細石   作:moon

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「王呼の秘法」の独り言

やぁやぁ、僕は王呼の秘法だよ。

いや、「君しゃべれるの?」とかそんな質問はしないでくれよね。

出自は失伝魔法なんだけど、「誰でも彼でも出来るんかい!!」

みたいな事を、・・・まぁ色々言われてるけど、

僕は「王が」「呼ぶ」「秘めたる」「法」だからね、そこんとこヨロシク。

 

でさぁ、「王」たる者のみが僕を呼べるわけさ。

オーディンはヴァルハラの「王」だろ。

ブラムスも不死者の「王」だし。

だから僕を呼べる訳さ。

ま、スルトもヘルも呼べるけど、呼ぶ気が無いみたいだよ。

その方が僕としても有難いんだよね。

しょっちゅう呼ばれても困るー、みたいな気分が僕にもあるのさ。

だってさ、安売りしてるみたいだろ?

僕の価値が下がるー、的な気分だったのさ。

同じ出自の仲間にも「安っぽいのぅ、お前は。」とか

「あんたのせいであたしらの価値がガタ落ちだわよ。」

なんて文句を言われてるんだよ?

正直、気持ちはブルーさ。

 

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で、例の人間達が僕を発動させた事件。

ありゃ、参ったよ。

「人間」はともかく「王」じゃ無いじゃんか。

でも呼ぶだけの魔力はあったから、渋々登場したんだよ。実は。

僕にもプライドがあるからさ、魔術師達をぶっ飛ばす予定だったのさ。

「逆喰い」と言ってね、まぁその何だ、術が跳ね返るって言ったら早いかな。

適当な存在に転生させちゃう事なんだけど。

 

そしたら不死者王がぶっ飛ばしちゃった。

「初めから不死者王が呼べばいいじゃんか。」

これ、僕の気持ち。

あ、内緒にしてもらえたら喜ぶよ。

それはこっちに置いといて、と。

 

「王」でない存在に呼びつけられて、しかもぶっ飛ばす予定を壊されて

正直固まってしまったよ、僕。

固まった上に不死者王が僕を崩しにかかるしね。

思考回路が停止した状態でこっちも抵抗する訳さ。

僕自体は完璧な発動では無かったよ。

だって「王」が僕を呼んだ訳じゃないからね。

でも力場は安定してるから、それなりにキツかったと思う。

 

僕は分身の術が使えるから、不死者王が呼んだら完璧な状態で発動出来たね。

不死者王は魔力の知識があるからさ、僕を部分的に扱えたり出来るのさ。

不死者王とヴァルハラの王は僕の仲間を沢山知ってるしね。

でも自分自身が発現した直後だったし、

僕が不完全状態てのはすぐ判っただろうから

取りあえず崩しにかかったんだと思うよ。

崩した上で発動させる気だったんじゃないのかな。

そうこうしてる内に・・・後はみんなが見たとおりさ。

 

オーディンはこれ幸いに長女の転生先をヴァルハラにしちゃうし。

眼鏡魔術師は三女をかっさらって行くし。

不死者王は僕みたいに固まるし。

滅茶苦茶な状態だったね、いや、ホント。

 

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頼むからさ、もう少し僕を大切に扱ってくれないかな?

「王が」「呼ぶ」「秘めたる」「法」に全然なってない気がするんだよね・・・。

「もちっと大切に扱えよ!呼ばれても出てやんねえぞ!!」

 

あ、これも内緒にしといてね。

 




「王呼の秘法」は言うだけ言ってスッキリしたらしい。
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