魔術師から呪術師に変わった男の伝説   作:Aゼノン

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第壱話 はじまり

「呪術師にならない?」

 

一人の女性にこう問いかけられた。

 

女性に問いかけられた前の出来事である。

俺は、魔術師の家系に生まれ、家系の魔術を引き継くという運命である。俺は嫌だった。他人に自分たの運命を決められるのが嫌だった。それに魔術で人を助けることはできない。

 

それをわかってくれる仲間がいた。彼女達は俺を家から抜け出してくれた。

 

それが、災いを呼ぶことになった。

 

「優里!逃げて!」

 

「芽衣ぃぃぃーー!」

 

仲間が殺された。最愛の仲間である月輪芽衣が殺された。殺した相手は、親頼みで引き受けた魔術教会の魔術師である。

 

「日高優里。あなたは日高家の魔術を引き継く子。逃げるのはいけない。それに赤の他人に魔術のことを話したことは、彼女達を始末する対象となる」

 

一人の魔術師はそう言った。他人に魔術のことを話せば、魔術の質が大きく下がる理由で芽衣達は殺された。

 

「魔術のために俺の大切な人を殺したのかよ!?」

 

「しょうがないことだ。魔術の未来のため、知られれば魔術は弱まり消滅する。それは貴様も知っているはずだ?」

 

「知らない。クソ親父は、そんなふざけたことを教えてくれなかった!」

 

「あえて教えずに子の大切な者を奪う算段か…」

 

俺は怒りしかなかった。そんなふざけた理由で、大切な仲間を殺されたこと。クソ親父がその理由を教えなかったことを。

 

「ふざけやがって…親父もお前ら魔術師も…人の犠牲で魔術の未来を存続させるために汚い手を使って…俺は絶対許さない…人を都合のいい理由で平気で殺す…お前達のような奴に!」

 

俺はそれを喋った後、俺の影から一人の女性が現れる。ロングの髪をしていて赤い鬼の角が生えている。

「な、何者だ貴様!?」

 

女性は何も言わずに刀を抜き、魔術師一人一人の首を切っていった。

 

そして、気づいた時には…周辺が首がない魔術師達が倒れていた。

 

「ひどい有り様ね。少年…」

 

俺の後ろから金髪の女性が現れる。見たところ、タッパ(身長)とケツ(尻)がデカい。

 

「これあなたがやったの?」

 

「いいえ違います。これをやったのは、自分の影から出た女です」

 

俺はそう答えた。

 

「気配からすれば、呪霊がやったようね。一級二級呪霊じゃなく、特級呪霊…厄介な奴にとりつかれたようね?」

 

女性はそう答える。俺は何のことかさっぱりわからない。今の俺は今の状況のことをあまり把握できていない。

 

「あ、あの!あなたは?」

 

俺はそう言った。見ず知らずの女性に助けられて、誰なのか知らないと、その女性が魔術教会の魔術師である可能性がある。

 

「私は…通りすがりの綺麗なお嬢さん!」

 

「真面目に話してくださいよ…」

 

冗談好きそうな女性だ。話すに苦労するな。

 

「じゃあ、ちゃんと話すね…私は特級呪術師 九十九由基て言えばわかるかな?」

 

「じ、呪術師!?」

 

俺は驚いた。呪術師は怨霊とか悪い霊を払う人。それに魔術師と似た者同士に見えて、魔術師からすれば絶対認めない存在だと思える。

 

「その驚き方だと、あなた魔術師関係があるようだね?」

 

「はい」

 

「詳しく聞かせてもらおうかな?」

 

俺は自分の家系のことと、今あったことを話した。

 

「なるほど…悲惨だね。彼女達があなたの呪縛を解くために犠牲になったなんて」

 

「呪縛?」

 

俺はその言葉が引っかかる。九十九由基はこう言った。

 

「あなたは親の都合のいいようにされていたの。あなたの家系の魔術を伝承させるために。子であるあなたの意見を聞かず。自由を奪われて、選択権も与えられない」

 

それが、俺にかけられた呪縛。彼女の言うとおりだ。俺は、ずっと親の言うとおりにしてきて、いつの間にか嫌気がさしていた。芽衣達は、そんな俺のために動いてくれた。結果、俺のせいで芽衣達は死んだ。

 

「これからどうするの?まだあの家にいるつもりかな?」

 

俺は黙った。何せ芽衣達が死んだのは、俺のせいだ。俺が生きている価値があるのか?自害したほうがいいのか?自分の脳に過るのは、この2つだ。

 

「自分のせいで仲間が死んだと思ってるね?生きてる価値がない、死んだほうがいいと?」

 

「なんで俺が考えてたことを!?」

 

心を読まれた。俺が今考えてたことを。

「顔でわかるよ。これは、私の意見だけど、仲間達の分も生きればいいんじゃない?責任持って死ぬなんて、仲間があなたのために死んだ意味がないよ?」

 

彼女はそう言った。「死んだ意味がない」芽衣達は、俺のために動いた意味がない。

 

「俺は家には戻りません。しかし、俺はこれからどうすればいいですか?」

 

「そうだな…うーん…あ、君にいい提案がある!」

 

彼女の提案とは何なのだ?予想がつかないことこそが不気味である。

 

「あなたも呪術師にならない?」

 

彼女はそう提案してきた。

 

「私はあなたに自由を与えるよ。魔術師のように縛られた世界じゃなく、呪術師のように自由に生きられる世界に!」

 

俺はあまり理解できなかった。提案した理由がめちゃくちゃだ。けど、俺の心はそれを良しとした。彼女なら、俺の存在意義がわかるかもしれない。なら、答えは一つ

「呪術師になります!俺の存在意義がわかるなら、人を救えるような自由な呪術師になります!」

 

それが、俺の答え。彼女は笑顔で頷いた。

 

「よし!なら、今日からあなたは私の弟子で私の家族よ!」

 

「え?家族?」

 

「細かいことは気にしない気にしない!名前は?」

 

「日高優里です」

 

「ユウリ?女の子っぽい名前だね!」

 

まあ、よく女の子っぽい名前って言われるが、聞き慣れているからいいや。

 

「優里!これから、よろしくね!」

 

彼女は手を伸ばし、握手を求めてきた。」

 

「はい!九十九さん!」

 

「自己紹介は終わったし、さっそく質問!あなたはどんな女が好みかしら?」

 

「へぇ!?」

 

ここからが俺の呪術師の伝説が刻むことになる。

 

続く_

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