ダンガンロンパR~おかえり絶望学園~   作:パルティアン

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CHAPTER5 学級裁判 閉廷

本音を言えばこんなことしたくはない。できることならみんなで黒幕を倒してここを出られるに越したことはない。けれどそういう訳にはいかない。だって、この一瞬に俺達全員の命が懸っているのだから。だから俺はこの事件を振り返ってこの悲劇を終わらせる…!

 

 

 

クライマックス再現

 

ACT1

「事件のきっかけは3日前のモノトラの動機発表だった。正確には別の発表を動機にした、って状態だったんだけどな。」

 

「それで、その動機というのは今回の被害者となった玉城が黒幕によって俺達の中に送り込まれた裏切り者だったっていう衝撃の事実だったんだ。」

 

 

ACT2

「この動機発表を受けてみんなはそれぞれ一人で行動するようになってしまったんだけど、その中で1人だけ殺人に向けた行動を始めていた人物がいた。それが今回の事件のクロだったんだ。」

 

「その人物はこの状況下で唯一、孤立した玉城がその呼び出しに応じる人物、そしてもう1人のモノトラによって送り込まれた裏切り者だったんだ。」

 

「そしてこの立場を利用してクロはこれまでのやり取りに関して話があると玉城をメモを使って植物庭園に呼び出したんだ。」

 

 

ACT3

「クロの目論見通り、玉城は植物庭園に呼び出されたんだ。」

 

「そしてその玉城をあらかじめ準備しておいた武道場の模擬刀を使って不意打ちで殴ったんだ。」

 

「殴られて気絶した玉城をクロは現場となった武道場まで運び込んだ。ただその際に頭の傷から血液がこぼれ落ちて床に垂らしてしまったんだ。」

 

 

ACT4

「クロは玉城を武道場まで運び込んだ後、その玉城を確実に逃がさないために巻き藁に弓の弦で縛りつけて拘束した。」

 

「そして玉城を弓矢を使って射殺したと思わせるために武道場に置かれていた矢を使って玉城の喉を刺して殺害した。」

 

「その後クロは弓矢で射殺したという状況を強めるために更なる偽装工作を行った。」

 

「まずは玉城の死体の周りに矢を刺した。その上で武道場に弓を放置したんだ。これらの工作によってクロは現場の偽装を完成させたんだ。」

 

 

ACT5

「ただこれだけではクロの犯行の偽装は終わっていない。」

 

「そう、最初に玉城を殴った現場である植物庭園だ。そこに残してしまっていた模擬刀を花壇の土の中に埋めて隠したんだ。」

 

「ただクロはその時に使ったスコップの状態が暗くてよく分からなかったのか、土を掘る部分に泥が付いたまま物置にしまい直してしまったんだ。」

 

 

ACT6

「そして夜の明けた今日、クロは花壇を世話するときに血痕を見つけ、第一発見者になったふりをして俺達の他のメンバーを呼び周り、他の全員に自分は純然たる第一発見者であるという印象を植え付けたんだ。」

 

 

「…そして、ここまでの犯行を行うことができた人物、黒幕によって送り込まれたもう1人の裏切り者、それは…、手紙のやり取りや呼び出しのメモの筆跡と普段のレシピや最初の事件の時のメモの筆跡の一致具合からも、甘寺心愛、お前しか、いないんだ…!」

 

 

 

「…これが、事件の全貌だ。」

 

ゆっくり言葉を紡ぎ、そう告げる。苦しい。今までの裁判も気持ちが良いものではなかったけれど、今回は格別に胸を締め付けられるような心地がする。そんな俺の様子を見ながら甘寺はさっきまでの笑顔を崩すことなく落ち着いて答えを告げた。

 

「…()()正解。」

「…ほぼってどういうこと…?」

「それは、まずは投票してからにしよっか。」

 

説明を求める涼風の言葉を遮って甘寺はモノトラの方を見遣る。その意図を汲むようにモノトラは俺達に投票を促してきた。

俺達はもう片方の手を血がにじみそうなほどに握りしめてボタンを押す。

 

 

 

投票結果→アマデラココア

 

 

 

【学級裁判閉廷】

 

「さてさて5回目の今回は!!なんと!!まさかの!!?大!!正!!かーい!!!!いやー、さすがに舌を巻かざるを得ないんだぜ!!!ほら、もっと喜べよ!また生き残れたんだぜ?」

 

1人で勝手に盛り上がっているモノトラとは対照的に俺達の空気は暗く沈んでいた。このまま沈黙を貫いていても俺達の知りたいことは知ることができないので意を決して俺は口を開く。

 

「…甘寺、さっき言っていた()()って意味を教えてくれ。」

「うん、そうだね。教えてあげる。まず正解のところは私が犯人だってこと、そしてモノトラがみんなの中に潜り込ませた裏切り者だってこと。」

「じゃあほぼの中に含まれてない部分は…?」

「不意打ちのところかな。みんなが私が犯人だって分かってなかったら教えなくても良いかなって思ってたところなんだけどね。」

「いやでも不意打ちじゃなかったら後頭部に殴打痕なんてできねえだろ?」

「だって、玉城君分かってて受けたんだもん。」

 

甘寺が発した衝撃の一言。

は…?玉城が分かってて殴られた…?

 

「いやいやいや、そりゃねーだろ?なんで自分が殴られるって、殺されるって分かっててアイツは無抵抗で殴られたんだよ!?」

「…この計画そのものが玉城君が立てたものだったからかな。」

 

重ねての衝撃発言。

この殺人の計画は玉城が立てたものだって…?

 

「玉城君ね、ここ数日のみんなのことを見てて心をすっごく痛めてたみたい。自分がずっとみんなの中に居残ったせいで、って。それでね、一昨日の夜、私の部屋にこんなメモが差し入れられてたんだ。」

 

そう言って甘寺はポケットから1枚の紙を出した。それにはこう書いてあった。

 

 

『今の状況は看過できるものではない。このまま奴らの心がお互いに離れてしまえばきっと黒幕を倒すことは達成できなくなるだろう。だから俺は自分の命を以て償い、そして再び奴らの心を結びつける。ただそれは俺1人では達成できない。俺1人自殺したところで裏切り者が消えただけにすぎない。だからお前には俺を殺してほしい。学級裁判で再びクロを協力して見つけ出したという過程を通して奴らの心を1つにする。後生の頼みだ。協力してほしい。』

 

 

そこに書かれていたのは玉城の俺達に対する秘めたる想い。そしてただ黒幕を倒したいという切なる願い。

 

「…アイツこんなこと思ってたのかよ…。」

「きっとー、望んで得た裏切り者のポジションじゃなかったんだろうねー。」

 

この玉城の想いと願いにみんな苦しそうな顔をしている。

 

「この玉城の頼みを果たすために甘寺は玉城を殺したのか?」

「うん。それに、私もずっと仲の良かったみんながあんな形でバラバラになっていくのを見ていられなかったから。」

 

そう甘寺は穏やかに微笑んでみせる。ただその笑顔の奥に何とも言い表せぬ苦しさが滲み出ていた。

甘寺は優しい奴だ。まだここに1ヶ月もいないかも知れないけど彼女の優しさはずっと、ひしひしと伝わってきていた。そんな彼女が仲間を守るために仲間を殺した。その心中はどれほどのものだったことか。

 

「じゃあ…、玉城はオレ達のために殺されたって言うのか…?甘寺は、オレ達のために玉城を殺したって言うのか…!?」

 

九鬼はこの現実を受け止めきれないでいる。誰よりも玉城が裏切り者だったという事実に動揺し、怒った彼女だ。この事実は誰よりも深くその心に刺さっているのかも知れない。

 

「…続きを話すね?」

 

そんな俺達の様子をよそに甘寺は話を続ける。

 

「玉城君はトリックとか色んなものは私に任せてた。たった1つ、“本気でみんなを騙しにかかること”って制約を設けて。」

「…それはやっぱり、みんなで協力して学級裁判を乗り越えたっていう事実を作るため、か?」

「うん、その通り。私が答えを教えちゃったら意味ないもんね。」

 

玉城の想いを信じるのであれば甘寺の言うことは辻褄が合う。俺達と本気の学級裁判で勝負してその上で俺達が勝って結束を取り戻す、という玉城が自分の命を代償に描いた黒幕を倒すための試金石となるシナリオ。そしてそのシナリオを甘寺はたった1人、その気持ちを心の奥底に抱えたまま演じきって見せたのだ。

 

「でもトリックとかを全部心愛ちゃんに任せてたなら何で玉城は自分が殴られるって分かったの?」

「最期に言葉を交わしたからかな。」

「話したのか…!?玉城と…!」

「うん。メモに応じて植物庭園に来た玉城君はね、最期にこちらも話したいことがあるって隠れてた私を呼んだんだ。」

「その話したいことってなーに?」

 

久見の質問に応じて甘寺はその時の会話の内容を話し始めた。

 

 

『すまない。最期に少しだけ話がしたかった。』

『どうしたの?やっぱり計画はやめる?』

『いや、続行だ。俺が生きている限りきっと奴らはお互いを疑い続ける。決して1つには戻らん。それを俺は望まん。』

『…じゃあ、最期に話したいことって何?』

『“希望"について。』

『…"希望"?』

『ああ。俺が死んだら脱衣所のロッカーを探せ。そこに俺達の"希望"となり得るものが置いてある。そして俺達の目論見通り事が進んだらお前も死ぬことになる。そうなったらそれを誰でも良い、生き残った誰かに託せ。まあ、お前のことだ。水島にでも託すんだろうがな。』

『最後の一言は置いておいて、とりあえず言いたいことは分かったよ。』

『それが聞ければ安心だ。』

『そっか。』

『ああ、あと最期に。甘寺、巻き込んで済まない。』

『違うよ。そういうときは、"ありがとう"って言うんだよ。』

『そうか。それならば。"ありがとう"。』

 

 

「そこまで言ったら玉城君は黙って私に背中を向けたんだ。そしてその後はみんなも知っての通り。」

 

甘寺は事件の真相を何1つ包み隠すことなく話してくれた。だけど真実が明らかになるたびに残りの俺達を襲うのは絶望。誰よりも不器用で誰よりも優しかった仲間を俺達のために孤独に死なせてしまったという深い悲しみ。そしてそんな彼の想いに応えるためにもう1人玉城に勝るとも劣らない優しさを持った仲間に殺人を犯させてしまったという後悔。そしてそんな状況になっているとはつゆ知らず、こんなことになるまで独り部屋に篭もってただ時を浪費していたということへの無力感。そしてそれらの感情全てをひっくるめた絶望感だった。

その絶望感に打ちひしがれていようと俺は、俺達は、彼女に確認しなければならないことが1つあった。

 

「…なあ、甘寺。」

「なあに?」

「お前と玉城は"裏切り者"だったんだよな?」

「…うん。」

「じゃあ、なんで俺達にここまでしてくれたんだ?お前達は他の俺達を殺すために送り込まれたんじゃないのか?」

「…それは違うよ。私たちは確かに裏切り者としてモノトラに送り込まれたけど、でもそれは決してみんなを殺すためじゃない。みんなのことを生かすため。まあ、言い換えるとコロシアイ学園生活が破綻しないようにするため、だったんだけどね。でも、私たちはずっとみんなのこと、大切な仲間だと思ってた。いつかこの真実がみんなに明かされて、そのときみんなからどれだけ罵られ蔑まれることになったとしても。ずっとみんなに嘘を吐いたままここまで来ちゃったけどこの気持ちだけは、絶対に、嘘じゃない。」

 

それは心からの言葉だった。彼女は、いや、彼女たちは何があろうと俺達の事を仲間だと心の底から思ってくれていたのだ。

 

「だからこのまま大切な仲間達がバラバラになっていっちゃうことに耐えられなかった。それが今回の事件の真相。」

 

やっぱり先に投票してよかった。きっと俺達はこんな2人の想いを聞いてしまったら甘寺に投票はできなかった。2人の想いを、2人を大切に思うが故に踏みにじってしまうところだった。

 

「さて、と。これで一通りは話せたかな?」

 

何かを切り替えるように甘寺はそう言葉を漏す。全て話し終わった。つまりそれが指し示すものは。

 

「おい、待てって…!それって…!」

 

九鬼が今にも泣きそうな顔で甘寺を引き留めようとする。でもその言葉に甘寺は耳を貸すそぶりはない。

 

「じゃあモノトラ、終わらせてもらえる?」

「お、もういいのか?そんじゃ始めさせてもらうぜ!!わっくわっくどっきどっきの!!おしおきターイム!!!!」

「甘寺!!!」

 

思わず声が出ていた。嫌だ。行ってほしくない。ずっと俺達と、俺と一緒にいてほしい。ずっと横で笑っていてほしい。今ここで、こんな状況になって初めて気がついた。今気がついてももう遅いのに。ああ、俺は、ずっと、彼女のことが…

 

「…好きだった。」

 

思わず口をついて出たその言葉に甘寺は目を丸くする。そしてその大きな瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちる。

 

「…ずるいよ。死にたく、なくなっちゃうじゃん…!」

 

その言葉の意味、それすらも分からないほど鈍い俺ではない。

 

「…でも、叶わない…!」

 

止めどなく流れ続ける彼女の涙に俺は最期になんてことを口走ってしまったのかと後悔した。俺の口から漏れたその言葉が死ぬことを受け入れた彼女のその覚悟を崩してしまった。それでも想いを伝えずにはいられなかった。

甘寺はその涙が溢れ続ける瞳のまま彼女は俺のことを見据える。

 

「輝君、一番最後になっちゃったけど、その言葉、ずっとほしかった。すごく、嬉しかった。私もずっと、好きだった。でももう、一緒にいることは叶わないからせめて最期にお願い事を聞いて?」

 

俺ももしかしたら涙を流していたのかも知れない。そんなこと気にもならないほど俺は彼女の最期の言葉に耳を傾けていた。

 

「後は任せるね。黒幕を、倒して。信じてるから。」

 

その言葉と共に甘寺は俺に封筒を握らせる。その封筒の中身が何かなんて今はどうでも良かった。それよりも今は甘寺の姿以外に意識を向けていた。

涙混じりの優しい笑顔を最期に彼女は、甘寺心愛は鎖でどこかへと連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

アマデラさんがクロにきまりました。

おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

そこはどこかのキッチン。ピンク色の装飾の施されたかわいらしいキッチン。

 

それの異常なところと言えば、普通の人が料理に使うには少々大きすぎると言ったところだろうか。

 

その中心の調理台にこちらも人間が使うには大きすぎるすり鉢が置かれていた。そしてその底には甘寺がたった1人座り込んでいた。

 

 

超高校級のショコラティエ・甘寺心愛のおしおき

《チョコレートロス》

 

 

甘寺がいるすり鉢に近寄ってくる大きな影。それはまるで世界を滅ぼすために攻め寄せる巨人のようなモノトラ。ただそのモノトラは真っ白のお菓子作りのための服装をしている。

 

そのモノトラを見上げる甘寺に向かって巨大なボウルから何かが降り注ぐ。

 

それはこれまで甘寺がその人生の中で最も触れてきたなじみ深い存在。カカオ豆だった。

 

すでにそのカカオ豆はローストされて後はもうチョコレートに加工するだけという状態になっていた。

 

次に甘寺に迫ってくるのは大きく長い影。それは都会の電波塔のようにも見えるほどに巨大なすりこぎだった。

 

モノトラはその巨大なすりこぎでカカオを砕いていく。甘寺はそれを喰らうまいと必死に逃げ回る。しかしその大きさ故に逃げ切れるわけもなく、甘寺の右脚が巻き込まれて潰される。

 

痛みにのたうち回る甘寺をよそに再びモノトラはすりこぎをすり鉢に当てる。カカオ豆を砕いたら次に来る過程は決まっている。

 

ゴリゴリとすり鉢のでこぼこをすりこぎが擦っていく音が響く。

 

動かない片足を引きずりながら甘寺は迫るすりこぎをすんでの所で回避する。

 

回避。回避。回避。回避。

 

甘寺はどうにか避けていく。そのうちに足元の違和感に気付いた。足元のすりつぶされたチョコレートに足が取られていく。

 

油が出てペースト状になったカカオ豆が、これまでずっと甘寺と共に生きてきたチョコレートが今ばかりは甘寺の足を引っ張り続ける。

 

そして遂には底なし沼のように甘寺の脚を完全に絡め取った。

 

もう動かない。

 

ゴリゴリと近づく死の音。

 

甘寺が最期に見た光景はカカオ豆のペーストを巻き上げながら自らへと突き進んでくる巨大な木の壁だった。

 

そこからは早かった。モノトラはどんどんチョコレート作りを進めていき、最後には黒く美しい宝石のようなチョコレートができあがった。

 

そこに人間が1人入っているなんて思いもよらないほどに。

 

 

 

 

 

 

「エクストリィィィィィィム!!!玉城が何考えてたのかは分かんねーが、とりあえずスッキリしたんだぜ!!オマエラも仲間だと思ってた2人の裏切り者を一気に処理できてスッキリしたんじゃねーか!!?」

「…。」

 

モノトラの煽りに反論する気力もないほど俺達は沈みきっていた。ただ絶望感にその拳を握りしめることしかできなかった。その握りしめた拳の中でカサと音が鳴った。それは甘寺がおしおきの直前に俺に手渡した封筒。それは玉城が命を懸けて甘寺に託し、その甘寺が命の代わりに俺達に繋いでくれた"希望"。その希望も感触を掌に感じながら俺はモノトラの方を見遣った。

 

「…ああ、スッキリしたよ。」

「水島!!?」

「これで…、もう俺達はコロシアイの事を考えないで済む。ただ純粋に俺達にこんなことをさせて裏で笑っている黒幕を倒すことだけに集中できる。」

 

これは宣戦布告だ。モノトラへの、そしてその裏にいる黒幕への。この言葉を聞いて他のみんなも顔を上げる。

 

「ああ、そうだよな…!甘寺がこうまでして俺達の事を生かしてくれた!俺達に託してくれた!だったらこんなとこで落ち込んでらんねえよな!」

「うん…!うん!絶対にあたしたちはアンタなんかに負けないんだから!」

「そうだぞ黒幕ー。もう君たちが何をしようと僕らの結束は揺らがないもんねー。」

「その通りだぜ!!こっからぜってーにオメーの正体暴いてぶっ飛ばしてやっからよ、今から芋洗って待っとけよ!!」

「それを言うなら首を洗って、だ。」

「あ、そうだっけ?じゃあ首洗って待っとけ!!」

 

何だか締まらない感じになってしまったけどこれで俺達全員の宣戦布告は終わった。そしてモノトラの反応を待つ。

 

「ぐぷぷ…。オレを倒す、ね…。おもしれーじゃねーか。それなら受けて立つんだぜ!!それなら明日、一定の捜査時間の後"最後の学級裁判"を行うんだぜ!!」

「最後の、学級裁判?」

「ああ。オマエラが探索できる範囲ならどこを捜査してもらっても構わねー。この学園の真実に気付き、このオレの正体に気付くことができたらオマエラを全員解放してやる!だが、もしそれができなかったら全員おしおきってな寸法よ!どうだ?乗らねー手はねーだろ?」

「ああ、いいぞ。乗ってやる。それでこそ最終決戦にふさわしい。」

「んじゃ、そういうことで!また明日な!」

 

そう言うとモノトラは姿を消した。

勢いでとんでもない約束を取り付けてしまったような気もしないでもないが、みんなの顔は必ず外に出てやるという決意と希望に満ちあふれていた。

 

「それじゃ、部屋に戻るか!決戦は明日だ。少しでも長く休んだ方が良いしな!」

「ああ、そうだな!」

「じゃあまた明日ねー。」

 

みんながそれぞれに裁判場を後にする。俺は最後に1人、残っていた。1つの証言台を見る。そこはついさっきまで甘寺が立っていた場所。そこに甘寺が生きていた場所。ただそこを見ると甘寺はいなくなってしまったのだという事実を強く印象づけられるようなそんな感覚があった。1人になると急にこみ上げてくる。寂しい。辛い。悲しい。でも涙は流さない。俺は託されたから。せめて最後の戦いが終わるまでは泣かない。誓いを新たに俺はその証言台に背を向ける。

 

「…それじゃあ、俺も行くよ。ありがとう。」

 

これまでずっと助けてくれて。後は任せてくれ。ここからの話はいつか俺がそっちに行ったときにでも話してやるからさ。

そうして去って行く彼のその頬に光るものは、なかった。

 

 

 

CHAPTER5 ビターホープ・メルトダウン  END

 

 

TO BE CONTINUED

 

 ・

                    ・

                    ・

 

【生存者】

超高校級の幸運?      水島輝(ミズシマアキラ)

超高校級の射撃選手     薬師弾(ヤクシダン)

超高校級の長距離ランナー  涼風紫(スズカゼユカリ)

超高校級の漫画家      久見晴香(ヒサミハルカ)

超高校級の海賊       九鬼海波(クキミナミ)

 

残り5人




これにで第5章終幕です。かなり終わりに向けて物語が動いたかな、というのが僕個人の印象でもあります。次回から第6章、最後の捜査パートへと入っていきます。どうにか最後まで駆け抜けていきますので、応援していただければ幸いです。それではまた次回お会いしましょう!

最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!

  • 水島輝
  • 甘寺心愛
  • 薬師弾
  • 玉城将
  • 二木駆
  • 涼風紫
  • 山吹巴
  • 有浜鈴奈
  • アンリ・シャークネード
  • 畔田鋼之助
  • 久見晴香
  • 太宰直哉
  • 美上三香子
  • 青山蓬生
  • 九鬼海波
  • 比嘉拳太郎
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