【本編完結】転生したらブラック鎮守府の時雨だった話 改   作:chanhaya

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60話 深海神風

 

 

 

「……君には失望したよ」

 

時雨は艦娘でなくなった神風に躊躇なくメツェライの銃口を向け、引き金を引いた。

 

 

メツェライの弾丸で吹き飛ばされるのは神風の頭だった。そう、それは誰でもわかる。だが、その前に時雨の腹が切り裂かれた。

 

「グハッ!?」

 

時雨の腹を切り裂いたのは神風、いや深海化し、髪と肌が白くなった神風の短刀だった。

 

後ろに倒れようとする時雨。神風はメツェライの弾丸で吹き飛んだ頭を再生させ、立ち上がった。その手には短刀が握ってある。

 

時雨は口から血を吐きながらも倒れるギリギリで踏みとどまり、神風と相対する。すでに腹からの出血は止まっていた。

 

二人は睨み合う。時雨は今すぐ逃げれば助かるかもしれない、そんなことを考えていたがすぐにその考えを捨てた。彼女は自分を道ずれにして死ぬつもりだ。それを妨げるわけにはいかないと思ったのだ。彼女はもう、生きること(ニンゲンであることを)を諦めたのだと。

 

時雨もバケモノとはいえ、一応艦娘である以上痛いものは痛く、苦しいものなのだ。時雨はそんな自分と同じ境遇に立たされた神風に同情しつつも殺意を向けたまま、彼女と対峙し続ける。

 

神風は短刀二本を十字に構え、両目から青紫の光を放ちだす。まるでアンデルセン神父のようだった。

 

時雨はそれに対抗すべくメツェライと南部拳銃を逆十字に構え、12.7センチ単装電磁砲二門も展開。右目を赤黒く光らせ、左目のあった場所から赤黒いスパークを放つ。まるでアーカードのように……いや実際二人の戦い方は正にそれをなぞっているのだが。

 

二人が同時に飛び出したのはほぼ同じタイミングだった。

 

時雨は二丁拳銃とレールガンを接近してくる神風に向けて撃ちまくる。この至近距離では外す方が珍しいだろう。

 

神風は時雨の攻撃によりもみくちゃにされたが、撃たれたそばから再生する。そしてそのまま時雨に向かって突撃し、時雨の腹に短刀をぶっ刺した。

 

時雨は二丁拳銃で神風の短刀をぶっ刺してきた方の腕を吹き飛ばす。腹から微妙に臓物がはみ出ている来ている気がしたが、気にしない。

 

どうせ後で治るんだ。気にしても仕方がない、彼女はそういう思考をしているからだ。

 

そう思って時雨は再び攻撃に転じる。神風に向けて艤装のテールワイヤの刀身をぶっ刺すが、それは彼女の短刀によってあっさり受け止められてしまう。

 

そしてその刃は時雨を真っ二つにしようと動くが時雨はそれをレールガンを撃ちこんで無理やり止めた。

 

神風は再び斬りかかる。確実に真っ二つになるコースだったが、時雨はテールワイヤを立体機動装置のように使ってビルの壁に飛び移り、なんとか回避に成功する。

 

「ちぃッ!」

 

流石に対応されにくい軌道を選んだはずなのに……、神風はその事に苛立ちながら次の攻撃を仕掛ける。彼女は時雨が着地したタイミングで空中へと飛ぶ。

 

時雨はメツェライとレールガンを撃ちまくるが、全て無効化され、神風の短刀の一本が首を狙っている事に気付いたが、避けきれず首元に突き立てられた。

 

「グッ…………」

 

首を貫かれ大量の血を流した時雨は今度こそ自分にとどめを刺そうとする神風を見ながら意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side時雨

 

 

真っ暗な空間で、僕は目を覚ました。

 

ここはどこだろうか。僕は死んだのだろうか。死ねたのだろうか。

 

僕は立ち上がると、一つの人影を見つける。

 

「あれは、誰だ」

 

それは少女のようにも見え、壮年の男性のようにも、若者のようにも、少年のようにも見えた。

 

「あれは、誰だ」

 

そこで僕はようやく気付いた。

 

「……ああ、あれは……僕だ」

 

そこに居たのは、かつての自分自身だった。

 

 

 

 

 




はい、これ初めてテイルワイヤが活躍した話です

後日談書きたいんですが、読みます?

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  • 読まない
  • どうでもいい
  • 蛇足だから書くな
  • 串本の白露の話を書け
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