とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。 作:SUN'S
第17話
○月∠日
ようやくミッドチルダに帰ってこれた。
また、みんなに会えるなと喜びながら戦友のジルに渡されたリンネ・ベルリネッタという少女の試合のチケットを見る。
他にも手紙が入っていたけれど。ジルの話を要約すればベルリネッタさんのトレーナーを一緒にやろうというお誘いだ。
これでも私は考古学者なんだが?と疑問に思いながらもジルの話を聞くためにメールを送信し、明日の昼頃にでも会おうと約束する。
それにしてもベルリネッタさんの戦い方は血を濃く感じる程のパワーファイターだな。私達が現役の頃は技巧派もどきばかりで、私とジルだけが完璧なスタイルを確立していた。
そして、私の戦績は37戦34勝3敗だ。
この三敗はジルに付けられた。私達は互いに高め合っていたが、私はジルに負け越している。いつか、きっと戦おうと誓った間柄だ。
月&日
私はジルとの約束の時間よりも早めに家を出た。なんだか恋する乙女のようだな。なんて考えているとジルの方が先に来ていた。
さてはお前も私と会いたかったのか?と冗談っぽく言えば「さあ、それはどうかしら」と微笑みながら歩み寄ってきた。
まあ、あれだ。
ずいぶんと会うのは久し振りだけど、お前と再会できたのは嬉しい。今度はお酒を飲みながら話したりしないか?等と言葉を交わし、ベルリネッタさんのトレーナーの件について問い掛ける。
いつもなら徹底的な科学技術を取り込んだトレーニングで鍛えているはずだ。それなのに私を頼るってことはベルリネッタさんになにかあったのか?
そうジルに問えば「あの子の強さを求める欲は底がない。私が貴女を倒すために身に付けた鉄拳さえ彼女は手に入れた。それなのにリンネは止まるどころか更に強さを求めて…!」と教えてくれた。
確かに強さを求めるのは良いかもしれない。だけど、その大事な過程を蔑ろにしているのは見過ごせないし、若者の過ちを正すのは大人の役目だ。
私はジルの経営するジムに加入する。
そこでベルリネッタさんの心身を徹底的に鍛え上げ、立派な格闘技者に育て上げる。私とジルなら絶対にベルリネッタさんを変えられる。
○月∬日
早朝、私はベルリネッタさんに今後のスパーリング・パートナーは務めるお姉さんだよと自己紹介したのに警戒された。
なぜかジルも呆れたように溜め息を吐きながら歴史の教科書に載っている『古代ベルカの逸話について』を書いた人だと説明された瞬間、今度は別の生き物を見つけてしまったような目を向けられた。
そして、ジルは大笑いしている。
貴女だって『科学と野性の融合こそ格闘技』とかいう変な書籍を販売したの知ってるのよ?と言ったらピクリとも動かなくなった。
とりあえず、私はジルと比べればハードなトレーニングは少ないかもしれないけど。明日からのスパーリングは死ぬ気で頑張ろうね。
そんなジョークを言いながら複数のストライクアーツを教えることや狭いリングで使える有効的な威圧のやり方を教える。