ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER4 (非)日常編4

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「おはようございます。7時です。今日も1日元気で頑張りましょう。」

 

昨晩はあの動機DVDの内容が頭から離れず、あまりよく眠ることができなかった。昨日の朝とは大違いだ。みんなで気持ちを再確認した分、コロシアイが起こる事なんてあり得ない、そう信じているはずなのにどうしても心のどこかで不安が澱みのようにへばりついて消えることがない。だからといってここで1人でボーッとしていても意味はない。不明瞭な頭を無理矢理たたき起こして俺は食堂に向かうことにした。

 

 

 

キッチンに入ると既に朝食の準備はかなり進んでいた。

 

「あれー、輝くん今日は遅いんだねー。」

「何だか昨日はよく眠れなくてな。申し訳ない。」

「ま、いつも準備してくれてるしたまには休んでくれって!」

 

遅れた事を謝罪すると薬師がフォローをしてくれた。やはりコイツは良いやつだと思う。

今日の朝食は九鬼が作ってくれており、昨日の非常に一般的な朝食とは打って変わって海賊らしい非常に豪快な朝食であった。

朝食とは思えないほど大量の食事を摂った俺達はみんなそれぞれ食堂で食休みをしていた。するとおもむろにアンリが立ち上がった。

 

「ところでみんなに提案があるんだけど良いかな?」

「提案?」

「言ってみろ。」

「単刀直入に言おう。パーティーをしないかい?」

「パーティー?」

「いや、実を言うとね、最初の頃から考えていたんだけど色々あって提案もできずにいたんだ。でもね、こういう状況でここまで人数が減ってきてしまっているからこそ、ここで一度更に親睦を深めるイベントをできないかと思ってね。」

 

アンリは心の裡をそう明かす。

 

「いいんじゃねえか?たまには大騒ぎしようぜ!」

「みんなでなんの料理食べるか決めようねー。」

「あ、それならよー、この前結局できなかったしゲーム大会も一緒にやろうぜ!!」

「あ、いいねそれ!」

 

アンリの言葉からあまり間を置かずみんなから賛同の声が上がった。そんな様子を見てアンリもホッとした顔をしている。

しかし逆に近くにいる畔田は何か浮かない顔をしていた。俺は畔田のもとに近寄ってこそっと声をかけた。

 

「…畔田、浮かない顔をしてるけどどうしたんだ?」

「…いえ、これまでこういうイベントの直前に事件が起こってきたので少しだけ不安があるだけです…。」

「…まあ、その不安はしかたないな。」

 

畔田の不安の声を聞いて俺は1つ提案をすることにした。

 

「なあ、それならみんなで準備しよう。」

「みんなで?」

「ああ。パーティーをするなら色々準備が必要だろ?料理の献立だって考えなきゃならないし、会場の飾り付けもしなきゃならないし、それにゲーム大会のプログラムも考えなきゃならないだろ?だからみんなで班分けして準備をしようと思うんだけどどうだ?」

「それがいいね!ちょうど9人だし3人ずつがいいかな?」

「それがいいな!じゃあどう班分けするよ?」

 

3人ずつ班に分かれて準備をすればそれぞれの監視ができる。そうすれば中々コロシアイのための行動は起こしにくい。これなら畔田も安心できるだろう。

 

「…こうすればコロシアイは起こしにくいだろ?」

「…ええ、お気遣い痛み入ります。」

 

そう畔田は言った。だけどやはり彼の顔があまり晴れなかったのは少し気になった。

 

 

 

さて肝心の班分けだが、料理班が俺、甘寺、九鬼の3人、会場準備が薬師、畔田、涼風の3人、ゲーム大会準備が玉城、アンリ、久見となった。

 

「さて、じゃあ献立を決めるか。」

「そうだな!!」

「じゃあ何にしよっか?」

 

今回のパーティーの献立の決定権は俺達3人に完全に委ねられた。好きなものを選ぶ自由がある分責任も重大だ。

 

「ぜってー肉は外せねーよな!」

「それだったら焼くのと揚げるのどっちもほしいね。」

「どうせなら魚とか海鮮のものも用意しないか?」

「お、いいねー。」

 

と意外と順調に会議は進んでいく。

30分も会議をしたら大体の献立は決定した。今回のパーティーでは和・洋・中世界中の、そして肉や魚、野菜を使った様々かつ豪華な料理が作られることになった。更には甘寺の協力により様々なチョコレート菓子がデザートとして出されることになった。

 

 

具体的な料理が決まったところで俺は他の2人と一緒にキッチンにあるだけでは足りない材料とパーティーの中で飲む飲み物を取りに倉庫へ向かった。その途中食堂へ出ると、そっちはそっちで大がかりな準備が始まっていた。

 

「おー、3人ともどうしたん?」

「ああ、足りない材料とか飲み物とかを取りに倉庫にな。そっちも中々進んでるじゃないか。」

「おうよ!涼風がデザインを監修してくれてんだけどよ、これが中々どうしてセンスが良いんだ!」

「まだ飾り始まってなくて見取り図もねーのに分かんねーよ。」

「あ、すまん。」

「パーティー用のモールなども倉庫に置いてあったのでかなり準備がしやすいですよ。」

「なんで学校の寄宿舎にパーティーをする前提のものが置いてあるんだ…?」

「うーん、元々の希望ヶ峰学園の生徒は結構パーティーとかやってたのかもね?」

「まあそこのとこはよく分かんないけどそれであたし達がパーティーできるんだし良いんじゃない?」

「ま、そうだな!」

 

 

そんな会話をした後俺達は3人で倉庫に向かった。

 

「えーっと、足りないのは何だっけ?」

「確か…、スパイス類と油、あと一応小麦粉も持っていきたいな。」

「飲み物こっちにあったぜ!」

「じゃあ俺が小麦粉を持ってくから2人は飲み物とスパイスと油を持ってってくれ。」

「おう!」

「分かった!」

 

さすがに女子に持たせるのはと思って小麦粉を俺が持ったんだがやっぱり袋入りの小麦粉はかなり重いな…。

 

 

倉庫から俺達が戻ってくるとゲーム大会班が戻ってきていた。みんなでやれそうなゲームを中身を確認した上で持ってきたのでそれをとりあえず置きに来たのだという。トランプからボードゲーム、その他にも色んなものを持ってきていた。

 

「やあ、大荷物だね。」

「2週間も共同生活してるとパーティーするほどは足りなくなってたりするんだよな。」

「それにしてもいろいろ持ってきたねー。」

「相談してる内に食いてーもんがいろいろ出てきちまってな!ま、楽しみにしててくれよ!!」

「…食い切れなくてもしらんぞ。」

「そこは頑張るって事で!」

「おい。」

 

更にそこに会場準備班も加わってきてみんなで楽しく喋ってしまった。ちょうど全員集まっているところでここで一旦少し早めのお昼にすることにした。

 

 

お昼を食べた後はゲーム大会班は得点表など大会運営の準備、会場準備班は作業の続き、俺達は本格的に料理に入ることにした。今までは食事の準備は担当者がそれぞれ1人で行っていたのであまり気になっていなかったが、ここのキッチンの設備はかなり整っている。コンロもそこそこの数があるので、揚げ物、炒め物、焼き物などを同時並行で作ることができた。

 

「こいつぁ結構忙しいな!」

「ああ。だけど設備が整ってくれてるおかげでかなり進んでるとは思うぞ。デザートの方はどうだ?」

「こっちも結構進んでるよー!」

「よし!中華の下ごしらえは終わったぜ!」

「こっちの洋食の方も後は火を通すだけだ。」

 

こうして忙しく準備をしている内にどんどん時間が過ぎていった。そしてパーティの開始時間が近づくにつれてどんどんみんなが食堂へと集まってきた。完成した料理を運ぶためにキッチンから出るといつもの食堂が豪華に飾り付けされていた。

 

「これはすごいな。」

「言ったろー?」

「ええ、涼風さんはホントにセンスがいいです。ほとんどデザインの調整をせずに済みましたから。」

「えへへ、それほどでも?」

「でも畔田がデカいおかげでかなりスムーズだったぜ?だってライトの支柱くらいならテーブルに乗れば届いちまうんだからな。」

「あの支柱に?随分高くないか?」

「背伸びして腕を伸ばせばなんとか紐を結ぶくらいは。腕が長いのです。」

「さすがだ…。」

「それにしても料理も豪華だねー。」

「俺達3人で腕によりをかけたぜ!」

「超うまそうだ!」

 

 

 

そしてそこから5分もしたら全員が揃って席に着き、パーティーが始まった。アンリが乾杯の音頭を取ってそこから一気にみんなで料理を食べ始まった。

 

「うお、この麻婆豆腐すっげえうめえ!!」

「へーん、だろー?コツがあんだぜー!」

「唐揚げもカリカリでおいしいー!」

「ああ、それもコツがあるんだ。後で教えてやるよ。」

「ラザニアもそれぞれの素材がお互いを引き立たせ合っておいしいね。」

「焦らずじっくり焼くのがコツだよ!」

「これは参考になりますね…。」

 

まずは温かいうちにみんなで料理に舌鼓を打つ。中々好評なようで俺達3人で頑張って作った甲斐があるというものだ。実際お互いが作ったものもお互いで食べたが、やっぱりすごくおいしいと思った。

食事がかなり進んできたところで今度は久見が立ち上がった。

 

「よーし、宴もたけなわなところでゲーム大会を始めるよー。」

「っしゃあ負けねえぞ!」

「それじゃあルール説明をするよー。」

 

ルールは3つのゲームをやり、それぞれのゲームの結果に応じて全員にポイントを割り振る。そしてそのポイントの合計が1番高かった人物が勝者だ。ちなみにこれは前の学級裁判の前、みんなで計画していたゲーム大会のルールだ。

 

「よっしゃ上がり!!」

「なんだって!?」

「涼風お前顔に出すぎだ。」

「うあー!」

「待って待って、わっかんねー!!そんなカタカナ語あったか!?」

「あるからクイズになってる。」

「うーん、あ、これかなー?」

「正解だ。」

「よく気付きましたね。」

「ふふーん、漫画を描くために色んな言葉も調べてるんだよー。」

「俺が占い師だ。」

「おーっとちょっと待てよ!俺が占い師だ!」

「占い師が2人か…。盛り上がってきたね…。」

「どっちかが人狼か狂人だよね…。どっちだろ…。」

「にしてもわざわざここでまで推理してるとはな…。」

 

9人までメンバーは減ってしまったけど、やっぱりこうやってみんなでやってるとすごく楽しい。こうして3つのゲームを終えて点数を集計する。ちなみに人狼ゲームはお互いの貢献度に応じて点数を割り振った。

 

「それじゃー優勝を発表するよー。優勝はー、輝くん!!」

「俺か?」

「うあーやっぱりかー!」

「いや、初っぱなババ抜き全揃いはエグいって!」

「あれは“超高校級の幸運”の面目躍如、って感じだったね。」

「人狼も強かったですしね。」

「将棋さえあれば…。」

「おお、珍しく玉城が負け惜しみを言ってるぞ…。」

 

ゲーム大会が終わったところで甘寺が一度キッチンへ戻り、冷蔵庫に冷やしてあったデザートを持ってきた。そしてみんなでデザートに舌鼓を打った。そしてデザートを食べ終わると時間は8時半を回っていた。6時からパーティーを始めていたのに時間が経つのは早いものだ。惜しみつつではあるがここでパーティーをお開きにしてみんなで片付けをした。ここまで3度の学級裁判を乗り越えてきた俺達にかかれば片付けなんて一瞬。30分もしたら食堂はもういつもの食堂に戻っていた。

 

「また明日からはいつも通りの日常だな。」

「ええ。」

 

近くにいた畔田に声をかける。

 

「最初はちょっと不安もありましたがみんなで無事楽しくパーティーをすることができてよかったです。」

「ああ、そうだな。」

「水島さん、やはり貴方はすごい人です。貴方の言った通りになった。」

「いや、そんな大した人間じゃないよ。俺もコロシアイを起こさせたくなくて一生懸命なだけだ。」

「…そうですか。」

 

他のみんなはいつの間にか部屋に戻ってしまっており、既に食堂はがらんとしていた。2人きりの食堂で俺と畔田は静かに会話をしていた。いろいろな話をした。そして最後に畔田は俺に1つ質問をしてきた。

 

「水島さんは外に出たら何をしたいですか?」

「何だよ急に。でもまあ、あんなビデオを見せられた後だし、母さんの安否は確認したいかもなあ。まあそのために誰かを殺そうなんて死んでも思わないけど。」

「…ですよね。」

「そういう畔田は?」

「…そうですね。お嬢といろいろなところを旅してみたいかも知れないですね。こんな目に遭った後だ。社員の皆さんも多少の自由は許してくださるでしょう。」

「いいな。どうせなら9人みんなで旅行ってのもアリだな。」

「いいですね、それ。どこに行きます?」

「うーん、俺は海外とか行ったことないから海外は行きたいなぁ。」

「私もイタリアなど行きたいですね。」

「いいな、それ。」

 

その後数秒の沈黙が流れる。

 

「よし、じゃあ部屋に戻るか。」

「ええ、そうですね。私はトイレに行ってから戻りますのでお先にどうぞ。」

「まあ、結構食事も重かったしな。分かった。先に戻ってるよ。じゃあお休み。また明日な。」

「ええ、お休みなさい。」

 

こうして食堂で俺達は別れた。もしここで待っていればあんなことにはならなかったかも知れないのに。そんなこととはつゆ知らず、俺は1日準備をしていた疲れとみんなで楽しんだ満足感もあって早々に眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「おはようございます。7時です。今日も1日元気で頑張りましょう。」

 

あー、よく寝た。けれど昨日の満足感もあってしっかり眠れたので今日はすっきりと目が覚めた。さて、今日も朝食の準備に向かうか。

 

 

朝食を準備しようと部屋を出ると扉の外にいた誰かとぶつかってしまった。

 

「ああ、すまん。大丈夫か?」

「水島君!早く食堂に来てくれないか!?」

「どうした!?」

「私はみんなを呼んでくる…!水島君は早く食堂に…!」

「ああ!」

 

アンリの指示を受けて食堂に入る。

 

 

 

見ようと意識するまでもない。アンリの狼狽の理由は入ればすぐ分かった。

 

 

 

 

 

 

いや、俺も狼狽はしていた。頭は回っていなかった。

何でこんなことになったのか。昨日、また明日と約束していたはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

首に掛かった1本のロープに全てを託し“超高校級の執事”畔田鋼之助は命を放棄していた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

CHAPTER4 死に逝く者に蜘蛛の糸を 非日常編

                   

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【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級のショコラティエ  甘寺心愛(アマデラココア)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の棋士       玉城将(タマシロショウ)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級の資本家      アンリ・シャークネード

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

 

残り8人




はい、と言うことで今回は少し趣向を変えて(非)日常編4のラストで事件を起こしてみました。明日会うことを約束していたはず人物が死体で発見される、非常に深い絶望ですね…。この事件の真相はどこにあるのでしょうか…?


それでは今回の設定裏話に参りましょう!今回は「超高校級の特技」です!

水島輝→ババ抜き
「何だか分からないんだけど絶対最初に上がるんだよな。」

甘寺心愛→植物栽培
「時にはカカオを自前で育ててるからかなぁ?」

薬師弾→サバゲー
「ほぼ自分の才能と一緒だけどな笑」

玉城将→折り紙
「集中力の訓練になるぞ。」

二木駆→ナンパ
「結構確立高いんだぜ!」

涼風紫→デザイン
「よく分かんないんだけどセンスが良いんだって!」

山吹巴→裁縫
「ぬいぐるみを自作すんのさ。悪いかよ?」

有浜鈴奈→声帯模写
「声の仕事もたまにしてるのよ。」

アンリ・シャークネード→プロレス技
「畔田を実験台にしてきたからね。」

畔田鋼之助→ピアノ
「お嬢の代わりですね、これは。」

久見晴香→クイズ
「漫画のために色んな知識を入れてるからねー。」

太宰直哉→ホームページ作り
「ブログの延長かな。」

美上三香子→どこでも寝られる
「うーん、どこでも絵を描いてたからいつの間にかね。」

青山蓬生→見ただけで3サイズが分かる
「スーツを作っているうちに見ただけで分かるようになりましたね。」

比嘉拳太郎→利きポテチ
「一時期ほぼポテチしか食べてなかったからな!」

九鬼海波→体内時計
「電波時計にゃ負けねーな!」


さて、次回は捜査編に突入します!乞うご期待です!!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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