タイムスリップした。もう一度言おう、タイムスリップした。
目を覚ましたら江戸にいたでござる。将軍の名は徳川慶喜、幕末とかいう物騒な時代である。
過去に来たなら現代知識無双!!ということも凡才な自分には出来ず、ばあちゃんに教えてもらった知恵袋を頼りにチキンな俺は農村でひっそりと生きることを選んだ。
田畑を耕し飯を喰らう。苗字を迂闊に名乗ったせいでどこかの落ちぶれた元お偉いさんだとか思われていたものの、何とか順応し今まで生活していた。
そしてある日、蚊帳を張り、布団を床に敷いた時にふと思い立った。
何か本を書いて後世に名を残そう
思いついた次の日にはすぐ行動に移していた。
街に出て少しお高めの紙を購入し、家でクッソ下手糞な字で筆を走らせる。
どんな本を書こうか、そんなものはとっくに決まっていた。自身の武勇伝と称してなろうによくありそうなラノベを書いたのだ。ただただ書くだけでは歴史の波に飲み込まれてしまうと考えた俺は、自身の名を江呂杉珍々丸とした。
小学生という生き物は下ネタが大好きな生き物である。中学生も同様だ(偏見)
こんな下ネタみたいな名前に飛びつかないわけなかろう?
何?中学生は違う?少なくとも俺の周りじゃエロマンガ島で大騒ぎしてたぞ。
ラノベにした理由?書きやすいし難しい本とか書けないからに決まってんだろ!!
スラスラと執筆する。珍々丸の装備はビームサーベル。腰には魔獣を収めるボールが六つ付けられており、中には宇宙を創造したという魔獣、数多の群衆に選定され運命(公式)に抗った絡繰りの魔獣、炎を司る忌み群衆に嫌われた炎猿、世界で三本の指に入ると言われる電気鼠、レー島と呼ばれる島の守り神、運命(公式)に愛された親子愛の化け物が入っている。
幽波紋と呼ばれる精神エネルギーを操ることが出来、その能力は時をも凌駕し山をも砕く。軽くジャンプしただけで山を越え、本気を出せば成層圏まで跳べるという圧倒的跳躍力を持つ。
「巨大ロボットに乗って…」
クソを汚物で混ぜ込んだような酷過ぎる設定をどんどんと追加していく。今思うとこの時の俺はちょっと頭がいかれてたのかもしれない。
どこぞの宇宙戦争のように、ラスボスは自分の親だった展開、そして激闘の末に勝利した珍々丸はヒロインと共に平和に過ごすというハッピーエンドで幕を閉じた。
そしてここからが本番である。
最後にこれを読んでいる者に予言を伝えるという凶行に出た。気分はノストラダムスだ。
適当に覚えていることを書いていく。これから起こるであろう戦争の勝敗、世界恐慌、バブル経済、兵庫県議員号泣会見、新型ウイルスの蔓延等々。
そこで俺は思った。面白くねえな…と。予言とはノストラダムスの大予言のようにぶっ飛んだ内容の方が面白いし話題になるのだ。
2016年としっかり記載し予言する。
空白の一年間、世界の命運は一人の少年に全て委ねられる。その時にはこの珍々丸が協力しに馳せ参じる。
冗談半分でそう綴った。
▽▽▽
素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!
「セイバー、江呂杉珍々丸ッ!!!!予言通りに馳せ参じたッ!!!貴様が人類最後のマスターかッ!!!!」
「先輩!英霊の召喚に成功しました!」
周りを見渡す。あちらこちらで町が燃え盛り、骸骨がカタカタと蠢いている。
目の前には嬉しそうに目を輝かせながら俺を見つめる盾を持つ少女と白髪ロングの気の強そうな少女、そして黒髪の少年が驚いたようにポカンと口を開けている。
ここ型月ワールドかよォォォオオオオオオオッ!!!!!!!
因みに本にはカタカナとか擬音語とか普通に大量に書かれてる。
マテリアルにセリフ的なのいる?
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いる
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いらない