護衛者とは大日本銀行総裁の片原滅堂の私兵であって、滅堂の牙が矛であるなら片原滅堂の盾といえる者達こそが護衛者と呼ばれており、日々鍛練を積み重ねている屈強な実力者達が揃っている。
そんな護衛者達が揃いも揃って今現在何をしているかと言えば、片原滅堂の豪邸の敷地内の庭があった場所に柳葉竜胆が勝手に作った広大な畑で畑作業をしている真っ最中であった。
畑作業にもすっかり慣れている護衛者達は片原滅堂にスカウトされて護衛者になったばかりのスカウト組が初めての畑作業に戸惑っている姿を見て、自分達も最初はそうだったと思い出しながら丁寧に畑作業のやり方を教えていく護衛者達。
護衛者一番隊隊長にして護衛者総隊長の巌城と畑を作った柳葉竜胆が畑でどんな作業をするかの割り振りを決めていき、まだ畑作業に慣れていないスカウトされたばかりの護衛者達には簡単な作業を割り振っておいた巌城と柳葉竜胆。
序列的には片原滅堂直属護衛の王森正道と鷹山ミノルに並ぶ護衛者総隊長の巌城が率先して畑作業を行っているので、スカウト組の護衛者達も何故畑作業をしなければいけないんだと疑問に思いながらも畑作業を行っていく。
護衛者達と一緒に畑作業を行っている柳葉竜胆に護衛者二番隊隊長吉岡が「畑に植えてあるトマトにわき芽の摘み残しが少しありましたからとりあえず全部摘んでおきましたよ」と報告する。
「おお、ありがとな、トマトはまめにわき芽を摘まないと栄養取られて味が落ちるから助かったぜ」と柳葉竜胆は喜んで「暗殺者からのスカウト組なのに順応早かったよな吉岡は」と言った。
加納アギトと戦うことなく柳葉竜胆と戦ったことで目を潰されることがなかった吉岡は左目にアイパッチを着けることもなく、柳葉竜胆に倒されてから片原滅堂にスカウトされたことで護衛者となり、その実力を発揮して二番隊隊長にまで上り詰めたようだ。
吉岡と柳葉竜胆が話しているところに近付いてきた三番隊隊長のJは、普段はトンファー使いであるが今日は収穫に使うハサミを持っていてトレードマークのサングラスをいつも着用しているJ。
そのサングラスは片原滅堂からプレゼントされた物であって大事にしており、戦闘中でもサングラスが壊されないように気をつけているJは鷹山ミノルと同期で今でも仲がいいらしく、鷹山ミノルの趣味である釣りを一緒にすることもある。
ハサミを持ったまま「収穫してもいいトマトはどれだ竜胆」と聞いてきたJへ「そっち側の赤くなってるやつは収穫してもいいトマトで、まだ青いこっち側は収穫すんなよJ」と柳葉竜胆は答えた。
手早くトマトを収穫してカゴに入れていくJに「手伝いますよ」と言った吉岡が手伝っていき、他の作業をしていた柳葉竜胆に次に近付いてきたのは護衛者四番隊隊長の船岡であり、肥料を持っていた船岡。
「この肥料はどこに持っていけば良いんだ竜胆」と聞いてくる船岡に「気高と名和が鍬で耕してる場所に持っていってくれればいい」と五番隊隊長気高と六番隊隊長名和の名前を出した柳葉竜胆。
基本的に無口でほとんど喋らずに畑作業をする気高は人と目線が合うと緊張するそうで伸びた髪で目線を隠しているが、そんな気高と一緒に畑作業をする名和は小太刀使いであるが今日は小太刀の代わりに鍬で畑を耕している名和。
船岡が肥料を持ってきたところで感謝をした名和と無言で頭を下げた気高は鍬を使って肥料と土を混ぜ合わせていき、遅れてやってきた護衛者七番隊隊長相生を含めて鍬で土を耕してウネを作っていく3人。
ちなみに相生は片原滅堂のスカウトで護衛者になった存在であるが格闘技や武術の経験が全くなく、元ラグビー日本代表という経歴の持ち主で、フィジカルだけで隊長にまで上り詰めた一種の天才と言えるだろう。
畑に追加する新しい土を担いで持ってきた護衛者八番隊隊長桂見は怪力を武器とする隊長内最年長の男。しかし以前柳葉竜胆と力比べをした時に圧倒的なまでに力に差が有り過ぎて、あっさりと柳葉竜胆に敗北した桂見。
そんな出来事があっても柳葉竜胆を避けたりせずに普通に接する桂見は柳葉竜胆に若い部下とのジェネレーションギャップについて相談していたりもして的確なアドバイスをもらっているらしい。
護衛者九番隊隊長用瀬は嗅覚が犬並みであり柳葉竜胆が作っている料理が何であるか匂いだけで当てることができるが、今回は畑で作業をしながら野菜が腐っていないか確認して回っている用瀬。
鼻にマスクをつけた痩身の男といった風貌の用瀬は、片原滅堂の命を狙う暗殺者であったが吉岡と同じく柳葉竜胆に敗北してから片原滅堂にスカウトされて護衛者となり、九番隊隊長となる。
全ての野菜の確認が終わって腐っている野菜がないことを確かめた用瀬は、柳葉竜胆に次の作業について指示を受けると素早く行動に移り、雑草を引き抜く作業を行っていった。
護衛者十番隊隊長山王は空手の達人であるが特定の流派に所属したことはなく、先輩の護衛者に空手を教えてもらって、空手の達人となるまで空手の腕を上げていった実力者だ。
漫画やゲームが大好きであり、作中の技を自分の空手に取り込むこともある山王は、鍬を使わずに貫手で畑を耕すという漫画であった修業内容を実践しているようで最初は手をボロボロにしていたが今では普通に畑を耕せていた山王。
柳葉竜胆に漫画やゲームを布教しようとしては失敗している山王は諦めておらず、いずれ柳葉竜胆にも自分が大好きな漫画やゲームの楽しさを知ってもらいたいと考えているらしい。
護衛者十一番隊隊長美萩野は顔中にピアスをつけたモヒカンの男で見た目は奇怪だが、物凄く良い人として護衛者では評判であり、無口だが部下には信頼されているようだ。
美萩野は部下の誕生日をサプライズでお祝いすることにハマっているらしく、よく部下の欲しいものをチェックしていて、部下の欲しいものをプレゼントとして用意して渡している美萩野。
毒を使った戦法を得意とする美萩野が畑で何をしているかというと土壌の確認をしており、畑の土に栄養が足りているか調べている美萩野から報告を受けた巌城と柳葉竜胆が行動方針を決めていく。
畑作業が終わったところで柳葉竜胆が事前に作り、護衛者達全員分が用意された豚汁とおにぎりが護衛者に渡されていくと豚汁とおにぎりを食べて、畑作業した後は飯が美味いと思っていた隊長を含めた護衛者達。
大鍋に用意された豚汁と大量に用意されていたおにぎりは、あっという間に無くなっていき、腹が満たされた護衛者達は一眠りしたい気持ちになっていたが、片原滅堂の護衛という護衛者の仕事に戻っていった護衛者達の一部。
鍛練をするか好きなことをする時間がある護衛者達は仮眠を取りにいく者達がほとんどであり、ごく一部の護衛者達は柳葉竜胆の料理を手伝うこともあるようで、家事全般が得意な二番隊隊長吉岡が特に手伝いをしているそうだ。
昼食の仕込みを吉岡と共に終わらせた柳葉竜胆が休憩していると、山王がオススメな漫画と携帯ゲーム機を抱えて柳葉竜胆の元にやってきて布教をしようとしたが「竜胆にお客さまが来てますよ」と部屋に現れて言った吉岡によって布教は阻まれてしまう。
「ちくしょう」と悔しそうな山王を見て、いつもの布教かと思った吉岡は特に気にすることなく、柳葉竜胆を客の元まで連れていくと「話が長くなるようでしたら御前の食事はわたしが用意しますね」と言う吉岡。
そんな吉岡に「ありがとよ、話が長くなったら頼むぜ吉岡」と感謝をした柳葉竜胆は「それで、わざわざ爺さんの豪邸にまで足を運んでまで何の用だよ大樹」と自分の客として現れた柳葉大樹に聞く。
「遠回しに言わないで単刀直入に言うが、王馬と戦ってくれないか竜胆」と言い出した柳葉大樹が片原滅堂の豪邸にまで来た理由は、柳葉竜胆に十鬼蛇王馬と戦ってもらいたかったからであるようだ。
「いきなり戦ってくれないかと言われてもな、大樹がそう言うからには王馬は大樹に勝ったのか?」と聞いた柳葉竜胆に「いや、ずっと俺が勝ってるから、王馬に負けたことはない」と嘘をつかずに正直に答えた柳葉大樹。
「今の大樹に勝てない王馬と俺が戦うのか?」と勝負になるのかと疑問に思っている柳葉竜胆へ「王馬に圧倒的な実力差を見せてやってほしい」と頼んできた柳葉大樹は十鬼蛇王馬に危機感が足りていないと思っているらしい。
「必要なことなのか大樹」と言った柳葉竜胆に「ああ、王馬が今の生き方を続けていくならいずれ壁に当たることになる、遅いか早いかだからな」と真剣な顔で言い切った柳葉大樹は十鬼蛇王馬に試練を与えるつもりだった。
「今日は時間が取れねぇから今度で良いなら別に俺は構わねぇぜ大樹」と了承した柳葉竜胆へ「助かる竜胆、王馬には少し落ち着きが必要なんでな、これで落ち着きを身につけてもらえればいいが」と感謝しながら十鬼蛇王馬を気にかけていた柳葉大樹は笑う。
柳葉大樹が帰った後で片原滅堂の昼食を用意していった柳葉竜胆は食事を食べ終えた片原滅堂に「新しく護衛者になった者達に竜胆を紹介したいんじゃが」と言われて「どう考えてもそれは料理人の仕事じゃねぇだろ爺さん」と嫌そうな顔を隠さない。
珍しい食材と調味料を提供することを約束させた柳葉竜胆は新しく護衛者となった面々と顔合わせだけをするはずが何故か戦うことになり、しかも金剛以外で倒すのは禁止だと片原滅堂に言われることになる。
柳葉竜胆に金剛以外で倒すのは禁止だと言っておきながら護衛者達に「お主ら気をつけるんじゃぞ、竜胆は心臓を狙ってパンチを打ってくるぞい」と大きな声で言った片原滅堂に「クソジジイが」と言う柳葉竜胆。
構えている護衛者に「んじゃせめてなんか賭けて戦おうぜ、携帯でどうだ?」と携帯を取り出して片手に持ちながら提案した柳葉竜胆へ「携帯を賭ける?」と疑問に思っていた護衛者。
「わけがわからないこと言って動揺させるつもりか」と言う護衛者に「ビビってないでお前も早く携帯出せよ」と言い出した柳葉竜胆に、むっとした護衛者は「誰がビビるか」と言って携帯電話を取り出す。
「携帯はかなりの精密機器だが、技術は進歩してもまだまだ衝撃には弱い、だからこの携帯を落としたらお前の負けな」と言う柳葉竜胆へ「はぁっ?」と驚く護衛者に「負けだぞ」と言いながら柳葉竜胆は自分の携帯を放り投げた。
ゆっくりとだが高く投げられていた携帯をキャッチした護衛者は腕を上に上げた状態となっており、心臓ががら空きになっていて「なんだよこれ」と言っていた護衛者に瞬時に近付いた柳葉竜胆は金剛を打つ。
倒れて意識を失った護衛者の前で「心臓を狙うって爺さんが言ったろ、これが金剛だ」と言うと「あっさりと敵の言葉に従うとこうなるぜ、気をつけな」と残りの護衛者達に忠告した柳葉竜胆に「やるのう」と笑った片原滅堂。
その後は残った護衛者全員を金剛で沈めた柳葉竜胆は夕食の仕込みを始めていき、待ちきれずにつまみ食いをしにきた片原滅堂へ夕食の一部を皿に用意して渡すと調理場から追い出していく。
片原滅堂の夕食を作り終えた柳葉竜胆は用意した食事を運び、使用人として片原滅堂に新しく雇われた者が食事に毒を仕込もうとしてきたので、ぶん殴ってボコボコにしてから護衛者に引き渡す。
「何で料理人がこんなに強いんだよ」と言っていた使用人は毒を使う暗殺者であったようであり、完全に柳葉竜胆に心を折られていた元使用人は護衛者になることなく片原滅堂の豪邸を去ることになったようだ。
片原滅堂の命を狙う暗殺者であっても片原滅堂にスカウトされて護衛者になる者は僅かだがいるようで、護衛者の隊長にまで上り詰めたものも確かに存在していることは間違いない。
何故か料理人である柳葉竜胆が片原滅堂を狙う暗殺者と遭遇する確率が高いらしく、柳葉竜胆と戦うことになった暗殺者は心を折られてしまうか、負けていられないと奮起するというその二つになるようである。
柳葉竜胆と再戦することを条件に護衛者にスカウトされた暗殺者もおり、片原滅堂によって再戦させられることになる柳葉竜胆は毎回嫌そうな顔をしているがわざと負けることはなかった。
護衛者達とは長い付き合いになっている柳葉竜胆は基本的に護衛者達にも好かれていて、休憩している柳葉竜胆の元へ行く護衛者もそれなりにいるようであり、交流を深めている柳葉竜胆と護衛者達。
柳葉竜胆が結婚した時にも大勢の護衛者達が結婚式に参加していたことは確かで、護衛者達の中には自分のことのように喜んでいる者もいて、幸せそうな柳葉竜胆を祝福していたらしい。
護衛者達は柳葉竜胆の強さだけではなく人柄も気に入っていて、柳葉竜胆に振り回されるようなことがあっても笑い話にできる程度には仲良くなっているようで、関係は良好であった。