「スナイパーにとって大切なのは如何に相手に位置を捉えさせずに一発を当てるかだと思っている。一発撃ったらすぐ移動しどこから撃っているのかを特定させない。その為の君達だ」
俺は今隠密部隊にスナイパーライフル(SR)の使い方を教えている。ドワーフに頼んだ改造銃はまだ出来たという報告は無いが少しでも銃の命中率を上げる為に訓練をしている。アサルトライフルなら前に撃っていればいつか当たると思うがスナイパーは別だ。如何に一発を当てるかが大切だと俺は思っている。銃の知識なんかそこまで無いので二次元で得た知識を元に教えているが大丈夫だろうか。
スナイパーで弾を当てるには生半可な技術では当てられない。数キロ先の突っ立っている的に当てるだけでも、風の速度、向き、気圧、銃弾の速度、目標の大きさ、その他多くの障害を乗り越え、始めて当てる事ができる。俺でも当てるのは難しい。魔法による補助を用いても当てられる確率は五十パー前後。
さっき言った一発撃ったらすぐ移動はそれをほぼ百パーセントでくる様になってからだ。それまではまず目標に当てることから始めようと思ったが・・・、どうやら隠密部隊に所属している奴の殆どがスナイパーの適性があったらしい。突っ立っている的に当てるのは皆できるようになってきた。
だから次の課題はスナイパーを持ったまま動き回るものにしている。実際に持ってみたら思ったより重くてびっくりした。と言っても俺たちは魔法を使えるので体力を増やす必要が無い。魔法で身体強化をすればスナイパーを片手で持つ事もできる。
今は、銃を持ったまま走る事に慣れさせている。その為に走らせているのだがこの世界の住人は一体どうなっているのだろうか。すぐ慣れる。俺とは大違いだ。まあ、それは悪いことでは無いと思うが。
これが完全に出来たら次は、偏差撃ちの練習だ。と言っても偏差撃ちは自分の感覚を信じるしかないと思っている。だから沢山練習して貰いたいのだが、練習する場所が無い。施設を作るとなっても時間が掛かるし、かと言っていきなりやれと言うのも酷な話だ。
こればっかりはスナイパーに慣れてもらうしか無いと思い、この世界での任務(食料調達、魔物狩り、その他多数)にスナイパーを持っていって使わせようとした。これなら実践形式でスナイパーを使える為、少しは腕が上がる。
それにしようと思い早速隠密部隊に提案した所、彼女達は了承してくれた。
次はアサルトライフル(AR)について。これはそこまで難しくない。とりあえず前に撃つ訓練だ。全弾命中なんか狙わずに大勢で敵に撃ち込み前に進んでいく方が強いと思ったからだ。最初に教えた銃の持ち方、標準の定め方などを守りながら前進し、敵に撃ち込む。こっちの世界の兵士は少し前まで戦争をしていた影響で地球の軍人より強靭な肉体をしている。
その為、足並みを揃え前進すると言う行為はすぐ出来るようになった。今まで近距離の詰め方を遠距離に変えるだけなのでチームワークはもともとある彼らにとっては簡単な訓練だったらしい。
SRとARの使い道を教えてきたが勿論この二種以外にも銃は存在する。しかし今のところ二種以外の銃を使う予定はない。何故なら俺たちには魔法があるからだ。魔法を使う部隊は元々いたが今は全員、俺の傘下の一つである魔法部隊に所属してもらっている。一度の全員を見た方が効率が良いからな。
魔法を使うに当たって絶対に必要になってくるのが、魔力と想像力だ。体内に存在している魔力を使って魔力の形を想像する。その魔力の形を体外に放出し操る事で魔法を撃つ事ができる。
なので人それぞれ魔法が違う。同じ炎魔法でも炎の大きさ、熱さ、形、込められた魔力量などが違う。
その性質上、地球人には初見殺しができるので地球人が魔法になれるまでは改造銃を使わず、魔法部隊を主力にしていくつもりだ。
魔法を撃つ上で一番大切なのは魔力だ。魔力がないとそもそも魔法を撃つことが出来ない。その為、魔法部隊には魔力を上げる訓練をしてもらっている。やり方は簡単だ。
魔力が体内から無くなるまで魔法を使い、無くなった所でポーションを飲む。ポーションは無くなった魔力を上げる事ができる液体だ。魔力は使えば使うほど体内の魔力量が多くなる。体内の魔力が完全に尽きポーションを飲み一気に回復させると自身の魔力量より僅かに多く回復してくれる。それを繰り返して体内の魔力量をあげようとしている最中だ。