陥没した地面の真ん中。少しガラクタが積み上がっているそこにイヴは居た。座り込んで、遠くを見ていた。
途中で強制的に入った通信もきっと彼の心の現れなのだろう、私達はその姿を見て武器を構えた。
「あぁ……来たのか………」
立ち上がった彼の周りにガラクタや機械生命体のパーツが集まる。顔からは何も感じ取れなかった。その静かさに私達も黙る。
「お前達も思うだろう?こんな世界…意味がないって。」
違う。自棄になっている。兄を失った事で生きる意味をなくしてしまったという顔をしている。
「イヴ」
「俺にとってはにィチゃんが…にいチャンダケガ…」
「……」
黒い顔に涙が流れたような気がした。表情は怒りと悲しみが混じって酷い顔をしていた。アダムを殺した時のような、胸の苦しさを感じる。
こいつも私が愛した"ニーアオートマタ"のキャラクターの1人だということを実感していた。
砂埃が酷くなる。いや、機械の嵐が私たちを取り囲んでいた。これは外に出ようとすると余裕で身体が切り刻まれそうだ。
「全部……消エテ無クナレッ!!」
「…すまない。」
私達は止まる訳にはいかない。
イヴの声と共に散開する。その中でイヴは私を狙った。硬いアンドロイドよりも私のような人間を切った方がいいと思ったのか怒りでそんな事考えていないか。
猪突猛進、突っ込んできて右フックがくる。金属で纏われた腕を両手で受け止めた。重い。そして近距離で弾幕が来る!
「ッ!ありがとう2B!!」
「無茶、しないで!」
「分かってる!」
2Bの支援が入る。機械の腕を斬り、私を重さから解放した。そのまま後ろに飛び2Bと9Sがポッドのレーザーを放つ。命中、されどダメージはさほど無さそうだ。先程よりも遥かに多い弾幕が迫っている。回避、殴って無効化、回避。
私は再び接近する。格闘武器が前線に出なくてどうするという気持ちもありながらイヴの腹を、頭を殴る。至近距離の攻撃はジャスト回避で避ける。もう一度後ろに下がって隙を見る。受け止めると動きが鈍るし攻撃も止む。ヒットアンドアウェイが大事。
「地面が!!」
「許サナイ…!」
地面が浮く。上の方でイヴは私を見下ろしていた。どれだけ跳ぼうが届かない。どうする。
「2人とも、私は他に出来ることがないか探しておく。君達は引き続き攻撃を頼む。」
「言われなくとも!」
2人が地面を跳んで、渡っていく。さて、上から降ってくる金属を避けながら私はやつにトドメを刺せるような方法を探そうかな。
最終的には2Bが頭を突き刺してAまたはBエンドであるがそれまで私が何もしない訳が無い。最小限、彼らの未来のためにイヴを攻撃する策が欲しい。
この空間にあるのは金属しかない。それもイヴにくっつくだけのである。他に何か…
「!」
金属しかない?こんなにも金属があるんじゃないか。
それらを寄せ集める。大きいものもある。この後は確か相手が1度回復、9Sのハッキングと彼らの攻撃により両腕の装備を剥がしていたはず。だがその影響で剣が折れ、イヴの体力を何割か削った後近距離攻撃と回避のモーションが出来なくなる。その中であの弾幕に耐えれる壁を作れば少しは役に立つかも。色んなところに邪魔にならないよう設置しておこう。
あとは…この金属の竜巻で出来た壁。これの威力を弱めたいが拳を突っ込む。その瞬間私の手は弾かれたかのように壁に触れることをやめた。これは無理そうだ。
「何してるの!」
「2B、イヴは。」
「回復してる…!?」
ガンガンと殴り機械生命体を取っ払うが意味はなく。全回復した様子のイヴに私はまだまだかと思いながらもう一度拳を構える。
「9S、ハッキングして相手の制御をどうにかすることとか…?」
「!それならできます。ただし時間がかかりそうです。」
「時間なら私と2Bで稼ぐ。上手くやれ。」
「分かりました!」
ここで私達が負けたら未来はない、そう自分に言い聞かせながら先程とは違う方法で攻撃をする。金属を活用出来ないかと思い、鋭めな奴を投げナイフのように使う。鋭くないとイヴの身体に引っ付いてただの強化になるから注意。投げては殴りを繰り返すと9Sのあともう少しだという声が聞こえた。
「100%!ハッキング開始します!!」
相手がぐらつく。一瞬、時が止まったかのように思えて1歩後ろに下がるのと同時にイヴが叫びながら私を殴らんと振りかぶっていた。
「イヴゥゥゥウウ!!!!」
それを後ろから9Sがハッキングして得た金属の腕で受け止める。両方破損、そのまま9Sは後ろに飛ばされていく。9S、と叫ぶがその私の横を2Bが通り過ぎる。
そして、もう1つの方の腕と剣が交差する。
爆発が起きる。風圧に耐え切れなかった私と2Bは受け身も取れず倒れていた。
「ニイチャン、ニイチャン…!!」
「2B、9S大丈夫か!?」
「ぅ、剣が、…」
いち早く起き上がり主人公達を見る。あちこち痛いが気にしない、それよりも奴を仕留めなくては。
2人は近距離武器を持たず、9Sに至っては感染している。攻撃手段はポッドのみとなった。
イヴが宙に浮く。あの高さなら届く。2B達が戦えない分私が頑張らねば。
「イヴ!!」
「ナンデ、ドウシテ!!?」
空中浮遊、私は跳んでイヴの頭をを殴りつける。それが効いたのか彼は落ちていく。それを追いながらもう一度拳を振る。今度は躱されもっと高いへと彼は飛んだ。
「さすがに無理か。射撃頼むぞ。」
「「了解。」」
ポッドの無機質かつ頼もしい声。2体同時にレーザーを発してイヴの身体に直撃した。呻き声が聞こえて金属の風が荒く、強くなる。イヴを中心とした爆発により私達は後退していく。
「警告:NFCS破損。近接戦闘が不可能。」
「くッ…!」
「無理すんな2人とも!」
足が痛い。さっきの爆発で飛んできた金属で私の全身は色んなところが傷だらけになっていた。私が作った壁に身を寄せながらポッドで攻撃をしかける。私も弾幕をできる限り壊しサポートをする。
「警告:FFCS破損。遠距離攻撃が不可能。」
「!周りが…」
息も絶え絶えの様子で2人は歩く。脚を引きずり、その先には地面で膝をついているイヴがいた。私も向かい、彼の目の前に立つ。
「…2B、その剣を私に。」
「……分かった。」
折れた剣を手に持つ。2Bの負う役割を私が承る。イヴの表情は見えない。
「ニィ…チャン……」
「…天国で、会えることを祈る。」
頭に、剣を突き刺した。音がなくなり、私の荒れた呼吸音だけが聞こえた。
「これで、全て終わった。」
この後、9Sは感染により2Bの手で始末される。そこから本当のストーリーが始まる。まだ私はスタート地点にも立っていないのだ。
「後は、」
任せた。
ぐらつく視界。体力も意識もとっくに消え失せていた。
9Sの目が赤くなり、それを見た後の記憶はなかった。
代理です。
この作品を読んで頂きありがとうございます。
ニーアの世界観を久々に覗きに来たので拙い文章ですが楽しんでもらえたらと思っております。
小説は難しいですね、昔にも書いていたのですが中々上手く書き表せないというか。
それでは引き続き、お楽しみ下さいませ。