努力家は転生後もモンハンを愛す   作:ユーザーです。

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 次の話から章が変わります。

 戦後処理に長くかけすぎだな。


28話 法皇についてと転移

 

 法皇の計画は封印前から聞いていた。寿命という肉体の制限から逃れ、悪魔に近しい存在になれるらしい。

 

 つまるところ「鬼王の能力を覚醒させたら初代と同じ性質になれんじゃね?」ってことだろう。

 

「まずカムラについてですが、初めて宮家への継承を演出したこともあって民からの反発が大きかったです。そのため軽い内乱状態になっていますが大丈夫でしょう。」

 

「なんでだ?」

 

「鬼王になったのは酒呑童子ですからね。彼は(みかど)です。最初の鬼王だからなどではなく、その器ということです。」

 

 まぁ、そうか。元々嫌われていたとはいえカムラの指導者となるべく教育を受けていたからな。それにカネザネの政治を見てきたわけだからな。カネザネとしても任せていい相手ということなんだろう。

 

「カムラについてはわかった。それで、法皇は?」

 

「法皇の定義的な所は大丈夫ですね?」

 

「あぁ、酒呑童子と同じ種族になるってことだろ?」

 

「はい。鬼・・・いや、性質としては怨霊に近いですが、その認識であってます。」

 

 酒呑童子の種族は既存の分類にはない。悪魔とも言えるがどの色にも当てはまらない。

 

 ギィの力で魂を保護してから精神生命体を構築した。その後オレの能力で生命力を与えることでこの世界に生物として生き残ることが出来た。

 

 そこに死に際に手に入れたスキルが合わさってよくわからない状態になった。

 

「どのくらいいるんだ?」

 

「とりあえず羅列しますね。11代明聖鬼王、18代応仁鬼王、28代清華鬼王、38/42代孝仁/天秦鬼王、47代正徳鬼王、54代宇治鬼王、66代後長岡鬼王、90/92代懿徳/後冥園鬼王、91代顕徳鬼王、98代後村上鬼王、127代称光鬼王、133代室町鬼王、150代後七条鬼王、151代後十条鬼王の14人ですね。」

 

 あんまり多くないと捉えるのか多いと捉えるのかわからんな。

 

 ただ、カネザネが選別したってことはそれだけの武力と地力を兼ねているんだろう。

 

「崩御したのは2代応陽鬼王、62代仁光鬼王、105代後花園鬼王、114代光格鬼王、139/142代安寧/花山鬼王の5人です。」

 

「へぇ、法皇でも死ぬんだな。」

 

「悪魔は特殊ですが、精霊や天使も死ぬでしょう?それと同じです。」

 

「法皇が死ぬなんて何があったんだ?」

 

「戦争に巻き込まれたり、女性を奪い合ったりですね。」

 

 は?女性・・・?

 

「───悪魔とほぼ同じ存在が女性関係で死んだの?」

 

「はい。その代の鬼王と恋敵になったことで争いにまで発展しました。」

 

 なんともまぁ人間らしい話だな・・・こういうのを聞くと偉人も自分たちと同じ存在に感じるな。

 

「護衛は・・・いらないか。」

 

「はい。フェダルーツ様が使っているところを見たことがないのですが、元の身体と完全に切り離されているんでしょうか?」

 

 今カネザネと話してるのは神武術という術のことだ。神武術は神の力であり、神の血統である日本人だけが使える魔法のようなものだ(現実とは明確に違うとするために日本神話の内容が本当だった世界線として構想)。

 

 元々初代神武天皇がこと術を使って日本を統一したそうだ。人として神の術を使った存在として神武天皇の諡をとって術の名前にされた。

 

「オレは日本でスキルを獲得したから、そのときに生命力と一緒に吸われたんじゃないかな?」

 

「・・・なかなかデメリットの多い身体ですね。」

 

 オレの寿命は尽きてるが、モンスター達の生命力を貰うことで生きている。

 

 実はオレは精神生命体じゃないから生命力が尽きると死ぬ。

 

「掘り起こしてもいい気持ちはしないでしょう。ヲホドも終わったようなので行きますね。」

 

「あぁ、頼んだ。」

 

 

 ~外伝、転移~

 

 ぱちぱちぱちと、何もない、色すら感じられない静寂に包まれた空間に祝福の音のみが広がる。

「───ここは?」

 黒や白、透明といった感覚すらない空間に至福の声が聞こえる。

「ここは高天原よ。」

「貴方は?」

「私は天照大神、あなたをここに呼んだ存在よ。」

「・・・やはり、あの事故は貴方様が起こしたのですか?」

「・・・そうね、あなたは寿命で死ぬには惜しい存在だからね。それに、日本人は私たち神血筋とはいえ、私の子供達くらいしかまともに神武術(じんむじゅつ)を使えないのに物部でもないたかが元中流貴族の家系がこんなにも強力な神武術を使えること自体が珍しいからね。」

「そうですね・・・最近は弱い術を使えるものはそこそこ出てたんですけどね。自分は後陽成院の血筋とはいえ父も兄もここまで強くないですからね。」

 神武術、それは神の力そのもの。神として人になり(人を統治するにあたって〝人〟の王となった)、人として神となった(死後に信仰され人でありながら神となった現人神)存在が普及させたと言われる術だ。

 天照大神の子孫である天皇や皇族は代々強力な神武術を使える特徴がある。神武術は飛鳥時代やそれ以前から使われていたが、この名称が定着したのは淡海三船(おうみのみふね)が歴代天皇の諡号を一括撰進した際に初代につけた諡号をそのまま使った(初代が普及させたから)。

「それで、私はなぜここへ呼ばれたのでしょう?」

「あなたにはやってほしいことがあるの。やってくれるかしら?」

「わかりました。やりましょう。」

「ふふ、天皇親政を目指したり伝統を重んじたり兄の変なプライドに侵蝕されてるんじゃない?」

「小さい頃から文麿といた時期が長かったですが、私の成長期は40歳から50歳の頃と遅かったですよ。」

「まぁ、いいわ。少し加護を施してあげるわ。」

 といい天照大神は大脇差くらいの日本刀の形をした刀で指を切り、血が流れる指を寄せる。彼は日本人として生物的に理解し指を咥え、血を啜る。

 1秒、2秒、3

「そこまでよ。」

 3秒経ったかくらいのところで中断される。

「そのうち適応するわ。身体の機能とは隔絶されてるから排泄物になるなんてこともないからね。」

「私の身体は生きているのですか?」

「えぇ、死を演出しただけで死んでないわ。謎はでてくるでしょうけど焼死にしてくれるはずよ。」

 こんな会話をしているうちに周りに色を感じるようになる。

「早速適応したの?やっぱり、元々濃かったのかしらね?」

 後に説明されたが、高天原は人間には情報量が多すぎるから感覚を切断しているそうだ。

「もう大丈夫そうね。それじゃあ、あなたを送るわ。あなたのことを見守ってるわ。」

 彼はこの祝福の一言に高揚感を得ることはない。なぜなら神に見守られているなどこの世界では、この世界の日本では普通のことであり常識だからだ。

 彼が残したのはどんな場所なのか、どんなことを行えばいいのかという好奇心による笑いだ。

 ・・・・・・

 ・・・

 面白くないわね・・・

 格下の・・・神と言えるかすら怪しい存在に干渉されるなんて・・・

「私自ら、彼を現人神にしてもよかったのに・・・」





 因みに日本の神については天皇だけが神の子孫である説と日本人自体が神の子孫である説とがあります。

 ここでは後者を採用してます。
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