よし!作戦は成功だな。
オーグはここにいる誰よりも強い。オーグのスキルは強力過ぎるから使えないが技術においてもピカイチだろう。
過去、フェルと戦い本気を出させ、フェルにギィにも勝てる可能性があると評された男だ。
ギィの名は誰もが知っているだろう。
「何を、した?魔法を使った様子はなかった。見ていたが、弾も特殊な効果はないと見えたのじゃが。」
「それはお前の早とちりが原因だな。この弾薬にはバゼルギウスの爆鱗を使ってる。爆鱗と同じく衝撃か時間で爆発するさ。」
用意周到なことだよな。
俺の目には正面で戦ってもオーグが負けるとは思えない。
なにかあるのか?
「オーグ・・・」
「あぁ、レウスの感覚は間違ってはいないぞ。ただ、見方を間違ってるとでもいおうか。」
見方???
ハテナしか浮かばない。
俺がおかしいのか?
「魔女だ。」
魔女?
「伝わらない?〝シリアルキラー〟なら伝わるよね。」
「ッ!?まじょ、マジョ、魔女!シリアルキラー、そうか、役職を与えられているのか。」
なるほど、理解できた。何故オーグが警戒するのか。
「リムル、俺たちはこのジジイをどうにかするからよ、そっちは任せたぜ。」
「あ、あぁ、わかった。」
「会話は終わったかのぅ?ならこの剣を抜いて欲しいんじゃが?」
「抜くわけないだろ?」
異常だ。心臓を刺され、肉体としての機能を失うはずが支障などないようだ。
精神生命体であっても肉体が機能しなければ動けない。
「そうか、苦しみを選ぶんじゃな。」
「くっ!」
体を回し杖で攻撃する魔女、仕方なく離れるオーグ。そして毒であろう瓶を投げられるが銃を投げて割ることで防ぐ。
最初の奇襲のためだけの道具だったのだろう。
「シーーーッ!」
オーグが攻めかかる。オーグの素早い動きに魔女は守ることしかできない。
「ゼクス・サンダー、サンダー・ウルフ、幻雷鳴!」
「リオ・ブレス!」
「グゥッ!厄介じゃのぅ。」
近接戦では確実に負ける。
俺は遠距離アシストしかできない。
オーグもわかっているのだろう。積極的に攻めている。
「そこそこ離れたな。」
町からは結構離れることができた。といっても本気は出せないだろう。
そのとき、世界がブレた様に見えた。
「グハアッ!更に速くなったじゃと!?」
オーグの速さは光の速さには程遠いが音速は既に超えている。町から離れたためスキルも少し剣に乗せている。
「冰霧海!」
やばっ!
俺は空へ飛び、オーグは後ろへ飛ぶ。
魔女を中心とし絶対零度の空間が生まれた。
魔法を放つと直ぐに魔女がオーグに飛びかかる。
「〝
俺はまだしもオーグは後ろに咄嗟に飛んだため避ける事ができない。
「オーグ!!」
「お前の負けだ。」
「ズゥ、ギィィッ!?ガァハッ!!」
飛びかかる魔女が空中で歪な叫びをあげる。
「俺は空中でもある程度は動けるぜ?折角だ。返してやろうか。〝キル〟。」
「・・・」
~リムルside~
「リムル様!」
「ゴブキとナルガロンか。どうした?」
「手助けに来てやったのだ。」
フェルの部下となった2人が来てくれた。
2人の実力はわかっているから有り難い。
「あ、あの、自分はアレンです。それと、オトモのアルさんとヤシャです。今フェダルーツ様とオーグ様が相手なさっている男にヤシャが毒を喰らってしまい解毒薬はないでしょうか?」
ラージャンと一緒にきた少年が尋ねてきた。
因みに今イフリートはラージャンが来てからはラージャンとエレン達、その後直ぐラージャンは下がり猫とエレン達、今はそれにゴブキとナルガロンが加わった形だ。
「ごめんな、俺は持ってないんだ。ただ、もしかしたら作れるかもしれないから毒を見てもいいか?」
「はい、できるだけ距離をとって見て下さいね。あの男は狂竜ウイルスを混ぜたと言っていました。」
狂竜ウイルス?なんだそれ?
まぁ、どうだ?大賢者。
《毒自体は強力ですが今持っている素材で解毒薬を作成可能です。》
本当か?じゃあ作ってくれ。
《しかし、二つの要素によって不可能となっています。まず毒が適正量以上使われています。人ならば一滴でも全身が麻痺したように動かなくなり力も入らず、周りに人がいなければ毒か飢餓によって死ぬほどの毒です。個体名、ヤシャには百倍以上の量が使われているため素材不足です。
もう一つは解析不能の物体、恐らくアレンの言った狂竜ウイルスが身体を侵食しています。ウイルスを処理しない限り治療は不可能です。》
・・・・・・
「すまん・・・」
「やっぱり、無理ですか。」
やっぱりって・・・そんなヤバいウイルスなのか?
「その・・・狂竜ウイルスってなんなんだ?」
「狂竜ウイルスは感染したモンスターを狂竜化させます。狂竜化したモンスターは我を見失い、命尽きるまで暴れる事しか出来ないとされています。」
「なるほど、ちょうどこちらへ来ていてよかったです。」
「ッ!?誰だ!!」
「私はナヅチと申します。商人です。少し話を聞いたので解毒しようかと思いましてね。」
「治せるの!?」
「えぇ、ヤシャですね?ちょっと失礼します。」
ナヅチと名乗った商人はヤシャの右腕に触れた。何をしてるかはわからないが腕から禍々しさが消えていってる。
「ふぅ、このくらいでいいでしょう。少し苦いですが漢方薬です。それから、流れで秘薬も飲んで下さい。」
「ウイルスが・・・それに、毒も消えてる・・・?」
「さて、リムル様でしたか。イフリートの討伐に手を貸しましょう。恐らく、魔女の龍素に当てられて強力になっています。元々どの様に倒そうとしていましたか?」
「俺のスキルでイフリートを喰ってシズさんを取り戻そうと思ってたが・・・」
「なるほど、それは中から出す事は出来ますか?」
「あぁ、できるぞ。」
「では、私が抑えるので私ごと食べて下さい。」
「え?ちょっ!」
も、もう行っちゃった。そんな・・・あっさりと決めてさ。
ナヅチはナイフよりちょっと大きいくらいの剣で戦ってる。正面からは戦わず搦め手を中心として立ち回っている。
紫の何かが散ってるけどイフリートの血なのか?そもそもイフリートに血なんてあるのか?
いきなり現れて、未知のウイルスを殺して解毒して見せたあの男はなんなんだ?
「今です!」
チキショー!破れかぶれだ!!
ユニークスキル『捕食者』!!
「ハァ、ハァ、終わりましたか?リムル・・・様?」
「あぁ、終わったぞ、ゴブキ。・・・お前、大丈夫か?かなり疲れてるけど・・・」
「自分の、スキルですね、消費が激しいんですよ。」
「助かったぜ水饅頭。あのイフリートだったか?途中から能力の上がり幅がヤバくてよ。」
「水まッ・・・スライム見たことないのか?」
「スライムゥ?あぁ、お前がスライムなのか。俺の地域じゃ魔物自体見かけなくてよ。それよりあの男出してやれや。」
「あっ、そうだった。」
オーグとレウスの方はどうなったかな?
んー、特に言うことないです。
一応ナヅチは本当に商人として偶然通りかかっただけです。後、解毒の時は毒性の高い神経毒でウイルスを殺しました。
苦しんででも死ぬよりはマシという考え方何でしょうね。
それではみてくれて有り難いございました。