転生したけど、どうやら魔法があるらしい   作:木林 森

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今まで一番書いたかもしれない。
とても疲れました。
まあ疲れようが、たくさん書こうが駄文は駄文なんですけどね。
コロコロ視点が変わるので読みにくいかもしれませんが、まあ楽しんでって下さい。


闘う魔導士達

海鳴市の空。特別なものは無く、至って平凡な空。今は夕方からそろそろ夜になろうとしている時間帯で、暗くなり始めている。

そんな空、遥か上空でいつもとは違う、平凡なものからかけ離れた出来事が起きている。

 

ヒュンッ ヒュヒュンッ

 

何かが高速で動く音がする。

 

ガッ キンッ キキンッ ガキンッ

 

何か金属がぶつかるような音がする。

 

ギリギリ聞こえるか聞こえない位の音だ。

というより普通は聞こえない。本当に耳の良い人にしか聞こえない。

そしてその人が音のする方、つまり上空を見ると明らかに人工的な光が不自然に動いているのが分かるかもしれない。限界まで目を凝らして、やっと識別出来るか出来ないか程度。

それぐらい上空でなのは達魔導士組は戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ!」

 

ガキイィィン!!

 

なのはに接近したフェイトが、鎌になった自らのデバイスであるバルディッシュでなのはを切りつけようとするが、それよりも先になのはが張ったプロテクションがそれを受け止める。

そしてユーノが横からバインドを出してくる。

フェイトはそれを反射的に避ける。

そして更になのはから魔力弾が飛んできた。

フェイトはそれを慌てる事無く、持ち前の速さで避ける。

そして、軽く距離を取る。

 

(思った以上にメンドクサイ。やっぱりいくら相手に素人がいるからって二対一は不利かな。ていうかあの娘もう素人ってレベルじゃないよね。あのバインドの子が教えてるのかな?だとしたらスゴイな。まあ、あの娘の才能があるからってのもあるんだろうけどさ)

 

(さて、どうしよう。接近しても防がれちゃうし、シューターを使って前と後ろに同時に攻撃してもあのバインドの子が防いじゃうし。やっぱり本気でいくしかないのかなぁ。いや、別に今まで本気じゃなかったってワケじゃないけど。ただあれやると結構こっちも負担が掛かっちゃうんだよね。だからあんまり使いたく無いんだけど......。やるしかないよね)

 

なのは達からくる攻撃を捌きながら、思考する。

軽く息を整える。

そして少し前傾姿勢になって

 

シュンッ!

 

フェイトが消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはは自分が思った以上に戦えていることに驚きつつも、内心喜んでいた。

 

(フェイトちゃんにだって負けていないの!)

 

なのはは、フェイトが何故あの時、すずかの家で戦った時悲しそうな顔していたのか。それが聞きたくて戦っている。それと同時に勝手にライバル視するようにもなった。

途中でクロノに止められたとはいえ、前の戦闘もそれなりに戦えていたし、今回だって戦えている。なので少し浮かれていた。

だからかもしれない。

相手に奥の手というものがあるということに気がつかなかったのは。そして例え気がつかなかったとしても、勘でその奥の手に対処出来たかもしれない。

しかし、どれだけ才能があろうと、どれだけ強くなったとしても、なのはにはフェイトに比べ、圧倒的に実戦経験が足りなかった。

故に戦闘における勘というものが働くことは無かった。

 

「カハッ......!」

 

だから喰らった。対処も何も出来なかった。

フェイトが距離を取って、なのはが攻撃しやすくなったため、なのははここぞとばかりに魔法を放った。

魔力弾だけでなく、小規模の収束魔法も使った。

全て対処されるが、なのはは魔法を放ち続けた。

ユーノはフェイトにバインドを仕掛けるために隙を伺っていた。

当然、フェイトもそれに気づいている。それも含めて、全て捌いていた。

そしてフェイトが軽く前傾姿勢を取った時、ユーノは何かくると思った。なのはは気がつかなかった。

フェイトが消え、なのははそれを喰らった。

魔法の攻撃ではない。バルディッシュによる物理的な攻撃。鎌の方ではなく、反対の棒になっている方。

そっち側を使って、剣道の胴の要領ですれ違い様になのはのお腹の部分にバルディッシュをぶち当てた。

当てる時、フェイトは魔法で強化もしていた。

速さ+強化で、いくらバリアジャケットを着ているとはいえ、肉体的ダメージにまだ耐性などほとんど無いなのはは気絶した。

 

(そ...んな....。まだ...だめなの...?まだ...届かないの?)

 

悔しさを感じながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのは!!」

 

気絶して落ちていくなのはを見たユーノは自分が出せる最高速でなのはの方へと向かった。

フェイトが当然のように妨害する。

フェイトからの攻撃を捌くが、今はなのはが優先なため何発が喰らってしまう。

それでも何とかなのはを抱き止める事が出来た。

気絶したなのはを抱き抱えながら、フェイトへと注意を向ける。

見ると大分疲弊しているようだった。

さっきまで放っていた攻撃も止んでおり、かなり息も荒くなっていた。

軽くとはいえ負傷もしていた。恐らくさっきなのはに攻撃した時に負ったものだろう。つまり先程のは空間転移の類いのものではなく、視認出来ないくらいの速さで移動したということになる。

しかも多分それはまだ完全に使いこなすことは出来ていないのだろう。

あれだけの速さで動けるならなのはの攻撃は避けれたハズだし、使いこなせるならあんなにしんどそうにはしないだろう。

そしてあの超スピードは二回は使えないだろう。

あんなに負担が掛かるもの二回も出来るハズがない。

もしこの推測が間違っていなければ勝てるかもしれない。

なのはを抱えながらとはいえこっちはまだダメージをほとんど負っていない。

だけどあっちは既に疲労困憊。

いける!

ユーノはそう思った。

決してそれは間違いでは無かった。

ユーノの推測は当たってるし、十分勝てる状態だった。

現にユーノはフェイトを追い詰めていた。

シューター等の魔力弾でフェイトを牽制し、バインドで捕らえたのだから。

今のバインドは闘う前に使用した三重ではなく、五重。しかも強度は三重の時の倍。

今のフェイトでは破ることは出来ない。

端から見てもこれ以上無いくらいの勝利だった。

ただ一つ。ユーノは見落としていたことがある。忘れていたワケではない。しかし完全に頭の外に出していた。それはひどく単純な事で、絶対覚えておかなければならない事。

それはフェイトには一人仲間がいること。

 

「ハアアアアアアアアッッ!!!」

 

つまり

 

「なっ!?」

 

フェイトには

 

「大丈夫かい?フェイト」

「ア、アルフ」

 

アルフという仲間がいたこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し戻って。

睦海とアルフが戦闘している空。

睦海は暴れるアルフにかなり苦戦していた。

暴れてるクセに全く隙が見つからない。

アルフの繰り出す拳や蹴りは恐ろしく速く、かなり的確だ。

だから睦海は避けるので精一杯だった。反撃しようにもアルフの猛烈なラッシュで中々出来なかった。

 

(クソッ!何なんだよコイツ!アルフってこんなに強かったか!?ガムシャラに攻撃してるだけなのに何でこうもしっかりと打ち込んでこれるんだよ!)

 

大振りの攻撃を避けてもすぐに拳が迫ってくる。

体制を崩してもすぐに戻ってしまう。

 

(王幻達みたいにオリ主とか言わないけど、でも一応俺転生者だぞ!?それなりにチートは貰ったハズなんだけどな!)

 

睦海が貰ったチート。つまりは転生特典。その中には別の作品の力で、かのアーサー王が使っていたと言われている宝具と呼ばれている武器がある。

その名は約束された勝利の剣《エクスカリバー》。

伝説級の武器である。

睦海は今それを持って戦っている。が、どれだけ強い武器を持ってたとしても睦海はまだ子供。実戦経験だってほとんど無い。それを十全に使えるワケもない。

それを差し引いてもアルフの強さはかなりのものだが。

そしてアルフの拳が睦海の顔をかすった。

それだけの事だが、さっきまで避けれた攻撃が当たったということだ。

つまり睦海はアルフの攻撃を避けれなくなっている事を意味する。

睦海はヤバいと思った。ずっとアルフの攻撃を避けるだけだったから、思った以上に体力が減っているのを感じていた。

 

(ヤバいな...。このままじゃじり貧だ。勝つ策はある。でも、今はそれが出来る状況じゃない。どうにかして距離を取らないと。でも取ったとしても少し時間を稼がなくちゃならない。しかもその間無防備になる。足止めするにはここは何も無さすぎる。)

 

睦海の武器であるエクスカリバーは魔法で言うところの収束魔法のような攻撃が撃てる。

普通の収束魔法よりは溜める時間が比較的短いが、それでもやはり数秒掛かる。

アルフだったら恐らくその数秒の間に攻撃を当てる事は出来るだろう。

しかし今のところ思い付くのはエクスカリバーによる攻撃だけだ。

このままじゃどうしようもない。だったらやるしかない。

そう自分に言い聞かせ、行動に移す。

アルフが殴ってくる拳に足の裏を当てて膝を曲げ、その勢いで一気に距離を取る。と、同時にバインドを仕掛けておく。

アルフは睦海の距離の取り方に驚いて、一瞬動きを止めた。

その一瞬でバインドに捕まる。

上手くいった。

睦海はそう思った。

距離は十分だし、アルフはバインドに捕まっている。

これならエクスカリバーを放てる。

睦海は剣に魔力を溜めた。

そして剣を振りかぶる。

 

「エクス」

 

そして振り落とす。

 

「カリバー!!」

 

ズオッ!!

 

特大の黄金の光がアルフに向かっていく。

それがアルフに当たり

 

ドオォーーーーーーーーン!!!

 

派手な音ともに爆発した。

 

「これで何とか勝てたか?」

 

息を吐きながら前を見ると、目の前にアルフがいた。

 

「え?」

 

睦海は思いっきり顔面に蹴りを入れられ、近くにあったビルの屋上に叩きつけられた。

そしてそのまま気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルフは自分の心臓がバクバク鳴ってるのが分かった。

 

(まさかあんな恐ろしい収束魔法を使えたとはね)

 

さっきの睦海のエクスカリバーは確かにアルフに当たっていた。

なら何故睦海に攻撃できたのか?

答えは簡単でエクスカリバーの攻撃がくる前にバインドを破って、出来る限り速く逃げた。それだけである。

それにアルフも無事というわけではなく、逃げるときにエクスカリバーが左腕に当たったためボロボロになっていた。

相手が非殺傷設定の攻撃とはいえ、傷だって負うし、

血だって流れる。

ただ致命傷にならないだけで、負傷はする。

つまりアルフは結構ギリギリだったのだ。

もう少し遅ければアルフは負けていた。

それほどまでに睦海の作戦はかなり上手くいっていた。

ただ、アルフのバインドを破る時間が予想以上早かったのだ。

近接戦闘を得意とするアルフは、バインドによる反撃を喰らいやすいため、バインド破るのは早い。

だからアルフは勝ち、睦海は負けてしまった。

 

「さて、さっさとご主人様の所に向かうとしますかね」

 

そう言ってアルフはフェイト達の方へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖涙と榊原王幻。

この二人の戦いはかなり呆気なく終わった。

王幻が何もない所から剣を作り出し、涙に向かって攻撃をする。

涙はそれを避ける。

王幻がこっちへ攻撃しようとする前に、涙が適当に魔力弾を王幻へとばら蒔く。

王幻がそれに対処しようと構える。

その隙を突いて、涙が王幻にバインドを放つ。

バインドで簀巻きのようになった王幻。破ろうと四苦八苦する。

涙がその間に技名も無い、適当に集めた魔力をビームのようにして王幻に放った。

それで王幻は気絶。

こんな感じだった。

転生者ならではの転生特典でぶつかり合うなんて戦闘も無いし、魔力を使っての魔法対決というのも無かった。

 

「いくらなんでもこれは無いでしょーよ」

 

隙だらけの王幻に完封勝利。

だと言うのにあまり嬉しくない涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーノは冷静に考えていた。自分の勝率を。

フェイトを追い詰めたと思ったら、アルフがやって来た。

これは普通に考えて睦海が負けたということだろう。助けに行きたいがこっちを放っておくワケにはいかない。

ならば、フェイト達を捕まえてから助けに行こう。

さて、端から見ればこっちが不利だ。しかし相手は手負い。一人は戦える程の体力はもう無い。もう一人は左腕が使えない状況だ。

やれないことはない。

だが、相手は強い。油断など出来ない。

ピリピリとした空気が流れる。

お互い睨み合う。

そして

 

バッ!

 

アルフが急に手を前に出し、魔法を発動させる。

ユーノは身構えた。

 

(一体どんな魔法だ!?シューター?それとももっと威力の高いモノか!?)

 

ユーノは相手を捕まえる気だった。

そのためには戦闘は避けられない。実際さっきまで戦闘をしていたから余計にかもしれない。

アルフの放ったのが攻撃魔法と勝手に思い込んでいた。

まだフェイト達は戦うと思っていた。

だがそんなことは無く

 

カッ!!

 

 

アルフの放った魔法が光った。

 

「ぐっ!?」

 

いきなりの光にユーノは目を開ける事が出来なかった。

そして光が収まり目を開けると、フェイトとアルフはもうどこにもいなかった。

逃げられた。

ユーノは呆然とするしかなかった。

そしてハッとなって、慌てて睦海の無事を確認しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイト達は合流してすぐに目の前の相手にばれないように念話をし始めた。

 

〈アルフ、その左腕大丈夫?〉

〈いや、あまり大丈夫とは言えないねぇ〉

〈治癒魔法ができたらいいんだけど〉

〈目の前の奴が許してくれないってか?〉

〈うん。あの子結構やり手だよ。攻撃魔法よりもバインドとかそういうのが厄介〉

〈みたいだねぇ。フェイトに掛かってたバインド、解除したけど中々解除がメンドウだったよ〉

〈アルフがそこまで言うなんて。やっぱりあの子は厄介なんだ〉

〈正直勝てる見込みは少ないよ。アタシは片腕使えないし、フェイトも限界。オマケに向こうは軽少に無傷の管理局員が一人いる。かなり不利だね〉

〈しかもジュエルシードはかなりヤバい事になってるみたいだね〉

〈ああ。魔力反応がとんでもない事になってるよ。全快の状態ならまだしも、こんな状態で行くのは自殺行為だよ〉

〈だね。これは撤退かな〉

〈しかないだろうねぇ。ハア、何か最近逃げてばっかな気がする〉

〈しょうがないよ。ここで終わるわけにはいかないもの。私達がしくじったら誰が母さんを助けるの?〉

〈アタシにはあいつにそこまでする価値は無いと思うけどね〉

〈アルフ、母さんをそんな風に言わないで〉

〈分かったよ。んじゃ、アタシが目の前のガキんちょの目を潰すから転移頼むよ〉

〈うん。了解〉

 

そして、アルフは光る魔法を放ち、ユーノが光で目が眩んでいる内に転移して撤退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノはどうすればいいか分からなかった。

結界を張り終え、ジュエルシードを封印しようと思うが、目の前の闘いが目で追えない。

速すぎて何が起きているのか分からない。

時折

 

バキィッ!!

 

とか

 

ドカァッ!!

 

とか

 

ボグッ!!

 

とか、何やら恐ろしい音が聞こえてくる。

 

(ジュエルシードを封印しないと。でもあの中に割って入れるのか僕?いや、普通に無理だろう!確かに管理局員として、例え命の危険だろうとやらなければならない時はあるが、それは成果を残せる場合の話だ。成果も挙げれず、無駄に命を散らすのは最もやってはいけない事だ。それに僕は自殺願望なんてないしな)

 

そう考えてクロノが出した決断は

 

(目の前の戦闘が終わったら、ジュエルシードを回収しよう)

 

というモノだった。

 

 

 

 




今回で一旦魔導士組の話は終わりです。
次回はやっと主人公である悟君の話に戻ります。
さて、どうなることやら。
次回もお楽しみに!........してくれると嬉しいかな?
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