早速電車を活用。
鉄道導入のお陰で思い付いた前哨戦。今までは一回一回が単なる会話で終わることが多かったから有り難い限り
〜リムル side〜
ドワルゴンに伸びる複線、それは途中で複々線になって二手にわかれている。スピードを落とすように大きく曲がって倉庫がある方に向かう貨物用と今俺たちがいるドワルゴンの駅に向かう旅客用だ。
スターターのお偉いさんを迎える時は列車というわかりやすい乗り物に乗ってくるのを迎え入れるというのが恒例となっているそうだ。
駅周辺は人で埋め尽くされている。ドワルゴンの人だけでじゃなくてスターターの人も来ている。
『カノプス1号を見物にお越しのお客様に申し上げます。えー、現在定刻通り国境を通過致しました。2番線の到着となります。危険ですので兵士の指示に従い、兵士より前に出ることがないようお願い致します』
線路は地面に沿って作られていて、侵入防止のフェンスはあるけど入ろうと思えば簡単に入ることが出来る。人が多いからこそちゃんと注意喚起をしている。
新幹線未満特急以上の性能をしているそうだからもうすぐ来るはずだが・・・
「これは何かあったか」
「やっぱり遅いのか?」
「あぁ。国境を通過した辺りで駅では入線受け入れの準備を行う手筈となっている」
慌ただしくはしているが受け入れ準備とは違う気がする。これは・・・
『見物者の皆様に申し上げます。現在、電線の切断が確認されたため緊急停車致しました。周囲の安全確認が取れましたらドワルゴンからDE-R系牽引車を向かわせます。今しばらくお待ちください』
「リムルよ、俺は現場に向かうがお前はどうする?」
「俺も行くよ。やばそうなのか?」
「事前に安全確認などは済ませておる。定年劣化の時期でもない。神王の外国訪問とのことでスターターは特別ダイヤで運行されておりドワルゴン行きの臨時列車も何本か早朝に来ている。一本前の列車とこの列車の間に何者かの手が加わったと考えるのが妥当だ」
〜フェダルーツ side〜
「綺麗に切れてるな」
「ですね。年季が入ってブチッッて感じではないですね」
特別ダイヤの影響でオレたちより前に何本か列車は通っていたはずだ。その段階だと何もなかっただろうから誰かがやったんだろう。
「フェダルーツ様!」
「どうした?」
「ドワルゴンへ連絡を入れたところ同じ考えのようです。安全確認が取れたら牽引車が来るそうです」
「連絡ありがとう車掌さん」
さて、戦闘員もいるが列車の運転士や車掌、乗務員と非戦闘員も多いから列車の護衛も必要だな。
「乗務員の人たちは列車に残っていてくれ。ランディルとラオ、カイ、ヤシュラ、アスリスタとアレン、アル、ラセツとヴァルも残っとこうか。で、オレと将軍、キリン、ダラ、デュラ、メルとゴブキ、ナルガロン、ヲホドとセツナ、トワで確認しに行こうか」
古龍騎士団の名前はノーナンバリングを参照してもらうとして(メタ)・・・メルはメル・ゼナを与えた騎士団員だな。で、将軍は村上 成明というカムラの官職だ。簡単に説明すると鬼王が政務に集中出来ない期間があって関白に負担と権力が行かないように作られた職業だ。
っと、これがセイメーの公表されてるプロフィールだが、実際は過去の鬼王である後村上法皇だ。話は中々ややこしくて政治的不安に陥らないように身内で固めた結果らしい。
「とは言ってもどうやって見つけるんですか?」
「まぁ見てなってゴブキ。ダラ、デュラどうだ?」
「いますね。群れっぽいです」
「どの辺だ?」
ダラが静かに目を開ける。脱力した状態から指先だけに力が入り下を指差す。
「下か」
「来ますよ」
ドーンっと大きな音を出してモンスターが姿を現す。
鎌みたいな尻尾、ムカデみたいな体とドラゴンみたいな顔をしている。
少なくともオレはこいつに見覚えはなかった。進化の過程で生まれたとも考えられるが、こんな生きてる心地のしないモンスターが生き物というのはなんとも考えずらい。
「一番の大物はこいつです。小さいのがまだいるので気を付けてください」
「ギィァアアアアアアァァッッ!!」
咆哮とほぼ同時に小型が出てくる。大物と違いゴブリンやコボルトが甲殻を纏ったみたいな姿をしている。
セイメーとキリン、メルが大物に戦いに行ってゴブキとナルガロン、セツナ、トワが小型と戦っている。
「二人はあれ何か知ってる?」
「俺は知らないっす。デュラは?」
「俺も知らないよ。てか、あれ本当に生き物?俺の星導の意だとわからなかったぞ」
「俺の星導でもわからなかったよ。ディアブロスみたいにかすかにて地面が揺れてたから気付けたんだ。見ての通り魔力感知も引っかからない。ただ、実体はあるらしいから地面が揺れてた」
星導という言葉が出てるがこれはダラアマデュラの意味不明な隕石召喚のやつだ。周囲の環境操作も備えており、それが魔力感知の役割も果たしている。
「あの三人凄いね」
「ですね。スターターにいるモンスターとは違った感じですしね」
「無脊椎なのかかなりグロテスクな動きしてるよな」
キュリアは見えないがどっかの呪術師みたいな黒みがかった雷を纏いながら大物と打ち合うメル。大物は左前脚に翼膜のようなのがあり刃物としての役割を果たしている。周囲には6つの目が浮いておりそこから謎のビームを放っている。6つの目はそこそこ硬さがあるのか尻尾に繋げて突き刺すようにも使っている。
突き刺す技が来たときはセイメーが代わりに受けてキリンが雷で吹き飛ばす。そこをメルが追撃する。
メルの黒い雷とセイメーの紫色の雷、キリンの青白い雷が織り成す景色は美しくうも恐ろしい空間だ。
「ただ、効いてる感じがしないな」
「やっぱ星導が反応しないことが関係してるんでしょうか?」
あいつの尻尾なら電線を切れるだろうけどそこまでの知識があるのか?
〜??? side〜
『繰り返し申し上げます。現在周囲の安全確認を行なっております。確認が取れましたらドワルゴンから牽引車を向かわせます。運転再開の見込みが立ちましたら放送致します』
「あの一匹狼は捨て駒だったとしても魔女が死んだのは想定外だったからな。慎重に動かせてもらうぜ。死へ向かうのはたくさんいるからな」
これといった特徴のない焦茶の髪と赤みがかった茶色の服を身に纏った中年の男だ。そしてそれはすぐに神王を心配する人々に塗り潰されて認識出来なくなる。
すぐに理解するだろう。死へ向かうのは何物なのか。死を纏うその存在はマトリョーシカであるということを・・・
マトリョーシカは人形の中に人形が入っててその中にも人形が入ってるねみたいなやつです。
ちなみに駅内放送はスピーカーみたいな魔道具を使ってやっています。車内放送も車掌が客車に赴いてしていることでしょう。電車と駅の無線はあるのにこういうところはあまり発展してないという設定。