かなり期間が開いたため連続投稿をします。
36話 統べる者として
「他の誰のためでもなく、自分の勝利のために働け!!お前は自分を見れていない。〝管理者〟?それは称号なんかじゃない。役職名。それ以上でも以下でもない。傲慢になれ!強欲であれ!!お前は何なんだ?神の顔も人間の顔も───
・・・・・・
・・・
「ッ!!ダッ・・・」
な、なんだ・・・妙に生々しくて、火みたいに熱い夢だった・・・
「神の顔も人間の顔も・・・か」
神はスターター、人は・・・なんだろ?
はぁ、寝るのも久々だってのに変な夢を見たな。オレはもう生きることなんてないってのにな・・・
言い回しが難しいな。後は余生を過ごすだけ。それだけだ・・・
「変なことを考えていませんか?」
「カネザネ・・・そんな顔だったか?」
「まさに苦虫を噛んだような顔でしたよ。オーグと違って深くまで読むことは出来ませんが、よくないことを考えてるのはわかりますよ。リムル殿との話でそんな顔しないようにしてくださいね」
そうだ、今日はリムルとの話があるのか。
「会談まで後どのくらいだ?」
「まだまだ先ですよ。久しぶりの睡眠なのに4時間くらいしか寝てないんじゃないですか」
はぁ、また寝るって気分じゃないんだよな・・・
どうすっかな
「やることがないのなら少し周りを歩きませんか?」
と、カネザネから提案される。実際やることはないから提案に乗る。
発展する魔物の国を周り大森林に入る。カネザネとの会話は日常会話なんかの軽いもので珍しいと思いつつもリラックスすることが出来た。
歩みを進めていると小高い丘に着いた。
「わぁ」
そこからはテンペストの街並みを一望することが出来た。広さで言えば東京の駅の方が大きいだろう。でも、森の中にある石かレンガで作られた建物が建ち並ぶのは圧巻だ。
「私はここを都市として発展させるために電車を普及させる必要があると考えています」
昔のテントの建ち並ぶところを思い浮かべていたところにその言葉を投げられる。
「電車か・・・スターターにも電車が出来てたよな」
「はい。電車の導入で戦うことに慣れていない者の就職出来る幅が広がりました。」
「スターターとテンペストだと電車を導入する目的は一緒?」
「似てはいます。ですが、圧倒的に違うのが帝国に対抗するためということです」
「帝国への対抗手段が電車?」
「帝国では戦車といった近代の、それも異世界の兵器を開発しています。もちろん貨物の輸送も旅客者の安全な移動法が必要だったというのもあります」
政治的に言えば近代化してる帝国に対抗する何かがスターターにも欲しかった。ただ、安易に対抗心からやるのはあれだから旅客者の安全と貨物輸送速達化を目的にしたってことだろうか?
「ここであれば魔物の国という性質から人の国では作れない特産品を多く排出可能でしょう」
「あ〜、今でも回復薬が作れてるもんな。土地柄が絡むうちの回復薬や秘薬と違ってリムルの回復薬の方が汎用的だしな」
「そういうことです」
カネザネと話しているとテンペストはかなり希望に溢れていると感じれた。ドワルゴンへの往復どころか定期を獲得して、現魔王との面識も持った。
こうなるとオレがスターターの王としてどう動くべきか迷うよな。
「さ、どうします?違う道を通りますか?オークが仲間となってから土木工事が活発となったので道もある程度整備されて来てますよ」
「そうだね、違う道も通ってみようかな」
・・・・・・
・・・
太陽が降りようとし始めたくらいだろうか。統べる者としての話し合いが始まった。
「まずスターターとしてテンペストの判断はオレたちと同じ国という判断だ。理由としては友好国であるドワルゴン国王が自ら国であるとしたこと、軍事力の高さの二点にある。ドワルゴンは群れではなく国と認めた、近くで見てきたオレとしても同意だ。そして軍事力の高さだが、国を滅ぼせる力を持つオークロードを倒し、カリュブディスとの長時間における攻防戦を繰り広げたこの二つだ。カリュブディス戦は見てなかったが異種族同士で連携を取りそれを上手く指揮していたと聞いている。」
スターターとしては国の規模に関係なく国を動かす存在とそれに従う存在があれば国として認めている。反乱軍とかは扱いが難しいが、今はいいだろう。
「そしてこれはフェダルーツとして、凄いじゃんか。軍事訓練なんかロクにやれてないはずなのに高い連携力で竜種の残りカスを相手にするし、オークロードに関しては魔王種にもなってた。ドワルゴンといい関係を築けてそうでよかった」
「ありがとな。あれはみんなが頑張ってくれたからだよ」
カリュブディス襲来の時に古龍騎士団はリムル達とは別れて行動していた。リムル達の行動を見ながら邪魔にならない程度に小型の掃討をしていた。実際に戦っていた奴からしたら「リムルもちゃんとこっちを見ていた」そうだ。カネザネみたいに戦時中の人なら戦地を見るのは慣れてるだろうが、リムルは戦後の平和な国でぬくぬく過ごした世代だろう。いくら優秀な戦士が揃ってても戦いの勝敗は作戦で左右される。
「スターターからテンペストに対する対応は私から説明いたします。お会いするのは初めてですね。私はカネザネ、近衛兼真です。日本からの転生者だと聞いています。一世代差でしょうか?私も日本生まれで陸軍中将、戦後は政治家として活動しました」
「近衛兼真・・・すまん、政治はちょっと疎くてな」
「へー、オレたちとリムルは違う世界の日本っぽいな」
「そうなのか?」
「あぁ、だってカネザネがいる世界でカネザネを知らない人がいるわけないもん」
「そんな凄いのか?」
「戦前はあまり触れられないが、戦後は8回だったか?」
「うん」
「8回総理大臣になって在任期間三千何日かある。テレビなんかだと『戦後日本を動かし続けた男』として紹介されてたな」
「過言な気もしますが、私の13年間を上手くまとめた言葉ですね」
13年、それは終戦から日本人の国内外テロで総辞職するまでの年数だ。ちなみにこの13年で在任期間約1700日。約20年後にまた内閣総理大臣となるが連続で1676日在任した。この日数がどんだけやばいかというと戦後処理か20年後どちらか片方でも在任期間ランキング八位になる。
何言ってるかわかんないと思うが、実際の在任期間一位が安倍晋三さんで3188日、兼真は3377日だ。うん、馬鹿だ。
「この世界では何をしてるんだ?」
「スターターの政治を任せてる」
「え?スターターって政治機関あるんだっけ?」
「ないが、対外政策だって十分政治だ。街の整備だとかもお金の流通に関わるから法の制定はしてないが政府の仕事と言えるんじゃないか?」
「そういうのか」
「今行っていることも政治の一環です。テンペストとどう関わるか決めるだけで令は出してなくとも態度は大きく変わるでしょう」
「まぁ、仲良くやろうよの方針だから変なことはないだろうな」
「はい、私としては技術面の提携を行おうと考えています。発展している周りの国と比べ森の中にあるこの国はあまりにも見劣りする」
ここからは本格的な話し合いだ。こちらの考えだけでなく、リムルがどうしたいと考えてるかを知る必要がある。
鉄道について
転スラにも電車は元々リムルがいずれ作るから入れてもいいと判断しました。テンペストに電車を導入しようと考えたのは貿易の中枢国として確立させる為に物の輸送をしやすくする為です。
ただ、一番の理由はスターターに鉄道を導入するためです。今の設定だとそんじょそこらにモンスターがいて「ハンターじゃない人なんかはどうやって移動してるんだ?」と考えたからです。