【本編完結】転生したらブラック鎮守府の時雨だった話 改   作:chanhaya

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13話 駄目天使時雨の日常③

自室に戻ると、相部屋の夕立がいた。どうやらさっき食堂で晩飯食ってきたようだ。

 

「おかえりっぽい〜」

 

「ただいま」

 

「時雨、お風呂入るぽい?」

 

「うん」

 

「じゃあ一緒に入るっぽ〜い」

 

「いいよ」

 

僕は寝間着を取り、脱衣所に向かう。

 

脱衣所なので当然服を脱ぐのだが、鏡が設置されているのと他の艦娘達も服を脱いでいるので1年半経ってるのにまだ慣れない。

 

そのため全力で目を背けながら服を脱ぐ。

 

「おーい、時雨。早くするっぽい」

 

「ごめんすぐ行くよ」

 

急いで脱ぎ、タオルを持って浴室に向かった。

 

浴槽にはお湯が張ってあった。僕はシャワーを浴び、湯船に浸かる。

 

「あぁー……」

 

やっぱり湯船はいいよね。疲れが取れる気がするよ。それから10分ほど浸かり、身体を洗う。

 

「時雨、背中流すっぽい」

 

「んー、じゃあお願いしようかな」

 

「任せるっぽい!」

 

夕立は僕の後ろに立ち、スポンジで優しく撫でるように洗い始める。

 

とても気持ちいい。

 

「痒いとこないかしら?」

 

「大丈夫だよ」

 

「じゃあ次は前よ♪」

 

「えぇっ!?前は自分でやるからいいよ!!」

 

僕は慌てて逃げようとするが、あっさり捕まり、胸までしっかり洗われてしまった。

 

「時雨の肌すべすべしてるっぽい」

 

「ちょ、ちょっと!もういいでしょ?」

 

「まだまだこれからよ」

 

「やめてー!!やめてくれぇー!!」

 

結局僕は隅々まで綺麗にされてしまいました(白目)

 

この醜態を見せつけながら「こいつ前世男なんですよ」と紹介されてそれを信じる人がどれほどいるだろう。いないだろうな。多分。

 

ちなみにこの後めちゃくちゃ湯船でイチャイチャした。嫁時雨が般若さんの幻覚を発生させてきたが、気にしてはいけないのだ。

 

 

風呂から出た後は髪を乾かし合いっこして就寝時間になったのでそのままベッドに入った。

 

ちなみに夢の中で嫁時雨がハイライトの消えた目で見つめてきたがスルーした。だって怖いんだもん。

 

 

【挿絵表示】

 

 

防空棲姫が「ナンダコノ痴話喧嘩ハ……」と言って嫁時雨にしめられていた気がするが、僕は何も見ていない。いいね?

 

 

 

 

翌日。僕は執務室で提督と仕事をこなしていた。(ちなみに現在午前11時)

 

「私と一緒に大本営に行くぞ」

 

「了解。てか仕事は?」

 

「終わったよ」

 

「早いな」

 

「まあな」

 

提督は最後と思われる書類に判子を押し、引き出しにしまう。

 

「よし、これでOKだな」

 

「じゃあ行こうか」

 

「おう」

 

僕達は部屋を出て、エレベーターに乗る。そして地下に降り、外に出た。

 

「おお、寒い」

 

「そりゃ冬だからね」

 

僕はマフラーを巻き直し、歩き出した提督の隣に並ぶ。

 

「しかし、なんで急に?なんかあった?」

 

「最近深海棲艦の侵攻が激しくなってきているだろ。それで、提督会議があるんだ」

 

「へー」

 

「それにお前も連れて行く」

 

「僕が?何で?」

 

「私の秘書艦としてだ」

 

「……分かったよ」

 

……どうせ拒否権はないんでしょ?分かってますよ。あ~大本営のアホンダラどもが。

 

そんなこんな話しているうちに車に乗り、大本営に着いた。

 

駐車場に入り、車を停める。そして、僕らは建物に入っていった。

 

「お久しぶりです先輩」

 

「ああ、久しいな。元気そうじゃないか……俺と違って」

 

提督に先輩と話しかけられたハg……いや坊主頭を軍帽で隠している男性はため息を吐いた。

 

「ん?荻原、こいつお前の秘書艦か?」

 

「そうだ」

 

「ほう……」

 

「初めまして、荻原提督の秘書艦の時雨だよ」

 

「俺は串本鎮守府提督、石川公爾中佐だ。よろしく」

 

握手を求められたので応える。

 

「時雨、彼は私の先輩で、学生時代に美術の時間に先生の一物を描いて『芸術作品』と言って提出したらその絵が最優秀賞を取ったという伝説の持ち主なんだ」

 

「ぶっ!」

 

「……時雨ちゃんだったかな?」

 

「何だい?」

 

「いや、横須賀も元ブラック鎮守府って聞いたけど、うちの時雨と違ってビクビクしてないなって思ってさ」

 

「まあ、色々とあったからね」

 

「ほぉー。ん?…そろそろ時間だな。会議室行こうぜ」

 

「あぁ、そうだな。じゃあ時雨、ついてこい」

 

「うん」

 

 

 

僕達が会議室に着き、扉を開けると既にほとんどの提督とその秘書艦は着席していた。

 

その中には前世で同期だった東郷優司少佐の姿もあった。相変わらずパッとしない普通顔してんな。

 

「遅かったな。早く座れ」

 

僕達も空いている椅子に座り、山本元帥がホワイトボードの前に立つ。

 

「ではこれより定例会を始める。まず最初に、深海棲艦が今までにないほど強くなっているという報告が上がっている」

 

「それについてはこちらの資料を見てほしい」

 

一人の提督が資料を配り始める。

 

そこには「これまでに確認された新型深海棲艦」という題目で書かれていた。

 

・戦艦ル級改フラッグシップ

・戦艦タ級改フラッグシップ

・戦艦レ級改フラッグシップ

・空母ヲ級改フラッグシップ

・重巡ネ級エリート

・駆逐ナ級

・戦艦棲姫改

・戦艦新棲姫

・戦艦水鬼

・空母水鬼

・装甲空母姫

・中間棲姫

・中枢棲姫

 

ちなみにこれらは全て本土近海で確認されている。

 

「今のところ本土には到達していないが、いつ上陸してくるか分からない状況だ。そのため、各鎮守府の戦力の強化を図る必要がある」

 

「具体的には?」

 

「全ての艦娘の練度向上。そして、新しい海域の攻略だ。あと、鎮守府の数も増やす」

 

「提督の数を増やして大丈夫なのか?」

 

「正直これ以上は不安しかない。だが、このままだといずれ日本は沈む。ならば少しでも生存確率を上げるために戦力を増やすしかあるまい」

 

「確かにな……」

 

「以上だ。何か質問はあるか?」

 

「はい」

 

「どうして東郷少佐は秘書艦を連れてきたのでしょうか」

 

そう、僕も気になっていたのだ。たしか東郷のやつは10年くらい前に艦娘のいない窓際の鎮守府に左遷されたはずなのだ。なのになぜここにいるのか。

 

「轟沈したはずの銚子鎮守府の朝潮が海岸に流れ着いていたので引き取りました。銚子鎮守府の提督は逃走中に死亡…じゃなくて名誉の戦死を遂げられたので文句はないでしょう」

 

「な、なるほど……」

 

「他に何かないか?」

 

特にないようなので定例会は終わった。

 

「では、これで終わりだ。解散」

 

提督達は次々と会議室を出ていく。僕も帰ろうとした時だった。

 

「おい待て」

 

振り向くと、そこには舞浜鎮守府提督の齋藤哮一少将がいた。

 

「お前が荻原の秘書艦の時雨か」

 

「はい。あなたは?」

 

「俺は舞浜鎮守府提督の齋藤だ。よろしく頼むよ」

 

「よろしくお願いします」

 

「……」

 

「あの、どうかしました?」

 

「いや、すまん。杉野という知り合いに仕草が似てたもんでな。気にしないでくれ」

 

……え?なんでこの人わかんの?本人だよ?

 

「それで、どういったご用件で?」

 

「いやさっきのが本題だ。すまん戻っていいよ」

 

「なら失礼します」

 

僕はその場を後にする。

 

どこからか睨むような視線を感じたが、無視して横須賀に帰った。




石川公爾のモデルは変人な天才と名高い石原莞爾です。

後日談書きたいんですが、読みます?

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