転生したけど、どうやら魔法があるらしい   作:木林 森

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かなり遅くなりました。申し訳ないです。
出来ればペースを上げていこうと思いますので、見てくださってる方は楽しみにしていて下さい。


荒れ狂う海の上で 後編

side:なのは

 

アースラの転送ポートでフェイトちゃんの所へ転移した私達。

リンディさん達の言うこと無視して来ちゃったけど、これってとってもよくない事だよね。

しかも勢いのままにリンディさんに口答えしちゃったし。どうしよう。一時のテンションに身を任せ過ぎたの。

でも、今さらそんな事言ってもしょうがないよね!

だから、今は目の前の事に、フェイトちゃんの事に集中しなきゃ。いや、勿論ジュエルシードにも集中しなきゃだけど。

 

こっちに気づいたらしく、フェイトちゃんが振り向く。

光を映さない目。何も感じさせ無いような目。だけど、時折寂しそうに、申し訳なさそうに揺れる目。

知りたい。どうしてフェイトちゃんがそんな目をしているのか。知って何が出来るのかと言われれば何も答えられない。ただ、あの目は放ってはおけない。

 

「何の用?」

 

フェイトちゃんが言う。邪魔をするなと言わんばかりだ。

 

「安心しろよフェイト。俺達はお前を助kグホァ!?」

「王幻は黙ってて」

 

ユーノ君が王幻君を蹴り飛ばした。

ユーノ君、一応仲間なんだからもう少し優しくしてあげ......なくていいや。

 

「で、何?何もないんだったらどっかに行ってくれる?邪魔」

 

ホントに邪魔って言われちゃった...。

 

「さっき王幻君が言いかけてたけど、私達はフェイトちゃん達を助けに来たの」

 

そう言うと、フェイトちゃんは少し俯いた。

 

「へえ。そうなんだ」

 

そして、自分のデバイスを強く握った。

 

「じゃあ、言うけど」

 

顔を上げてフェイトちゃんは私を見据えて言った。

 

「助けなんていらない。だから消えて」

 

そして一瞬で目の前に来て、デバイスを降り下ろそうとしているフェイトちゃんがいた。

 

〈protection〉

 

ガギィン!

 

フェイトちゃんのデバイスが私にあたる直前に、レイジングハートが咄嗟に障壁を張ってくれた。

 

「デバイスは優秀なんだね」

 

フェイトちゃんが言った。

つまり、私はダメだと言っているのだろうか?

そう言われている気がした。

だから私はレイジングハートを構えようとして、

 

「待ってなのは!今は戦っている場合じゃ無いよ!早くジュエルシードの暴走を止めないと!」

 

ユーノ君が大声で言ってきた。

 

「君も、使い魔の君も!先にジュエルシードを封印しよう!」

 

そうだ。私達がここに来たのは、戦うためじゃない。

 

「いらない」

 

え?

 

「あなた達の助けなんていらない。私とアルフだけでいい」

 

私達を拒絶するようにフェイトちゃんは言った。でも、それじゃあ何でそんなに悲しそうな目をするの?

 

「意地を張っている場合か!君達二人だけなんて無茶だ!それに、さっきまで封印出来ていなかったじゃないか!まず封印をしなきゃ危険だろう!」

 

ユーノ君が怒鳴るように言う。

それでもフェイトちゃんは悲しそうな目のまま、拒否をする。

このままじゃ堂々巡りだ。

 

「フェイトちゃん」

 

だから、私は強引にする。

 

「いくらフェイトちゃんが嫌だって言っても、私達はフェイトちゃん達と一緒に封印をするよ」

 

フェイトちゃんが何故と言いたげにこっちを見ている。

 

「だって私達はフェイトちゃん達を助けに来たんだから」

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:フェイト

 

「だって私達はフェイトちゃん達を助けに来たんだから」

 

なのはと呼ばれている白い魔導士の女の子は、そう言って暴走しているジュエルシードの方へ向かった。

なんて自分勝手なんだろう。

こっちは助けなんて求めてないのに、勝手に私達でジュエルシードを封印するみたいな事言って。

私が彼女らと一緒にジュエルシードを封印するのを拒んだのは、単純に奪われると思ったからだ。

簡単に言うと信じられなかったからだ。そう、信じられない。なのに、それなのに。

 

あの子の言葉は信じたいと思っている自分がいる。

 

あれだけ疑っておいて何を言っているんだと思う。でも、あの子言葉を信じたいと思ったのは、口先だけじゃないから。本気で私を想ってくれているのが分かるから。

だから、私はあの子を信じようかななんて、らしくもない事を思った。

 

《アルフ、聞こえる?》

 

念話でアルフと話す。

 

《どうしたんだい?フェイト》

《ジュエルシード、あの子達と一緒に封印するから。サポート頼んでいい?》

《いや、それはいいけど。いいのかい?あいつらに盗られちまうかもしれないよ?》

 

アルフが少し心配そうに聞いてくる。

 

《大丈夫。封印したらすぐに回収するから》

《まあ、フェイトがそう言うなら》

 

アルフは一応納得してくれた。

私の我が儘に付き合わせて、申し訳なく思う。ホントにごめん。でも、私はあの子を信じてみたい。

 

あの子のあとを追いかけて、隣に並ぶ。

 

「フェイトちゃん!」

「勘違いしないでね。ジュエルシードを盗られると困るから私達は協力するんだから」

「うん!きっかり半分こ!」

 

この子はとても嬉しそうにしている。

そんなに嬉しいのかな?よく分かんないや。

 

「俺も手伝うぜ!」

「俺も」

 

銀髪の子と黒髪の子もやって来た。あ、そういえばいたね、二人とも。

 

「僕はサポートするよ!使い魔の君もいいね?」

 

ユーノと呼ばれる少年はそう言って、ジュエルシードを少しでも抑えるためにバインドを放った。

 

「分かってるよ!」

 

アルフも彼と同じようにジュエルシードを抑える。

 

「よし!ジュエルシードを封印すんぞ」

 

そう言って、銀髪の子は魔力を高めていく。

 

「言われなくても」

 

黒髪の子も魔力を高めていく。

 

「フェイトちゃんも一緒に」

 

この子も魔力を高めていく。

 

そして、私も。

 

四人の魔力がどんどん上がっていく。

 

「いくよ!」

 

白い子がそう言って

 

「ディバイン」

「サンダー」

「エクス」

「アンリミテッド」

 

四人の魔法が放たれる。

 

「バスターーー!!」

「レイジ!!」

「カリバーーー!!」

「ブレイドワークス!!」

 

ドウッ!!!!

 

 

四つの魔法がジュエルシードに向かっていく。一つ大量の剣みたいなのが出てたけど。

だけど、ジュエルシードは封印する事が出来た。

 

さて、と。

あとはジュエルシードを持って行けばいいだけだけど、どうしよう。

いや、雰囲気がそんな感じだからとかそういうわけではない。母さんのためだったら別にそんなこと気にしない。今すぐにでも取っていくだろう。

けど、この子の前ではそんな事したくなかった。そう思った。

そして、目の前の白い子が言った。

 

「友達になりたいんだ」

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:アースラ

 

「ジュエルシード六つの封印確認しました」

 

エイミィの声が通る。

 

「何てデタラメなんだ...」

 

アースラからジュエルシードが封印されるところを見たクロノは、ポロっとそんな言葉を漏らした。

しかし、それも無理はない。あの四人が放った魔法は、次元震が起きてもおかしくはなかった。起こらなかったのは、ユーノが結界で可能な限り抑え込んだからだ。あと、運も良かった。

 

(ユーノっていくら後方支援型だからって、少し凄すぎやしないか?)

 

多分全魔導士の中で、一番サポートが上手い魔導士だろう。それも群を抜いて。

 

「でも、凄いわ」

 

リンディはそう言ってモニターに映っている子供達を誉めた。

が、正直リンディは中々に冷や汗ものだったと思っていた。

 

(あれだけの魔力をぶつけて、ジュエルシードが壊れてしまうのではないかと思ったわ)

 

ジュエルシードはロストロギアと呼ばれる代物だ。

古代の遺産であるあの宝石達は、今の我々では分からないことが多い。だから、もし壊したりしたら一体何が起こるか分からない。もしかしたら案外何も起こらないのかもしれないが、最悪の想定は常にしておくべきである。

なので、リンディは特に問題もなく封印出来た事に安堵した。

 

『友達になりたいんだ』

 

そして、なのはから聞こえた言葉。

リンディは、なのはがフェイトを気にかけている事を知っていたから――まあ、皆知っている事なのだが――彼女の意志を尊重すべきだと思い、見守る事にした。

決して、そう言う事を言う前にジュエルシードを持って帰って欲しいだなんて思って無い。断じて。いくら何でもそこまで大人の都合を押し付ける程腐ってはいない。

そんな事を考えながら見ていると

 

ビー!!

 

と、警報が鳴り響いた。

 

「次元干渉!?」

 

エイミィが驚愕の声を出す。

 

「何者かが本艦及び、なのはちゃん達の所に魔法を放ってます!」

「何っ!?」

クロノもエイミィと同じように驚愕する。

そして、

 

ズガァンッ!!

 

アースラが魔法によって揺れる。

リンディは激しい揺れに耐えながら、なのは達の方を見る。まだ途切れていない映像には、紫色の雷を謎の波動が打ち消したものが映っていた。

 

一体誰が.....!?

 

そう誰もが思った時、その人物は急に現れた。

その姿は先日一応は味方になってくれた少年、天宮 悟だった。

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:悟

 

何とか咄嗟にかめはめ波を撃ってよく分からん雷を打ち消した。

いやー、危なかった。結構急に撃ったから、もしかしたら威力足りてないかもって思ったけど、大丈夫だったみたいだな。

とりあえず、向こうに行くか。行かないと、あのリンディって人に何か言われそうだし。それに、なのはちゃんや睦海君がいるんでしょ?知り合いがケガしたら寝覚め悪いしさ。

だから悟、行きまーす。

 

ビュン!

 

って空気を切るような音を出して、なのはちゃん達がいる方へ飛んでいく。

到着して周りを見ると、皆見覚えのある子ばっかりだ。

なのはちゃんと睦海君は分かる。あと、あのショートの金髪の子は確か俺がボロボロになった時に気絶してなかった子だったな。

んで、あの銀髪君は話した事無いからよく分からん。

それで、金髪のツインテールの子と、あのオレンジのやつ。こいつら、いきなりケンカ売ってきたやつらか?何だっけ?名前知んないや。

皆いきなり現れた俺にビックリしてる。

そんな驚くかね?

なーんか釈然としないなー。釈然の使い方合ってるか?俺。

 

そんな事考えてると、

 

ゴウッ!

 

またさっきの雷が落ちてきた。今度は俺に攻撃してきたみたいだ。

でも、残念。

 

バチィッ!!

 

殴るだけで相殺出来るっての。

って調子に乗ってたら

 

「キャアアアア!!」

「うあああああ!!」

「ぐあっ!!」

「ギッ!!」

 

なのはちゃん、睦海君、銀髪君、金髪ツインテールの子が、雷を喰らっていた。

しまった。俺に放った攻撃は囮だったのか。

俺があの攻撃を打ち消すと思ってたのかよ。邪魔したから苛立って俺に攻撃したとか、そんな単純な事じゃなかったのか。クソ!完全に油断した。

 

「フェイトォォォォォォォォォォォ!!!」

 

オレンジのやつが叫んで、金髪ツインテールの子を受け止める。って、俺も早く三人を助けないと!

フルスピードで三人を助けて、安心する。

 

「邪魔をするなぁぁ!!」

 

と、怒鳴るような声が聞こえたから、そっちを見る。

そしたら、オレンジのやつが、いつの間に来たのかクロノをぶっ飛ばしていた。

オレンジのやつは自分の手元を見て、驚いたようにクロノを見る。そして、悔しげな顔をした。

しかし、すぐに逃げようとしていた。

追いかけたかったが、子供とはいえ三人も抱えてるため、それは無理だった。

 

そして、そのままオレンジのやつは、金髪ツインテールの子を抱えて消えた。

 

(逃がしちゃったけど大丈夫かな?別に何も言われないよね?これで何か言われたら完全に理不尽)

 

なんてしょーもない心配をしていたら、

 

「大丈夫ですか!?」

 

と、声が聞こえた。

そちらを見ると、金髪のショートの子がこっちに来た。

 

「ああ。俺は大丈夫だけど、この三人は気絶してるから、早く休ませた方がいい」

 

そう俺が言うと、

 

「わ、分かりました」

 

緊張した感じに応えた。そんなに心配?別に命に別状は無いと思うが......。

 

「じゃあ、早くアースラに戻ろう」

 

いつの間にかいたクロノがそう言った。

クロノが魔法を発動して、俺達はアースラに戻った。

まあ、俺は違うけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はこんな感じでした。
なのはの気持ちがどんなものかとかは、次回書こうかなと思います。
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