【裁判再開】
ここまでの議論で黒幕が何を目的にこのコロシアイ学園生活を起こしたのか、そしてそのコロシアイを行うに当たって学園で何をしたのか、ここまでは分かった。ここからはこのコロシアイの核心、黒幕が何者なのかについて議論していくことになる。モノトラは裁判が始まる前、黒幕はこの学園の中にいるといった。だけどここまでの捜査で俺達以外には誰かがいるとは思えない。ということはつまり生き残った俺達の中に黒幕がいるって事だ。
「ここからは黒幕の正体について、だよね?」
涼風が切り出す。
「ああ、そうだな。」
「つってもこの学園のどこにいたってんだよ…?」
「それならー、どこにいたのかってとこから議論してみよっかー。」
議論開始
「黒幕がどこにいたのか、か…」
「つってもなー、」
「最後の捜査前に【開いてなかった部屋】のどこかだろ?」
「でもどこからも見つからなかったよー?」
「【隠し部屋もなかった】よな?」
「あ、でもさ、ずっといたとしたら」
「【モノトラの操作室】なら」
「可能性あるかも!」
「モノトラを動かさなきゃいけないわけだし!」
「捜査中だけ別の部屋に」
「避難しといてさ!」
「確かに【調べてない部屋】も」
「結構あったもんなー」
確かあの部屋には人のいた痕跡は…。
【モノトラ操作室)→【モノトラの操作室】
「それは違うぞ!」
「多分その部屋にいた可能性は低いと思う。」
「えー、でもモノトラの操作はしなきゃいけないでしょ?」
「それはそうなんだが、実際問題、俺達が調べたときあそこのシートには埃が積もっていただろ?」
「それはそうだけど…。」
「あー、それならそこはないかもねー。」
「晴香ちゃんまで!」
「だってー、埃が積もってたって事はー、長い間そこには誰も座っていなかったってことだよー?もし黒幕がそこに座ってたならー、そんなことにはならないはずだよー。」
「あ、確かに!」
「まあー、それならそれでー、新しい疑問が生まれるんだけどねー。」
議論開始
「新しい疑問?」
「だってー、もし操作室のシートにー」
「【誰も座っていなかった】としたらー、」
「どうやって黒幕はー」
「モノトラを操作してたのーってことになるでしょー?」
「そういやそうだな」
「すぐ動けるように」
「『立ったまま』操作してたとかじゃねーの?」
「操作室とは他に」
「『リモコン』を持ってたんじゃない?」
「そもそも『自動操縦』だった」
「とかはどうよ?」
「実はー、」
「『もう1つの操作室』がー」
「あるんだったりしてー」
もしかしてあの中のアレは操作室で使うためのものだったのか…?
【ノートパソコン)→『自動操縦』
「それに賛成だ!」
「きっと薬師の言うとおりだ。」
「…マジで?俺自分で言うのもなんだけどかなりテキトーに言ったぞ?」
「これを見てほしい。これは学園長室に置かれていたノートパソコンだ。これを久見に解析してもらったんだけど、この中には人工知能プログラム"アルターエゴ"が入っていたんだ。」
「何でそんなものが?」
「このプログラムの中には何かしらの人格を組んだ形跡があった。きっとこの学園の中出使うための物だったんだろう。」
「そのノートパソコンが何でモノトラが自動操縦だったってことに繋がるの?」
「それがそのパソコンの中のプログラムで作った人格に関係しているんだ。そしてそのパソコンで組んだ人格っていうのが、」
選択肢セレクト
1.水島
2.モノトラ
3.甘寺
4.黒幕のおしゃべり相手
→2.
「これだ!」
「モノトラの人格だったんだ。」
「マジかよ!!?」
「黒幕はモノトラの操作室にアルターエゴで組んだ人格を取り込ませることによって自分は別のところにいながらもモノトラが自動で動いてくれるように仕組んだんだ。」
「確かにそれならー、僕の言った疑問も解消されるねー。」
「そしてその事実が示すことがもう1つある。」
もう1つの示すこと、それは…!
選択肢セレクト
1.黒幕の事を水島達は知らない
2.黒幕は実は学校外にいる
3.黒幕は16人の中にいる
→3.
「これだ!」
「真の黒幕は最初に集まった俺達16人の中にいるってことだ。」
「えっ!!?」
「だってそうだろ?黒幕が16人以外ならわざわざ人工知能にモノトラを操作させる必要なんてないんだ。モノトラとは別に俺達を監視したかったのか、黒幕は自身をコロシアイの参加者の中に潜り込ませたんだ。」
「でもそんなの、もし自分が殺されちまったらどうするつもりだったんだよ!!?」
「黒幕はそれを防ぐための方策も準備していたんだ。」
黒幕が自分を殺されないために用意した方策はアレが証拠になるはずだ。
コトダマセレクト
【監視対象)
「これだ!」
「モノトラが甘寺と玉城に命じていたことが証明しているんだ。」
「命じていたこと?」
「ああ。モノトラは2人に対して俺達の中の誰かを監視することを命じていた。それは2人のやり取りから読み取ることができる。そして、それは甘寺が玉城を呼び出すためのメモの口実にも使われていることからこの2人のいうところの"監視対象"は5回目の学級裁判の後も生きているということが推理できるんだ。」
「なるほどー。」
「そこまでは分かったけどよ、その監視対象が黒幕だとは限んねーだろ?」
「それにはもう1つ、処刑前の甘寺の発言にヒントがある。」
『私たちは確かに裏切り者としてモノトラに送り込まれたけど、でもそれは決してみんなを殺すためじゃない。みんなのことを生かすため。まあ、言い換えるとコロシアイ学園生活が破綻しないようにするため、だったんだけどね。』
「甘寺は2人が俺達の中に裏切り者として送り込まれた理由をこういう風に説明していた。」
「そういやそんなこと言ってたな。」
「でもそれがどうして監視対象が黒幕だったってことに繋がるんだよ?」
「考えてもみろよ?もし黒幕以外の誰かが死んだとしてもコロシアイ学園生活が破綻することはないだろ?」
「あ、確かに。」
「黒幕が死ぬことになればコロシアイ学園生活の継続は困難になる。だからこそ黒幕は2人に対して裏切り者として自分自身を監視させることにしたんだ。まあ、2人がその監視対象が黒幕だとは知らなかっただろうな。自身の正体を明かすわけにもいかないしな。」
「でもさー、それだと前の部分の"僕たちを生かすため"ってところは繋がらなくないー?」
議論開始
「"僕たちを生かす"ってところとー、」
「"黒幕を守る"って部分はー、」
「【イコールじゃない】よねー?」
「心愛ちゃんの言葉のこの矛盾点はー」
「どうするのー?」
「それもそうだな…」
「確かモノトラって【自動操縦】なんだったよな?」
「なら最悪黒幕が死んでも」
「コロシアイは【継続できる】し、」
「【支障はない】はずだよな?」
「最悪の場合、」
「【裏切り者の2人】に」
「任せられるよね!」
モノトラが自動操縦だからって本当に死んでも問題ないのか…?
【心臓一体型スイッチ)→【支障はない】
「それは違うぞ!」
「支障がなかったわけではなかったハズだ。」
「そうなの?」
「ああ。これはあくまで俺の推理だけど、学園長の個室にこんな説明書が残されてたんだ。」
「心臓一体型スイッチー?」
「これは心臓にスイッチを取り付け、その受信装置をスイッチを使いたい機械に取り付けることでスイッチの取り付けられた生物が生きている限り対象の機械が止まることはなくなるという代物だ。」
「なんでそんなもんがこの学園にあんだよ?」
「それはこのスイッチが学園に残されているからだ。」
「ってことはこのスイッチを取り付けられた生物がこの学校にいるってこと?」
「ああ、その通りだ、そしてその生物ってのは…」
選択肢セレクト
1.植物庭園のニワトリ
2.黒幕
3.九鬼
→2.
「これだ!」
「黒幕本人だ。」
「マジかよ…!」
「あくまでも推理だけどな。だけど、俺達の他のメンバーに取り付けたらコロシアイの都合上誰かに殺されてしまうかも知れないし、人間である以上、心が弱って自殺してしまうかもしれない。でもこのスイッチを自分に取り付ける分には少なくともいつの間にか自殺して受信装置を取り付けた機械が止まってしまうことはない。そして自分に護衛を付けることで殺されるリスクも極限まで削ったんだ。」
「じゃあ、その機械ってのはなんなんだよ?」
「それは正直分からない。けど、例えばモノトラを動かすための機械とか、物理室の空気清浄機とか、止まってしまうとコロシアイの継続が困難になり、かつ勝手に俺達にスイッチを落とされてはならないものだったんだと思う。」
「じゃあここまでの話を総合するとー、黒幕はAIでモノトラの人格を作った上でー、自分の心臓に何か重要な機械のスイッチを仕込んだ上で自身は僕たちの中に紛れ込んだー。そしてー、自分が死んでコロシアイの継続が妨げられないようにー、2人の裏切り者を用意してー、自分を守らせていたー。こういうことでいいのかなー?」
「ああ、そういうことじゃないかと思う。」
「じゃあさ、その黒幕って誰なの?」
「そこはまだ分かっていないからみんなで議論していくことにしよう。」
「つってもいきなり誰かを当てんのなんて無理だしちょっとずつ近づくことにしようぜ!」
「そうだねー。」
議論開始
「黒幕の正体かぁ」
「何かヒントがほしいよな!」
「うーん、『黒幕の才能』とか?」
「んなもん分かってりゃこんな議論はしてねーだろ」
「だったら黒幕の『家族関係』とか?」
「それも分かってりゃ苦労はないな…」
「せめて黒幕の『性別』とか分かればー」
「最低でも5分の3まで絞れるよねー」
「つってもなー」
「どれもよく分かってねーし、」
「『ヒントなんてねー』んじゃねーか?」
そう言えばアレに関してはずっと同じワードが出てきていたはずだ…!
【破られたページ)→『家族関係』
「それに賛成だ!」
「いや、家族関係だけは少し推測できるかも知れない。」
「そうなの?」
「実はな、2回目の学級裁判の後、有浜は死ぬ前に俺にとあるメモを握らせてきたんだ。」
「メモ?」
「そこには数字が書かれていたんだ。俺は有浜に関係しそうで、数字が関係しているものってことで図書室の人体図鑑を調べてみたんだ。恐らくアイツが事件を起こすに当たって使った本に関係するんだろうと思ってな。そしたらちょうどその数字に当たるページはちぎられてなくなっていたんだ。」
「なくなってたんなら何でそれが黒幕の家族関係に関係してるって分かるんだ?」
「目次だよ。目次を見たらその破られたページに何が書かれていたのか、すぐに分かったんだ。」
そして、その書かれていた内容から推測できたのは…
選択肢セレクト
1.黒幕には双子の兄弟がいる
2.黒幕は天涯孤独
3.黒幕は一人っ子
→1.
「これだ!」
「その目次から分かったことは、その破られていたページには双子に関することが書かれていた、ってこと。そしてそこから推測できるのは、黒幕には双子の兄弟がいるってことだ。」
「マジかよ!!でもじゃあ俺にゃ関係ないな。俺は一人っ子だ。」
「あたしも双子の兄弟はいないかなー。」
「僕もー。」
「オレもだぜ?」
…あれ?そんなはずは…!
「…俺にも兄弟はいない。母さんとの2人暮らしだ。」
「そりゃおかしくねーか?だって黒幕はこの中にいて、そんでソイツには双子の兄弟がいるんだろ?オレ達の中に誰も双子の兄弟がいる奴がいねーってのはありえねーだろ?」
「まあ、ここでバカ正直にホントのことを話す奴もいないとは思うけどよ?」
「いや、そんなはずは…!これまでの状況から黒幕は俺達の中にいるはずだし、そしてソイツには双子の兄弟がいるハズなんだ…!だから、都合が悪いから黒幕は図鑑のページを破ったはずで…!」
「うーん、その前提が間違ってるんじゃないー?」
「…前提?」
「その黒幕には双子の兄弟がいるーって奴ー。だってー、黒幕には双子の兄弟が"いた"だとしたらー、さっきのみんなの回答も嘘ではなくなるでしょー?」
「昔はいたけど今はもう死んじゃってるって事?」
「後は養子で引き取られたとかもありえるよねー。」
「水島!そんな感じの証拠とかねーのか!!?」
「黒幕には過去、双子の兄弟がいたとする証拠、か…。」
そうは言われても、そんな都合が良い証拠なんて…。
…。
…過去っていうのは本人の記憶がなくても過去だよな…?だとしたら、アレはそういうことなのか…?
「…んな都合のいいモンあるわけねーか…。」
「いや、あるかもしれない。ただ、黒幕も双子の兄弟がいるって自覚はなかったのかもしれない。この写真を見るまでは…!」
証拠提出
【エコー写真)
「これだ!」
「この、エコー写真を見るまでは。」
「これって赤ちゃんがお腹の中でどんな様子かってのを見る奴だよね?」
「ああ。」
「これってー、片方は双子でもう片方は1人だからー、別人のエコー写真なのかなー?」
「いや、そうじゃないと思う。これは同一人物のものだ。」
「んなわけねーだろ?腹ん中の赤ん坊の人数が変わるわけねーじゃん。」
「いや、変わったんだ。変わったからこそ、黒幕はもともと自分に兄弟がいたなんて知らなかったんだ。」
「っつうとつまり?」
「片方の胎児がもう片方に吸収されたんだよ。」
「結合双生児ってやつだねー。」
「それって双子が肩とか足とかでくっついてるってやつだろ?そんなきれいに吸収されることなんてあんのか?」
「隠れ双子なんてのもあるよー。最初は双子だったけど生まれてくるときには1人になってるってやつー。」
「じゃあ黒幕もそうだったってこと?」
「ああ。だけど黒幕の場合は奇跡的に完ぺきに結合した結合双生児だったんじゃないかな。綺麗に2人が映っているエコー写真があるくらいだしな。」
そう、黒幕は結合双生児のハズだ。もしかしたらアレもそういうことだったんじゃないのか?
証拠提出
【コードネーム)
「これだ!」
「きっとこの超中学級の絶望の将来的な幹部候補が持っていたっていうコードネーム、その1つにもそのことを証明するものになっているんだ。」
そのコードネームって言うのは…
選択肢セレクト
1.ユニオン
2.ストリング
3.スコア
→1.
「これだ!」
「それがこの1つ目のユニオンっていう奴だ。」
「ユニオン?」
「"結合"ねー。」
「そうだ。」
「ユニオンってのが英語で"結合"って意味なのか?」
「そうだ。ユニオンって一言で言っても色んな意味があるし、俺も最初は"連合"って意味だと思ってたんだ。だけど、ここまでの推理を踏まえると意味は全く違かったんだ。」
「それが結合、だから黒幕は結合ソーセージって事だな!」
「双生児、な。」
「…じゃあさ、結局その結合双生児の黒幕って誰なの?」
「…。」
「……。」
流れる沈黙。そうだ、問題はそこなのだ。黒幕の背景の一端は推理できるが、だからといってそれがそのまま黒幕の正体に繋がるわけではない。
…いや、本当にそうか?手元の情報とこれまでの推理を組み合わせれば答えは自ずと見えてくるんじゃないのか?
…そうじゃない。もう見えているはずだ。見えているのに俺は目を逸らしているんだ。このコロシアイの黒幕が一体誰なのか。
「…いや、分かるぞ。もう、分かってる。このコロシアイの黒幕が誰なのか。」
「マジか!!?」
「それって誰なの!?」
そう、このコロシアイの黒幕は…
指名しろ!
【ミズシマアキラ】
「お前しかいない。」
「…は?」
「何を、言ってるのー?」
「…オメエこんなときに冗談やめろって…。今度こそ冗談、だよな…?」
「…冗談なんかじゃない。このコロシアイの黒幕は、俺だ。」
「自白って、ことか?」
「そういう訳じゃない。」
「じゃあなんでお前が黒幕ってことになんだよ!!?」
「…ならまず輝くんが黒幕だって、その事実から固めようよー。」
「ああ、そうしよう。」
議論開始
「水島が黒幕なんてありえねえよ!!」
「でも、輝くんはそう言ってるんだよー?」
「それに、」
「どんなに突拍子もなくたって、」
「水島の推理は【間違ってたことない】よね…」
「でも今回がその1回目かもしれねえだろ!?」
「オレもありえねーと思うぜ?」
「それに、水島が黒幕だっつー【証拠もなければ】」
「【証言もねー】んだぞ?」
「それは、そうだけど…」
いや、アイツの言っていた言葉と俺達の認識には明らかにズレがあったはずだ。
【アンリの遺言)→【証言もねー】
「それは違うぞ!」
「証言と言えるかは分からないけど1つだけ、俺達の認識とずれた発言をした奴がいた。」
「それって誰のこと?」
「アンリだ。アンリは多少のリスクを侵しても事件をあの日起こした理由として俺達にこういう風に言い遺した。」
『今日を逃せば他のみんなが全員早く部屋に戻る事なんてもうないからさ。例えば娯楽室に深夜も一人将棋を指しに行く玉城君、元々夜型の傾向にある久見さん、そして水島君。君らは深夜に行動するだろう?』
「ソイツは変だな?水島ってちゃんと寝てただろ?だから毎朝の飯の準備もできてたわけだしよ?」
「そうだ。実際に俺の記憶でも深夜に出歩いたのは2、4、5回目の事件の直後に1回ずつ、計3回しかないんだ。」
「そこは僕もよく夜中に出歩くしー、輝くんがあまり出歩いていないのは証言するよー。」
「じゃあなんでそんなズレが起きてたんだ?」
「簡単な話だ。」
選択肢セレクト
1.アンリの見間違い
2.アンリは実際に水島を見ていた
3.アンリの嘘
→2.
「これだ!」
「アンリは実際に俺の姿を見ていたんだ。」
「待って、でも晴香ちゃんは見てないんでしょ?」
「例えばアンリが俺を見た時間帯が久見ですら眠った後だとしたら?」
「まあ一応朝ご飯の時間には遅れないくらいの時間には寝てたけどー。」
「つったってお前自身3回しか出歩っていないって言ってただろ?」
「それに関連しうるものが学園長室に残されてる。」
その証拠って言うのは…
証拠提出
【生徒プロフィール)
「これだ!」
「この生徒のプロフィールの内容が俺の記憶とアンリの証言の矛盾の原因を推理していく材料になる。」
「プロフィール?」
「ああ。まずは俺のプロフィールを見てほしい。その中に違和感のある部分があるはずだ。」
「それってこの才能の欄のところか?」
「けどよー、ちゃんと幸運って書かれてるじゃねーか。」
「問題はそこじゃない。俺が言いたいのは、」
「黒塗りの部分だよねー。」
「ああ。俺の才能の欄には幸運と共にもう1つ、何かの才能が書かれていた痕跡があった。だけどこのもう1つの才能の部分は黒塗りにされて読めないようになっている。」
「そのもう1つの才能って?」
「これはあくまで推測だけど、俺のもう1つの才能、それは…」
選択肢セレクト
1.絶望
2.結合双生児
3.希望
→2.
「これだ!」
「"超高校級の結合双生児"だったんじゃないかな。」
「"超高校級の結合双生児"!!?」
「ほら、さっきまでの議論で黒幕は完全に2人が合体したことで1人の人間にしか見えなくなっている結合双生児だって話になっただろ?普通結合双生児ってほぼきちんと2人の人間がくっついてるように見えるものだ。一番融合している例でも肩にこぶのように相方が残ってる。」
「ってことは、完全に合体した結合双生児はある意味、世界でもっとも珍しい超高校級の才能を持っている事になる、と希望ヶ峰学園が判断したってことか…。」
「でもー、もし輝くんが2人分の身体をその身に宿してるとしたらー、色々説明が付くこともあるんだよねー。」
「説明が付くこと?」
「ほらー、前に4階を探索したときにさー、音楽室で胸くらいの高さのステージに助走無しで飛び乗った事があるでしょー?いくら何でもそんなことできる人が幸運だけの才能ってことがあるのかなー、って思ってたんだよねー。」
「確かにそれはすごい身体能力…。」
「でもさー、もし2人分の身体能力がそこに宿っていたとしたら1人の身体で2人分の出力があるわけだからー、そういう人間離れしたことができてもおかしくないよねー。」
「あ、もしかしたらこれまでの裁判での大活躍も水島が推理小説好きだからってだけじゃなくて2人分の脳みそがあるからなのかも!」
「それならあの頭の回転の速さにも納得いくな!」
「だけどー、それはあくまで輝くんの身体の話でー、記憶には関係しないよねー?」
「完璧な結合双生児だからだよ。」
「"完璧な"?」
「ああ。結合双生児は本来別々の人間だったハズなんだ。つまり、それぞれの肉体にはそれぞれの人格があるはずなんだ。」
「…!まさか…?」
「…久見は気付いたみたいだな。」
「どういうことだよ!?」
「俺には俺ですら気付いていなかったもう1つの人格が存在していたんだ。そしてその人格の時に歩いているのをアンリに見られていたから俺に記憶がなかったんだ。」
そう、つまりこの俺、水島輝は…
選択肢セレクト
1.サイコパス
2.分身できる
3.二重人格
→3.
「これだ!」
「俺は、自分でも気付いていなかった二重人格だったんだ。」
「んな、事…。」
「ありえんのかよ…?」
「あり得ない話じゃない。過去の希望ヶ峰学園には文学少女と殺人鬼の2つの人格を持っていた人物がいたくらいだからな。」
「……。」
「…さて、俺の役目はとりあえずここまでかな。後は主役に登場願うことにするか。モノトラ!いや、黒幕。出てこいよ。俺の推理間違っちゃいないんだろ?」
俺がそう声を上げると急な眠気が俺を襲い、俺の意識は深く深く、闇の中に沈んでいった。
――――――
――――
――
輝くんがモノトラ、いや、自分の中にいる誰かに声をかけると彼は眠るように目を閉じる。そして直後、また目を開くとこれまで僕たちが知っていた輝くんとは雰囲気がガラッと変わっていた。
「ぐぷぷぷぷぷぷ…。」
そしてその口から漏れてきた笑い声はこれまでずっと不快だと思って聴いてきたモノトラと同じ物であった。
「水、島…?」
「ああ、水島だぜ!」
「なんか様子違くない…?」
「まるでモノトラみてーだぞ…?」
「もしかしてー、黒幕、なのかなー?」
「!!」
先ほどまでの輝くんの推理、そして行動から導き出した答えを告げる。
「ぐぷぷ、その通りだぜ!!このオレこそがこのコロシアイ学園生活の黒幕にして、水島輝のもう1つの人格、そして超中学級、いや、今となっては超高校級の絶望が1人、ユニオンだ!!まあ、親しみを込めてヒカルと呼んでくれてもいいけどな?」
「そんな馴れ馴れしいのは願い下げだな。」
冷や汗を垂らしながら薬師君が憎まれ口を叩く。
「さて、オマエラは何の話から聞きたいよ?オレの3サイズか?それともオレが何者かか?それとも、このコロシアイの全てか?」
「うーん、じゃあー、まず君が何者か、からかなー?」
「つってもまあ基本的にはもう1人のオレの推理通りだ。オレは奴の双子の兄弟。だが、母親の腹の中で奴とくっついちまった。その時に神様だろうと計算外の出来事が起こっちまった。」
「それが、完璧に結合したって奴か?」
「ああ。人格を残したまま2人分の肉体が1人分の身体として成立しちまった。何でこんなことが起こったと思う?」
完璧に結合してしまった理由ってもしかして…?
選択肢セレクト
1.偶然だった
2.並外れた幸運を持っていた
3.医者によって仕組まれていた
→2.
「これだー。」
「輝くんが"幸運"だったから、かなー?」
「そのとおりだ。奴は、俺達は生まれる前から並外れた幸運を持っていた。だから完璧な結合を成し遂げることができたんだ。と言っても俺たち2人と比較しても輝の方がより強い運を持っていたからメインの人格が奴になったわけだがな。」
「じゃあ、こんどはあたしから。なんで2人の内アンタだけ超中学級の絶望になったわけ?」
「ま、ソイツは偶然だな。さっきも言ったとおりメインの人格は奴だ。オレは中々自由には動けない。自由に動けるとしたら輝の許可があるときか、輝が眠っているとき。実際のところ輝は今日の今日までオレの存在を認識していなかったし、オレが自由に動けるのは輝が眠っている間しかなかった。だからオレは深夜に行動し、そしてあの方に偶然出会った。」
「あの方?」
「江ノ島盾子、だよねー?超高校級の絶望を率いた1人の少女、希望ヶ峰学園における最初のコロシアイの黒幕。その彼女に出会ったんだよねー?」
「ああ、そういう訳だ。あの方に出会ってからの生活は充実していたよ。あの方は、仲間は、オレが自由に動けない事を理解した上で様々な役目を与えてくれた。遂には将来お前が中心の1人として超高校級の絶望を導けとコードネームまでくれた。これがオレにとってどれだけ大きいことだったか分かるか?」
「へっ、分からねーな。人殺しをして喜ぶ変態ヤローの気持ちなんてよ。」
「ああ、分からねーだろうな。この世に確かに存在しながら、誰にも、実の家族にすらも認識してもらえない、何者でもなかったオレの気持ちはよ。特に、世の全ての人々から才能を認められたオマエラにはな。超高校級の絶望はオレに名前を、存在意義をくれたんだ。」
「…。」
「でも1つだけ輝に感謝してることがある。それはアイツがバカみてえに運が良かったことだ。アイツの運のおかげでオレは超高校級の絶望が壊滅したときにも何人かの仲間と共に逃げ切ることができた。そしてオレは今こうして絶望を復活させるための計画を実行に移すことができてる。アイツの幸運のせいで色んなものを失ったが、アイツの幸運のおかげでオレは今こうしていられるってワケだ。」
彼の語る彼の背景は僕たちには理解し得ないものだ。だって少なくとも今こうして生きている僕たちは確かにこの身体の持ち主で、同時に彼の言うとおり、僕たちとして世の中からも認識されている。
「さてと。なんだかんだオレが何者か話す内にこのコロシアイの全ても全部話し終えちまったな。目的も何も全部オマエラが当てちまってるからなぁ。話せることなんてオレがこのコロシアイにかけてきた想いくらいなモンだったしな。」
どうやらヒカルと名乗る黒幕は全てを話し終えたらしい。
「だが、まだオレの用事は終わってねー。最後の投票をするにあたっての説明をしとかなきゃなんねーしな。」
そう言うと彼は輝くんには似つかわしくない不敵な笑みを浮かべた。
・
・
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【生存者】
超高校級の幸運? 水島輝(ミズシマアキラ)
超高校級の射撃選手 薬師弾(ヤクシダン)
超高校級の長距離ランナー 涼風紫(スズカゼユカリ)
超高校級の漫画家 久見晴香(ヒサミハルカ)
超高校級の海賊 九鬼海波(クキミナミ)
残り5人
この話において遂に黒幕の正体が判明しましたが、皆さんとしてはいかがでしたでしょうか?想像通りだったでしょうか?それとも、ビックリ!という感じでしたでしょうか?驚いてくれた人が多いと嬉しいな。
さて、もう気付いている人もいるかも知れませんが、実はいつの間にか、今更、キャラクター人気投票のアンケートを設置させていただきました。よろしければ投票していただけると嬉しいです!
後数話でこの物語も最終回を迎えていきます。水島くん達の行く末をどうか最後まで見守ってくださると幸いです。
最終盤まできておいてなんですが、皆さんの推しを教えてください!!
-
水島輝
-
甘寺心愛
-
薬師弾
-
玉城将
-
二木駆
-
涼風紫
-
山吹巴
-
有浜鈴奈
-
アンリ・シャークネード
-
畔田鋼之助
-
久見晴香
-
太宰直哉
-
美上三香子
-
青山蓬生
-
九鬼海波
-
比嘉拳太郎