とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。 作:SUN'S
∥月㌔日
早朝、私はベルリネッタさんの家にあるトレーニングルームにて今後の練習の内容を話す。どことなく困ったような顔で私の休憩時間はないんですか?と聞かれ、ジルと顔を見合わせる。
いやだって内弟子は人間じゃないもん。
そう言ったら逃げようとしたのでトラックに使われるタイヤを括り付けたロープを腰に巻き、手始めに都市を五周しようかと笑いかける。
今から貴女の中途半端な筋肉で構築された身体を私の敬愛する岬越寺秋雨の考えた瞬発力と持久力を兼ね備えたピンク筋に作り替える。
まあ、死にかけても安心なさい。私とジルによる整体法で死んですぐなら引き戻せる。とりあえず、は今の五倍ぐらい心肺機能を高め、その次は余計な悪癖を修正する修行を始めるわよ。
そんなに怯えなくても大丈夫なのよ?とベルリネッタさんを落ち着かせ、私とジルだって独自の鍛練法でDSAAの頂点に君臨していた。
その経験と知識の全てをねじ込んであげる。
∥月㍉日
さあ、この錘を着けるんだ。
それはただの金で出来た錘だから危険じゃないし、とくに問題ないよ。それを着けたら杭の上で腕立て伏せ五百回を三回しようか。
それが終わったら腕の筋力を上げるために手押し車で庭を三十周して、足腰の安定を保つ馬歩の姿勢を維持しながら本来の筋肉のしなやかさを取り戻す。
私の修行は安心と安全を立証している。たとえ天国に逃げようと連れ戻し、その日の修行を終えるまで一緒に待ってあげよう。
ジルの後ろに隠れてプルプルと震えるベルリネッタさんを持ち上げ、身投げ地蔵と投げ技の練習を繰り返して教える。
今のベルリネッタさんに必要なのは強引なやり方じゃなく相手の力を利用し、最低限の力で戦えるようになることだ。
そのためにも投げ技や返し技を覚え、如何なる状況でも戦えるようにかいぞ…鍛え直すつもりだ。
いや、私は改造なんて言ってない。
それはベルリネッタさんの勘違いだ。
私は貴女を改造なんてしない。だから安心して身投げ地蔵を投げられるように頑張りなさい。ふふっ、疲れてるなら休憩しても良いのよ?
∥月≡日
私とジルの施した鍛練法のおかげでベルリネッタさんの余分に付いていた筋肉は少なくなり、より強力な一撃を打てるようになってきた。
先ずは投げ技に持っていくための当て身を教えようとジルを放り投げる。だが、ジルは華麗に反転して投げ返そうとしてきたので更に応戦し、当て身と投げ技の応酬を繰り広げる。
まともな決着は諦めるとしてだ。
私とジルの投げ合いに驚いたまま動かないベルリネッタさんの身体を掴みつつ、自然な体重移動と効率良く相手を投げ飛ばす体勢を覚えさせる。
そう言えば、こういうことは高町さん達に一つも教えていなかったなと思いながらもベルリネッタさんの頭を撫でる。
まあ、とりあえず、さっきの感覚を目指していけば完璧な投げ技を使えるようになるし、相手との間合いの測り方も学ぶことができる。
もっとも今のベルリネッタさんじゃ制空圈を築けるようにあるのは一年後か、あるいはそれ以上の時間を有するかもしれないけど。
そのまま成長すれば地上最強も夢じゃない。