様を示している、という訳です。かなり端的に今回のおしおきの内容を表せたのではないか、と個人的には思っております笑。

という訳で今回は以上!!それでは次回をお楽しみに!!!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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