クソみたいな本を書いたら英霊になってた件   作:ユフたんマン

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アルセウスたのちい


天をも牙剥く

地球の何処か、現世とは異なる隔離した世界。名は幻想郷。

そこには現世で失われていた神秘が今も存在する。

その中で1番強い力を持っているのが精霊達だった。

ある日、その幻想郷の王が命を落とした。

そのため、次の王を決めるために、精霊達の中でも特に強大な力を持つ、四大精霊による話し合いが行われた。

 

「アナタガオウニナッテヨ!」

「イヤヨメンドクサイ!アナタガシナサイヨ!」

 

話し合い…というよりは押し付け合いという方が正しかった。王となれば様々な責任や責務が課せられることになる。と言ってもほんの些細なことに限りないが。

精霊達は自由を縛られるのが嫌いだった。だからこそ束縛される王というモノに誰も成りたがらなかったのだ。

 

押し付け合いは平行線を辿り、数百年が経った頃、幻想郷が魔の森に侵食され始めた。

魔の森とは、そこにある生態系を蝕み、全てを取り込み破壊し増殖するカビのようなものだ。それに取り込まれると精霊達とて無事では済まない。

それに抗う精霊達だが、時が経つにつれて均衡は崩れ、幻想郷はみるみると侵されていく。

 

そんな時、たまたま幻想郷に迷い込んだ人間がいた。

その男の名は珍々丸、後の世に世界を救う事になる人間だった。

人間は鉄の剣や兵器を使い魔の森を次々と焼き、切り払っていく。精霊達も人間に力を貸し、最後は幻想郷に伝わる精霊剣の力を持って魔の森は跡形もなく消滅した。

 

精霊達は珍々丸を讃え、大きな宴を始めると共に、

「アナタ、ゲンソウキョウノオウニナラナイ?」

四大精霊の内の一体、水の精が尋ねた。

 

「ソウダソウダ、ソレガイイ!」

 

精霊達は色めき立ちながらそれに賛成する。

珍々丸は困惑しながらも、俺でいいのか、人間でいいのかと問うたが、四大精霊はこう返した。

 

風の精は「タノシケレバイイ!!」

土の精は「…ダレデモイイ」

水の精は「サワガシクナケレバイイ」

火の精は「ツヨケレバイイ」

 

ということで、酒の勢いもあり、乗り気になった珍々丸は幾つかの条件の元、王になることを了承した。

1つ目は成すべきことがあるため、ここにはいられない。

2つ目は魔の森を祓った時のように力を貸して欲しい。

 

それに対して精霊達も了承し、代わりにこの幻想郷が何らかの危機にさらされた場合はこれからずっと助けて欲しい。と珍々丸に頼んだ。珍々丸はそれに了承した。

 

王の仕事は幻想郷を守ること。王になる契約により、死後も危機の際に呼び出される事を彼は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

 

カルデアの藤丸立香に召喚された珍々丸は、キャスタークーフーリンと合流し、聖杯の眠る大空洞に乗り込み、番人として待ち構えるアーサー王との激戦を繰り広げていた。

 

「”風よ、思うがままに吹き荒れろ“」

 

珍々丸を中心に激しい突風が吹き荒れる。それは生半可な攻撃を跳ね返し、逸らし、状態異常を全て無効化する風の防壁。風を纏うように、突風を活かしながら変則的な動きでアーサー王を翻弄する。

 

「小賢しい、“風王鉄槌(ストライク・エア)”!」

 

アーサー王の持つ聖剣から、圧縮された風が解放され、暴風が珍々丸に襲いかかる。だがそれは悪手だった。

珍々丸が今、使っているのは風の精の力である。風を司る風の精にはその程度、ただの威力増加の養分でしかない。

珍々丸を纏う風圧がより一層強化され、動きが格段に速くなる。

 

「フンッ!!」

「チッ!!」

 

珍々丸の振り落とす一撃。それをアーサー王は聖剣で受け止める。

 

「”荒ぶる大地の如き力を示せ“」

 

地響きと共に、土の精から受けた加護により、身体能力、主に力が格段に強化される。それにより拮抗していた鍔迫り合いが、一気に珍々丸の優勢に傾く。アーサー王の足元には罅が割れ、徐々に剣の位置が低くなってきている。

 

「舐めるなァ!!」

 

アーサー王は何とか珍々丸を押し返し、聖剣に魔力を込める。そして溢れ出す極光、それを振り下ろし、魔力は光の奔流となって珍々丸に襲いかかる。

 

「”心技に宿るは水の奔流“」

 

水の流れに身を任せたように脱力した珍々丸は剣を振り抜く。それはまさに無の境地。水の精の力が更に奥へと意識を沈ませる。無の境地から繰り出された剣は極光に触れ、そこからアーサー王の極光を難なく斬り裂いた。

 

「何ッ!?」

「”紅蓮の炎よ敵を焼き尽くせ“」

 

極光を放った際に出来た硬直を利用し珍々丸は特攻を仕掛ける。剣には炎の精の力が宿り、アーサー王に烈火の如く襲いかかる。

その技はアーサー王の鎧を砕くのに充分なもの。一撃一撃がまさに必殺。それを体を無理やりに動かし、直感に従い聖剣を振るう。

一太刀交わう事に甲高い音を大空洞に響かせる。紅蓮の炎と漆黒の極光が交差する。

 

「やるな…ッ!!」

「貴様こそ…ッ!」

 

鍔迫り合いの中、アーサー王の繰り出した蹴りが珍々丸の腹部に当たり、後方に吹き飛ばす。

無の境地に達しているため、ダメージこそ無いが1度珍々丸も距離を取る。

 

「”卑王鉄槌、旭光は反転する“」

 

アーサー王の聖剣が妖しく輝く。その輝きは漆黒となり全てを呑み干さんと魔力が周囲を荒れ狂う。

 

「マスター!!宝具が来るぞッ!!!」

 

珍々丸の焦った声。現実離れした戦いに惚けていた藤丸も、気を取り戻し高らかに叫ぶ。

 

「マシュッ!!一緒に戦おう!!

「了解しました!!宝具!!展開します!!」

 

「“光を飲め『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』“!!」

 

竜が吠える。聖剣から放たれるはどす黒い闇の奔流。それは全てを呑み込むモノ、それは全てを薙ぎ払うモノ。

聖剣から放たれし極光は先程までとは比べ物にならない膨大な魔力、破滅へと導く王の鉄槌。

 

それを阻むは1人の少女、人理の盾。

 

「”仮想宝具・疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)”!!」

 

マシュの前に現れたのは天文台の名を刻んだ不朽の城壁。何者も通さぬ人理の盾。

 

「ぐぅ…ぐうぅ…!!」

 

押される。どれだけの強度を誇ろうと、どれだけの思いを込めようと、それを上回る圧倒的な力には敵わない。そう示すようにアーサー王の圧倒的な暴力がマシュの宝具を蹂躙する。

マシュの宝具は次々と崩れ落ち、闇に呑み込まれていく。

 

「マシュッ!!」

「ちょっとッ!!藤丸立香!!止まりなさい!!」

 

藤丸は駆け出した。オルガマリーの静止を振り切り、マシュの元へと駆ける。

 

「マ、マスターッ!?」

「マシュ!!一緒に戦おうッ!!」

 

藤丸は必死に腕を伸ばし、マシュの背中に触れる。それと同時にマシュの中に熱い何かが、魔力と共に途轍もなく熱い何かが流れ込むような感覚に陥る。

 

「マシューーーーッ!!!」

「ぅぉおおおおおおおおッ!!!」

 

藤丸の手の甲にある令呪が消えた。それと同時にマシュの盾は形を取り戻し、さらに魔力は増大する。

それは全てを阻む白亜の城。まだ誰も知覚出来ない不完全な状態。だがそれはアーサー王の宝具を防ぐには十分すぎる効果を発揮した。

 

「よくぞ防いだ2人ともッ!!」

 

宝具が防がれ驚愕に顔を歪ませるアーサー王に、珍々丸は魔力を込めながら宝具を解放する。

 

「“風よ宿れ、大地よ宿れ、水よ宿れ、炎よ宿れ。我が剣は天をも牙剥く精霊剣。四大精霊の加護の元に精霊王の力を今此処に示さん“」

 

珍々丸の精霊剣に四大精霊の力が宿る。風は吹き荒れ、大地は震え、水は激流となり、炎を敵を焼き尽くす業火となる。

 

「”真名解放、万象を穿つは… 『天牙(TEN・GA)』“」

 

剣が振り下ろされると共に、精霊達の力が解放される。風は竜巻を起こし、大地は割れ、激流は津波となって、業火は周囲丸ごと焼き尽くす。

四つの属性が重なり合ったことで新たなる自然エネルギーが誕生、爆発、それは時空を超越し万象を穿つ斬撃と化す。

 

そのエネルギーは全てアーサー王ただ1人に向けられた。自然という名の理不尽な暴力。まさに天災がアーサー王へと襲いかかる。

 

結果は言うまでもない。宝具解放後の硬直もあり、反撃を許さず膨大な量の自然エネルギーがアーサー王を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

「本当にいいのか?マスター。この力があれば、この人理焼却も、レフ・ライノールの企みも全て無かったことに出来る。彼女は助からないが、それだけで犠牲は無くなる…」

「助ける…!!誰一人として失わないッ!!だって…所長は助けを求めていたからッ!!」

「フフッ…野暮な質問だったなマスターッ!!流石は予言の子だッ!!

 

“顕現せしは創造神、願いたるは1つの生命。今この時を持って契約を果たさん”」

 

珍々丸の腰にある魔獣球が金色に輝き、神々しい光輪が背後に出現する。

 

『これは…!?英霊でも…ましてや神霊でもない…ッ!!?おいおい嘘だろう!!?藤丸くん!そこにいるのは正しく神!!珍々丸伝にてほんの一瞬示唆されていた創造神深奥だッ!!』

 

光輪の周囲に様々な色のプレートが浮かび上がる。それは1枚1枚が属性の概念を持つ神の代物。

それが1つに凝縮され丸みを帯びた白い水晶のような形に姿を変える。

 

「“『命の宝玉』”」

 

その宝玉はカルデアスに呑み込まれる直前のオルガマリーに射出される。そしてオルガマリーの胸へ沈み込み、身体を虹色に発光させる。

次の瞬間オルガマリーはカルデアスから弾き出され、元いた藤丸たちの元へと戻された。

 

「え、えぇ…これって…た、助かった…の…?」

「所長!!」

 

わっとマシュと藤丸がオルガマリーに走り寄る。

揉みくちゃにされているオルガマリーを尻目に、珍々丸の手の中で1つの魔獣球が黒く塗り潰されたように真っ黒となり、虚空へと姿を消した。

これは世界を救う際にした契約。世界を救うことが出来れば1つだけ願いを叶えるといったもの。

こいつ契約しすぎだろ。

 

「おのれおのれおのれおのれおのれぇ!!何故貴様が存在するッ!!歴史上に、人類史に貴様は存在しないはずッ!!それなのに何故ッ!!」

「昔から隠れるのが得意でなッ!!父上から逃れる為に母上が死に際に遺してくれた最後の贈り物だッ!!」

「観測出来なかったのはそのギフト…おのれおのれ忌まわしい、下劣、下品、汚らわし……」

 

斬ッ!!

 

「なっ…んだ…と!?」

 

狂気を含め憤怒を露わにするレフ・ライノールに、珍々丸は一瞬にして距離を詰め一閃。レフ・ライノールの身体は2つに断たれる。

 

「悪即斬ってなあッ!!貴様らの目的は分かっている…

それは…」

 

藤丸が叫んだ。

 

「世界を滅ぼしてから新しい世界を創造する…つまりお前の目的は御珍々蘭土だッ!!」

「チガァァァァアアアアアゥゥゥウッッッッ!!」

 

レフ・ライノールの断末魔が響き渡った。




IFルートは江呂杉蘭光が出現。そこから蘭光軍VSゲーティアVSカルデアVSダークライ。
量産化起動兵器と魔人柱が縺れ合う地獄絵図。そして漁夫の利を狙うカルデアと巻き込まれるダークライ。

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