ロリコン疑惑の魔女使い 作:蒼水城
「マジで何でこの世界って何だろ……」
多分異世界へと何故か転生し、今歳16歳。 この世界ってなんなんだろ、マジで。
「ハァ……なんつうか、辛い」
【♪】
最後の記憶は遊戯王と言う
【♪】
人生はそんなにも甘く無い様で、俺は否応なしに遊戯王に関わる事となってしまった。具体的に言えばまず、この世界のルールは割と遊戯王中心に回ってる場合が多い。……いや、おかしいだろ。何で勝負の勝敗でその人のこれからの人生だとか魂とか色々と、決まるんだよ。皆たかがカードゲームに人生賭けすぎ。俺も小学生の頃、近所のカードショップ近くにあった八百屋へお使いに言った時にそこに屯ってた世紀末ヒャッハーのようなヤンキー共に突然"ここから先に近づかねぇ方が良いぞ坊主、なんたってこれから血を血で洗う闇のゲームが始まるんだからなぁ"って具合で言われたんだからな。それもそこに屯っているヤンキーどもは揃いも揃って遊戯王のデッキ持ってたし。その当時は遊戯王流行ってんのかな? 程度に考えてたけどその後、紆余曲折あってそれに巻き込まれてマジで闇のゲームしてるって知ってビビりまくってたからなぁ。あ、あとそん時に話したヤンキーは飴玉くれてギャップがヤバかった。もらった飴ちゃん、美味しかったけどお祖母ちゃんが持ってるような渋い物だったなぁ。
それはともかく。
その紆余曲折ってのが今俺の肩の上に肩車状態で勝手に居座ってるこのクソガキに関係する事だったりする。
「……なぁ、そろそろマジで降りてくれない? 流石に重くてつら────」
【ッ!】
「────痛い痛い、暴れるなッ!」
こいつはヴェル。勝手に俺がそうコイツのニックネームとして言ってるだけだが、正式名は―――――ま、長すぎるのでまた今度。とにかく言いたいのはコイツが無駄に長い名前の幼女って事だ。そんでもってそんな無駄に長い名前を持ち、現実離れしたほど整ってる容姿をしている事からただの幼女ではない。コイツの正体は実はカードの精霊と呼ばれる、一言で表すに超常の存在だ。
「ごめんって、これで許してくれ」
【──! ────♪】
暴れ出したので落ち着かせる為、俺は常用にしている糖分補給用の飴玉をぽいっと渡してやると器用なのか知らないが手を使わずに口でキャッチしてやがる。……下手するとそれやって口の中切るからあんまりしてほしくない無いんだけどなぁ……
そんな俺の思いも知らぬかのように食った飴がコイツにとって相当美味かったのか両手で頭をがっしっと捕まれ、両足を忙しなくバタバタとさせて地味に痛い。ってか暴れるなよ、ただでさえ学校まで長いってのにこんなところで体力使いたくないんだけど。それに全然降りてくれる気配無いし……ハァ~
「……マジで遊戯王が絡むと碌な目に合ってないな、俺」
話を戻すが、何でこんな変な存在が何故俺に絡んでくるのかと言うと多分────コイツが、こいつらが俺が前世から持って来てしまったカードだから、だと思う。実は前世、それこそ死ぬ直前に引いたカードがコイツだ。そして何故か今世での俺が物心付いた頃どころか生まれた頃からあったカードらしく、その証拠に小さな頃から俺にはコイツが見えてた。最初は生まれつき脳に障害でもあるのかなー 程度考えてたけど年齢を重ねる内に"あ、コレ現実だ"って気付いてビックリ仰天して正直ビビりました。んでこんな事誰かに相談しようにも正気を疑われて黄色い救急車を呼ばれると悟った俺は相談できないままこれまで十六年間。追加で精霊が出て来たり前世で使ってたデッキが丸々出て来たりと色々とあったけど最終的にはある意味良き幼馴染として行動を常に共にしてる。まぁ、まともに意思疎通出来た事ないんだけどね。
【──―♪】
「……おかわりか?」
【──―!!!】
「痛い痛い痛い」
頭を雑に叩き要求して来る奴の要望を聞くと首を激しく立てに振るヴェル。はやく止めさせる為にも何時も飴を入れているポケットを探ってみるが……残念、残弾ゼロ。
「……すまん、お昼休みまで我慢してくれ」
【────―ッ!!!】
「痛い痛い痛い痛い痛い」
勢いを増して叩いて抗議してくるけどマジで無いんだって、許して許して。ってか、このまま行くと残弾補給の前に毛根が絶滅しそうで怖いんですけど。
「ハァ~」
ってか俺ってば二度とTCGやる事は無いって考えてたのにコイツの我儘の影響で今世でも続けてるんだろ……正直トラウマの影響でモチベなんて全く無いのに。デッキを改造して楽しもうにもこの世界では前世にあった俺が必要とするカードが無かったりするし、前世から持ち込んでしまったヴェルの入ったデッキの影響とさっき話した理由もあってまともに記録の残る公式戦なんかも出来ないしで……もう、ホントにモチベが無い。
「あぁー、今日も朝日が眩しくて死ぬぅ~……」
【────! ────! ────!】
「わかったわかったわかったから叩くのを止めろ! まだ時間的には余裕あるし購買寄って飴玉買ってやるから……これ以上やると俺の毛根達が死滅しちまう」
海から吹く気持ちの良い潮風を感じながら背中に背負う荷物とは別で若干辛いヴェルの重さを感じながら俺は歩く。そして俺はデュエリストが集い、その腕を高め合う遊戯王の学び舎であるデュエルアカデミアへ向かっていた。
ハァ~……何で俺、こんな状態でここに通ってんだろ。
・魔導 響輝
OCG世界へと何故か転生してしまった決闘者。
前世から引き連れて来てしまった謎のヴェルと言うカードに宿る精霊の影響で何時も苦労してる。
最近は頭皮へ与えてしまったダメージを少しでも緩和する為に頭皮マッサージしてるらしい。
・ヴェル
青い髪の綺麗な幼女、以上ッ!