ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER5 学級裁判 前半

エレベーターの扉が開くと俺達は全員無言ですぐに自分の席に着いた。言葉は誰も発しておらずともその目には決意が灯っており、みんなの気持ちが1つであることは明らかだった。

 

「おーおー、オマエラ随分情が深いんだな。」

 

そんな俺達の様子を見ながらモノトラがそう発する。

 

「玉城はオマエラにとって裏切り者だったんだぜ?ソイツのためにそんなにやる気を出すなんてよ。」

「そんなことは関係ない。玉城は確かにお前によって送り込まれたのかもしれないけど、でも俺達にとって大事な仲間だったことに代わりはない。だったらソイツの仇はこの学級裁判で晴らさせてもらう。」

「それならそれで構わねーんだぜ。ま、それで絶望することになったとしてもオレは全く責任は取らねーけどな。ぐぷぷぷ。」

「そんなもの取ってもらわなくて結構だ。勝手にやらせてもらう。」

 

それだけ言うと俺達は目の前の裁判に意識を集中した。

 

 

 

コトダマ一覧

 

【モノトラファイル5)

死亡したのは“超高校級の棋士”玉城将。

死体が発見されたのは武道場で、死因は喉を矢で貫かれたことによる窒息死。

喉の傷以外にも後頭部に打撃痕がある。

 

【弓)

武道場の床に落ちていた。玉城の死因と関係があるのかもしれない。

ただしその弓の弦は外されてどこかになくなっている。

 

【床の血痕)

床にこぼれていた血痕。死体から伸びており、そこから廊下の方に続いている。

恐らく玉城は出血した状態で武道場の外から運ばれてきた物と思われる。

更に廊下に出てみると血痕はまだ続いており、その血痕は植物庭園の方に向かっているようだった。

更にその血痕は植物庭園中央の血溜まりまで伸びており、玉城はここから武道場まで運ばれたものであると考えられる。

 

【模擬刀)

武道場の鎧兜が佩いていた物。刀の方が行方不明になっている。

行方不明になっていた刀の方が植物庭園の花壇の土の中から見つかった。その峰の方に血液が付いていた。

 

【死体の状況)

喉の傷によって玉城は比較的すぐに死んだものと思われる。また、後頭部には打撲痕が見られ、そこはモノトラファイルの情報通りである。

また、玉城の手は後ろ手に巻き藁に縛りつけられて動けなくされていたようだ。

 

【弓の弦)

玉城の手を巻き藁に縛りつけるのに使われていた。

捜査中のどこかで弓の弦に関する話が出ていた気がする。

 

【喉の矢)

死体の傷を見るために玉城の頭を起こしてみたところ、本来矢で射た場合矢羽根が床に対して水平より上がるところを実際は矢羽根が水平より下がっていた。

死体の検死を行った久見は検死の際傷は見たがその刺さっている矢は念のため動かしてはいなかったらしい。

 

【きゅーどーぶ!!)

久見のデビュー作にして出世作にあたる作品。この作品によって久見は“超高校級の漫画家”として認識されるようになった。

弓道部の日常と青春を描いている。

 

【久見の証言)

久見は『きゅーどーぶ』を描くに当たって弓道部に所属していた。

腕前は全国大会に出場できる程だったようだ。

 

【床に刺さった矢)

玉城の死体の周りに矢が何本も刺さっていた。その矢はほぼ一列に並んで刺さっており、刺さりも甘かった。

もしかしたら犯人の偽装工作の可能性もあるかもしれない。

 

【血溜まり)

スプリンクラーによって少し流れてしまっているが、植物庭園の中央に残されていた。

その血の主は玉城の物と思われ、玉城はここで一度出血性のケガを負わされたと思われる。

 

【甘寺の証言)

今日は花壇の世話の前に血溜まりを見つけてしまったため、まだ花壇の世話をすることができていない。

 

【スコップ)

物置小屋に置かれているもの。そのうちの1本の土を掘るところが泥だらけになっていた。

花壇の世話の際には誰も使っておらず、最後に使ったのは花壇を作った日のことだったが、その時には使い終わった後に綺麗に洗ったはずだった。

 

【花壇の世話)

女子が持ち回りで花壇に水やりをすることになっていた。

毎回決まった時間に世話をすることになっており、その時間は10時だった。

 

【ニワトリ)

植物庭園のニワトリ小屋に飼われている。全部で5羽。

甘寺によると最初に見たときよりもここ数日で太った気がする、とのこと。

 

【引き出し)

玉城の部屋の机の引き出しには多くのメモが入っており、誰かと頻繁にやり取りをしていたと思われる。

文面はモノトラとやり取りをしていたものには見えず、玉城の他にも内通者がいたものと考えられる。

また、そのメモの文字には見覚えがあった。

 

【呼び出しメモ)

夜11時に大切な相談があるため植物庭園に来てほしいと書いてあり、玉城はこのメモで呼び出されたものと思われる。

また、こちらのメモの筆跡も他のメモの文字と同じ物である。

 

【ピーナッツ)

段ボールに入って倉庫に大量に置かれていたはずのものが根こそぎなくなっていた。

誰が何のために持っていったのかは不明。

 

【久見の包帯)

久見が左手に巻いていた。理由に関してはごまかされてしまい、結局教えてはくれなかった。

 

 

 

 

【学級裁判開廷】

 

「まあホントにもうそろそろいいんじゃねーかとは思うんだが一応説明を入れさせてもらうんだぜオマエラにはこの学級裁判を通して今回の事件のクロを見つけて指名してもらうぜ。そして正しいクロを指名できたときにはシロの勝ち、クロにはおしおきを受けてもらうぜ。逆に間違ったクロを指摘してしまった場合にはクロの勝ち、シロにおしおきを受けてもらい、クロは晴れて卒業となるんだぜ。ってなわけで議論を始めてくれ!」

 

 

「うし、じゃあ始めんぞ!!」

「じゃあ何から話し始めよっか?」

 

 

 

議論開始

 

「何から話し始めよっか?」

 

 

「やっぱり死因じゃねえか?」

 

 

「そこから【手口が分かる】だろ?」

 

 

「それなら簡単だな!」

 

 

「玉城の頭に傷があったし、」

 

 

「アイツは【撲殺】されたんだ!」

 

 

「アイツは誰かに頭を【かち割られて】」

 

 

「殺されちまったんだ!」

 

 

確かに玉城の頭には傷があったけど、本当にそれが死因だったのか…?

 

【モノトラファイル5)→【撲殺】

 

「それは違うぞ!」

 

 

 

「いや、玉城は撲殺されたんじゃない。」

「でも頭に傷があっただろ?」

「それはそうなんだがモノトラファイルをよく見てくれ。」

「モノトラファイル…、あ、死因は喉を貫かれたことによる窒息死って書いてあるな!」

「ああ。そしてそれを裏付ける証拠もある。」

 

 

 

証拠提出

【死体の状況)

 

「これだ!」

 

 

 

「久見の検死結果からもそのことが分かるんだ。」

「うん、玉城君はー、喉に傷を受けてからそこまでしないで死んじゃった、って感じだったよー。」

「ってことはよ、玉城は喉を矢で貫かれたことで死んじまったってことが確定でいいんだよな?」

「ああ、そういうことになる。」

「じゃーよー、あの頭の傷は何だったんだ?」

 

 

 

議論開始

 

「玉城君の頭の傷かー」

 

 

「だってそうだろ?」

 

 

「【いきなり喉を刺されて】死んだなら」

 

 

「玉城が頭の傷を負うことはねーじゃねーか」

 

 

「確かにそうだよな…」

 

 

「あ、でも刺されて倒れるときに」

 

 

「『頭を打っちゃった』なら」

 

 

「頭に傷をできたとしても」

 

 

「おかしくなくない?」

 

 

「うーん、でもさ」

 

 

「そんな痕跡あったかな?」

 

 

本当に犯行手順はそうだったのか…?

 

【弓の弦)→【いきなり喉を刺されて】

 

「それは違うぞ!」

 

 

 

「多分いきなり刺されたわけじゃないんだと思う。」

「そうなのか?」

「ああ。玉城の死体をよく見てみるとな、手が後ろ手に巻き藁に縛りつけられてたんだよ。」

「これは…、弓の紐の部分か?」

「ああ、正確には弦って言うんだが、それを使って玉城は拘束されてたんだ。」

「殺してから拘束する理由はないよね…。」

「そうだ。つまり玉城は拘束されてから殺されたことになる。」

「ってことは殴られた理由ってのは…」

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.事故で殴った

 

2.気絶させるため

 

→2.

 

「これだ!」

 

 

 

「拘束しやすいように気絶させるためってことになる。」

「なるほどなー。」

「ってことは玉城を気絶させられて、同時に矢で殺せる人間を探せばいいってことになるな!」

 

 

 

議論開始

 

「でもさー、玉城君を気絶させるのって」

 

 

「【誰でもできる】よねー?」

 

 

「まあぶん殴りゃ良い訳だからな」

 

 

「それなら、」

 

 

「【矢で殺せる】人を」

 

 

「探せばいいんじゃないかな?」

 

 

「矢で殺せるっつーことは」

 

 

「【弓道家】ってことか?」

 

 

「でもそんな人【ここにはいないよ】?」

 

 

「う、確かに…」

 

 

「じゃあ結局どっちも無理じゃねえか!」

 

 

…いや、ホントにいないのか?

 

【久見の証言)→【ここにはいないよ】

 

「それは違うぞ!」

 

 

 

「いや、いたはずだ…。弓道ができる人間がこの中に」

「何だと!?」

 

そう、弓道ができる人物はこの中にいる。ソイツは自分の口で弓道ができると言っていた。その人物は…

 

 

 

指名しろ!

【ヒサミハルカ】

 

「お前しかいない!」

 

 

 

「久見、お前昔弓道部だったって言ってたよな?」

「…そうだねー。もしかして僕、疑われてるー?」

「いや、もしかしなくてもだろ。」

「話を戻すぞ。もう一度確認するがお前は以前弓道部に所属していた、そうだったな?」

「うん、その通りだよー。」

「いや、ちょっと待てって!コイツが何で弓道部にいるんだよ!漫研とか美術部とかならともかく、コイツが何で運動部、しかも武道系にいることになるんだ!?」

「そのことを示す証拠もある。」

 

久見が弓道部にいたことを示す証拠、それは…!

 

 

 

証拠提出

【きゅーどーぶ!!)

 

「これだ!」

 

 

 

「この漫画だよ。」

「これって久見さんのデビュー作?」

「ああ、ついでに言うと出世作でもある。弓道部に所属する学生の日常と青春を描くこの漫画を描くために久見は弓道部に所属していたんだ。」

「まあ、それは自分で言ったしね、否定しないよー。」

「でもさ、それってお遊びとは言わないけど本気でやってたわけでもないんだよね?人の喉を撃つなんてそこそこ近くても相当うまくないと難しくない?漫画の資料集めだけのために入部した晴香ちゃんにはできないと思うんだけど…。」

「それも問題ないんだ。」

 

そう、久見にはそれなりの腕があったことも分かっている。なぜなら…

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.久見は超高校級の弓道家でもあった

 

2.久見家は代々弓道家の家系だった

 

3.久見は弓道の全国大会出場者である

 

→3.

 

「これだ!」

 

 

 

「久見は弓道で全国大会出場も経験しているからな。」

「えっ!?そうなの!?」

「うん、実は上手なのだー。」

「つまり久見は“超高校級の弓道家”でもあったっつうことか!?」

「うーん、希望ヶ峰学園のスカウト事情はよく分からないけどー、それはないんじゃないかなー。あのときには僕よりはるかに上手な人が優勝してたしー、希望ヶ峰学園に弓道家としてスカウトされるとしたらその人だと思うよー。」

「なるほどな…。ってそこじゃねえ!つまり久見は全国大会に出られるほど弓道が上手かったってことだろ!?ってことはさ、」

「腕がないとって問題も解決されるね…。」

「久見、オメーが犯人だってことか!?」

「待ってよー!僕じゃないってー!」

 

 

 

議論開始

 

「久見、オメーが犯人だったんだな!?」

 

 

「だから僕じゃないってー!」

 

 

「でも弓道が上手なのって」

 

 

「【晴香ちゃんしかいない】し…」

 

 

「そもそも、」

 

 

「僕が矢を射たって」

 

 

「【証拠もない】じゃんかー!」

 

 

「証拠なんかなくたって」

 

 

「矢を当てられるのが」

 

 

「久見しかいねえだろ!?」

 

 

「【冤罪だ】ー!!」

 

 

確かに直接射た証拠はないかもしれないけど…

 

【久見の包帯)→【証拠もない】

 

「それは違うぞ!」

 

 

 

「それならその手のケガは何なんだ?」

「えっ?」

「左手の包帯だよ。その手のケガは何でしたんだ?」

「あー、えー、それはー、えーっと…。」

「露骨すぎんだろ!!?」

「これは俺も聞きかじっただけだから間違っていたら訂正してほしいんだが、弓道って弓を持っている左手、特にその中でも親指のケガが多いって聞くぞ。だとしたらそのケガを隠すために大仰に左手に包帯を巻いてるんじゃないのか?」

「えっとー、まず、左手の親指のケガが多いってのはホントだよー。擦り傷になったり指の付け根をケガしたりってのは僕も経験あるんだー。でも今の左手のケガは事件とは関係ないよー。」

「いやいや、それは無茶だろ…。」

 

現状はどう見ても久見が犯人としか思えない。でも久見の反応も怪しいと言えば怪しいけどでもまるっきり犯人だと決めつけて掛るのは危険な感じがする…。

 

「…久見、だとしたらそのケガは本当にどこでしたんだ?俺達も命が懸ってる。正直なことを言ってくれ。」

「えーっと…、植物庭園で、ここまでしか言えないかなー。」

 

植物庭園でケガだって…?

 

 

 

議論開始

 

「植物庭園でケガつったってどこですんだよ?」

 

 

「あ、例えば、」

 

 

「『花壇の世話』の最中とか?」

 

 

「いや、でも誰も水やり以外してねーはずだぞ」

 

 

「単純に『スッ転んだ』とか?」

 

 

「それなら」

 

 

「左手以外もケガしそうじゃない?」

 

 

「じゃーどこだっつーんだよ?」

 

 

「あと思いつくとこなんて」

 

 

「『ニワトリ小屋』しかねーぞ?」

 

 

…あれ、確かあそこに妙な変化があった気がするぞ…!

 

【ニワトリ)→『ニワトリ小屋』

 

「それに賛成だ!」

 

 

 

「ニワトリ小屋ぁ?なんでんなとこでケガすんだよ?」

「そうだな、まずその説明をする前にニワトリ小屋で起こった妙な変化について説明させてもらうぞ。まずはこれを見てくれ。」

 

そう言って俺が見せたのはニワトリ小屋のニワトリの写真と図書室の生物図鑑から拝借した一般的なニワトリの写真だ。

 

「この2枚の写真を見て何か気付くことはないか?特に九鬼は今朝ニワトリが変だって言ってたし、どうだ?」

「んー、あー。あ、ニワトリ小屋のニワトリはこっちと比べて随分太ましい気がすんな。」

「そう、その通りだ。つまり、この数日間でニワトリに起こった変化って言うのは、」

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.太った

 

2.痩せた

 

3.老いた

 

→1.

 

「これだ!」

 

 

 

「ニワトリが太ったんだ。しかも数日の間に急激に太ったから九鬼は違和感を感じたんだよ。」

「そういうことか!で、それがなんで久見の手のケガと関係するんだ?」

「それはな、」

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.久見がニワトリに食べさせすぎた

 

2.久見がニワトリを入れ替えた

 

3.久見がニワトリを間引いた

 

→1.

 

「これだ!」

 

 

 

「久見がニワトリに食べさせすぎたからだよ。」

「…は?」

「久見がニワトリに餌をやり過ぎたせいでニワトリが太ったんだ。」

「ちょっと待ってくれ水島。今オレは混乱してる。久見がニワトリに餌をやり過ぎてニワトリが太ったのは分かるが、何でそれで久見がケガすんだよ!?」

「その説明をこれから…」

 

 

 

「その説明、ブレーキだよ!」

 

 

 

「ごめん水島、あたしも海波ちゃんと一緒で正直混乱してるし、それだと説明付かないとこもあるからちょっと付き合って!」

「受けて立とう。」

 

 

 

反論ショーダウン

 

「まず、ニワトリが太ったのは分かった。」

 

 

「で、それが晴香ちゃんの餌のあげすぎが原因だってのもわかった」

 

 

「でもさ、」

 

 

「どうしてそれが」

 

 

「晴香ちゃんのケガに繋がるのか」

 

 

「全然わかんないよ!」

 

 

-発展-

 

「その説明を今からしていくんだ。」

 

「焦る気持ちは分かるが」

 

「少し待ってくれ!」

 

 

「それにさ、」

 

 

「倉庫にもどこにも」

 

 

「ニワトリの餌になりそうなものって」

 

 

「【なかった】よね?」

 

 

「なのに餌のあげすぎが原因だってのも」

 

 

「正直繋がってないんだよ!」

 

 

涼風がそう言いたくなる気持ちは分かる。けど、この事態に繋がりそうなことが倉庫では起こっていたんだ!

 

【ピーナッツ)→【なかった】

 

「その言葉、斬らせてもらう!」

 

 

 

「いや、ニワトリの餌になりそうな物は倉庫にきちんとあったんだ。今はなくなってしまっているけどな。」

「その餌になりそうな物って、何さ?」

「ピーナッツだよ。倉庫に置かれていたおつまみ用の。」

「え、海波ちゃんがピーナッツバターを作ったアレ?」

「ああ、その通りだ。」

「あ、もしかして!箱ごと全部なくなってた奴か!?」

「どうやら薬師は気付いてくれたみたいだな。」

「実はよ、捜査中に腹減っちまって少し何か食べようと思って倉庫に行ったらさ、段ボールにめちゃんこあったはずのピーナッツが根こそぎなくなってんたんだよ。」

「さすがにオレもあの朝だけで全部は使ってねーしなー。どこ行っちまったんだ?」

「ニワトリの餌だよ。ホントは塩で味付けもされてるしあまりやらないほうがいいんだろうけど、ニワトリの餌としてニワトリのお腹の中に行ったんだ。」

「それで、そのピーナッツをニワトリにあげちゃった、あげすぎちゃったのが久見さんってこと?」

「ああ。そういうことだ。」

「え、でも餌になるものがあったのはいいけどさ、じゃあなんでケガに繋がるの?」

「それは簡単だ。つつかれたんだよ。もしかしたら指とかに噛みつかれたのかも知れないな。ニワトリによってケガを負った久見はその傷の処置として手に包帯を巻いている、としたら弓道以外で左手にケガを負っていたとしても不思議じゃないだろ?」

 

とそこまで説明すると久見は観念したように手の包帯をほどいて見せた。するとそこには今まさに噛みつかれたような痛々しい傷が親指と人差し指の間についていた。

 

「という訳でー、輝くんの言うとおり、ニワトリさんに囓られちゃったケガだったのでしたー。」

「うわ…。」

「痛そー…。」

 

傷を見せられてしまうとみんなさすがに久見に同情するような声を上げていた。

 

「つかなんで先に言わねーんだよ!そいつをさっさと言ってればこの議論はすぐ終わったろ!?」

 

九鬼の言うことも尤もだ。事件に関係のないケガなら正直もっと早く説明をしてほしかった、というのはある。

 

「うーん、理由は2つかなー。1つは単純に油断してニワトリさんに囓られちゃいましたー、って言うのが恥ずかしかったからー。」

「いや、死ぬよかマシだろ…。」

「で、もう1つー。これが一番だねー。僕の手の傷がニワトリさんによるものだとしても僕の疑いは晴れないからー。」

「え、何でだよ?」

「だってさー、弓道でも親指をケガすることはあるけどさー、逆にケガしないこともあるわけだよー。だとしたらさー、上手に射てケガしないで上手いこと殺したんだーって言われちゃったら反論できないでしょー?」

「…あ、確かに…。」

「じゃあ次は本当に久見さんが殺したのか、それ以外にも可能性があるのか、それについて見てみよっか!」

 

 

 

議論開始

 

「つっても久見以外の可能性ってあんのか?」

 

 

「どうだろ…」

 

 

「でもさ、そもそも問題、」

 

 

「あの手のケガで」

 

 

「【矢を射れた】のか、って問題はあるよな?」

 

 

「上手く【握れない】だろ?」

 

 

「それはそれで納得できるけど」

 

 

「だとしたら誰が矢を射たんだろうね?」

 

 

「だけどよー、」

 

 

「【矢で射られたってのは確定だろ】?」

 

 

「それなら久見以外には」

 

 

「考えらんねーよなー」

 

 

いや、凶器が矢であるだけでそうとは言いきれないのかも知れない。

 

【喉の矢)→【矢で射られたってのは確定だろ】

 

「それは違うぞ!」

 

 

 

「そもそも矢で射られたって考えたのが間違いだったのかも知れない。」

「それってどういうこと?」

「俺も検死が終わった後に玉城の死体を見てみたんだ。それで頭を起こしてみたんだけどさ、喉に刺さってた矢の矢羽根が水平より下を向いていたんだ。矢も物理法則に従うわけだから射た後は放物線を描いて飛んでいくはずだ。そして最後には少し落ちていくはず。ってことは首に刺さったときには?」

「矢羽根は上を向いてるはずだねー。」

「矢羽根を下に向けるのは玉城を寝かせて脚の方向から射てから拘束するとかわざわざ下に潜り込んで射るとかでできないこともないが、自分から現場の状況から想定される物理法則に反する状況を作り出すわけだから変な証拠を残すことになるし実行する意味はない。」

「検死の時に触っちまったんじゃねーの?」

「いやー、逆に僕は手がこんなんだからさ、痛くて死体を触ったりはできてないんだよねー。特に首回りは右手で頭を起こしちゃってたし。」

「あ、それもそうだな。」

「実際傷も刺さった当時のままの状態だったから時間と共に落ちてきてしまったってのも考えにくい。」

「ってことはさ、玉城はどうやって殺されたの?」

 

玉城がどうやって殺されたのか、それは…

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.やっぱり矢で射られた

 

2.直接矢で刺された

 

3.実は頭の傷が原因だった

 

→2.

 

「これだ!」

 

 

 

「直接喉を矢で刺されたんだ。」

「直接!?」

「そうだ。犯人は矢で直接喉を刺したんだ。だけどその時に物理法則のところまで頭が回らず矢羽根が下がった状態で刺してしまったんだ。」

「でもよ、周りにも何本も矢が刺さってたろ?アレはどう説明すんだよ?何本か外したからああなったんだろ?」

 

周りの矢、アレのことか…。

 

 

 

証拠提出

【床に刺さった矢)

 

「これだ!」

 

 

 

「周りの矢ってこの床に刺さった矢のことだよな。確かに一見すると薬師が言うように見えなくもないけど、実はよく見ると状況に変な部分があるんだ。」

「変な部分?」

「そうだ。実はな、あの矢は、」

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.深く刺さりすぎている

 

2.刺さりが甘い

 

3.実は貼り付けただけ

 

→2.

 

「これだ!」

 

 

 

「あの矢は床への刺さりが甘かったんだ。」

「刺さりが甘い?」

「ああ。俺が軽く触れただけで抜けてしまうくらいには刺さりが甘かったんだ。」

「確かに矢で射たんだとしたらもうちょっと深く刺さっててもおかしくないよね。」

「つまり犯人は玉城に対してと同様、自分の手で床に矢を刺したんだ。そしてこの事実が示すのは、」

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.犯人は思いの外非力

 

2.床が思いの外硬い

 

3.床の矢は偽装工作

 

→3.

 

「これだ!」

 

 

 

「床に刺された矢は偽装工作だったんだ。」

「偽装工作?」

「ああ。床に矢が刺さっていればさっきの薬師みたいに実際は玉城には直接矢を刺していたとしても矢で射られたみたいに見えるだろ?」

「ってことはあたしたちは犯人の偽装工作に惑わされてたってこと?」

「まあ、有り体に言えばそういうことになるな。」

「でもなんてそんなことをしたんだ?」

「久見に罪を着せるため、じゃないか?久見が弓道に関する漫画を描いていたのは事実だし、あまりにもリアルなもんだから弓道経験者のファンからは久見は弓道をやっていたんじゃないか、って言われていたんだ。しかもこれは結構有名な話だ。例えこの話が嘘だったとしても矢を使ったように見せかけておけば弓道のできない犯人は疑われることはない。」

「どっちにしても自分が疑われるリスクを下げることができたってわけだねー。」

「ああ。逆に弓道ができる久見はどうあってもこの偽装工作では疑われてしまう。つまり久見にこの偽装工作をする意味はないから久見は犯人候補からは外れたと考えてもいいとは思うけどな。」

 

 

けど問題はここからだ。久見が犯人候補から外れたとは言え、まだ俺も含めて犯人候補は5人いることになる。でもここまで生き残ってきたということは人数が多かった最初の時よりはるかに状況は楽なハズなんだ。だから落ち着け。冷静になるんだ。この事件の真実を、真実に繋がる重要な証拠を見逃さないために…!

 

 

 

【裁判中断】

 

「中々おもしれー状況じゃねーか。」

 

 

「でもその真実は本当にオマエラにとって希望になりえるのかねえ?」

 

 

「もしかしたら」

 

 

「ただただ絶望にむかっているだけかもしれねーぜ…。」

 

 

「まあ、どっちに転んだところで」

 

 

「絶望の顔が見られることに変わりはねーだろうからな。」

 

 

「オレは楽しんで見させてもらうことにするぜ…。」

 

 

「ぐぷぷぷぷぷ…。」

 

                    ・

                    ・

                    ・

 

【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級のショコラティエ  甘寺心愛(アマデラココア)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

 

残り6人




第5章学級裁判編の前編はここまでです。どうしても書き切りたいところまで書いたのでいつもより長めになっているかもしれません笑。さあ、そして次回からは第5章の犯人を突き止めていくことになります。ずっとここまで戦ってきた仲間の誰が玉城君を殺してしまったのでしょうか…?乞うご期待です!ということでまた次回お会いしましょう!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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