…どうしてこうなった…?昨日「また明日」ってそう言って別れたじゃないか…!
そうしているうちにみんなが食堂に集まってきた。
「畔田…?」
「嘘…!」
「そんな…!!」
みんなが集まってくると同時に最後の希望を打ち砕くアナウンスが流れる。
ピンポンパンポーン…!
「死体が発見されました。一定の捜査時間の後学級裁判を行います。」
アナウンスの流れた直後、よろよろとアンリが畔田の近くに歩いて行き、そこで膝をついた。
「畔田…!畔田!なんでっ!なんでこんなことにっ!!うああああああ!!!」
食堂に響き渡る慟哭。アンリは心のどこかで畔田の死を否定していたのかも知れない。きっと、まだ生きているはずだと。だがその最後の希望は死体発見アナウンスによって完全に打ち砕かれた。
膝をついたまま更にアンリは畔田に近寄っていき足に縋り付こうとする。しかしその前に玉城が立ち塞がった。
「泣き叫ぶのは勝手だが触るのは遠慮してもらおう。」
「おい!」
「いや、玉城の判断は正しい。こうなった以上学級裁判が行われるのは必至だ。死体に触って重要な証拠が消えてしまったら死ぬのは畔田だけじゃ済まない。」
「輝君…。」
「立ってくれ、アンリ。酷なことかも知れないがお前が膝を折っていたら俺達は前に進めない。」
「…ああ、すまない。少し取り乱した。もう大丈夫だ。捜査を始めよう。」
やはり彼女は強い。家族同様に育ってきた畔田を突然喪ったにもかかわらず立ち上がってみせる。そんな彼女に導かれるように俺達は前を向いた。
そんな俺達の元に奴は現れた。
「よお!どうやらやっぱりコロシアイが起こったみてーだな!!いっつもご大層なお題目だけのたまってオマエラはいつもそうだぜ!結局コロシアイが起こる。」
「やかましい。ものだけ置いてさっさと去ね。」
「おーおー、辛辣だねー。ま、無駄話をしてるのもなんだしコイツだけ置いてさっさと退散するとするぜ!」
モノトラはそう言うと全員にモノトラファイルを配っていなくなってしまった。
「ったくアイツはよー。」
「気にしたってしょうがないよー。」
「ああ、そうだね。手早く捜査に入るとしようか。」
-捜査開始-
「それじゃあモノトラファイルを見ていこうか。」
「ああ。」
モノトラファイル4。死亡したのは“超高校級の執事”畔田鋼之助。死因は頸部圧迫による窒息死。体の方には頸部の索状痕の他には目立った外傷は無し。死体発見現場は食堂で、首を吊った状態で発見された。
「こんなところか。」
「状況としては首吊り、なのか…?」
「おい、死亡推定時刻は書いてねーのか?」
「ああ、書いてない。事件の重要なキーになるのかも知れないな。」
コトダマゲット!
【モノトラファイル4)
死亡したのは“超高校級の執事”畔田鋼之助。死因は頸部圧迫による窒息死。索状痕以外に目立った外傷はない。死体発見現場は食堂で、首を吊った状態で発見された。死亡推定時刻に関しては記載されていない。
「そんじゃまず畔田を下ろすか。」
「さすがにつるされたまんまじゃかわいそうだもんな。」
「それに検死もしづらいしー。」
という訳で薬師が畔田を下ろそうと畔田のほぼ真下に動かしたテーブルに乗ろうとする。
「おい、そこ踏むなよ。」
「つっても真下はここだぞ?」
「だからだ。テーブルに足跡が付いてるだろう。」
「あ、ほんとだ。じゃあ靴脱ぐか。」
「随分デカい足跡だな。」
「…これは畔田の革靴の足跡じゃないかな。」
「確かに!」
コトダマゲット!
【テーブル)
テーブルの天板に畔田の革靴とおぼしき足跡が付いていた。
「にしても高えな…!背伸びしても…!あとちょっと届かねえ…!」
「じゃあ椅子に乗ってほどこうか。」
「ああ、そうする…!」
程なくして椅子がテーブルの上に上げられてそこに登った薬師が天井にわたっているライトの支柱から縄をほどいた。そして下にいた俺と玉城が畔田の体を受け取って床に下ろす。
「にしてもよくもまああんなところに結んだよな。」
「薬師君がテーブルに椅子を乗せてその上に乗ってやっとだもんね。」
「まあ、175cmはないと結んだりほどいたりできねえんじゃねえか?」
「じゃあ誰があそこに結んだんだ…?」
コトダマゲット!
【ライトの支柱)
天井に何本もわたっている。
かなり高い位置にあり、そこそこ高身長の人がテーブルの上に椅子を乗せたところにさらに乗ることでやっとロープを結んだりほどいたりできる。
「じゃあー、検死に入っちゃうねー。」
「ああ、頼む。」
それじゃ俺達はとりあえず食堂を捜査するか。
まず目に入ったのは椅子。ちょうど畔田が吊されていた足元のすぐ近くに倒れていた。どうやら甘寺も同じ椅子が気になったみたいだ。
「この椅子ってさ…、」
「まあ単純に考えたら首を吊るときの踏み台だよな。実際に椅子にも革靴っぽい足跡も付いているし。」
「あ、でもこれ見て!」
「ん?」
「ここ、椅子の脚!こんな傷他の椅子には付いてないし、普段の生活で付いた傷じゃないよね?」
「ああ、そうだな。…ん?」
「どうしたの?」
「いや、首吊りの踏み台にしたにしては座面の縁も背もたれも綺麗だなと思ってな。」
「綺麗?」
「ああ。だって首吊りをするならどっちかを蹴るだろ?だとしたらこんなに綺麗にはなってないと思ってな。」
「あ、確かに。」
この違和感は何だ?学級裁判に持っていった方が良さそうだな。
コトダマゲット!
【食堂の椅子)
吊された畔田の足元近くに倒れていた。
座面に革靴の足跡が付いていることから首吊りの踏み台にされたものと思われる。
椅子の脚に不自然な傷が付いているが、他の椅子には付いていない。また、逆に背もたれと座面の縁は首吊りの踏み台にしたにしてはどちらも綺麗。
椅子の周りを調べていると足元からカサッという音がした。
「ん…?」
拾い上げてみると透明なフィルムだった。何のフィルムだ…?
コトダマゲット!
【フィルム)
食堂の床に落ちていた。何に使われていたものかは不明。
「おーい、捜査中に何か飲んだの誰だ?」
捜査していると九鬼が指を指しながらそんな声を上げた。
「何だ?」
「いやよー、テーブルの上にグラスが置いてあっから誰かが飲み物飲んだのかと思ってよ?」
「いや、分からないが。」
他のみんなも心当たりはないようだった。
「ああ、それテーブルの上に放置されてたんだ!今テーブルを動かすのに除けたんだけどよ!」
「あー、なるほどな!」
「一応そのグラス見ても良いか?」
「?おお、いいぜ。」
グラスを見てみると中にまだ水が残っていた。
「水?」
「何だよ。」
「ああ、水が中に残ってたんだ。」
「どういうこった?誰も飲み物飲んでないんだろ?」
「俺も分からん。」
コトダマゲット!
【グラス)
食堂のテーブルの上に放置されていた。
グラスの中には水が残っていたが、捜査中に何かを飲んだ人は誰もいなかった。
とりあえずグラスをテーブルの上に戻して周りを見回すと玉城が畔田の首に掛かっていたロープを観察していた。
「玉城、ロープに何かあったか?」
「ああ、これを見てみろ。」
玉城に言われてロープの中程を見てみたが、特に目立った痕跡はなかった。逆に両端を見てみると重さが掛かったような痕が残っていた。
「これは?」
「見て分からんのか。このロープ、負担が掛かった痕が両端の方にしかない。言い換えると中央部の方は綺麗だ。つまり、このロープは他人が首を絞める用途では使われていない、ということだ。負担が掛かっているのも両端の結び目になっていた部分と畔田の首が当たっていた部分だけ。この考えは十中八九間違っていない。」
なるほど。ロープには他人が首を絞めるのに使ったとおぼしき痕跡はない、と。
コトダマゲット!
【ロープ)
ロープに負担が掛かっていたのは両端の結び目になっていた部分と畔田の首が当たっていた部分のみ。
その他の部分は綺麗で、玉城曰く首を絞める用途では使われていないだろうとのこと。
「あ、輝くんー、ちょっといい?」
「検死終わったのか?」
「うんー。で、結果を報告する前にまずはこれ!」
そう言って久見が手渡してきたのは何かの薬が入ったビン。よく見てみるとラベルには“睡眠薬”と書かれていた。
「この睡眠薬はどこから?」
「えっとねー、畔田君のポケットの中に入ってたんだよー。」
「何でこんなモンが?」
「あとね、中身が少し減ってたー。」
「つまり誰かが飲んだ、と。にしてもよく気付いたな。」
「ふふーん、実はちょっとしたコツがあるのだー。今は捜査中だから-、あとで教えたげるねー。」
「ああ。あとそれで検死の結果を教えてくれ。」
「あ、そうだねー。と言っても大したものは見つからなかったんだけどー、強いて言うなら首の索状痕かなー。」
「モノトラファイルにも書いてあったな。」
「そうー。その索状痕の形がねー、斜めに入ってたんだー。」
「斜めか…。ってことは首吊りだと?」
「お、そういうことー。」
踏み台があって首の痕も首吊りのものか…。
コトダマゲット!
【薬のビン)
睡眠薬のビン。畔田のポケットに入っていた。また中身が減っており、久見が言うにはちょっとした見分け方があるらしい。
【死体の状況)
首に残った索状痕が斜めに入っていた。これは首吊りの際にできる痕跡である。
さてと、とりあえず食堂の捜査はこんなところか。気になるものと言えば久見に渡された睡眠薬だけど、確かこれがあったのって化学室だよな…?ちょっと行ってみるか。
「あれ、水島どこに行くの?」
「ああ、ちょっと化学室にな。畔田のポケットに睡眠薬のビンが入ってたんだ。」
「あ、それならあたしも手伝う!その睡眠薬なら心当たりもあるしね!」
「それは助かる。」
涼風と2人で化学室に行き、薬品棚を調べて見る。
「あ、やっぱここにあったね!」
「ああ。」
確かここには薬品のリストがあったはずだ。大まかにではあるが2人で薬品の数を数えてみることにした。
「結局なくなってたのは睡眠薬が1個だけだったね。」
「ああ。殺人に使いやすい薬品なんか他にたくさんあるんだけどな。」
「もう、物騒なこと言わないでよ!」
「ああ、すまんすまん。」
実際、睡眠薬より使いやすい薬品はあったろうに。
コトダマゲット!
【薬品棚)
日常で使う常備薬から強力な毒薬まで幅広く置いてある。中には睡眠薬も置いてある。
【薬品リスト)
化学室の薬品棚に置いてある薬品の種類と数が全て記載されている。実際に調べて見たところ睡眠薬だけが1つなくなっていた。
数えるために外に出していた薬品を片付けながら俺は目に付いた睡眠薬の箱を1つ手に取る。箱の側面には睡眠薬の効能と用量が書いてあった。
『この睡眠薬は即効性です。持続時間は9時間となります。寝る前に1回3錠をお飲みください。ご使用の際は用法・用量を守ってお使いください。』
「なるほど、飲んだらすぐに眠ってしまう訳か…。」
コトダマゲット!
【睡眠薬の箱)
側面には効能と用量が書いてある。
即効性で持続時間は9時間。1回3錠。
そう言えば涼風がさっき気になることを言っていたな。
「そう言えば涼風さっき睡眠薬には心当たりがあるって言ってたよな?」
「あ、そうそう!えっと一昨日だったかな?畔田があまり眠れてないって言っててさ、だから化学室に睡眠薬があるよって教えてあげたんだ。」
「なるほど、じゃあポケットに入ってたのはこれか…。」
コトダマゲット!
【涼風の証言)
畔田は最近あまりよく眠れていなかった。そのため化学室の睡眠薬のことを教えた。
「でもなんで持ち歩いてたんだ?」
「あ、確かに!部屋とラウンジ以外じゃ寝ちゃダメってなってたよね?」
「ああ、それが気になってな。」
本当にどうして持ち歩いてたんだ?
コトダマゲット!
【夜時間のルール)
寄宿舎の部屋とラウンジ以外では眠ってはならない。
その後食堂に戻るとみんなが久見から検死の報告を受けていた。内容はさっきと同じ。報告が終わるとアンリが畔田のもとに近づいていった。
「全く、こんなところで死ぬなんて執事としての自覚が足りていないんじゃないかい…?」
そう告げて彼の顔に手を当てる。その頬には一筋の雫が伝っていた。
「…アンリ…。」
「ああ、水島君か。済まないね、情けないところを見せてしまった。」
「いや、仕方ないさ。」
そう言えば第一発見者はアンリだったはずだ。発見当時の話を聞いておこう。
「なあ、アンリ。第一発見者はお前だったよな?」
「ああ、そうだとも。それがどうしたんだい?」
「発見当時の話を聞きたくてな。」
「そういうことかい。それなら。私は今日少し早く目が覚めたのでね、朝のアナウンスの直後に食堂に入ったんだ。でそこで畔田が首を吊っているのを見つけた、という訳さ。」
「なるほど…。」
ということは朝誰よりも早く起きて、という訳ではなさそうだな。
「ただ少し気になる点もあってね。」
「気になる点?」
「ああ。私が朝一で発見したと言うことは死んだのはパーティーの片付けの後から夜時間の前、ということになるだろう?」
「夜時間の間は食堂には入れないしな。入ったらおしおきだし。」
「ということは1時間くらいでよくもまあその決断をしたな、と思ってね。」
「確かにな…。」
コトダマアップデート!
【夜時間のルール)
寄宿舎の部屋とラウンジ以外で眠ってはならない。
夜10時から朝7時までの間は食堂には入れない。
「さて、水島君。私はこれから一応畔田の部屋に行ってみようと思っているんだが、君も一緒に来るかい?」
「ああ、ご一緒させてもらおう。」
「待て。それなら俺も行く。」
「人手は多い方が良いからね、助かるよ。」
アンリの提案に乗って俺と玉城が畔田の部屋に行くことになった。
畔田の机の上には分かりやすく遺書とおぼしき書き置きが置いてあった。
『お嬢を始めとする皆様へ
私、畔田鋼之助は動機DVDの内容にいたく絶望致してしまいました。そのため、自らこの命を絶つことに致しました。先立つ不孝をお許しください。
畔田鋼之助』
「これはどう見ても遺書だな。ご丁寧にサインも書いてある。」
「DVDの内容か…。アンリは心当たりはあるか?」
「いや、ないね…。」
「それにしても遺書を書くのに部屋のメモパッドを使ったんだな。」
「一番目に付くからな。…おい、これを見ろ。」
「これ、とは?」
「メモパッドが2枚使われている。」
「書き間違いでもしたんじゃないか?」
そう思って部屋のゴミ箱を見てみるが何も入っていなかった。
「と思ったんだがどうやら書き直ししたわけでは無さそうだな。」
「普段のメモなら逆に1枚しか使っていないはずはないしな。」
「畔田は普段のメモなら自前の手帳に取っていたよ。常に肌身離さず持っていたし、わざわざ部屋のメモパッドを使う理由はないんじゃないかな。」
「…じゃあなんで2枚使われているんだ…?」
コトダマゲット!
【遺書)
動機DVDを見て絶望したため死ぬといった趣旨のものが書いてあった。また、畔田のサインも書いてあった。
【2枚使われたメモパッド)
1枚は遺書、もう1枚は不明。部屋のゴミ箱などにもう1枚の方はなく遺書の書き直しをしたわけでは無さそうだ。
また、普段のメモに関しては自前の手帳に取っていた。
あと気になるものとすれば…、DVDか。
「この動機DVDは一応確認しておいた方が良いよな?」
「実際遺書にも書かれているわけだからな。今回のキーアイテムであるのは否めまい。」
「それじゃあ視聴覚室に行こうか。」
視聴覚室でさすがに3人でヘッドホンは使えないので全員に音が聞こえるように音量を上げて再生した。
-畔田鋼之助の動機ビデオ-
「畔田鋼之助君は元々普通の家庭の出身でした。」
「お父さん、お母さんと一緒に3人で幸せに暮らしていたのです。」
「それが大きく変わったのは7年前、とある事件をきっかけに天涯孤独の身となってしまったのです。」
「そんなひとりぼっちの彼を拾ってくれたのは同じく“超高校級の資産家”として希望ヶ峰学園に在学しているアンリ・シャークネードさんの実家でした。」
「彼は元々ただ引き取られただけでした。ですが、それでは畔田君の気は済みませんでした。」
「シャークネード家の恩に報いるために彼はシャークネード家の、いえ、アンリさんの執事となることを選びました。」
「さてそんな畔田君に執事としてのイロハを叩き込んだのはシャークネード家の執事やメイドの皆さんでした。」
「幼くして家族を喪った畔田君にとって彼らはまるで父や母、兄や姉のような存在でした。」
「しかし、そんな彼らに悲劇が起こりました。」
画面が暗転する。俺の動機DVDの時と同じだ。そして再び画面が明るくなるとシャークネードの屋敷と思われる豪邸のどこかの一室だった。そしてその一室は破壊し尽くされていた。
「さて、このシャークネードの屋敷に仕える人たちの身に何が起こったのでしょうか?」
「正解は『卒業』の後で!!」
DVDが終わり画面から顔を上げるとアンリが何か不可解そうな顔をしている。
「どうしたんだ?」
「実は…、いや、何でもない。」
「気になる言い方をするなよ。」
「いや、ホントにたいしたことじゃないんだ。」
「本当だろうな?」
「ああ、誓って本当だ。」
「ならいいが。」
アンリの反応よりも重要なのはDVDの内容だ。
「なあ、アンリ、あの部屋って…、」
「ああ、それなら私の屋敷の使用人の部屋だよ。まあ、あの様子だ。もしかしたら他の使用人達は無事ではないだろうね…。」
アンリが口惜しげに目をそらす。
「だが、家族のように大切な人の身に何かあったのかもしれない、と思ったなら絶望してもおかしくはない。あの遺書の信憑性を補強できたかも知れないな。」
「ビデオの内容もまとめておこう。」
コトダマゲット!
【畔田の動機DVD)
畔田の生い立ちとシャークネード家の使用人の部屋の現状について映している。
内容を考えると遺書の信憑性も高まる。
「よし、これで畔田周りのことは捜査完了かな。」
「とりあえず食堂に戻るぞ。」
「ああ、そうしよう。」
食堂に戻るとみんな一通りの捜査を終えた後のようだった。
その中で薬師が雑談をしてるという訳ではなさそうだが九鬼と甘寺に何か話していた。
「お、3人も戻ってきたか!」
「ああ。何を話してるんだ?」
「えっとね、薬師君が気になることがあったらしくて。」
「気になること?何か見つけたのか?」
「いや、そういう訳じゃねえんだけどよ、確か動機DVDを渡された日だったから一昨日だったかな?それこそ動機DVDをみんなで見た後なんだけどよ、畔田が誰かと口論してる声聞いたんだよ。」
「口論?誰と?」
「いや、そこまで見なかったんだよな。さすがにプライバシーの侵害だと思ってよ。今思えばあそこで確認しとけばこんな事件起こんなかったかも知れなかったのにな…。」
「それは仕方ねーだろ。オレ達もうコロシアイを起こさせねーっつうことで動いてたんだからよ。」
「まあ、コイツの言うことも一理あるがな。今言っても仕方あるまい。」
そうだ。俺達はコロシアイを二度と起こさせないために動いていた。なのにコロシアイを予見して動けというのは酷だ。だが、口論していた本人が今日死んでいる。それは無視できることではないだろう。記憶しておいて損はないはずだ。
コトダマゲット!
【薬師の証言)
動機DVDを視聴した後畔田が誰かと口論している声を聞いた。しかし相手が誰であったかは不明。
キーン、コーン… カーン、コーン…
「ぐー…。すかー…。…はっ!朝イチなもんで眠っちまったぜ!んじゃそろそろいつもの扉の前に集合してくれ!」
寝てたってふざけたマネを…。まあコイツのふざけた態度はいつものことで気にしても仕方がない。俺達はまた校舎の前に集合した。
「…。」
いつもは饒舌とまでは言わずともみんなを励ましていたアンリが殊更誰よりも静かだった。
「…大丈夫か?」
「…すまない、心配をかけてしまったかな。大丈夫…とは言いがたい状態だけど、でも大丈夫だ。畔田との思い出を思い出していただけで落ち込んでいたわけではないさ。」
「無理するなよ。」
「無理などしていないさ。」
「そうか…。」
そう言うアンリの顔は已然暗い。無理をしていないわけなどない。家族のように、いや、彼女にとっては家族だったのかも知れない少年をコロシアイによって喪ったのだ。落ち込まないわけがない。
俺達にとっても畔田は大切な仲間だった。慇懃で、堅物で、でも意外とフレンドリーで。俺達の生活を色んなところで助けてくれていた。そんな大切な仲間だった。
その仲間のために、アンリのために、俺達はこの事件の真実を解き明かしてみせる…!
俺達の4度目の学級裁判、その口火が切られようとしていた。
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【生存者】
超高校級の幸運? 水島輝(ミズシマアキラ)
超高校級のショコラティエ 甘寺心愛(アマデラココア)
超高校級の射撃選手 薬師弾(ヤクシダン)
超高校級の棋士 玉城将(タマシロショウ)
超高校級の長距離ランナー 涼風紫(スズカゼユカリ)
超高校級の資本家 アンリ・シャークネード
超高校級の漫画家 久見晴香(ヒサミハルカ)
超高校級の海賊 九鬼海波(クキミナミ)
残り8人
今回は第4章捜査編です!さて、今までとちょっと傾向を変えてみたのですがいかがでしたでしょうか?さて、次回からは学級裁判編に突入していきます。この事件の真実はいかに!!?次回をお楽しみに!!
今回の設定裏話は「超高校級のイメージカラー」で行ってみようと思います。本人達はそのイメージについてどう思ってるんでしょうかね…?
水島輝→紺
「確かに青っぽい色は嫌いじゃないな。」
甘寺心愛→茶色
「チョコレート色だね!」
薬師弾→赤
「結構ユニフォームなんかにも使ってるぜ!」
玉城将→ウグイス色
「着物の色か。」
二木駆→コバルトブルー
「サッカーって言ったら青だしな!」
涼風紫→紫
「名前に会わせて結構使うんだ!」
山吹巴→赤紫
「髪の色にするくらい好きな色じゃああるな。」
有浜鈴奈→臙脂
「なぜかこの色の衣裳が多いのよね。」
アンリ・シャークネード→白
「私も自分のイメージカラーだと思っているよ。」
畔田鋼之助→黒
「名前もスーツの色も黒ですからね。」
久見晴香→ピンク
「ベレー帽のイメージかなー?」
太宰直哉→グレー
「僕はそれくらい地味な方が楽かな。」
美上三香子→緑
「ずっと同じ色のエプロンを使ってるし、好きな色じゃないかな。」
青山蓬生→黄色
「メジャーの色とかですか?」
九鬼海波→ウルトラマリン
「こちとら海に生きる女だからな、ピッタリだぜ!」
比嘉拳太郎→オレンジ
「太陽みたいに明るいってイメージかぁ!?」
皆さん好評なようで何よりです!
それでは今回はここまで!次回からの学級裁判をお楽しみに!!
最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!
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水島輝
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甘寺心愛
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薬師弾
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玉城将
-
二木駆
-
涼風紫
-
山吹巴
-
有浜鈴奈
-
アンリ・シャークネード
-
畔田鋼之助
-
久見晴香
-
太宰直哉
-
美上三香子
-
青山蓬生
-
九鬼海波
-
比嘉拳太郎