とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。   作:SUN'S

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第14話

ω月β日

 

早朝、ストラトスさんに呼び出された。

 

私は本調子じゃない身体だけど、組み手ぐらいは付き合うわよ?と構える。だが、どうにも組み手のために呼び出した訳じゃないらしい。

 

これも大人の務めかとストラトスさんの話を聞けば名実共に世界最強の十代であるチャンピオンを、ジークリンデ・エレミアを倒したら本気で戦ってほしいとお願いされた。

 

まさかの決闘の申し込みに驚きながらもエレミアさんに勝ったらね?と条件を付け加える。私が言うのは可笑しいかもしれないが…。

 

エレミア一族の歴史は不敗の伝説だ。

 

彼女の家系は敗北を知らず、常に強者との死闘を求めて旅を続けている。そう、それは陸奥圓明流を受け継ぐ修羅と同じようにだ。

 

ハッキリと言えば覇王流では勝てない。もしも菱木さんに教わった技があるなら全てを使い尽くすつもりで戦わなければ貴女は負ける。

 

ω月♭日

 

やっぱり、私の忠告を聞いてくれなかった。

 

彼女の得意とする断空拳は当たるどころか勢いを利用され、エレミアさんの力を上乗せしながら自分自身に跳ね返っている。

 

いくらストラトスさんが頑丈とはいえ強打を受け続けるのは危険だ。もしかしてナカジマさんの声が聞こえていないの?とストラトスさんを見ている。

 

いったい、どうするつもりなんだ。

 

私の不安を駆り立てるようにエレミアさんのアッパーがストラトスさんを叩き上げ、強烈なストレートが腹部にめり込むのが見えた。

 

それなのにストラトスさんは立ち上がり、エレミアさんに特攻を繰り返し、少しずつではあるけれど攻撃を捌けている。

 

このままタイミングを見切ることがストラトスさんにも勝利への活路が見えるはずだ。そう高町さん達に語りながらも動きの鈍くなっていくストラトスさんを応援する。

 

もはや打撃に力は乗せられないのか、ぺちんと触れる程度の威力しかない。もう無理だと視線を逸らした瞬間、爆音の歓声と共にエレミアさんが倒れていた。

 

ω月-日

 

昨日の試合はすごかった。

 

ストラトスさんの渾身の一撃がエレミアさんのあばら骨を砕き、エレミアの神髄を発動したエレミアさんによってリングは半壊し、その爆風に吹き飛ばされてライフが尽きるという最後だ。

 

私はストラトスさんの奮闘を褒めたけど、どうにも私が付け加えた「勝ったら」という条件を達成できなかったことを嘆いているとのことだ。

 

あれだけの激戦を見せてくれたんだ。

 

それぐらい何度でも引き受けても構わないよ?と言ったら「それでは今すぐにでも…!」と病み上がりの身体を引き摺りながら構えるストラトスさんに絶対安静するように怒る。

 

しょんぼりと項垂れるストラトスさんの頭を撫でながら次は勝てるよと伝える。確かにエレミアさんには一歩及ばずだったけど、あそこまで追い詰めるなんてすごかった。

 

とりあえず、菱木さんの試合の応援は病室で一緒に見よう。もしかしたら菱木さんの必殺技が出るかもしれないからね。

 

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