訪ねてきた客が帰る。
ここから今日の仕事が始まる。
「注文はなんだったのだ?」
ミトラの問いに
「手紙を届けてほしいってさ。」
ザンデが答え
「あぁ、俺が行くよ。場所は?」
ファーラントは手紙を手にすると爽やかに笑いながら、颯爽とママチャリで出て行った。
「注文はなんだった?」
ザンデの問いに
「ピザを一つづつ、全種類だそうだ。」
ミトラが答え
「全部ぅ?何処のアホだ!!」
怒髪天を衝く、といった表情のエルドは仏頂面でヘルメットもかぶらずに宅配バイクを無駄にふかして配達に出かけた。
「注文はなんだったのだ?」
ミトラの問いに
「タチの悪い連中をシメて欲しいってさ。」
ザンデが答え
「手加減は要らねえな。」
ニヤリと哂いながらでかいバイクにまたがったアドニスも、これまた無駄にふかしまくり黒い背中はどんどん小さくなっていった。
「注文はなんだった?」
ザンデの問いに
「砂利を運んで欲しいらしい。」
ミトラが答え
「行ってくる。」
キーを人差し指でくるくると回しながら、何故かドレス姿のセレスは優雅にダンプに乗り込んだ。
「注文はなんだったのだ?」
ミトラの問いに
「イノシシの罠。急ぎだって。」
ザンデが答え
「アタシが送るわ。」
「じゃあ俺も。」
不思議な事に姉と同じく何故かドレスを着ているフィレスが乗り込もうとしてい「る真っ赤なスポーツカー。その助手席に乗り込もうとしたゼノン。
「ファルクス乗せて行ってくる。」
そんな彼を容赦なく振り落とすと、フィレスはさっさと出発した。
「ロゼッタのは間抜けだなあ。」
フィレスとゼノンの様子を見ながら口を開けて楽しそうに笑うソロンが乗る軽トラ。トラックの荷台から何やら声がする。
「おい!この扱いは何だ!!」
アルムが腰を上げながらゼノンに猛抗議をする。
「害虫が大量発生したから、野焼するんだってよ。」
「だから!俺の質もん」
「行っくぜぇぇぇーーー!!!」
「おごっ」
ソロンの急発進により、アルムは荷台でスッ転んだ。
「今日もミッドガルドは平和だなー。」
みんなを送り出した後、空を見上げながらうーんと伸びをするザンデは、しみじみと言った。
「それは何よりだ。」
三角帽子を取り、同じく空を仰ぐミトラが眩しさに目を細めながら返事をする。
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今、ミッドガルドは御中元シーズン真っ盛り。
無理難題も何のその。
送るものは何でも送ります。
真心こめてあなたの町へ、あなたの両親が住む村へ。
三角帽子のロゴマークは、数多のライバルを蹴散らし今日も行く。