正直前回が前回なだけにすごい不安です。
ですが精一杯書かせて頂きました。
なので、どうか楽しんでって下さい。
今回は、~な転生者、悟です。という冒頭の部分はありません。
始まり方がいつもと違うので。
悪王。
そう呼ばれていた時から一体どれ程の年月が経ったのだろうか。
あの時代は良かった。
古代ベルカの時代。戦争が続いていたあの時代。
聖王が治めていたと言われている時代。
ああ、表はそうだったのだろう。だが、裏を支配していたのは俺だった。
治安なんて無かったし、秩序なんて崩壊していたと言っても過言ではない。
あらゆるクズを極めた奴等が往来していた。
その中でも俺は極めつけだった。
欲しいものがあれば強奪し、気に入らない奴がいれば殺していった。そんな悪逆非道を繰り返し、気づけば『悪王』などという名が付けられ、古代ベルカの裏のトップとして君臨していた。
君臨し、支配していたと言っても、俺は特に法律も何も作らなかった。
あるとしたら、悪の限りを尽くせ。ここではそれが許される。そんな感じの事を言っただけだった。
戦争にも積極的に参加した。
あの時代には、よく魔法というものが使われていた。素質のある奴が使え、そいつらは魔導士と言われていた。
俺はそんなもの使えなかった。が、俺はそれをも超える圧倒的身体能力があった。
魔法なんて効かない。魔導士とかいうやつらは、俺が殴れば皆ぶっ飛んだ。魔導士はどいつもこいつも弱かった。
しかし、聖王と覇王は別だった。あいつらは強かった。
血湧き肉踊る。
そんな状態にしてくれたのはあいつらだけだった。
最終的に聖王が持つ『聖王のゆりかご』という兵器で俺は死んだ。
覇王とは結局、決着が着かずじまいだった。
そして時は流れて、俺はこの時代に蘇った。
何とも奇妙な男が俺を復活させた。が、それは前の姿ではなく、ひょろっちい男の姿だった。
男が言うには、このジュエルシードという宝石を使うと、一時的に元の姿に戻れるらしい。
この写真の人物を消せば、ずっと元の姿のままでいさしてやる。
男はそう言って写真を渡してきた。
写真の中の人物は、ガキだった。
テメェで行けよ。そう思ったが、このガキを消せば俺は元の姿に戻れるのだ。
文句を言わず実行するべきだと思った。
ガキ一匹の始末。すぐに終わるだろうと思っていた。
が、どうだ?大抵のやつは俺が殺気を出せば怯んで何もできないっていうのに。
こいつは一切怯みもせず、俺を見据えている。
そして何より。何より俺を喜ばせてくれるのは、このガキが俺と渡り合えている事だ。
なんて素晴らしい!なんて楽しいんだ!
こんな感覚、覇王とやり合った時以来だ。
ああ、最高だ。最高だぜ、ガキ。いや、
「天宮悟うううううううううううううううう!!!!!!!!!」
悪王から拳が突き出される。
悟はそれを交差した両腕で防ぐ。
今度は悟が蹴りを繰り出す。
悪王は、その蹴りを片腕で受け止める。
しかし、悟はすぐに体勢を変えて悪王の顔面を殴る。
バキィ!!
悪王はそのままぶっ飛ぶ。
が、空中で反転して、一気に悟に向かって蹴りを放ってきた。
悟はあまりにもいきなりだったので、モロにその蹴りを喰らう。
ドキャ!!
近くの遊具にぶつかって、倒れる。
だが、悟は大したダメージは無いようで、ケロッとした表情で立ち上がる。
一進一退の攻防。正に互角。
お互いに口を少し歪めて、一気に相手に飛び込んでいく。
バチィ!!
拳と拳がぶつかり合った。
戦いはまだ始まったばかりだ。
「クソッ!何でこんな時に転送ポートが使えないんだ!」
「そんなの知るかよ!!」
「二人とも落ち着いてなの!ケンカしていたってどうしようもないよ!」
「ぐっ!確かにそうだか、この反応はいくらなんでも異常過ぎる!」
「だけど、いくらなんでも焦り過ぎだぜ!?クロノ!どうしたってんだよ!」
「どうした!?君はあの時の報告を聞いていなかったのか!?」
「そうだよ、睦海。今は非常に危険だ」
「ユーノまで。一体何だよ!?」
「結界だよ」
「「あ?/え?」」
「だから!あの反応のある場所には結界が無いんだよ!このままじゃ本気で死人が出るぞ!」
「な......んだとぉ!?」
「そんな!それじゃあ危険なんじゃ......!」
「ああ、そうだよ!だから焦っているんだ!」
「早く、早くしないと......!」
「アルフ」
「何だいフェイト」
「これって、かなり危険だよね」
「だろうね。まだ距離はあるっていうのに、ここまで威圧感が来るなんて普通じゃあ無いだろうね」
「だよね。......よし!目的はジュエルシードのみ。それ以外は基本的に無視の方向でいこう。本気で危なくなったら自分の命優先で逃げよう」
「OKご主人様。死んだら元も子もないからね」
「全力で生きる気持ちで、ジュエルシードを奪取するよ」
「アイアイサー!!」
「おいおい。この方向って原作には無かった場所なんしゃねえのか?ということは、もしかして俺とは別の転生者か?神崎の野郎か?それともギルみたいな見た目してる聖か?まあ、どっちでもいいぜ。俺が纏めてぶっ潰してやる!!クヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
「何だか面倒な事になる予感がするな......。引き返すか?いやいや、王たる俺が一度言った事を覆すなどあってはならんだろう。いざとなったら王の財宝《ゲート・オブ・バビロン》を使えばいい。それより早くシュークリーム作りを再開したい」
「ハアアアアアアアアアッッ!!」
気合いの声と共に、悟は悪王に殴りかかる。
悪王は防いでいたが、それでも衝撃を殺しきれずぶっ飛ぶ。
二人の戦いは既に地上を離れ、空中戦へと移っていた。
何故相手が空を飛べるか?そんな些細な疑問を宇宙の彼方に放り投げて、二人の戦いは激化していく。
どちらかの拳が当たれば、相手も拳を当てる。
どちらかが蹴りを当てれば、相手も蹴りを当てる。
正に一進一退と言うに相応しい。
が、少しずつ、徐々に徐々に悟が追い詰められていく。
考えれば単純な事で、悪王と悟では強さが同じでも、体格の違いから分かるように、スタミナの絶対許容量が違う。
なので、悟がジリ貧なってしまうのである。
ーーーーだからどうした?
「オラオラ、どうした!?天宮悟ぅ!!テメーはその程度かい!?」
相手が挑発してくる。しかし、そんなものに乗るほど自分は愚かではない。
スタミナの絶対許容量が違う?だったらスタミナが尽きる前に倒せばいいだけの事。
俺のスタミナが尽きる前に相手を倒す術はある!
「おい、化けもん。テメーがどんな奴かはしんねぇけどな」
「この程度で調子に乗るなよ、ドグサレ野郎が」
どうでしたでしょうか?
前の戦闘シーンよりかは面白くなっている......ハズです。
書いてて思いましたが、涙やる気無さすぎる(^^;
クロノ君とかあんなに焦ってるのに。
さて、次回は一体どうなるか!?
お楽しみにー!