ロリコン疑惑の魔女使い 作:蒼水城
さてさて、今の状況を話そうか。俺はアレからアカデミアに特にトラブル無く到着した後、購買でお徳用の飴玉と小腹が空いたので購買名物のドローパンを購入。飴を強請るヴェルへとポイっと与えながら自分の腹を満たした後にのんびりと授業の準備を始めていたら突如、俺はある意味危機を迎えた。
「ど、どうしよう……」
今日はすっかり忘れてたが一か月に一回あるテストの日だった。それだけ聞けば単純に予習不足なりなんなりで納得出来てピンチなんて大げさって考えるが俺の場合は違う。このテスト、学科は当たり前として同じ生徒相手の実技試験があるのだ。
マジでやべぇ。これまで受けて来た普通の授業でのバトルなんなりだったら、カードを一枚も使わずにすぐさまにサレンダーするか他の生徒に無理言ってデッキを貸してもらいそれを使えば済む話だったが今回受けるテストに関してはそんな事をするのは不味い。流石はその分野関しては最先端を突っ走ってるデュエルアカデミアだけあってそこら辺のチェックはかなり厳しく、普段の授業で見逃されていた俺の行為もきっと違反行為として引っ掛かるだろう。
まぁこれに関しては納得ではある。このテストでの結果よっては昇格も降格も充分あり得えるのだから。
【――――♪】
「お前は良いよな、いつも楽しそうで」
不味いノーネ、極めて不味いノーネ。思わずクロノス先生の口調が出るぐらいには不味いのーね。
筆記に関しては問題ない。どうせカードに関してがほとんどでそこで点数を取ってしまえばいいけど、実技がマジでヤバイ。事前に誰に見せても問題ない専用デッキを組む予定ではあったけど組むのに必要なカードが無さ過ぎて全く組めず、放置してその事をすっかり忘れててたぜ……ってかマジでモチベが無さ過ぎてヤバイ。
「使うしかないよな……」
うぅー、どうしよう。作りかけの専用デッキは寮に置いてきちまってるし、手持ちにはこのヴェルの入った愛用のデッキのみ。んー、ホントどうしよう。多分このデッキを使ったら割と騒ぎになる予感がビンビンとするんだよなぁ。あぁー、目立ちたくねぇ……出来るなら俺はそこら辺の道草として学園生活を終えて田舎でひっそりと余生を過ごしてぇ……
「あぁー……」
そんな風にいくら考えても時間は残酷に過ぎるばかり……そして俺の中ではいつまで経っても答えが出せないままに周りの準備は刻々と整い、テストの始まりを告げる予鈴が鳴った。
「ハァ――――」
――――マジでどうしたもんか。
※※※
「ふむ」
手元にある書類をミルーに彼の成績はまるでドロップアウト・ボーイとは対極的ナノーネ。今朝校長に渡された書類。その中にはある生徒、魔導 響輝の成績などが事細かに書かれているデスーノ。記録では筆記ではかなり優秀、普段の態度から生徒達の模範としても恥ずかしくないぐらいには優秀と書いてあるノーネ。けれど、実技に関しては最低の最低過ぎて即退学させてもおかしくないレベルで悪過ぎるノーネ。私は最初見た時は信じられなかったデスーヨ。
あの生徒に関しては私も将来のオベリスク・ブルー生徒として気にかけていたノーネ。オシリスレッドでありながらオベリスク・ブルーに入れても恥ずかしくないほど普段の様子は優秀でしたデスーヨ。だからこの記録を見て、私が考えていたシニョール響輝がオシリスレッドで燻っていたという疑問も納得ナノーネ。
「しかし本当に対極的デーどう見ても逆ドロップアウト・ボーイナノーヨ」
彼の性格から考えて不正は全く疑って無いノーネ。けれどこの報告書ではセニョール響輝らしくない行動ノーネ。他人からデッキを借りるなんて不正、やっているはず無いノー二、何故か可能性が指摘されてるノーネ。セニョール響輝は良い生徒、できれば余り不正の疑いの目を向けたくないノーヨ。
「しかし保険も大切なノーヨ……」
でも、もしセニョール響輝が不正を行っていたと考えて、それを未然に防止するのも教師の大事な役目ナノーネ。
それに下手に行動すると私の立場が危うくなるノーネ。セニョール響輝は何故分からなイーけれどかなり校長先生に気にかけられている生徒ナノーネ。
そんな彼が受ける初めてのテスート。絶対に校長先生が見にいらっしゃるノーネ。そんなナカーで、不正をしてたとしてそれを見抜けなかった場合私に責任が……うぅ、考えただけで身震いするノーネ。
ここはセニョール響輝の為、私の為。セニョール響輝の不正疑いの払拭と彼の本当の実力を確かめる為にセッティングするノーネ!
って出来事が昨日あったノーヨ。だから今日、試験日にセニョール響輝に伝えたノーネ。
「って事でセニョール響輝の実技に関しては私が面倒を見るノーネ」
するとセニョール、まるで鳩がフードビーンズがヒットしたかのように目を点にしててちょっと面白かったノーネ。
※※※
まーじか。
「えっと、クロノス先生。一体全体、どういう訳で俺の実技試験の相手が先生に変更されたので?」
「ノーノー、コレは必要な事ナノーヨセニョール響輝。さ、さ、既に試験は始まるデスーヨ。セニョール響輝も早くデュエルディスクを構えるノーネ」
学科試験が終わって皆が噂していた新カードパックを購買部で試しに買ってみるかー、なんて考えながら教室から出て歩いてたら突然クロノス先生に呼び止められた。んで、頼み事があるってんで彼の後について行ったらいつの間にか授業で使う最新のソリットビジョンが導入されてるデュエルステージ的な場所に着いていた。あれ? ここって確か実技試験を行う場所だよな? なんでここに? なんて考えてたらクロノスがここで今から俺の実技戦をやるってな事を言い放って来やがった後、今に至るって訳だ。はぁ……マージカ。
「ハぁ……どうしてもやらなきゃいけませんか?」
「え、セニョール響輝。どうしてそんナー二やる気ダウンナノーネ?」
いや、マジでモチベが無いんですけど……
クロノス先生が驚いたような表情をしてるみたいだけど……どうでもいいやぁ。でもなー、このまま行くとこの学校を辞めなきゃいけなくなるしな~……それは極めて困るし、どうしたものか。
【――――!】
え? なんて、何言ってんだヴェル。
【――――、―――――】
ふむふむ、今デュエルをやらないと一か月間俺の肩の上で暴れまくり、それは飴玉で絆される訳でもなく、俺が寝ている間にもやるっと。
「ハぁ~……」
それは、困るな。学校生活で唯一の癒しである睡眠を妨害されては、俺ってばストレスで死んじゃうからな。
俺は背負っていたリュックからある一冊の本を取り出す。厚みは分厚く、本って言うかどっちかと言うとバインダーにも近い形の物だ。
「ん? 見た事も無い変わった形ナノーネ」
「まだ学校では使った事ないですから当然ですよ」
それを拡げると一人でに浮かび、俺の手前に浮遊した。デッキを左腕に身につけた山札容れに入れると勝手にシャッフルされる。これ使う時に毎度の如く思うがどんな仕組みで浮かんでるんで、シャッフルされてんだろうな?
「準備は出来たノーネ?」
「はい、お待たせしました」
脅しで仕方なく始めるデュエルだけどよく考えたらいっつもデュエルを避けてたからこのデッキを学校で使うのは初めてだわ。そう考えるとある意味面白くなってきたな。このデッキがどこまでプロのデュエリストたるクロノス先生相手に通用するのかとか、色々考えてるとワクワクしてモチベ上がって来たぁー!!!
「むむ? 何だか雰囲気が……気のせいナノーネ?」
「それは始めましょう、先生。楽しいデュエルにしましょう」
「わ、わかったノーヨ。では――――」
俺は手札を取り、このワクワクとした気持ちを高ぶらせ、久しぶりに味わう。あぁ~久方ぶりに頑張ってみますか―――――それじゃ。
こうして俺にとってある意味始まりの一戦が、幕を開けた。
クロノス先生って色々と頭オカシイとこもあるけど、優しいともあるよね!(GX33話視聴中)
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次回は等々デュエルです。俺に上手く書けるかな?