ドワルゴンの建国時期について、正確な情報はありませんでしたが、ここではリムル転生時から約1200年前くらいと仮定して進めています。
ガゼル王が300年前くらいにハクロウに剣術を習っており、未だ現役であるためドワーフの寿命を500歳~長くても1000行かない程度と考え、在位を長くて300年として3人以上は在位していると考えての年数です。
ちなみに自分が時間軸の指標として使うのがドワルゴン建国の説明でも使った「リムル転生時」と「フェル封印時」の2つと稀に「フェル転生時」です。
簡単に説明するとリムル転生時が現在、フェル封印時が4000年前、フェル転生時がそれより前の数万年前の大昔です。数字の○○年前はリムル転生時基準です。
〜リムルside〜
フェルの来国は多分だが他の国とはまた違ったものだ。列車という唯一無二の設備を使ってやってくる。
俺はファルムスを例に出されて護衛の薄さを忠告された。ただ、世界的に見ても大国らしいスターターは豪華絢爛さとは違う凄さがあった。
人数で言えば50人程度だ。駅に止まるとその少ない騎士たちがスターターの王を一目見ようと集まる数万人規模の観衆の間を割って道を作る。ドワルゴンは歓迎のファンファーレを奏でている。一種の行事としてこういうのが残ってるんだろう。
騎士達が道を切り開く中を俺はフェルについて歩いていく。尊敬の中に異端児を見つけた驚きの視線があり、つい萎縮してしまう。ガゼル王とフェルのメイン集団に混じってるわけだから少しくらいアピールするべきだろうが、成り上がりというかそもそもまだ上がり切ってない身分だからこそ更に気が引けてしまう。
と、これが駅のホームでの話だ。流石に地下何階とかの話じゃなくて地上にあるホームでの話だ。とは言っても隣のホームと更に隣のホーム、線路先の住宅地らしきところからも歓声が聞こえている。コンコースに出ると規制でもしてるのか声が少し小さくなったけど、すぐに改札らしきのが見えて来て歓声がまた大きくなる。
駅を出るとドワルゴン方で用意された馬車に乗る。
「思ってたより凄かったな・・・」
馬車に乗り、声が聞こえなくなってからフェルが言った一言だ。「お前の国だろ」とも思ったが、昔は国民と国王上下関係とはまた違ったものだったそうだ。
「スターター教国家ではありませぬがスターターへの大義があるのも然り」
「こちらとしては西方の弱体化を狙っただけ、結果的に建国が早まっただけですよ」
「しかし貴国の西方諸国への干渉と大和の軍派兵が行われたからこそスムーズに行われたのです」
ガゼル王に教皇なる人物が答える。この時代背景を関係者でもなくちゃんと知ってるわけでもない俺が説明すると、和星帝戦争をやってたけど急にそっちをほっぽり出してドワルゴンの土地の利権を手に入れようとしていた西方諸国を退けてドワルゴン建国の手助けをした。
この戦争はカムラと帝国の国境付近で起きたいわゆる国境問題、正直大問題な気がするがカムラはドワルゴンに兵を派遣し、スターターは西方諸国に大きく干渉する対西外交を行った結果、勝敗や賠償金云々はあやふやな状態で終わったそうだ。
「『天徳の対西放帝外交』などと言われてますね。元号が天徳の時にあった西方諸国に集中して帝国を放ったらかしにした外交、正直この時政権を握っていた私としては馬鹿にされているとしか思えない名称ですね。帝国との始末をつけてから本格的に動いたというのに・・・」
「ドワルゴンへの派遣と同時期に行っていたのでインパクトの問題でしょうね。研究科が調べる史料に帝国との結末を記したのが少ないんでしょう」
と、この国の重要人物でもないのに国家機密と思えるほどの情報が流れ込んでくる。ドワルゴンの建国時期を考えると1300年くらいは前の話のはずだ。あまりにも色んな情報が聞けるもんだから「俺がいて大丈夫な話なのか?」と聞いてしまう。
「別に大丈夫だろ。秘密にしてるわけじゃないよな?」
「はい。秘密にしているわけじゃありませんから」
「重要そうな話に聞こえるけど本当か?」
「わざわざ〝秘密〟にしているわけではありません。〝言わなくていい〟から言わないだけです」
んー、ニュアンス的には自分たちからはわざわざ話さないけど話題になったら話すよってことなのか、それとも捻って昔は言わなかったけど今は言っても弱点晒すわけでもないから話してるって解釈もあるのか?言ってもいいくらいの関係性って解釈も出来るか。
「流石に相手によっては聞かれたとしても返答しませんが、これは万人に聞かれていい話題なので安心してください」
「オレもわかってないんでけどマジの国家機密ってあるのか?」
「今あまり知られたくないのは『神の長きに重なりし次第の流れ』じゃないですか?」
「あー、そんなのが書いてた資料もあったな」
本当にわかんないの出てきたな。国家機密はちゃんと暗号的なので仕分けしてんのか。
「もう着くようですね。さっきの話は縁があればまた話すとしましょう」
重要そうな話を目の前でされたものの詳細はいまいち分からずに終わった。城まで押し寄せて来る人は流石にいなかった。
「失礼します!武装を━━━」
「よい、俺が許す」
「・・・はっ!」
俺の時と同じように兵士の人が武装を預かりに来るが、ガゼル王が許しを出すことで取りなす。
「武装解除しなくていいんですか?」
「変に畏まらずともよい。我々は同盟国の君主として話しているのだから」
「オレ自身はこう言うのに赴くことがなかったからつい・・・慣れれば抜けると思います」
そして俺を含めてドワルゴンとスターターの会談を行うことになった。
スターターでの情報の取り扱い方について
スターターで情報は基本オープンだが、口が軽いといった意味ではない。まず基本としてスターターが帝国と並ぶ大国ということはこの世界の共通認識とも言える。そのため警戒され、探られ、そして知られる可能性が高い。「堂々とする」ということは「恐怖する」ということがないと解釈している。隠していなければ彼女との会話と男友達との下ネタどっちが恥ずかしいかわからない。