とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。   作:SUN'S

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第12話(ノーヴェ・ナカジマ)

そいつと出会ったのはヴィヴィオの相談を受けて三日ほど経った頃の事だ。どことなく彼女に似た雰囲気のやつだと思ったが、ただの勘違いだった。

 

どこぞの拳法をやっていた程度だと考えていたのに、そいつはデバイス無しで空を飛んだ。よく見れば地面を蹴るように空気を踏みつけ、それをヴィヴィオも真似して飛ぶのだ。

 

最初は寝不足の所為だと思い込もうとしたが、明らかに脚力だけで飛んだ。しかし、その程度の事は夜天の騎士も出来ると割り切った。

 

だが、その後が問題なんだ。

 

私の指示通りに癖なくストライクアーツを学んでいたヴィヴィオに八極聖拳とか心山拳とか訳の分からないストライクアーツを教え始める始末だ。

 

確かアインハルトとの再戦に向けてのトレーニングになればと許可は出したには出したが、ヴィヴィオが禿げ頭の老人になるのは可笑しいだろうと叫んだのも最近のように思える。

 

いや、あれはマジで最近だ。

 

どうにもアイツと一緒にいると調子が狂うと言うのか。べつに嫌いって訳じゃない。むしろアイツといるのは楽しい方だと思っているし、ヴィヴィオ達の役にも立っている。

 

もっとも理子のやつは母親と似た雰囲気のせいでアイツとの距離感に戸惑っているぐらいだ。少なくとも二人とも嫌い合ってはいない。

 

私としてはベルカ遺跡の発掘隊員に紛れ込んだドクターのせいでアイツに迷惑を掛けた。いつか謝らないといけないってのに…。

 

アイツの苦労の元凶であるドクターは「私は聖王の鎧の完全なる復活を目指しているだけだっ!あのムカつくエイリアンを出し抜こうなどと考えていないぞぉ!」と好き勝手に暴れている。

 

まあ、ドクターの研究が成功すればヴィヴィオの不調も治ると思っていた。それなのにヴィヴィオは不調を出すどころか左一本で相手を倒した。

 

更にはアイツから特別な流派を受け継いだリオと理子の有り得ないゴーレムクリエイトの技術をきコロナも余裕で勝ち抜き、今日のアインハルトの試合に至っては何をしたのかも分からなかった。

 

アインハルトの攻撃はリングを切り裂き、上空に逃げたはずの相手が地面に叩き付けられた。大型スクリーンに映ったのは蹴りを放つアインハルトだ。

 

なぜかムキムキのおっさんの幻影を纏いながら放たれた蹴りは覇王ジェノサイドカッターという名前だそうだが、理子が「ストラトスさん、覇王を付ければ何でもアリだと思ってる?」と聞いたら真顔で見つめ合いながら固まった。

 

ただのパクリなのか?とアインハルトに聞けば覇王流にアレンジを加えているそうだ。私が言うのもあれなんだけど、そういうパクリは良くない。

 

そんなことをヴィヴィオとアインハルトに話しながら控え室にやって来たアイツに「もっと早く来てくれよ」なんてジョークを言ったら落ち込んだ。

 

やっぱり、アイツの事はよく分からん。

 

 

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