スプリント戦線は今日も晴れのち地獄っす   作:冬眠復帰

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書いたことないタイプの主人公だから書くのが遅くなる……


夏だしみんなで遊ぶっす!

「トレーナー、なんで私は海行けないんすかね?」

 

「何度も言ってるだろう。ジュニアの時期は体ができていないウマ娘が多い。いい加減諦めろ」

 

「うえぇぇえ……」

 

 なんで聞いても正論しか返してくれないんすかね? 連れてってくれないならせめて甘やかして欲しいんすけど。

 

「カレンチャンさんの水着見たかった……」

 

「最近はプールでトレーニングすることも多いししょっちゅう見てるだろ」

 

「違いますー。室内で見るのもいいっすけど、白い砂浜! 青い海! 照りつける太陽の下で輝くカレンチャンさん! ほらーぜんぜん違うじゃないっすか」

 

 まったくもって分かってない。カレンチャンさんがカワイイのは当然だけど、ロケーションによって輝き方は変わるんだからついていかなきゃダメでしょー。

 しかもトレーナーは私がレースの予定がないからって向こうに付きっきりの予定だし。ああ、まるで邪魔者みたいな扱いに涙が止まらないっす……。

 

「下手なウソ泣きはやめろ。いや、それほんとにウソ泣きか? ひどすぎるぞ。それはともかく俺がいない間のトレーニングだが、本来なら共通トレーニングと自主トレだけで考えていたんだが……」

 

 なんすかね? 流れ的に合宿に行けるわけはなさそうだし、かといってトレーニングなしなんて訳もないし。

 

「サクラバクシンオーのトレーナーがな? 一緒に面倒を見るから参加しないかと言ってきた」

 

 はえ? ソレなんの意味があるんすか? そりゃこっちとしてはありがたいし、バクちゃんも私も距離は似てるからそこまで大仕事にはならないんでしょ。でも、文字通り同じ距離路線で戦うウマ娘を鍛えることになんの意味があるんすかね? 不思議に思ってるのはトレーナーも同じみたいっすけど。

 

「いやな? 複数のウマ娘、それも仲の良い者同士でトレーニングをすると、効率が上がるらしい。……おい、その顔やめろ。俺だってそんな話は聞いたことがない。精々併走がやりやすいとかその程度だ」

 

 仲良しこよしで強くなれるなら誰も苦労しないっすよ。これ断ったほうが良くないっすか? なんか怪しいっすよ。疑念なんてレベルじゃないぐらいの怪しさに眉をひそめたけど、トレーナーの方はちょっと違うみたいだ。

 

「個人的な感想としてはあいつは信用できるやつなんだ。独り立ちしてすぐの新人みたいなもんだが、熱意と能力は本物だ。間違ってもお前に不利になることはしないって断言できる。だがな……ウマ娘が話してるのを見て、閃いた! とか言ってトレーニング内容を変えるようなやつだからな。いや、しかし……それで効率が上がったとも聞くし……」

 

 どうやらバクちゃんのトレーナーはかなりの不思議ちゃんみたいっすね。でも、それはそれで面白そうっすね。楽しくもない共通トレーニングやってるよりは楽しそう。

 

「面白そうなんでそれ、受けるっすよ」

 

「言い出しておいてなんだが良いのか?」

 

「トレーナーが信用できるって言うなら私も信用できるし、何より面白そうなんで」

 

 決まってしまえば、後は簡単。予定も決めて後は一回会うだけらしい。バクちゃんとも友達だし大丈夫でしょ。置いていかれるのは寂しいけど、楽しみも増えたしがんばりましょー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて思ったんだけどさ、やっぱり寂しくて泣いちゃいそうだし、今度遊びに行かないっすか?」

 

「ふえ!? ラ、ライスと!?」

 

 夏合宿組は既に出発したけど、私達はまだ授業が残っているせいで面白くないっす。そんな訳で、昼休みにライスちゃんに絡んで遊んでいる。いや、からかってるわけじゃないっすよ?

 

「そうっすよ。ライスちゃんはライスちゃんじゃあないっすか。他にライスってウマ娘知らないっすけどいるんすか?」

 

「ライスも知らないけど……、そうねじゃなくてね、ライスといると不幸になっちゃうから……」

 

 ライス、ライスってなんか定食みたいで面白いっすね。今日はカレーライスにしようかな。それに不幸になっちゃうってなんすか。神通力でもあるんすかね? 聞いたら、走ろうとすれば雨が降り、信号を歩けば赤に変わる。他にも他にも。

 

「大変っすね。でも私は気にしなくていいっすよ?」

 

「で、でも……」

 

「ライスちゃん、強いウマ娘の条件て知ってるっすか? 強運を持っているか、運に左右されないほど強いか。どっちかにはなるんすよ。で私はどっちか確かめるのも面白いでしょ。それに不運ぐらいでライスちゃんと遊べないの面白くないですし」

 

 あれー? 当たり前のこと言っただけなのになんでそんな驚いてるんすかね? いいんすよ、難しいこと考えずにぱーっと遊びにいきましょ。

 

「どうして……、そんなにライスのこと、気にしてくれるの?」

 

「ライスちゃんと私って似てるじゃないですか。ほら、親近感ってやつっすよ」

 

「ええ……、身長も全然違うし、ライスは根暗だけどあなたは明るくて友達も多いし……」

 

 うーん、なんかうじうじしちゃった。簡単なことなのになー。

 

「ライスちゃん、自分が負けるなんて考えたことないでしょ」

 

「……え?」

 

 さっきのうじうじタイムの中でレースが勝っちゃうと周りを不幸にするなんて言ってたけど、いやー、中々言えるセリフじゃないっすよ。だって自分が絶対に負けることはないって思ってるでしょ?

 指摘しちゃまずかったすかね? 固まっちゃった。それに不幸なんて言ったけど、雨が降ったら傘を準備してないのが悪いし、赤信号ぐらいで遅れるなら計画性がなさすぎ。そしてレースで負けた程度で不幸になるならこの学園向いてなかったってことっすよ。補足説明まで付けてあげるなんていやー、私ってば優しさの塊っすね。正しく自画自賛してたライスちゃんがなんかキリッとした顔になってるじゃないっすか。それでも可愛いのはいいすねー。

 

「ライスも……、ライスも前を向いて良いのかな……」

 

「何言ってんすか。前向いてないと走る時危ないっすよ」

 

「うん……。ライス、走るね」

 

 いやーなんかいい顔になったすね。ぜひとも一緒に走りたいんすけど距離がね……。ライスちゃんの場合どう頑張っても同じレースを走れないのがねー。まあいいや、それはともかくお出かけの話を決めないと。

 

「気分も変わったところで週末遊び行けそうっすか?」

 

「もう、せっかくライスも頑張るって決めたのにそればっかり。週末予定大丈夫かお姉さまに聞いておくね。……他には誰か一緒に行くの? ライス嫌われてるから、迷惑かけちゃうかも……」

 

 もー、すぐそうやってウジウジモードに入るんすから。ひとまずライスちゃんのほっぺたをこねこねしながら他に行けそうなメンバーを考える。……ダメっすね、皆予定が入ってるって言ってましたし。

 

「こっちはあてがない感じっすね。ライスちゃんはどうっすか? 後ほっぺたすごいっすね。今日からもち米って呼んでいいっすか?」

 

「本当に呼んだら怒るよ? ……ライス、友達いないから……」

 

 うーん、もち米ちゃんまたいじけちゃった。このままじゃカビ生えちゃいますよ。

 

「そっすね、じゃ、もち……ライスちゃんが仲良くなりたいとか、気になってるウマ娘とかいます?」

 

「後でちゃんと怒るからね。……ブルボンさん。すごいかっこよくて、私なんかと……、ってあれ? いない?」

 

「ブルボンちゃーん、ちっすちっす。週末遊びに行かないっすか?」

 

「えええーー!?」

 

 うるさ!? ライスちゃんが一緒に遊びたいって言ったんすよ? せっかく同じクラスなんだし誘いにきただけなのに、ああああああやめてー揺らさないででででーーー。

 

「すみません、意味がわからないのですが」

 

「ライスちゃんがブルボンちゃんと仲良くなりたいらしんすよ。で私達週末遊びに出かけるんで、一緒にどっすか?」

 

 クラスがざわついてるのが聞こえてくるっすね。確かに今までブルボンちゃんがクラスで事務連絡とか以外で話してるのあんまり見ないもんね。バクちゃんとかフラワーちゃんが話しかけるぐらいっすかね?

 

「仲良くなる意味がわからないのですが」

 

「……ごめんなさ……、いっ!!」

 

「はいはい、逃げちゃダメっすよ。でブルボンちゃんも端折りすぎっすよ。ちゃんと話さないと友達できないっすよ?」

 

 逃げ出そうとするライスちゃんの尻尾捕まえて。頭の上にはてなが浮かんでそうなブルボンちゃんに助け船をだす。コミュニケーション取りましょうよー。

 

「回答、私と仲良くなってもライスシャワーさんにメリットがあるとは思えません」

 

 ほら、やっぱり話し方がちょっと硬いだけの普通のウマ娘じゃないっすか。で、ライスちゃんもちゃんと話さないとだめっすよ?

 

「あのね……? ブルボンさんが走ってるのをみて、かっこいいなって、ライスもブルボンさんみたいにかっこよくなりたいなって思ったんだ……」

 

「それがなぜ、共に外出することに繋がるのでしょうか。説明を求めます」

 

 硬い! 硬すぎるっすよ。そんなのウマ娘が仲良くなる方法なんて、レースを走るか、遊びに行くかの二択でしょ。さあ、一緒に遊びに行くっすよ!

 

「……私とライスシャワーさんは違う部分も多く、友人はなれないと判断します」

 

「だめっすよ。別になんでも一緒がいいわけじゃないっすよ? えーと、確かフラワーちゃんと同室だったっすよね? 走る距離が違うからフラワーちゃんとは仲良くなれないっすか?」

 

「いえ、フラワーさんは優しく、とてもいい人です。それに適性距離は関係ないのでは?」

 

「そういうことっす。私だって趣味も違えば好みも違うけど友達って子はいっぱいいるっすよ? はい、ライスちゃん。そろそろバトンタッチ」

 

 それは詭弁では? なんて正気に戻りかけているブルボンちゃんを押し込むためにライスちゃんの背中を押す。

 

「ブ、ブルボンさん! ライスと一緒に遊びに行ってください!」

 

 

「……申し訳ありません」

 

 これでもだめかー。

 

「週末はマスターとトレーニングの予定が入っています。来週末なら空いていたのですが」

 

 思わせぶりなことを言うブルボンちゃんのほっぺたをウリウリと突っついて、来週末の予定が決定したっす。一緒に連絡先も交換しておいてっと。いやー楽しみっすね!

 結局注目を集めながら話してたせいで、他にも他にもとどんどん集まってきて大人数になっちゃった。ライスちゃんの宣言通り雨降っちゃったから、みんなで仲良くボウリングに行って、その後ファミレスでぐだぐだするハナの女子学生の黄金パターンで。軽い遊びのハズがウマ娘しかいないもんだからボウリングはみんなマジになりすぎて大変なことになったっす。優勝は一回ストライクを出してから連発しまくったブルボンちゃんの優勝になりましたとさ。おめでとー!

 

 

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